2017/03/26 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアキさんが現れました。
■アキ > 少し風の強い街道を歩く、若い武芸者が一人。
この地方では珍しい装束で、周囲を木々で覆われた月明りの大きな街道を迷いなく、真っすぐ進むが、目的地は不明。
本人すら理解していない不思議。俗にいう迷子。
「まぁ、そのうちに帰れると……思うけど……」
最後が小さく消えていく呟きを、溜息と共に零すと、気を取り直す。
背に佩いた身の丈を遥かに超える――通常物理的に一人で抜くことも困難な――大太刀があれば何とかなるし、何とかしないと武者修行の途中とは言えない。
困難は、最終的に武力で解決と、外見と違い、脳筋な発想もいつもの事。
何事も、何とかなるの楽観的思考のまま歩き続けた。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からアキさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアキさんが現れました。
■アキ > 何か、大変なミスをしでかした気がしたので、大いに反省。
確りと周囲を確認し、歩みを再開した。
■アキ > 時折、強くなる風に長い黒髪を揺らされながら、月明りの下、同じ歩調で歩く。
周囲の木々が視界を遮るが、特に問題だとは感じていなかった。
今の最大の問題は、この街道が何処に続いているかだろう。
誰かが通っていれば聞くこともできるのだが――
「他力本願は、流石に駄目だよね」
最終的に、到着したところが目的地。
過程と結果を入れ替える。
どうせ現状、迷子であると知っているのは、月くらい。
■アキ > そのまま街道を真っすぐに進み続け――到着するのは何処になるのか。
それは月か、もしくは朝日が知っていることだろう。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からアキさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にシュカさんが現れました。
■シュカ > 夜の帳が下り始めた夕暮れ時の街道は、夜闇に乗じて魔物や夜盗に襲撃される危険もあって、人通りは少なくなっていた。
それでも、街道を進まねばならなければ、護衛を付けるのは勿論のこと、それなりの保険を用意するのは定石であった。
逆に言えば、護衛の仕事はギルドに降りてくるから、ギルドに厄介になっているこちらの身としては実にありがたい話であり、今日も王都から神聖都市まで荷馬車の護衛の任を受けて日銭を稼いでいた。
「―――…とまぁ、そーいうワケ。どーよ、おにーさんに惚れちゃった?
あー、修道女になるのやめてさ、とりあえずおにーさんと暮らしちゃう?」
荷馬車の積み荷…それはまだ年若い少女たちであり、詳しくは知らないが、神聖都市の修道院に向かうとのことだった。
神聖都市まであと数刻とはいえ、夜も近い。
おそらくこの「積み荷」が「ワケあり」なことは解っていたが、特に詮索しないのは、性格的なモノでもあったし、ギルドとの契約でもあった。
荷馬車の後ろに揺られ、その少女たちの暇つぶしにと己の武勇伝を話していれば、少女たちは無邪気に楽しんでいる。
果たしてどこまで本当か怪しいが、よしよし、じゃあ、次はー、などと気を良くして武勇伝の一つも、と再び口を開き。
■シュカ > 「俺がまだ東方の島国に居る時にな、………って、ぅおう?!」
調子に乗って武勇伝を口にしていたとき、不意に馬車が大きく揺れた。
魔物が出た!と己には聞こえたが、それが果たして正しいかを確認するより早く、何かに乗り上げたかと思うほどの衝撃と同時に嘶く馬。
少女たちが悲鳴を上げるなか、幌から飛び降り、反射的に得物に手を掛けた。
御者が何か喚いていたが、それは少女たちの悲鳴と嘶く馬の声で聞こえず、
「馬を走らせろ!早くっ!」
叫んだ声が聞こえたかどうか、兎も角荒々しく鞭を振るう音が響き、車輪を軋ませながら、荷馬車は街道を神聖都市へとスピードを上げて走り出す。
それを見送れば、当然取り残される恰好になったものの、これは護衛の任の一つだろう、状況を確認すべく辺りを見渡せば。
「………おー、こりゃ、また…」
薄暗い街道沿いに犬だか狼だか、いや、魔獣の類かもしれないが、兎も角そのテの四足歩行の獣がわんさか血肉を求めて牙をむいている状況だった。