2022/07/16 のログ
ピーター > 「さーて、そうと決まれば魔力の補給方法考えっかな。
 思い返してみりゃこっちの世界に来てから碌に魔力の補給した覚えがねーや。」

ゆらゆらと水面を揺蕩いながら、今後の方針を考え始めるピーター。
然しその内に考えることも飽きて来て、ただただ流れるプールを流される子供に成り下がっていくのだった。

ご案内:「ル・リエーの水遊場」からピーターさんが去りました。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にクチナシさんが現れました。
クチナシ > 「……いやぁ……極楽、極楽であるなぁ……。」

水遊場の下層エリアに存在する海岸をモチーフにして作られたエリア。
流れるプールとは違い、実際に海水に近しい水質で浮きやすく、それでいて魔法的な要素で溺れる心配もない安全なアトラクション。
海ということで遠泳にチャレンジする冒険者や平民も多く、人気のアトラクション。
……なのだが。

此処にいる……外見は子供にしか見えない存在は、浮いていた。
浮き輪にお尻を嵌め、尻尾を其処に巻き取らせ、夏設定の太陽の日差しを全身で浴びながら、浮いていた。
ぱちゃぱちゃと波打つ度に、火照った身体を冷やす海水。身体上部と下部の温度差が心地よい。
かれこれ数十分、まるでブイのように浮いていたが、其れでも飽きない。呑気な異種族故の時間感覚。
と言っても、腹は減るし、浮きっぱなしでも体力は適度に奪われるので。

「……まぁ、流石にそろそろ戻った方が良いだろう。腹の虫もなるやもしれぬしな。……ん? お?」

――……気づいた。
尻尾が引っ掛かり、尻が抜けない。そして、Vの字に近い身体の状態では泳げない。

「……しまった。……戻れん。」

――――ざざぁん。波に揺られる、小さな影。

ご案内:「ル・リエーの水遊場」にティネさんが現れました。
ティネ > 「へえ~ここが水遊びできる場所かあ~」

水遊場にふわふわと入り込んでくる蝶……のような姿をした小さな妖精の少女。
宙を蝶翅で飛んで、知らない場所で物珍しげにきょろきょろと見渡していたが
波間に漂っているこどもの姿を見つける。
単に浮かんで遊んでいるだけのようにも見えたけど、
なにか焦っている気配を感じる。
ひょっとして動けなくなったのだろうか?
むくむくといたずら心が湧いてきた。

「お~いっ 何してるのかな~?」

仰向けに浮かんでいるそのお腹に、とん、と両の脚で着地する。
手のひらサイズの少女に、重さはほとんど感じられないだろう。

クチナシ > 「……妖術を使えば何とでもなるが……。いや、なぁ。」

言葉通り。動かずともどうにかする手段はある。が、此処は公共施設。
例えば …… 風を起こしてその身体を波打ち際まで寄せたら? …… 巨大な波が発生し、他の客の迷惑になる。
というように、生活魔法程度の出力ではなんとかならないので、攻撃用の呪術を使おうとすると、何かしらの弊害が出る。

「一応、講師という立ち位置故……なぁ。……ん、ぬぬぬ。」

人好きとして、一講師という立場の存在として、そういったものはしたくない。
水泳帽越しの耳が聞き取るのは、家族の喧騒。遠泳に営む少年少女の楽しげな声。
浮き輪の取っ手部分に手を添え、力を入れる。小振りな臀部が力によって、少しだけ浮き上がろうとしたところ……。

「……珍しい。妖精の子か?……いや、なに。少し波に攫われそうでな。
 今、少し力を込めて、どうにかしようとしていたところだよ。」

ぽてんとお腹の上に乗った小さな少女の姿に気付き、腕に込めていた力を抜いた。
此処で起き上がったら彼女が水面に落ちる故に。

ティネ > 「うん! ボクはたぶん妖精のティネだよっ。
 古風な喋り方をするねえ~キミは」

ニコ!と微笑みかける。
みためお子様でも実は歳をくっている……というひとを何人か知っているので、そのパターンだったりするのかな~と思いつつ。

「なんだろ~ お尻ひっかかっちゃったのかな?
 大丈夫~? 力入れられる~?」

心配半分面白半分のからかうような声色。
こちらが水に落ちないように案ずる少年の気持ちなど知らぬ様子で、
その小さな身体でおなかの上を這い回り、くすぐろうとしている。
ちょこちょこ。ちょこちょこ。

クチナシ > 「自分はクチナシ。まぁ、今の格好ではわかりにくいと思うが……狐人族だ。
 ……ん、そうか?街に出てくる時に、ある程度矯正したんだが……。」

自由な手が水泳帽を示す。目を凝らせば、其処にはわずかに不自然な膨らみがふたつ。つまり、折り畳まれた耳がある。
獣人という存在故、抜け毛などにも気を配っている様子。

「恥ずかしいことにな。まぁ、力を入れれば何とでもなると思うが……。
 ……ティネがそこにいると力が入らないんだが。……ん……。」

そう。先程力を抜いたのも、目の前の彼女の事を案じて。
が、その相手がからかうような口調と共に、腹上で暴れまわる。
華奢に見えて、踏みしめれば筋肉の弾力を絶妙に宿す腹部。走るくすぐったさに小さく息を零して。