2016/06/03 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にフォークさんが現れました。
■フォーク > まだ陽の高い午後のことである。
街道筋にある小川。
その川辺で男は釣り糸を垂らしていた。
先日、街道を歩いた時に川で形の良い魚が跳ねたのを見たからだ。
「フライにしてもいいし……酒蒸しなんか最高だぜ!」
すでに釣った魚をどのように調理するかを考えていた。
まだ魚籠には一匹も入っていないというのに。
「朝から頑張ってるのに、全然釣れねえな。一匹くらい『ならば私が食べられましょう』なんて言う義侠心のある魚はいねえもんかね?」
などと、くだらない独り言をいいながら、ぼんやりと川面を眺めるのである。
その後姿は妙に哀愁が漂っていた。
魚影が見えるのだから、魚がいないわけではないようだ。
■フォーク > 「しかしなんだねえ、こうしてのんびり釣り糸なんぞ垂らしてると、心が落ち着いてくるぜ」
まったく魚は釣れないが、静かに川面を眺めていると煩悩が消えていく
……ような気がする。
「お、いいオンナが通るぞ」
街道を行き来する人々の方を向き、そんなことを口にする。
本当に気分だけだったようだ。
「俺のビッグマネー計画が台無しだぜ、ちくしょう」
たくさん魚を釣る。
晩酌をして余った分は干し魚にして売る。
お金が貯まる。
これが男のビッグマネー計画だった。