2018/05/28 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にレナーテさんが現れました。
レナーテ > 組合に流れ込んできた一般向けに出す依頼、その中でも稀に消化されないものがある。
そんな時は、組合から誰かを派遣して消化していくのだが……その日に限って空きは自分だけ。
渋々お休み返上で仕事へと出てきたわけだが、水遊場で貴族の護衛をするというもの。

「……早く終わってほしいです、本当に」

半分休みを満喫しながら過ごせるかと思ったものの、現実は虚しい。
波打ち際を擬似的に作り上げたプールには、無数の客が押し寄せ、はしゃぐ活気づいた声に満ちている。
線が細く、身体が確りとしながらも女性らしい膨よかさをもつ女の冒険者もいれば、陶器の様に真っ白な肌を面積広めなワンピースで覆う御令嬢も見えた。
おそらく、そんな少女達が依頼主の狙いなのだろうか。
目の届く範囲でプールへ向かった貴族を見送る自身は、彼らに準備された水着姿でプールサイドで壁により掛かる。
まだ発展途上の身体を、見えてはいけないところだけを隠すような際どい白インナーで隠しつつ、マイクロビキニという扇情的な格好。
水着もシースルー時に端をレースで飾った肌が透けるようなデザインであり、普段なら絶対袖を通さぬ作りだ。
水着の準備があると聞いたので、前準備なしに来たのは失敗だったと溜息を零しながら、遠目に観衆ごと依頼主を捉える。
寄りかかった格好のまま、慎ましげな胸元を隠すように腕を組み、人気のないところにいるのも、ただでさえ羞恥を強く感じる水着姿をジロジロ見られないようにと、人目を避けた結果だった。

レナーテ > (「帰ったら……輸入品のチェックと、内勤の娘の給与の承認と……他にもなにかあった気がします」)

ぼぅっと、集落に戻った後の仕事を思い浮かべながら、つまらなさそうに片足を浮かせていき、ぶらぶらと足先を前後へ揺らしていく。
今日の休日が潰れた分は、また別の日に休みをもらうとして、結局その手続も自分で……と、仕事の事に思い耽っていると、ほんの少しだけ集中が途切れてしまう。
広く全体を見渡していた瞳から、いつの間にか依頼主の姿が消えているのに気付くと、ハッとして壁から身体を起こす。

「何処へ……」

何処に行ったのやら、混雑期のプールほどではないが、それでも結構な人の数がいる。
おまけに皆肌を晒しているのもあり、誰が誰だかは顔か水着を見るぐらいしか判別がつかない。
それなのに、依頼主が履いていったバミューダはグレーと、余計に分かりづらくなるようなカラーチョイスときている。
探しに出るか? そう思いながら一歩踏み出すも、自身の姿を思い浮かべると、頬を少しばかり紅潮させながら動きが止まった。

(「この格好で……いや、その前に、耳と尻尾がありますし」)

人間の血が多いはずなのに、色濃くミレーの遺伝子が浮かんでしまった身体は猫耳と尻尾を宿してしまった。
少々割高なエリアとあって、それほど奴隷だからと乱暴を仕掛けようとするのが少ないのは幸いだが……依頼主の様なタイプもいるかも知れない。
現地で女を金で漁るようなタイプ、金で済むならいいが、それ以外に面倒を口実にするのもいるかも知れない。
色んな可能性に足踏みするものの、暫しの思考の後、結局踏み出すことに決めた。

(「ここで依頼主になにかあったら、組合の沽券に関わります」)

気は進まないが、組合のためにと踏み出していくと、それほど時間も掛からずして波打ち際へとたどり着いた。
擦れ違う男性から感じる舐めるような視線に気付くと、直ぐに視線から逃げるようにそっぽを向きながら、尻尾を丸めていく。
恥晒しの様な格好に薄っすらと瞳をうるませながら、耳の内側まで赤くして水の中へと足を突っ込む。
踝ぐらいまで浸かるほどの浅瀬を歩き、キョロキョロとあたりを見渡しながら、行方不明となった依頼主を探し回る。

レナーテ > 女性から突き刺さる視線は冷ややかなもので、視線が重なろうものなら、自ら肌を晒す淫売と罵るように舌打ちが聞こえる程。
好きでそうしているわけではないのに……と言い訳が心の中に浮かぶものの、話したところで何にもならない。
その音に怯えるかのようにピクンと耳が震え、重なった視線はすぐに反らして俯いていく。
居た堪れない心地になりながらも、依頼主を探さねばならない。
徐々に深瀬へと進みながら、人混みを少しだけ抜けていく。
腰元まで浸かるほどになると、水の掛け合いやら遊具やらで戯れていた客は少なくなる。
遠くに波に飲み込まれそうになりながら、泳ぎを楽しむ人影がポツポツと見えた。
金色の瞳を細めながらピントを絞り、その人影を探っていく。
念の為とそんなところまで見に来たのだが、やはり居るはずもない。
小さく溜息を零しながら踵を返そうと背を向けると、後ろで水のうねる音が響いた。
ぇ? と小さく呟きながら振り返った時には遅く、泡立つ水を巻き込みながら大波が押し寄せる。
水圧の体当たりに直撃し、切り揉む様に水の中を転がされる最中、眼鏡を落とさなかったのは幸いといったところか。
白波が波打ち際へ届いた頃、三つ編みが解け、茶色の入り交じるロングヘアが身体に張り付いた状態で水の中から飛び出す。

「かはっ!? こほ……っ、ぐ……はぁ……っ」

肺に入りかかった水を吐き出しつつ、前屈みになりながら咳を繰り返す。
鼻に入り込んだ水が喉の奥まで詰まっていたかのように苦しく、じくっと嫌な痛みすら感じる。
肩で息を繰り返しながら、徐々に呼吸が落ち着く中、身体を起こすと……胸元が妙に涼しかった。

「……っ!?」

細く引き締まった胴体、その胸元が綺麗に捲れ上がっていたのだ。
掌に収まる程度の膨らみは綺麗な三角型の房を描き、小さな蕾はツンと尖っていた。
乳輪も硬貨程の大きさで円を描き、薄っすらと褐色の交じる桜色。
乳頭も同様の色合いで、小さいながら先端にある窪みもはっきりとしている。
時間にして晒されていたのは30秒ほど……いや、それ以上かもしれない。
ニップルの上に白い水着が被さるような状態で晒された胸元を、真っ赤になりながら両腕で包むように隠していく。
金の瞳には明らかなほど涙が滲み出し、耳の内側まで真っ赤に染め上げながら全身を隠すようにしゃがみ込む。
視野に広がる人集りの中、どれだけにこんな醜態を晒してしまったか。
その熱を覚ますように、口元まで水に浸かりながら視線が左右に揺れて、周囲の様子を確かめていた。