2018/11/06 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にぼたんさんが現れました。
■ぼたん > (いい天気だねえ…)
森へ木の実拾いへ行く路上。空気はやや冷たいが眩しい位の陽光で、体感温度は少し暑いくらい。
(…マント、ちょいと脱いでいこ…)
何となく路の端に寄って脱ぎにかかったところ、馬が佇んでいるのに気づく。馬具があるので野良ではないだろうが、人が見あたらない…
「………」
今まで、馬を間近で見たことがない。好奇心も手伝って、そおっと近付いていく。
■エレイ > 風景の一部となって佇んていた馬は、ふと近づく人影に気づくとそのつぶらな瞳を向ける。
人慣れしているのか特に警戒した様子も見られず、見知らぬ女性の接近を許し、触れることも可能だろう。
──が、その前に。
「──ぶえっくしッ!」
盛大なくしゃみがその場に響いた。
然る後、近くの草むらから、うぅい……と小さく唸りつつ身を起こす金髪頭が見えてくる。
男は女性にすぐに気づくことなく、カシカシと頭を掻いた後くわわ……と大欠伸をぶっかまして。
■ぼたん > つぶらな瞳を向けられると自然と笑みがこぼれる。こんにちは…と呟くように言いながら手を伸ばしたところ
「!?わッ!?」
唐突に近くで聞こえた大音量にびっくりして飛び上がる。ぴょこんと黒い毛皮の耳が現れてしまったのを慌てて抑えながら、きょろきょろと辺りを見回して
(あァ…ひと、居たんだね…)
まだ心臓がばくばく言っている。
恐らく彼の馬だろう。馬泥棒だと思われては困る…
「えと…こんにちは?」
耳を抑えたまま、取り敢えず挨拶を
■エレイ > 「──んぁ……?」
ずび、と鼻を啜っていると、ふと掛けられる声に振り向き、まだ少々寝ぼけた眼を向けた。
すれば、何やら頭を抑えている女性の姿が見えて軽く瞬きし。
それからへら、と緩い笑みを浮かべて。
「……おうコンニチハだぜ。ひょっとして、今のクシャミでちょっと僅かに驚かせてしまったかな? だとしたらすまにいな」
ハッハッハ、と軽く笑いながら独特の口調で喋りつつ、ゆらりと立ち上がると、服についた草をぺしぺしと払い落としてゆき。
「それで……キミはココで何を? 俺は天気が良かったのでせっかくだからと昼寝をし手だったのだが……」
■ぼたん > どうやら疑われてはいないらしい。ほっとして手を降ろせば、そこにはふつうの「ヒト」としての耳が現れる。
男の笑みに返すように気だるげに笑って
「…森に木の実拾いに行こうとしてたンだけど、このコがひとりで居るようにみえたから、ちょいと、気になって…」
このコ、で馬を指さしてから、少し首を傾げる。
「にィさんは…ここら辺のひとかい?」
■エレイ > 「そうか確かにそいつは俺様のツレなのだが……ほむ、どうやら俺の姿が草に埋もれていて見えなかった系の話のようだな」
彼女の意見を耳にしながら、自分の寝ていた場所を見下ろすとふむ、と唸ってから納得したようにウンウンと一人頷き。
続く問いにはまた少し思案して。
「最近はここいらを拠点としているという意味ではココらへんの人と言えなくもないが、
地元の人間かという意味ならどちかというと不正解。
俺は謙虚な旅人で冒険者のエレイというんだが呼ぶときは気軽にさん付けで良い」
そうしてすらすらと答えてから、その流れで何故かドヤ顔しつつ自己紹介を繰り出してゆく。
「そっちは……まああ見るからにここいらの人ではなさそうだったな。東の方からの来訪者も、最近は結構よく見る系の話があるのだが……」
それから、へらりと笑いつつ彼女の姿を改めて、無遠慮にジロジロと眺めながらそう呟いた。
■ぼたん > 聞きなれない言葉遣いに目を白黒。
「エレイ…さん、だね?」ふたたび、気だるげな笑みをこぼす。
「アタシは『ぼたん』てえの…よろしく」
冒険者なンだね、と呟いてから、出自を問われると数度瞬きをして、再び頷く。
「生まれは東なンだけど、割と最近、こっちのほうに越してきたンだよ…未だ全然、慣れないケド…」
無遠慮な視線を不思議そうに見返す。何かおかしげな恰好をしているだろうか…
「…なあに、アタシ、何か変かい?」
■エレイ > 「ぼたんチャンだな、こちらこそよろしくだぜ」
名乗りを返してもらうと笑顔でビシ、とサムズアップ。
最近やってきた、と聞けばほう、と声を漏らし。
「そうか……まあちくとロクでもない国ではあるが住めば都という名セリフもあるからな。
──ン? いや別にヘンではないが俺は初めて会う人はジロジロ見てしまう系のクセがだな……ふるかいにさせてしまったならすまぬぇ」
不思議そうな目を向けられるとはたと気づいて、それからちょっと申し訳なさそうに眉下げて笑いながら片手をひらひらと振ってみせ。
「……でもま、ちくと気になることはあるのは確かだが。ちょいとお手を拝借してもエエかね?」
そして、ゆるりと近くまで歩み寄ると、そう言いながら彼女の片手をそっと取ろうとする。
■ぼたん > 陽気な仕草にくすりと笑う。ホントに変な言葉遣いだが…悪い人間ではなさそうだ。不愉快か、と問われれば大丈夫…と微笑って返す。
手を取ろうと近づいてきた相手に少し首を傾げて、素直に右手を差し出す。
「いいよ…手相でも観ンの?」
■エレイ > 「まああそんなようなところかな。実は俺はちょっと特殊なパワーを持ち手でな」
不愉快を与えていないと答えてもらって安堵しつつ、手相を見るのかと言われてケタケタ笑って答えながら差し出された彼女の右手をそっと左手で取り。
しかしじっと見るのは手ではなく、彼女自身の姿。
「……ほむなるほど、狸系の妖怪のハーフか。この国だと、獣の耳とか出してるとミレーと間違われていろいろ面倒でしょう?」
それからまた緩い笑みに戻ると、あっさりと彼女の正体を言い当てた。
■ぼたん > すっかり気を許していた所で唐突な言葉。正体をそのものずばり、言い当てられて目を丸くする。
「…なンで、解ンの…」
俄かに警戒心が高まって、その瞳の奥が黄緑色にちらつき始める。
敵意はなさそうだが…預けていた手をゆっくり引きながら、片足も距離を取ろうと一歩、後ろへ。
「…にィさん、何者?」
■エレイ > 彼女の手がするりと抜けてゆくのを止めるでもなく、警戒心を見せ始めた彼女に悠然と笑みを向けて。
「ワハハハ……だから言ったでしょう? ちょっと特殊なパワーを持ってるって。
俺は触れたヤツのオーラが見えるのだよ。なので見たことあるオーラならすぐにわかる。
東の国にはこっちに来る前に寄ったこともあるからな、妖怪系の奴らともその時に関わってたし」
連々とそう説明すると、両手を掲げてひらひらと振って見せ。
「まああ……だからと言って俺はキミをどうこうするつもりはにい。別に俺は人外ハンターでもなんでもないしな。
つっても、それを信じるかどうかはぼたんチャン次第だけども……」
そう言って、眉を下げて笑った。
男の言を信じるも、警戒して逃げるも、彼女次第である。
■ぼたん > 「…そう…」
もう片方の足も引いて、丁度一歩ぶん、彼から距離を取る。
確かに、知られた所でどうということもない事だ。この国には獣人も魔術もありふれているようだし…
それでも、今のいままで隠してきた事を見透かされれば動揺は隠せないというのが正直なところで
「…べつに、疑わないケド…ちょいと、びっくりした…」
預けていた右手を、左手で庇うように胸元で握る。
「…向こうの国、旅した事あるンだ?」、
■エレイ > 「……まああ俺も悪かったべ。隠してるのをきょうきょ暴かれては警戒の心が出てしまうのも仕方ないが
思ったことをだいたい口に出してしまうのは俺の性分でな」
びっくりした、と言われれば掲げた手の片方を後頭部にやり、カシカシと頭を掻きつつそんな言い訳を。
問いかけには笑みを深めてウム、と頷き。
「あるぞ。今思い出しても実に良いところだったという顔になる。まああさっきも言ったように妖怪とか
あと鬼とかとも関わり合いになったし何かと退屈しなかったな」
顎に手を当てて旅の記憶を思い出しながら、楽しげに語る。
そうしていると、傍らで顛末を見守っていた馬がぶるる、と鼻をならして彼女の方に歩み寄り、顔に鼻を近づけてきた。
■ぼたん > 故郷での思い出を話されると、少し嬉しそうに笑みをこぼす。自分とて好きで出たところではない、褒められて悪い気などしない。
「…料理は?口に合った?」
少し警戒を解いて質問を口にしたところで、馬が近寄ってきたのをきょとんと見返す。鼻を近づけられると更に笑みこぼして「どォしたの…」とその毛並みを撫でようと手を伸ばす。
■エレイ > 「──料理か? おう俺は特に好き嫌いはないがあっちの料理は超口に合ったぞ。
なぜかは知らんが、不思議と馴染む感じがしたとゆーか……」
ふと料理の話を振られれば、満面の笑みでまたサムズアップしながら頷いてみせる。
そしてその際に感じた不思議な感覚のことも。
男はどう見ても西洋系で、東方に縁がありそうにはとても見えないが。
「……お? そういやぼたんチャンはそいつに興味があったんだっけな?
そいつは貸し馬なんだが大人しくて人なつこいからな、お前全力で戯れていいぞ」
彼女の手でおとなしく撫でられる馬は、心なしか心地良さそうにしている。
そんな光景を見れば、へらりと笑ってそんなことを言い出して。
■ぼたん > 口に合った、と聞いてホントかい?と嬉しそうに笑みこぼす。…ようやく少し、緊張が解けた様子で。
「…アタシお店やってンだけど、ソレ、たまァに言われるよ…『なつかしい味』って…」
どういうことだろね?と首を傾げる。
馬が心地よさそうな様子に微笑うと、完全に緊張が解ける。両手で馬の顔を撫でてやりながら
「ありがと…向こうにも馬、居たンだけど、あンま近くで見たことなくッて…」
少なくとも自分の故郷では、大変高価な生き物だった。
■エレイ > 「ほうぼたんチャンは店を出せるほどの料理スキルを持ち手であるか。
ふむ……あっち系の味付けにはなんか昔を想起させる成分でもあんのかねぇ?
まああそれはともかく、店があるというのなら機会があれば立ち寄らせてもらうだろうな。
どこでやってんの? 王都ン中?」
男も同じように首を傾げつつ。
彼女の経営しているという店には興味津々の様子で。
「あ、そうなん? 俺はてっきり馴染みなのかと……まああでも確かに、皆が皆馬に乗れるっちゅーわけでもなさそうだったしなぁそういや」
彼女の返答に意外そうに。しかし記憶をたどれば彼女の言い分ももっともで、ふむぅ、と唸り。
「……そういうことなら、折角だから乗ってみるかね?」
ふと人差し指を立て、にへ、と笑いながらそんな提案を。
■ぼたん > 気だるげにうんと頷いて「そう…平民地区の、西の端っこの方…『たぬきばやし』ってえの」
待ってるよ、と更に笑みこぼす。
「お武家とかなら別だけど…ふつうの家なら、乗れるようなコは珍しいとおもうよ…」
乗るか、との提案には数回瞬いて、遠慮がちにいいの?と問い返す。
■エレイ > 「『たぬきばやし』か、らしい名前だと感心するがどこもおかしくはないな。
よろしい、じゃあそのうち食いに行くべ。──あ、ちなみに先に言っておくが酒はダメなんで」
店の名前を聞けばウム、と頷き、サムズアップとともに近々の来店を予告する。
最後の方の付け足しは、ちょっと眉を下げた笑みで。
「確かにな。──いいですとも! ついでに木の実拾いも手伝ってやろう。
俺がぼたんチャンの足を止めちゃったワケだしな、あと色々な意味でビックリさせた詫びも兼ねてってことで」
遠慮がちな彼女に笑顔で頷くと、馬を引き寄せ彼女の目の前に横向きに立たせ。
まずはココに足を引っ掛けて……と指導しながら彼女を鞍に乗せてゆこうと。
■ぼたん > そォなの?と心底意外そうに目を丸くして「『うわばみ』並みに行ける口に見えるね…」
眉を下げた笑みにくすくすと笑って返す。
「ホント?助かるよ…森でひとりだと、少し寂しいしね…」心底嬉しそうに微笑む。
馬が横付けされると期待と不安の混じった顔、指導には真剣に聞き入って
「えと…こう?」
なんとか、鞍の上へよじ登るがまったくのへっぴり腰…
■エレイ > 「俺がどうやって大ヘビだって証拠だよ? まああ飲んで飲めないことはぬぇーのだが……体質的にあまり飲む意味もなくてな」
眉下げた笑みのままポリポリと頬を掻いて。
「ソロで森は確かにたまに孤独感とかが襲ってきてちょっと僅かに憂鬱になるだろうな。
俺は実は木の実拾いスキルもかなり高いので結構手伝えると思うぞ」
嬉しそうな笑みを見れば気を良くしつつ。
へっぴり腰ながらも鞍にまたがった彼女を楽しげに見上げ。
「ウムそんな感じでOKだべ。慣れないうちはビビって腰が引けてしまうのは仕方のないことだが
そのうち慣れるし。んじゃ、出発しんこーう」
そう言って、男は傍らに立って手綱を軽く引いて馬を歩かせ始める。
馬は乗っている彼女を気遣うかのように、緩やかに歩を進め、そのたびに彼女に上下に揺れる騎乗時独特の感覚を味わわせて。
■ぼたん > 「あはは、なンかきっと、顔色変わらなそうだなァって思っちまって…」頬を掻く様子に笑いながらごめん、ごめんと言う。
「木の実拾いスキル…」聞きなれない用語にまたくすくすと笑う。
腰が引けたまま馬が歩き出す。わわ…と馬の首にしがみつくが、緩やかな調子に段々と身体が慣れてくれば恐る恐る、背を伸ばしてみる。
森に着くころには、大分慣れているかもしれない…
■エレイ > 「まあ確かに顔色は変わらないんだけどな。酔わない、とゆーか酔えないので」
そう言って、笑いながら大袈裟に肩をすくめてみせ。
「──そうそうその調子だべ。あとは、手綱を持ってだな……」
森に向かって歩いてゆくうち、次第に慣れてきた彼女に手綱を預けてみたりしつつ。
馬は暴れたりして彼女を不安にさせるようなこともなく、極々安全に運んでいったことだろう。
そうして二人と一匹は、森の方へ姿を消してゆく。
その後は木の実を存分に拾い集め、帰りは王都までまた彼女を馬に乗せて送っていったりしたのかもしれない──。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からぼたんさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からエレイさんが去りました。