2021/09/03 のログ
ご案内:「夢幻窟」にラチェルさんが現れました。
■ラチェル > その部屋は宿の奥深く、今宵もひっそりと『客』をもてなしていた。
シェンヤン風の家具調度、しかし中央に据えられているのは、
お世辞にも寝心地を重視しているとは言えない、拘束具に等しい寝台ひとつ。
傍らには鈍く青みがかった光を明滅させている魔導機械が置かれ、
寝台に仰臥する娘の頭部へ、サークレット状に嵌められた銀色の環と繋がり、
昏々と眠り続ける娘の脳に、何らかの影響を及ぼしているようだった。
体側に両腕を拘束する革のバンドがあり、寝間着の裾をしどけなく乱して、
肩幅ほどに開かれた両脚もまた、バンドによって拘束、固定されている。
視界が白く翳むほど、部屋に充満する異国の香には、娘の意識を奪う以上の力があるのか。
あるいは、魔導機械の影響によるものか―――――娘は目覚める気配もなく、夢を見ている。
「ん、……… んぅ、っ……… はぁ、……ぁ、――――――」
不自然な赤みを宿す頬、濡れたような吐息を洩らす小さな口唇。
時折、ひくり、ひくりと腰を跳ね上げ揺らす仕草もまた、
娘が何か、とても淫らな夢を見ていることを示しているようで――――――
■ラチェル > 閉じた瞼の裏側、銀環に戒められた頭の中身を、外から窺い知ることは出来ない。
傍らの機械を通じて、どこかの誰かが監視し、あるいは鑑賞し、
娘の見る夢の中身にすら、なんらかの操作をおこなっている可能性もあるが、しかし。
眠っている、夢を見ている娘は、少なくとも今のところ、
そんな『だれか』の存在を認識してはいない。
――――――それどころか、ここがどこなのかさえ、
いったいどうしてこんな場所で、こんな不自由を強いられているのかさえ、
娘はまったく知らないのだった。
「―――――― ぁ、…… あぅ、ん、っ………♡」
か細く甘い掠れ声で啼いて、寝台の上で娘がまた、ひくん、と腰を跳ねさせる。
微かに響く、粘こく籠もった水音が、ひと筋の銀色を滴らせた。
膝まで捲れた寝間着の裾、その奥に隠れた下肢の付け根あたりから、
寝台の下、床へ伝い落ちるしずく。
ぼたり、ぼたりと染みを広げるそれは、甘酸っぱい雌の香りを漂わせて。
■ラチェル > 一度、昇り詰めてしまえば、眠っていても堕ちるのは早い。
娘が腰ばかりか全身を戦慄かせ、銀環の填まった頭を左右に振り、
覚醒を疑いたくなるほどの嬌声をあげて身悶え、絶頂を繰り返すこと、十度を数える頃。
疲労困憊した娘がぐったりと身を投げ出す寝台が、
じわりと蠢き、形態を変える。
そも、弱々しかった照明を遮って伸びた無数の『腕』が、
娘の肢体に絡みつき――――――――
それが最後の責めとなるのか、あるいは未だ次があるのか。
いずれにしても、いま暫くの間、室内には淫靡な蜜音と、
娘の啼き声が響き続けたという――――――――。
ご案内:「夢幻窟」からラチェルさんが去りました。