2016/06/04 のログ
■フォーク > 「しょうがねえな。俺ももうちょっとスマートにやりたかったんだが」
夕暮れになっても魚は一匹も釣れない。
男は立ち上がり、素足になる。
両腕には、一抱えもある岩が担ぎあげられていた。
男は川へと入っていく。
「せ~~~の!」
川の中腹にある岩場に、抱えていた岩を思い切り振り落とした。
岩が激突する音が、水中に響く。
しばらくすると、川魚がぷかぷかと白い腹を見せて浮いてきた。
水中に走った衝撃で、気絶したのだ。
「これだと楽なんだけど、趣きがねえんだよな……ま、背に腹は代えられねえし」
魚籠に魚を放り込みながら、男は頷く。
子供の魚は獲らない。根こそぎ獲る必要はないのだ。
いざとなったら手段を選ばない男は、魚がいっぱい詰まった魚籠をぶら下げながら、意気揚々と住処へと戻っていった。
「ムニエルもいいなぁ~」
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からフォークさんが去りました。