2018/05/25 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にジードさんが現れました。
■ジード > まれびとの道と呼ばれる街道に差し掛かって少しの場所。
如何にも怪しげな風体の旅人が大きなカバンを片手に街道を歩いていた。
時折カラン、と硬質な物が触れあうような音が手にしたカバンから誰もいない街道に響いていく。
「参った。思った以上に時間がかかる。
いい素材は手に入ったけど俺の体力と足じゃ割に合わないかもな」
ゾスの村から山賊街道へ、山中へ分け入っての薬の材料探しの帰り道。
出たのはかなり早い時間で実際に探していた時間も大したものではない。
だが旅慣れてるとは言い難い身の上には思った以上にキツい行程だった模様。
音を響かせることを気にした様子もなくまだ見えぬ王都の方を見る。
■ジード > 「馬や馬車でもあるなら違うか。いや、しかしそんな頻繁に使う訳でもないのにな」
買う財力がないわけではないがロクに走らせない馬を抱えるのも問題だ。
あまり走ることのない馬は病気になるなどという話も聞いたこともある。
元々薬のこと以外に頓着が薄い方なので面倒見切れる気もしない。
遠くに続く街道の先に目線をやって落胆したように肩を落としながらも
気を取り直す様にカバンを握り直して気合を入れて歩き始める。とはいえあまり長くは続かないが。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にエレミヤさんが現れました。
■エレミヤ > 街道を勢いよく走り抜ける馬が一頭。その上にしがみ付く様に――否、しがみ付いている少女が一人。
「とっ、とまって!止まってーーー!」
つい数分前までは大人しく歩いていてくれていたのに、いざ休憩をと街道の脇に止まろうとした瞬間、駆ってきた馬がここにきて謎の暴走。
降りようとしていた矢先の事件に、中途半端な体勢を強いられれば泣きも入ると言うもので。
荒々しい蹄の音が相手の後方より、響き始める始める頃合いだろうか。
■ジード > 「――心を無にする薬とか作ろうかな」
あえてドーピングする薬をと言わないだけまだ理性が働いている。
しかしもっと悪用された場合の被害が大きそうな物を口に出した所で、
後ろから聞こえてくる音に思わず慌てて振り向いた。
蹄の音だけなら脇道にそれるだけで、すれ違いに挨拶の一つでもしようかと思うが
ついてきた声があまりに物騒。そして振り返って見えた光景は案の定物騒な物で。
「いちおうー、聞いとくけどー。助けが必要かーい?」
こりゃ駄目だと思いながら荷物を漁り薬瓶を取り出しながら声を張り上げる。
聞くまでもないといえばそうかもしれないが助けようとして怒られても困る。妙な所で冷静さを保っていた。
■エレミヤ > 何でこんな事になってしまったのか。愛馬が病に伏せているからと言って他の馬を借りたからなのだろうか。
あんな事、こんな事あったなあ、だなんてもしかしてこれが走馬灯?
そんな風に思考が散らかって。振り落とされないように必死に馬にしがみ付いているものだから、周囲への意識もろくに出来ていない――そんな折、聞こえた声。
「たすけてくださいいいいいーーー!!」
涙声である。顔も上げられない儘、助けを求めた。
振動で手足がしびしびしてきているので割と必死に。
そうこうしている内に相手との距離が段々と縮まっていく。
■ジード > 「あーいーよ、っと!それじゃあちょっと鼻塞いでなよ」
助けてよいという許可をもらったのをよい事に
手にした薬瓶を開けて突っ込んでくる馬の方へと放り投げる。
そうすると当然中身が空中に散らばって、緑色の液体が空中で揮発する。
と、直後に訪れるのは鼻に来る匂いである。
それに驚いた馬が足を止め、見る間に落ち着いていくのを尻目に自分はちゃっかりと鼻をふさぎ。
「おーい、大丈夫かい?」
若干鼻声の状態で近寄って声をかける。普段から愛用している獣除けの薬だ。
どちらかというと、鎮静剤という方が正しいがこの匂いだけはどうにもならない。
30秒ほど持続するそれに我事ながらげんなりした表情を浮かべ。
■エレミヤ > 「はなっ!?」
はなって鼻だろうか。なんて、混乱した頭で判断して、手綱を握り締める手の甲にぎゅう、と押し付けて。
ドカカッ、と荒れ狂っていた蹄の音は、ややあって落ち着いた物に変わり、酷い振動も風圧も失せて、やがて馬の脚が止まった事を察した。
ほう、と安心したのも束の間、どうやら命の恩人らしき人に声を掛けられて顔を上げ、
「――――!??!?」
鼻にくる匂いを直で嗅いだ。直撃である。
目尻で何とか留まっていた雫がぽろりと零れ落ち、ついでに驚いた体がずるりと馬上から滑る。
「あっ、わっ、わっ、…!」
■ジード > 「そりゃあ、臭い…というよりも刺激臭だからな」
正確には臭いという言葉はちょっと不適切だ。
ツンと鼻に来る匂い、という事自体には嘘はないのだけど。
案の定直撃した様子の少女を憐れむような視線を向けたのもつかの間、
体が滑り落ちそうになった様子を見れば両手を伸ばして抱え上げようとしてしまう。
抱えやすいからというだけの理由でしかもお姫様抱っこの格好だ。
■エレミヤ > 匂いを形用として、形用できない匂いだ。まごう事なき刺激臭。
匂いに驚けば良いのか落ちそうな体に驚けば良いのか、判断に迷う内に呆気なく馬上から滑り落ちたものの、落ちた先は相手の腕の中。
痛みもなく――所謂お姫様抱っこの態に収まれば、落ち着き始めた事もあってじわじわと顔に熱が集まる。
「あ、ありがとうございます…。」
何から何まで。言外にそう伝えつつ、頭を上下に揺らして礼の言葉を告げ。
■ジード > 「どういたしまして、だよ。
気にする事はない、んだけど…どうしたのこの子」
笑って言うまま、ポンポンと相手の頭を軽く叩いて顔を覗き込み意地悪くいい返す。
そうして隣で嘶く馬の方に視線を向けて問いかけつつ、
軽く目を細めて少し困ったように問う。
王都に行くなら乗せてもらえないかという下心がないわけではないのだが、
さっきの調子で暴走されては困るのは確かだ。
「女の子が一人でこんな時間ってのもあんまり宜しくないとは思うけどね」
■エレミヤ > 「えっと、あの、それが…一度休憩を挟もうとした所で急に暴れだして…。私にも一体何が何だか。」
とてもあやされている感が強い。うう、と小さく呻いたものの、問いかけにはほんの十数分前の出来事を思い出しながら言葉を返した。
休憩を入れようとしたそれまでは、しっかりと人の言う事を良く聞く良い子だったのだ。
それが突然、火が点いたように走り出した。
「何を仰います!私、これでも一応冒険者してるんですよ。」
馬の暴走について悩んでいたが、次いだ台詞には、胸を張ってのたまいだす。
つい先程まで暴れ馬に振り回され、あまつさえ馬が落ち着いた後に落馬しかけたくせに自信満々の顔で、である。
■ジード > 「もっと走りたかったのかもしれんね、この子は」
笑って言いながらもとりあえず大人しくしてる馬を見る。
暴走しようという気配はない様子を確かめれば、抱えたままの少女に視線を向け。
「冒険者、冒険者ねえ…そりゃあ若いのに大したもんだ。
けど、だったらなおの事知らない男に抱えられたままってのは危ないと思わないかい?」
意地悪く笑ってからかうように宣えば、お尻を軽くもんで見せて喉を鳴らす。
完全にセクハラ親父の所作である。
■エレミヤ > 「なるほど…ううん、察してあげられなくてごめんね。」
愛馬は小さい頃から育っているから何となく、意思の疎通も出来ている気がする。
けれど、矢張り借りた子の気持ちまでは直ぐには分からない。今はすっかり大人しくしている馬に声を掛けて。
相手の言葉には、そうでしょう、そうでしょうと言わんばかりの表情でいたものの、お尻を揉まれればそんな表情も一瞬で吹き飛ぶ。
「ひわっ!?」
びくりと身を跳ねさせるも、先程馬から落ちかけた記憶が蘇り、ぴたりと動きが止まって。
仄かに顔を赤く染めつ、相手をジト目で見て。
「……お、降ろしてください。」
■ジード > 「ま、どのみちもう少し走ってもらわなきゃいけないだろうし
思い切り走らせてあげたほうがいいかもね。王都に行くんだろ?」
この街道の通じてる先といえば他に思いつかない。
問いかけながらも、赤い顔でこちらを睨んでくる様子にクックと喉を鳴らし。
「そんな顔ができるくらいに元気なら大丈夫そうだ。
…そうだな、それじゃあ一つ頼みを聞いてくれたら下ろしてやろう。
この子に乗せて俺を王都まで連れてってくれないかい?」
お礼はする、と言いながらに顔を覗き込んで二っと笑い。
「ついでにその後、俺の部屋で休んでくってのはどうだろう」
そのまま流れるように今夜のお誘いとばかりに口説きに掛かる。
相手の敏感な様子が見て取れたからだろうか、お尻からは離れた物の、
指が焦らす様に相手の背中をゆっくりとなぞって性的な快楽を煽り。
■エレミヤ > 問いにはジト目を返しながらもこくりと頷いて見せる。何も間違った事は言われていないのだもの。
然し、次いだ言にははつりと瞳を瞬かせた。
「それは構いませんけど――」
セクハラはされたけれど、命の恩人に相違はないのだ。
寧ろお礼をするべきは自分の方だろう。そんな風に考えて、二つ返事で告げやる。
が、間を開けずに紡がれた言葉に、きょとりと瞳が開く。
とんぼ返りは流石に辛いと思っていたから休めるのなら――そこまで考えて、背筋をなぞる不埒な指と、うあ、と自分の口から零れた声で、そう言う意味ではないと気付く。
途端に滲む程度だった朱色が首筋まで肌を染め上げ。
「やっ、やすま、ないです…っ、」
快感を拾い易い体はたったそれだけで熱を上げたものの、簡単に頷けるはずもない。
膝小僧を無意識の内にすり寄らせながらふるふると首を横に振って。