2018/08/24 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にガラッゾさんが現れました。
■ガラッゾ > 久方ぶりの王都へ遠征である。
集落に引き篭もり、集めた素材をフルに使い幾本もの作品を創り上げたのだが、二桁創り上げた時点でだんだんと飽き……いやまるで量産品を創り上げてる錯覚に陥り、気晴らしに王都に遊びにきたのである、が今はその道の途中で集落から王都に向う為の街道に居る。
量産品、無論それは否定するものではない。
頼まれれば報酬次第では喜んで数をそろえよう。
だが違う、今作りたかったのは作品であり、量産品ではない。
狼の遠吠え、夜鳥の囀り、虫の声。
完全にとはいかないが轍が走り、人が踏み歩いた分歩きやすい街道の道を王都に向いながら、醜悪な顔なりに眉間に皺を寄せて渋い表情を浮かべ、歩き続ける。
今宵遊ぶ金欲しさに売り払う心算で持ち運んでいるのはそれなりに作りこんだナイフが数本、魔獣の皮をなめして作った鈴付きのチョーカーが数本、後は細かいのが幾つか……。
それらを運ぶ醜悪な妖精から落ちた亜人は明かりもつけず一人歩いている、足音も無く熱した鉄に似た不思議な香りをまきつつ、女と酒が待つ王都に向けてただ只管に。
「シカシ、馬車デモ通りカカラネェカナぁ。」
ゴボゴボと汚水が沸くような濁り耳障りな声とは合わぬボヤキを零し、夜目が聞く眼を細め時折周囲を眺めては人気がないのを理解したうえで乗合馬車か、何かうまい具合に面白い事は無いかと見渡し、歩く。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にレナーテさんが現れました。
■レナーテ > 王都から集落の方へと走っていく馬車のラインの一つ。
踏み鳴らされた街道の先に、少しだけ血の匂いが広がっていく。
馬車を狙った賊達の襲撃を受け、交戦の名残が未だに消えずにいる。
その香りは、九頭竜山脈方面へ急ぐ同型の馬車が彼の傍を通り過ぎると、一緒に運ばれてくるだろう。
道の先、目を凝らせば見えるぐらいの先には通り過ぎた馬車と同じ馬車が、道外に止まっている。
片側の車輪が巨大な丸太が突き刺さった状態で大破しており、軸も斜めにバッキリとへし折られていた。
巨大な車体を引っ張る馬たちも、今は馬具から開放されており、傍の木々に手綱を結いてある程度自由にされている。
そんな立ち往生する馬車の傍で、焚き火が灯されていく。
「損害は馬車の車輪と車軸だけ、運がいいと見るべきでしょうか……」
乾いた枝を積み上げた山にマッチの火を落とすと、丸メガネの童顔が照らし出され、傍らに小銃のようなものを横たえて、草地に腰を下ろす。
小さく溜息を零しながら、集めてきた枯れ枝を小さくへし折っては放り込み、火を大きくしながら野営の準備に取り掛かっている。
■ガラッゾ > 灯火一つ無く暗闇の中を歩いていたが、足早に過ぎる馬車の音、同時に鼻腔を擽る嗅ぎなれた匂いにしかめっ面を露骨にめんどくさそうな顔にくしゃと歪めると、巻き込まれては堪らんと腰に下げた革の鞄から大きな布を一枚取り出して、身体にまとい魔力を取り出した布に流し込んでその能力を発揮させようと考えたところで……溜息を吐き出した。
溜息の理由はあれだ金になりそうな香りと面倒に巻き込まれそうな予感を天秤にかけて、金になりそうな方に皿が傾いた為の溜息であるのだが、さて……。
「……ナンダナンダ?山賊か野盗カ、ソレトモ居眠リ運転カ?」
声をかける。
なるべく穏便に出来る限り人の声を真似た声色で。
だが濁り澱んだ耳障りに聞えかねない地声を変えられるわけも無く、まあそれも醜悪な顔を苦味を交えた笑みの顔にしてしまうのだが…どうだろうか、野営の仕度を始めた人影に好印象を与えられるか、それとも敵とみなされるか、だがどちらでも構わない。
敵対するのであればそれで良し、奪えばいい。
友好的に接してくるのであれば、それはそれで高い金を吹っかけてキッチリ金を搾り取らせてもらおう。
その思惑が露骨に出た品の無い笑みと吐き出した濁った声。
野営の仕度を始めた主の背後からの声かけである。