2023/06/16 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場 最上層」にエリシエールさんが現れました。
■エリシエール > 平民から王族まで、数多の人物が利用する遊戯施設「ル・リエー」
円錐状の施設の最上層にて、脚を組みながら高級感のあるベンチに座する女は
一糸まとわぬ姿で水遊場を眺めていた。
本来の目的は、この施設の衛生事情や利用者の分布の把握。
経営状況の査察および問題点や改善点のチェックといったところだ。
本人は事が済めば平民たちに混じって全裸で泳ごうとでも思っていたが、
臣下に全力で阻止されて利用できる客など限られている最上層へ追いやられた。
プールから少し離れた休憩所より、女は施設や空をじっと眺めている。
氷と輪切りになった果実の浮かぶサワーや氷菓がすぐ傍のテーブルに置かれ、
魔導機械が涼風を送り薄い桃色の髪をなびかせる。
サービスは心地よいのだが、愛すべき民がどのようにこの施設を楽しんでいるのか
直に拝む事が出来ない。
「どうして、このような静かな場所なのですか。せめて民で賑わうもう少し下の……」
サワーをストローで啜りながら、つまらなさそうにぼやく。
貴族の子女たちが、家族連れで水遊びをしていたり懇意の仲にある男女が泳いでいる
姿は見ていると微笑ましい。
だが、客層が客層なのでかなり少なく、品のない遊び方をする者もさほどいないので
全体的に静かだ。
■エリシエール > 「…………噂ではもっと賑やかな遊び方をされると伺ったのですが」
たまたま日が悪かったのか。それとも査察に訪れると知って
そのようなコンテンツは鳴りを潜めたのか。
王都の者が直々に査察へ訪れるともなれば後ろめたさがなくとも
身構えるのは無理もない。
……実際、施設関係者の応対や臣下の監査内容では、「指摘・改善事項無し」と
何ともない結果に終わったが。
「…………まあ、あのような紐同然の、際どい水着なんてあるのですね。
裸とさして変わらないではありませんか」
不意に、ある利用者の水着が眼に留まる。全裸で泳ぐのを禁じられていた女は、
そのまま際どい水着で泳いでいる女性客を視線で追う。
「……何か着てさえいれば、局部が隠れてさえいればそれで良いと?」
狂王女は持ち前の知性で悪だくみを始める。
着用さえしていれば……水着を着ていると認識されていれば、それでよいわけだ。
「……ふふふ、素敵な考えが浮かびました。
”塗れば”良いのです!!」
頭のねじの外れた女は、ボディペイントなる作戦に出た。
だが、稚拙な塗り方ではすぐにばれてしまうだろう。
「少し、お花を摘みに参ります。……すぐ戻りますゆえ」
女はベンチを離れ、トイレがすぐ傍にある更衣室へとすたすたと歩いていく。
本当に向かったのはトイレではなくシャワールーム。
仕切りの設けられた鏡張りのシャワールームで、魔術を行使して色の濃い液体を
どこからともなく生成すれば、指先でビキニの輪郭を描いていくが……。
「……一人では流石に手間取りますね」
■エリシエール > これだ と思って描いてみたのはビキニ姿。
だが、全裸ゆえに左右へ開かれた豊満な乳房の
谷間に描かれた紐にあたる部分はどう見ても不自然。
「……むむ……ままならないものですね。
開けた胸が不自然にならないデザインを考え直し……」
その後も色々な形も水着を考え直して何度も指で輪郭を
描いて、これならどうだと試みるが、納得のいく仕上がりにはならず。
どうしても、水着を着用しなければならないのか。
周囲が赤面し、騒ぎ出す程のインパクトを与えたい。
女は、行き過ぎた【戯れ】の為にボディペイント作戦を諦めず、
何度もシャワールームで自らの身体に水着状の紋様を描いては
シャワーで洗い流す。
「…………芸術の心得のある臣下が居ないのが悔やまれますね。
今回は、諦めましょう」
水遊場を大騒ぎさせたかった王女は、懲りたのか風の呪文で
塗れた身体を乾かせば、諦めて元いた場所へと戻り。
時間になるまでは全裸のまま、官能小説でも読んで優雅に水遊場で
過ごしていたとか。
ご案内:「ル・リエーの水遊場 最上層」からエリシエールさんが去りました。