2016/02/27 のログ
■タマモ > 「いやいや、それをのんびりと待つ間が良いのじゃぞ?
そして、釣り上げた時の喜びもなかなかのものじゃ。
魚を取るだけならば、簡単に出来てしまうからのぅ?」
ふふんっ、と自慢気に胸を張って言葉を紡ぐ。
こう、相手のバケツに向いていた視線が気になっていたのか、付け足すように魚を取る事自体はすぐに出来るのだと主張しておいた。
まぁ、実際にそうなのだが、今の光景を見られては少し疑われてしまうやもしれない。
とりあえず、相手をよく見てみよう。
鱒から、それを吊っている相手へと視線を移した。
どうやら人間の男子…と、確認していたところで、引っ掛かりを感じた。
どうやら人間ではないらしい、それは分かるのだが…これは何とも懐かしい感覚を受ける。
そう、この世界の始めの地で出会った、初めて事に及んだ小さな少女を思い出した。
「ふむふむ、なるほど、妾はタマモじゃ。
むむむ…見ても分からぬタイプか。どうやら遥か東方にある国に居るらしい、九尾狐という妖怪じゃ…えーっと…分かるか?
とりあえず、るーへん…るーひぇん…るーひ…
………おのれ、もうるーちゃんは居るというのに、どう呼べば良いのじゃ!?
と、ともあれ、よく分からんが竜の一族なのじゃな?…ん?竜…?
もしや…竜というのは、あれか?ドラゴンとかいうものか?」
とりあえず、名乗られたから名乗り返さないと悪い、そう思い名乗っておいた。
己の種を分かってない感があるから、一応、それらしい説明もしておいた…分かるだろうか?
そして、ふと相手の名乗った言葉に引っ掛かった言葉…竜、それに少々反応を示す。
竜はドラゴンと呼んでいたのを思い出したからだ。
それが間違っていなければ…あの少女もドラゴンという事になるのだ、そう思って。
「あー…いや、特にそこまで腹がすいておる訳ではないのじゃ。
きゃっちあんどりりーす、最後には戻すつもりだったからのぅ?
まぁ、どうしてもと言うならば…一匹くらいは、いけるじゃろうか」
うん、そこまでお腹はへってないが、せっかくの申し出だし、そう考えた。
それに、どうこれを捌くなり調理するなりするのか、それも見てみたかった、というのもある。
■ルーフェン > 「俺にはない感覚じゃな…それなら昼寝でもしていたほうが良い
主は、ハラが減って魚を獲っていたというよりも、釣りを楽しんでいたということか…」
『待つ間を楽しむ』という感覚は今ひとつ、理解が及ばなかった
しかし彼女が言わんとする事は何となくわかるような気がする
それであったら魚は別に取れなくても良かったであろうに、どうしてあんな癇癪を起こしたのか、
それは少々不思議ではあった
何となく視線を感じるので、此方も遠慮なく彼女に視線を送る。
玉子色の彼女の頭髪、それから耳辺りを深く考えるでもなく眺める。
そのうちに、故郷で冬に雪の中から芽を出す彼女の頭髪の色によく似た花を思い出すと、
妙な親近感というか愛着というかが、湧くような気がしないでもなかった。
「タマモ?変わった名前じゃな。…ふむ…東か、俺は北よ。
最近、目が覚めたばかりで、知らぬ事ばかりじゃ。許すがよい…きゅうび?はて、わからん…
尻尾が多いのか?不便そうじゃな」
聞いたことのない単語がポンポンと彼女から飛び出せば、世の中、広いのだな、と眼を丸くする。
とりあえず、人間っぽいし、そういう事にしておこう、と脳内で勝手に裁定を下す。
「呼び方なぞ好きにするが良い。どうせ、仮の名前じゃ。
まあ、そうなる…そこは信じようが信じまいがかまわん。
なんにしろ、今はこんな成りじゃからな…」
じ、と彼女の耳から尻尾へと視線が移る
9本もの尻尾があれば苦労もするだろうなあ、とでも言いたげな視線であったかもしれない
しかし、それとは別にふさふさとしていて触り心地はよさそうであるように思える
「そうか?ならば持って帰るが良い。
こうして会えたのも他生の縁じゃ…俺は料理なんぞできぬから、タマモの好きにするが良いさ」
ほれ、と1匹、一番大きなものを彼女に差し出そうとして思案顔。1匹というのはよくないな、と何かの験担ぎか、
もう1匹、口から蔓を通して括れば彼女に差し出しておいて、もう片方の手で鱒をむんずと手にすれば、
そのまま、バリバリと頭から齧りだした…それはもう、王都の露天で売っているようなスナック感覚で
■タマモ > 「ふむ…食するのみを釣り上げる者じゃったか、ならば理解もし難いやもしれぬな?」
まぁ、釣りと言えば普通は食べる為にやるものだろう。
この世界であるならば尚更だ。そう思えば、そこは納得出来た。
相手には理解出来ないだろうが…楽しむ為の釣りであるも、全く釣れないのは悔しいもの、これは何とも説明し切れないだろう。
こちらが視線を向けていれば、相手もこちらへと視線を向けてくる。
うん、普段向けられる好奇やらの視線じゃない。
なので、なんとなく悪い気はしなかった。相手はどう思ってこちらを見ているのかは、分からないが。
「ほほぅ、北とな?それはまた、寒そうな場所から来ておるものじゃのぅ。
ふむ、目覚めたばかりか…状況的には妾と似たり寄ったりじゃな。
あー…妾等にとって、尾が多い程に力の強さを現わすのじゃ。
それに自在に動かせる、むしろ便利なものじゃぞ?」
つまり相手はこの世界に呼ばれ短い自分と同じ様な状況とう事は分かった。
尻尾に関しては、難しい話は面倒なんで簡単に伝えておいた。
自在に操れるのだが、無意識に感情と同調し動くのは自覚がないので説明しようがない。
偉そうに説明をしていれば、それに合わせ耳や尻尾が動いているので分かり易い。
「なんじゃ、お主も仮名を名乗っておるのか?
覚え難くなるから、名は一本に絞って欲しいものじゃが…まぁ、何らあるのじゃろう、問いはせぬがのぅ。
うむ、妾が見知った者も同じ人の姿をしておった。
一応は人間と違うのは分かる、気にせんでも大丈夫じゃ」
視線がなにやら尻尾に向けられ続けているようだ?
それに気付けば、こう、また自慢気にゆらゆら揺らしてみるのだった。
風に靡く様は、確かに触り心地は良さそうである。
「うむ、ではありがたく…?
うん?料理が出来ぬならば、それをどう………お…おぉ…」
差し出される2匹の鱒、1匹と言うたのじゃが…まぁ、良いか。
そう考えれば、その鱒を素直に受け取っておいた。
そして、後に続く言葉に不思議そうに首を傾げ問おう…と、その言葉の途中で、相手が動いた。
うん、なんというか…わいるど、という単語が頭に浮かんだ。
頭から齧っていく姿に、これはさすがに自分には無理だ…そう思わずにはいられなかった。
■ルーフェン > どうやら彼女も此方の意図を判ってくれたようだからコクコク、と頷いた。
きっと、己とは違い釣りという行為それ自体が、楽しみみたいなものなのであろう。
道具を粗末に扱うのは何とも言い難いが、まあ、誰にだって思い通りに行かず少々頭に来ることはある、ドラゴンにだってある
「寒かったな。とはいえ、我らの一族は、自由に空を飛べたから、それほど苦とも思わなかったが。
…ほう?して、タマモよ、9本は強いのか?弱いのか?主の尻尾はふさふさじゃが、
戦う際に邪魔になったりはせんのか?」
簡単な彼女の説明に一度、ふむ…と頷き、僅かな間を置けば、興味深げに質問を投げかける。
質問を口にすれば次第に瞳に好奇心が見て取れるようになり、口調も僅かに早くなった。
彼女が説明する際に頻りに耳や尻尾が動くものだから、好奇心に輝く瞳はその動きを追いかける。
「発音が…どうも、人の身だと難しくてな?
それじゃったら、周りに合わせたほうが楽じゃろ?
…ほう、俺以外の竜を見たか…竜など久しく見とらんわ…」
自慢げに揺らされる彼女の尻尾
こやつの尻尾で寝床を作ったら暖かそうだ、と思いつつ揺れる尻尾を眺める
自分のそれと、大きく異なるそれは、雪に閉ざされる故郷でも暖かく冬を過ごせそうに思えた
「ん…?人間の作るものは美味いが手間が掛かるのがいかん。色々と人間の料理も食ってはみたが、
慣れとるもんがやはり一番しっくりくるのな…」
噛み砕く回数はそうおおくはない
数回ほど、口の中で噛み砕けばそのまま、喉を鳴らし、ごくり、と飲み込んでしまうものだから、
最初に手にとった1匹はものの数口で井の中に収まってしまう。
血のついた唇を、ぐい、と手の甲で拭えば八重歯覗かせ、毒ではないようじゃな、なんて愉しげに笑ってみせた。
■タマモ > 「やはり北というと共通して寒いものらしいのぅ?まぁ、移動手段が移動手段ならば、そう感じる間もなかったか。
ふふんっ、聞いて驚け?妾等が種は妖怪の中でも上位に位置する存在じゃ。当然、強いぞ?
どうじゃろうか…気にした事もないのぅ。
お主のような竜とて、尾は気にならぬものじゃろう?」
ふむ、と口元に指を添え、考えるような仕草。
強いか弱いかを問われれば、当然のように偉そうに答えた。
尻尾に関しては…難しそうに首を捻る。
答えている通りに、そこまで意識していた事がないのだろう。
言うまでもなく、そうしている間にも耳や尻尾は少女の感情にあわせ動いているのであった。
「むぅ…仕方ない、被ってしまうがお主もるーちゃんに決定じゃ。
うむ、全く同じではないが、似たようなものを感じたのじゃ。
ただ…お主とは違い、妾よりも小さな女子じゃったがのぅ?」
言葉にし辛いならば仕方ない、そして、代わりの呼び名も浮かばない。
どうやら面倒なので同じ呼び名で決めてしまったらしい。
なるほど、ドラゴンとは少ないらしい。
その言葉に、前に会った者はこんな背丈だったと、手で高さを示した。
ちなみに…眺める尻尾に思う事をそのまま伝えれば、少女の怒りを買うだろう。
まぁ、そんな事は言わないとは思うのだが。
「な、なるほどのぅ…慣れておる方が、確かに良いじゃろうな?」
齧り付いているのを、食べ終わるまで眺めていた。
頭の中では、あの少女もこうやって食べる方が慣れているのだろうか?とか、考えている。
もちろん、そんな事をしている光景という想像付きで。
きっといずれ出会う機会があったならば、試しに魚を丸ごとそのままで渡すかもしれないが、それはまた後の話である。
とりあえず、受け取った魚に関して問われれば。
自分は後で手を加えて食す、と伝えるだろう。
■ルーフェン > 「………そうか、9本で強い部類なのか。
100や200も尾がある、同胞はおらんのだな…残念じゃ…
竜であったればこそ、気にもならなかったが…人の身になって初めのうちは慣れなかったな…」
自信ありげに応える様に少し残念そうな表情である
尾の数に準じて強さがきまるのであれば当然、尻尾が100も200もある彼女の同族がおり、
そうなのであれば、見てみたい、と思ったらしい
「雌か…まあ、種族もそれぞれ、縁があれば行き逢う事もあるじゃろうな…それで、良き雌であったか?」
このあたりは人間とさほど違いはなく…
女であった、と聞けばこれくらいは聞いても怒られぬだろうし、興味もあった。
どうこうしよう、というんではなく単純に興味から彼女にその竜の印象などを尋ねる。
彼女が背丈や何かを教えてくればふむふむ、と頷いて。
呼び名に関してはあまり気にもとめぬ様子で、そうか、そうか、とただただ、斬新な呼び方に笑うばかりで。
「…タマモよ、我ら竜も色々と種族は異なる。
故にその小さき雌竜が俺のようにわしわし、と生魚を頭から食べるなどと、考えてはやるな?
人も竜も雌は雌よ。愛らしい様を想像したほうが、その竜も喜ぶであろう」
何となく彼女の視線を感じれば、自分の食事の仕方が奇異である事は理解していたからそんな風に伝える。
アホかと思いきや、妙な所で謎の気遣いを見せれば、ぐるぐる、と空腹に腹を鳴らす
「…むっ、すまぬタマモよ。
俺はもう少し川を下って魚をとるゆえそろそろ行くよ。
主の長く美しい髪や尾に触れてみたくもあるが、俺も食わねば死んでしまうでな…」
宝物収集癖のあるドラゴンであるから。
審美鑑定眼は少なからず持っているという自負がある
冗談交じりに、
「…俺が触れるまで汚すでないぞ?」
なんて言い残せば、愉しげな笑い声を零しつつ、手を振りながら下流へ、さらに漁に勤しむべく歩いていく
■タマモ > 「うむ、その通りじゃ。
いやいや、100本とか200本とか、どこに生やすんじゃ、どこに。
なるほどのぅ…まぁ、その辺りは慣れではないか?よく分からんが」
相手の言葉に、満足気に大きく頷く。
が、そこから続く言葉に、こう…どんな生き物だ、と言わんばかりにじと目で相手を見遣った。
そんな生き物が居るのなら、自分も見てみたい。
「世界は広いようで狭い、そういう事もあるじゃろう。
ん…?そうじゃな…可愛らしい女子じゃった」
今はどこで何をしているのやら、まぁ、巡っていればいつか会うだろう。
出会った少女の事を問われれば、さらりと答えた、単純に。
色々とその後に問うたとしても、あんまり細かくは答えれないだろう。
相手に説明するのは、とても苦手なのだ。
こうだと決めた呼び名に対する相手の反応は悪くなかったようだ。
という訳で、かくして呼び名は確定となった。
「うん?…おぉ…そういうものなのか?
ふむ………そうじゃな、まずは聞いてからやってみるとしよう」
まぁ、実際にどういった食べ方が慣れているのかは分からない。
という訳で、どうやらいきなり魚をそのまま渡すのは避けられたようだ。
…それを聞かれる事にはなるだろうが。
「まだ足りぬのか…よく食べるものじゃのぅ?
では、ここでお別れじゃな。………いきなり触れる事がなければ、まぁ、少しは許してやろう」
相手はまだまだ空腹のようだ、あれだけ食べたのに。
少女からすれば、十分なのだが…まぁ、体躯的に、そうなのかもしれない。
冗談交じりの言葉に、汚される事なんぞありはせん、と短く答え、ひらりと手を振った。
そのまま、相手の姿が消えていくのを眺めるのであった。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からルーフェンさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からタマモさんが去りました。