2015/12/16 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にサタンさんが現れました。
■サタン > 今宵は月明かりも深い暗雲に覆われ光届かぬ夜の街道。
普段以上に明りの少ない街道を行き交う者の姿は無く
王都までの距離は男の足取りでも凡そ半刻程度な場所。
暗闇に紛れるかのように黒尽くめな男は
口許で細葉巻を燻らせながら
一人の男と向かい合い語らっていた。
彼は王国軍の兵士であり、街道付近の見回りを同僚と行っていた。
「…職務に忠実であるのは評価できるが
もう少し、相手を選ぶべきではないか?」
そう男は、相手へと語りかける。
されど、返ってくる言葉は無い。
それもそのはず。
男の右手には、炎を凝縮したように赤い短槍が握られ
その切先は鋼の胸当てを易々と貫き、相対する男の心臓へと
深々と突き刺さっている。
自らの魔力の一部を凝縮させた炎の魔槍は
じっくりと、内側より男の身を焦し焼き尽くそうとしている。
既にもう一人の同僚は体中に無数の焼け跡を残し絶命していた。
■サタン > 突き刺さった短槍はグツグツと、内部から血を蒸発させ肉を焦す。
既に事切れて意識など無く、弄ばれるだけの屍。
別に男には死体で遊ぶ趣味など無いが、一仕事終えた後での面倒事故に、今の機嫌は最悪と言って良いほどに苛立っている。
「貴族風な男が共も連れず、明りも持たず街道を一人。
怪しむのは分かるが、問答無用で殺気立つのは良くない。
幾ら未だ終戦を迎えてないとはいえな。」
一仕事終え、今宵は屋敷にて
先日手に入れた上等な酒を開けようとのささやかな楽しみがあった故に、それを邪魔された男の機嫌は理不尽な苛立ちを隠さず、グィと更に深く穂先を押し込んだ。
刹那、槍の形を保っていた魔力はその収束を解き爆散。
男の目の前で一人、人間が爆ぜて消えた。