2016/02/26 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にタマモさんが現れました。
■タマモ > ここは街道から少し離れた位置を流れる河川の川辺、座り易そうな岩場の上に腰かけている。
その手に握られた釣竿を見れば、何をしているかは一目瞭然だろう。
もちろんの事、少女は釣りをしている訳だが…どうも楽しんでいるような様子ではない。
どこか、こう、ちょっとばかり真剣味を帯びた感じである。
「ふむ…こういった事は精進あるのもじゃな」
くい、くいっと釣竿を揺らし、様子を見詰めている。
■タマモ > さらさらと澄んだ川の流れが耳に届く、今のところは街道を行き交う者達は居らず、静かなものだった。
そんな状態が、実は結構続いていた。
いや、うん、こういう静かな空間と言うのは悪くはない。
悪くはないのだが…今、自分は釣りをしているのだ。
ちらりと横を見る、そこにはまだ何も入ってないバケツが置いてある。
つまりは、そういう事だ。
これで少しでも調子良く釣れていれば、今まだ続くこの昂ぶりも釣りに流れるだろうに…これでは溜まる一方だ。
くいっと一度釣竿を上げてみた。
…先に付いているはずの餌が無かった。
■タマモ > 「なん…じゃと…!?」
その引き上げられた釣針だけとなった物を見て、がっくりと肩を落とす。
餌がないんだ、それはこうしてたって釣れる訳がない。
一旦釣竿を戻し、はしっと釣針を手に取る。
「お、おのれ…これ一つ付けるとてまだ慣れぬというのに…!」
バケツの横に置いてある器に指を伸ばす、中にあった何かを摘み、上げる。
その指にはうねうね動く虫、そう、魚の餌だった。
まぁ、そうは言うのだが器用にぷすっと釣針に虫を通すと、再び餌は水の中へと投げ落とされた。
再び沈黙が続く。
■タマモ > 静かだ、不思議と街道の方からも音はせず、変わらぬ川の流れだけが耳に入ってくる。
くい、くいっとまた釣竿を揺らし、様子見を続ける。
「………もしや、この付近では釣れぬのではないじゃろうか…?」
ふっと思い浮かべた事が唇から紡ぎ出される。
確かに、この河川は己が知るある場所から流れるものではない。
いや、だからかといって、まさか…同じこうして水が流れている河川だ、きっとたまたま釣れてないだけだ。
そんな言葉を自らに言い聞かせ、続く沈黙の中、釣竿を握り続けていた。
まぁ、実際のところはどうなのか?それは…知らぬが仏、とだけ言っておこう。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にルーフェンさんが現れました。
■タマモ > さて、そんな事をしばらくしていたのだが、再び確かめるように釣竿を上げてみる。
やっぱり餌がなくなっていた。
「ど、どいういう事じゃ…これは…?」
釣竿を戻し、釣針を見る。うん、どうみても餌が無い。
やっぱり魚は居るのだろうか?
少女は首を傾げて考え込むが、答えがなかなか浮かばない。
岩から腰をあげ、じーっと流れる川を見詰めてみた。
………こうしてよく見てみると、なんとなく分かる。
この釣針じゃ、この辺りの魚に対して大き過ぎて駄目じゃないか。
ばしーんっ、釣竿を叩き付ける音が周りに響いた。
■ルーフェン > 上流から下流へ。
ひと仕事終えた顔で川沿いを街道に向かって歩いていけば何やら喧しくしている姿を見つけた。
水面をじ、と眺めていたと思ったら、何やら持っていた釣竿を地面に叩きつけたり、一瞬、春の到来を感じさせたが、
如何せんまだ寒いように思える。
「…主、主よ。そんなに騒いだら魚が逃げてしまうのでは?」
一応、距離を取って話しかける。
狂人であったら始末に悪い…と、正直思ってしまった。
それはそれで面白い事になりそうな気もするが。
とまあ、頭の中でそんなことを考えつつ、様子を見ながら彼女に寄っていく
近づけばベルトに結んだ蔓にサイズはそれほど大きくないが、5、6匹の鱒を括っているのが彼女にも見えようはず
■タマモ > まったく、こんな事なら最初からよく見てやるべきだった。
そんな事を考えていたところで、ぴくん、と耳が揺れた。
近付いてくる足音と…かけられる声に反応したのだ。
くるりと相手へと顔が向けられる。
「いや、どちらにせよこれでは無理じゃ。
それに、これしか準備しておらんかったしな、ここはまた次の機会に準備を整えてから来ねばのぅ…」
はふ、深々と溜息をつきながら、相手に答えた。
ゆっくりとした動作で、地面に投げ付けた釣竿を手に取る。ちょっと気まずい。
また違う釣針を作っておかねばな…そう思いながら、ぽんっと釣竿を消した。
気が付けば、地面においてあったバケツも餌の器も無くなっている。
「して…お主は何者じゃ?
単にそれを妾に自慢に来ただけというならば、どうなるか分からんがのぅ?」
問いながら、ちらりと視線は腰に吊るされた鱒に向いている。
うん、釣れなかったからちょっとご機嫌斜めのようだ。少しばかり喧嘩腰っぽい。
多分、それは相手にも分かるだろう。
■ルーフェン > 空のバケツに気が付けばからかってやるか、と口を開きかけたが彼女が此方を振り向き何となくタイミングを逸した。
よくよく見れば、人間とは異なる風貌に、おや?というような表情を浮かべたが、
まあ、言葉は通じているようだし、人間みたいなもんだろ、とあっさりと深く考えるのをやめる。
「ふむ、主は釣りか…釣りとやらは道具が多くて好かん。向こうがエサを食うまで待っとるのも面倒じゃ…それに…」
さてさて、空っぽのバケツをからかってやるかな。
と意気込んだものの、いつの間にやらどこかへと消えてしまっていて、これまたタイミングを逸してしまった。
あれ?と不思議そうにしつつ、喧嘩腰な相手を気にする風ではなく…
「ルーフェン、嵐の竜の一族…今はこんななりじゃが…
別に他意はない、通りがかっただけじゃ。して、それを聞く主はどこの誰じゃ?」
ちらりと、腰に吊るされた鱒へ視線が向くのに気がつけば、腰から蔓を外して差し出し、
「全部とはいかんが欲しいのであればわけるぞ?」
自分も腹が減っとる、と付け加えれば首を傾げて