2017/10/24 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にルーナさんが現れました。
■ルーナ > 身の丈以上あるロングロッドを握りしめながら一人歩く女性。
確かこの街道を進めば農村があると聞いた。
「村....は....見えない...です.....ね」
ぼんやりとしながら空を仰ぐ。
今日は穏やかな良い天気だ。
街道の傍らにある一本の大木が目に入る、あそこで少し休憩しよう。
そう思いゆっくりと大木に向かい幹に腰を下ろす。
「風...きもち....いい....です」
■ルーナ > 街道は時々村へ行く人、王都へ行く人が通り過ぎる。
その道行く人たちをぼんやり眺めながら。
「皆...つらそう...ですね...」
道行く人々の重く暗い表情を見ながら、ふわぁっと欠伸を1つ。
「すこし...だけ...」
午後の穏やかな風に吹かれながら、うとうとと昼寝を始める。
それだけ疲労もあれば、今日は穏やかな日だともいえる。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にフォークさんが現れました。
■フォーク > 身体の熱を冷ますために、馬に跨り街道を駆けていた。
いつも休憩をする時は、街道にある大きな一本の木に馬を結ぶのだが、思わぬ先客がいた。
女が木にもたれ、可愛らしい寝息を立てていたのだ。
「……女が捨てられている?」
普通、休憩をしているのだろうと考えるのが筋だが、
この男は常に自分に都合の良い考え方をする。
「なら俺が連れて行っても、誰も文句は言わんだろう」
ひょい、と馬から降りれば小走りに女の居る木へと歩いて行く。
■ルーナ > すぅすぅ....と規則正しい寝息を立てながら微動だにしない女性。
風が吹けば、その絹糸の様な髪が揺れる。
「ん...」
手に持っているロングロッドを握り直し小さく身じろぐ。
対岸から来る男に気が付かぬまま心地よい眠りに誘われた。
■フォーク > 女は随分と深い眠りについているようだ。
手に握っている杖を見ると、魔導を扱うものだろうか。
しかし魔術に全く知識のない男にはそんなことはどうでもよろしかった。
(い~い女だ。色も白く、唇にある黒子がまたそそるぜ)
男は四つん這いになれば、女の側まで静かに向かう。
(こんな所で眠っていたら、悪戯されちまうぜ?)
小さく寝息をたてる唇を、そっと吸おうと顔を近づけて……。
■ルーナ > 「.....くしゅんっ...」
小さなくしゃみを1つ、自分でもくしゃみをした事に驚き目を覚ます。
霞む視界が徐々にクリアになってきた、眼前に居るは大きな肢体を持つ四つん這いになっている男。
「ぇ..ぁ...あの....」
今の状況を理解できる者は恐らくいないだろう、双方の視線がかち合っては居るものの理解するには難し現状。
女性はおどおどしながら謝るしか出来ない。
「ぁ.....あのっ....ごめん..なさぃっ...」
■フォーク > 小さな飛沫が顔にかかった。
男はそんなことは全く気にしない風の顔をしている。
しかし内心、非常に多くのことを考えていた。
(うーむ、参ったな。この女、目を覚ましてしまったぞ。
もしかしたら俺がふしだらなことをしようとしたことに勘付いたかもしれない。
はてさて、どうする!?)
と一瞬であらゆる『解決策』を考えていたが、突如女の方が謝ってきた。
「……いや、構わんよ。それにしても危なかった」
男は腕で額を拭う仕草をすると遠くの方を眺める。
「実は眠っていた君を攫おうとしたけしからん奴がいてね。
ま、なんとか事は収まったのだが。いやあ、危なかった」
嘘は何一つ言っていない所が、恐ろしい。
■ルーナ > 終始おどおどしながら男が言う事を素直に真に受ける。
少し驚いたかの様に目を見開くも直ぐに小さく微笑む。
「そう...だったの...ですね...
その....ありがとう...ございます...」
座ったまま頭を下げれば柔らかな髪が豊かに実った胸が揺れるのを男は見ただろう。
彼女は気にする素振りも見せず終始にこにこと微笑んでいる。
「助けて...くださって...感謝します...」
疑う事を知らず、争いを好まない彼女としては目の前に居る男は命の恩人とも言える人物なのかもしれない。
■フォーク > 女が座ったまま、頭を下げる。
たわわな胸が揺れた。
(さっきは顔しか見ていなかったが……)
男の視線が、女の胸から腰、さらに脚へと移る。
(おっとりした雰囲気の割に、着ているものは露出が激しいな。娼婦か、踊り子ってところかな?)
男は女に対して興味を持った。
ここは(なし崩し的に)恩を売るなりしておいた方が得というものだ。
軽く前髪を跳ね上げると、少し気取った口調になる。
「いやいや、俺はいいオンナは放っておけない性質でね。礼には及びません。
まあ貴女がどうしてもお礼をしたいというなら、やぶさかではありませんが……」
と、ここで男は相手の素性を訊くことにした。自己紹介を加えつつ。
「俺は傭兵のフォークといいます。貴女は?」
■ルーナ > 名を名乗れた事により自分が名を名乗っていない事を思い出した。
ぼんやりとした口調で言う。
「私は....ルーナと...言い...ます...
その...ジプシー...なん...です...」
自らジプシーと名乗ると彼女の表情は、どこか悲しそうにも見える。
どこに居ても、何処へ行っても意味嫌われるジプシーの身としては
当然とも思える。
「いい...おんな...ですか...?」
そう言われた事は珍しくは無いが、きょとんとしながら相手を見上げる。
「御礼...なにか...あったでしょうか....
私に...できる事は...占いか踊り...くらい...なのですが」
うぅんと少し悩みながら小さく首を傾げて見せる、占いにせよ踊りにせよ相手が望む方を披露しようと言う様な視線を向けた。
■フォーク > 「ほう、ルーナさん」
ジプシー。すなわち流浪の民だ。
一定の場に落ち着かない運命を背負っている。
男にはうかがい知れない苦労もあったのだろう。
(そこはあんまり気にしてもしょうがないか。俺が踏み込める領域じゃねえ)
こちらから仕向けたことではあるが、女がお礼の提案をしてきた。
「ルーナさん。俺は傭兵だが軍人のはしくれだ。もしも占いで凶事が出て、
それが気になって戦に遅れが出ちまっちゃ元も子もねえ。なのでここは
踊りを魅せてもらおうと思うのですが、どうですかい?」
意外と占いとか信じちゃうタイプなのである。
■ルーナ > 確かに男の言う通り、最近の星は凶事を告げる事が多い。
それはこの国の所為なのか、はたまた彼女が背負っている物の所為なのか定かでは無い。
「そう...ですね...それは...いけませんし...
では...踊りを...生憎金銭の...持ち合わせが...無いもので....」
すみません、と小さく頭を下げると
ゆるりと立ち上がる、矢張り男は大きく見上げてしまう程だった。
「場所...は...ご希望の...場所...など...あります...か?」
ロングロッドを握りしめながら首をかしげる。
彼女は男が望む場所で踊りを披露しようと言いたい様だった。
■フォーク > 「ご希望の場所?」
男はちょっとだけ考えた後、ポンと手を打った。
「実は俺の家はオンボロ……いや歴史のある宿屋を改築したもんでしてね。
その広間だったら、貴女がどのような踊りをするかわからないけど大丈夫だと思うんですわ」
あそこなら激しいダンスでも大丈夫だろう、と踏んだ。
「ああ、なんだったら部屋いっぱいあるから好きなだけ泊まっていっていいですぜ。
どうせ余らしておくなら、誰かに住んでもらった方が家も喜ぶってもんさ」
旧い宿屋だけあって部屋はいっぱいある。
掃除の手間もかかるだろうし、人をいれておいた方がいいというものだ。
「王都にツテがあって、そっちに厄介になるというなら止めませんがね」
向こうにも色々事情があるだろうし、と男は考える。
■ルーナ > 宿屋と聞き彼女の表情が明るくなっていく。
ここ数日、なかなか村に辿りつけず野宿ばかり。
そろそろ温かい寝床で休みたいと思っていた矢先に吉報だった。
「フォークさんが...宜しければ...ぜひ...おねがい...します」
嬉しそうに微笑み何度目かの頭を下げる。
「私の...踊りは...ジプシーの...踊りなので...
んと...そんなに...激しく...ない...と...おもい...ます?」
激しいとはどの位の物か判らないまま相手に告げる。
王都に行く用事もない、今は彼の提案を受け入れ御礼をする方が先なのだ。
■フォーク > 「……どんな部屋を期待してるかわかりませんがね。
ガッカリせんでくださいよ?」
一通りの家具は揃っているけど、決して上等ではない。
部屋と部屋をしきる壁には小さい穴は開いているし、ときおり鼠が廊下を走っている。
男は女ににっこりと笑顔をみせる。
「へへ、実は本場のジプシーダンスを観るの、初めて!」
下心は満々だけど、そこは本心から楽しみだった。
「ほんじゃ、俺の馬で王都まで全速力ってことで!」
いそいそと馬を連れてくる。
女を乗せてから、自分も騎乗するだろう。
■ルーナ > 「だいじょぶ...です...屋根が...あるだけでも....十分です...から」
ふふっと照れた様に微笑む。
ふかふかでなくても良い、雨風が凌げて身を休め温める事が出来れば
それだけで十分なのだ。
「そう...なの...ですか...?
なんだか...はずかしい...ですが...がんばり...ます」
終始嬉しそうに微笑む彼女の側に多きな男に見合う大きな馬が共に歩いてくる。
馬は様々みた事があるが、こうも大きい馬は初めて見るのか
ぽけーっと見上げてしまう。
「わたしも...乗って...良い...の?」
きょとんとしながら乗せられた馬の背、乗り慣れないのか少し不安げに男を見上げる、その男の表情は楽しみに満ち溢れた表情をしていたのを
見てふふっと再び小さく笑う。
■フォーク > 「ああ、屋根なら使い放題!」
ベッドで寝転がりながら星空を楽しめる部屋『星空の間』もあるが、
それはただ屋根の一部が崩落しているだけである。
「勿論、全速力だけど安全騎乗で参りまぁす!」
女を前に乗せて、男は馬の歩を進める。
目指すは貧民地区、そこに男のオンボロ宿屋はあるのであった。
■ルーナ > 「ふふふっすごい...です...ね」
男が楽しそうに語るのを聞き、こちらも楽しくなる。
人と話すのは得意では無いが、嫌いな訳では無い。
久しぶりの感覚に胸躍る思いで馬の背に揺られた。
「あんぜん...だいじ...です」
ふふっと笑い鞍につかまる、振り落とされぬ様にと
風を切りながら街道を翔ける馬、その馬の背には男と女を乗せて。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からフォークさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からルーナさんが去りました。