2018/09/26 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にユールさんが現れました。
ユール > 「 は ぁ… 」

(少し呆気に取られてしまう。
色とりどりの水着が、所狭しと並んだ様子は、作り物で出来た花壇か何か、思い起こさせる。
なら、その中を彼方此方と行き交い、笑いさんざめき合う、姦しい娘達は。蝶だか鳥だか、なのかもしれない。
ただ、少女はどうしても、そんな中に入り辛くて。売り場の一角で待機中。
何せ、売り場で水着選びに精を出す娘達の、付き添いというべきか、従者というべきか。それが今日の役割だから。
相手は自分よりもずっと、位の高い貴族家や、王族の娘達。
とてもとても、ではないが、同じ輪に入るのは、気が退けるから。)

「 それに 何といいます か… 」

(一人ごちる。態々声にしてしまうのは。自身への言い訳、なのかもしれず。
正直。見ているだけで、結構楽しい。
殿方ならば、水着その物より、中身の方を気にするのかもしれないが。
自分にとっては、身に着ける当人なのだから、外側が大事。
それがこんなに綺麗で、色艶やかで、華々しくて。
今最近の世俗で流行る、海水浴という行事は。こんな物なのか…と感心しきり。
お嬢様達の水着選びが終わったら、自分や、その他若干名の付き添い達も、選ばせて貰おう。
…何だか。何だか水着という奴は、こんなに生地が少ないのかと。その辺は気になるけれど。)

ユール > (そんな、賑やかで晴れやかな声の主達が、戻って来る。
預かっていた金銭をそれぞれに渡せば、彼女達はそれぞれ、選んだ水着を売り子の元へ。
それを見送れば、次は、自分達の番。同じ位の立場の少女達と共に、改めて売り場に足を踏み入れて。)

「 でも ね、 これ着て 泳げる のかな……… 」

(物凄く。今更の不安ではあった。
海でとは限らず、そもそも、水の中で遊ぶ、という発想自体。つい最近まで、この国には広まっていなかった物だから。
先ずは、泳ぐという行為を、練習する所からになりそうで。
勿論、居並ぶ貴族の娘達の中に、既に泳ぎを習得している、という手練れは皆無。
先行き不安な水遊びの当日は、さて、如何なる結末になったのやら…)

ご案内:「ル・リエーの水遊場」からユールさんが去りました。