2016/11/17 のログ
リムル > ・・・なに?

(あれ?と不思議がる声が耳に届く。何か変な所があっただろうか、とこちらも不思議がる声を返す。流石に相手の体つきだけで判別出来るほどこちらは当時彼を観察していた訳ではないので、彼の正体は検討もついていない様子である。)

・・・?

(茂みに入っていく彼を不思議そうに首を傾げ見送るか)

フォーク > 茂みに隠れた男は、急いで鎧を外す。一張羅の上着も脱ぎ捨てた。

「あ、腰巻き……」

闘技場でつかっている腰巻きは忘れてきてしまった。
まあ、いい。彼女しか此の場にはいないのだ。素っ裸でよかろう。
そしてザ・バーバリアンのマスクを被る。
雄々しく、偉大で、何よりも強い。
闘技場の名戦士の復活だ。

「とう!」

男は茂みに入ったのとは別の場所から飛び出す。

「戦士よ、誇りを忘れるな!!」

男はザ・バーバリアンとなって少女の前に立とう。
そして太い腕を組み、仁王立ちで少女に伝えよう。
折れるな、牙を忘れるな、と。

リムル > (がちゃん、と鎧が地面に落ちるような音が耳に届けば 何してるの・・・? と、不信感を覚えるだろう。なんで、こんな夜空の下鎧を脱ぐ必要があるのか、と・・・。警戒心が増大していく・・・。)

・・・。

(そして、とぅ!と、存在を主張する声が響けばそちらへ振り向く。そして、覆面を被る彼の顔を見れば記憶がふと、思い返される。闘技場で、出会ったこと。衆人環境の前で、恥を晒されたこと・・・。 あの時はそういうこともされることはある、と覚悟して入ってはいるものの、だからといってされたことを全て許せるか、と言えばそうではない。恥ずかしいことは恥ずかしいし、屈辱な事は屈辱なのである。記憶が思い返される度、その白い肌が かぁぁっ、と赤に染まり・・・)

あ、の時の・・・っ!

(少女の顔に浮かぶのは悲しみから怒り、そして恥へとシフトしていく。おまけに素っ裸・・・下を何も履かないスタイルで姿を表したのならば)

・・・これ、斬っていいかな・・・斬っていいよね・・・。

(ぎりっ、と刀を強く握りしめ物騒な言葉を口にした。励ましに来た相手に対してひどい物言いである。)

フォーク > 少女が動揺し、怒るのは理解できる。
闘技場のルールとはいえ、激しい陵辱を加えたのだ。
とはいえ、それに関して男は謝る気はさらさらない。なぜなら少女もそれなりの覚悟で闘技場の土を踏んだからであり。

(おや、刀を握る手に力が篭ったな?)

おまけに至極剣呑な発言を始めている。どうやら闘志を取り戻し始めているようだ。
ならば、こちらはお得意のヒール戦法で挑発をしよう。

「ぐはははは、茂みの向こうからイケメンの傭兵が出てきたんで、何があるかと茂みに入ってみれば驚いたぜ!
いつぞや可愛がってやった姉ちゃんがいるじゃねえか」

両手をワキワキさせながら、少女に近づいていく。
あくまでフォーク・ルースという男とは別人なのだとアピールするのを忘れない。

「俺様のナニの味をまだ覚えているか?」

ぐん、と勃起させてみせる。観衆の前で、少女を貫いた男根だ。

「ここで逢ったのも何かの縁だ。もう一度かわいがってやろうじゃあねえかあ」

ファイティングポーズをとった。

リムル > (もし、仮にだが・・・彼が謝罪を口にした場合、少女の苛立ちの火に更に薪をくべる結果になるだろう。なぜ、そんなに苛立ちを覚えるのか・・・今の少女には分からないが、単純に下に見られているようで、なめられているようで腹が立つのだろう。)

・・・自分で自分のこと いけめん なんて言うの? とんだ――自信家。

(当時は綺麗に噛み合ったものの、あれは別に少女が彼に合わせたのではなく、単にヒートアップした少女の言葉が彼の演技に上手く噛み合っただけである。それが今回も上手く行く、とは限らず・・・はっ、と吐き捨てるように彼の演技をあざ笑うだろう。少女は、ハナから彼の演技やルールに付き合うつもりはなかった。)

――っ、忘れたわ、変態。覚えてないってことは・・・大層、粗末だったのでしょう。

(じゅん、と胎の奥で熱を持つのを感じる。言葉ではそうはいうものの、体は見事に覚えてしまっている。しかし・・・それを認めるのは悔しいから。吐き捨てるように、売り言葉に買い言葉を放つ。
――しかし、ここまで過激な言葉をぶつけるのは少女の心が高ぶってる証拠である。彼のヒールとしての才能は物静かなエルフの闘志に火をつける程、高いものであることは認めざるを得ないだろう。・・・当の本人は欠片もそんなことに気づいてはいないけれど。)

――いいわ。今日は貴方に泣いて、許しを請わせてあげるんだから・・・。

(具体的に何をするかは全く考えていないけれど・・・。エルフは腰を低くして、居合の構えを取りながら油断なく彼を見据えた。隙を晒したならば、その首ごと斬り落としてやる心持ちで・・・。
――最終的にどちらが屈服したか、それは分からないけれど、エルフの沈んでいた心は怒りという感情で塗りつぶされ、多少は持ち直したのは事実か・・・。)

フォーク > 「違う、俺は傭兵ではなぁーい!」

そこは覆面ファイターとしての矜持がある。
たとえ正体がモロバレでも、頑として認めないのだ。

少女が勝気な口調で返してくる。へし折れた心を意地で支えているといったところか。
それでいい、と男は思う。体を動かせば、心も熱くなるというものだ。
心が滾れば、また立ち上がることができる。

「ぐふふふふ、生意気な口を叩きやがって……」

と、ここで男は気づく。

(もしかして俺は今ものすごく不利なのでは?)

向こうの装備と自分の装備を比較してみる。
あちらは得物もあるし軽装ながら最低限の防具は身につけている。
一方、こちらはザ・バーバリアンのマスク、以上だ!
圧倒的に装備に関しては戦力差ができてはいるが……。

(それがどうした。男の子だい!)

男の意地が守ってくれるさ。
そんなことを呟きながら、少女へと向かっていった。

――そして、朝日が昇ってからのことである。

「え、どっちが勝ったかって?」

愛馬が結果を訊きたそうに嘶いた。
男はその背に揺られながら、しばし考える仕草をしてみせるも……。

「教えないよ」

全身に浮かんだ生傷を撫でながら、豪放な笑い声を出した。
愛馬はゆっくりと街道を進んでいった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からリムルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からフォークさんが去りました。