2017/11/27 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にシェラフィータさんが現れました。
シェラフィータ > 光に紛れて姿を隠し、テラスのデッキに舞い降りる。
彼女のそのおこないは明らかに不正侵入だったが、見咎める者はいなかった。
直射日光の中でなら、そして彼女が望みさえすれば、その姿は誰にも見えなくなる。
上級魔族の彼女はそうして人間の街に現れる。

今は冬、テラスの屋外プールには温かい湯水が満ちている。
夏場は野外プールとして、冬場は屋外スパとして提供するのが慣わしだった。
スパといえど、水着は着用しなければならないのがここのルール。
しかしこの上位魔族に社会のルールは通用しない。

薄手の白いワンピースの下には白い下着のみ。
傍らには漆黒の魔剣が浮き、所有者と同様に陽光に紛れている。
もしもその姿を目にしている者がいれば、漆黒の魔剣が揺らぎ無数の触手に姿を変えるさまが見えたに違いない。

「……こんな場所で、いけませんわ。
 もしも……わたくしの心が乱れてしまったら……」

清楚な処女のような顔で、上級魔族は顔を伏せる。
彼女の手足に赤黒い触手がまとわりついてゆき――

シェラフィータ > ――――光隠れ。
上級魔族のその能力は、彼女の心が乱れると途端にその力を失う。
陽光に紛れ、人目を欺くには、精神の集中が必要だった。

背に一対の白翼を生やした清楚な少女の白い手足の端に絡みついた赤黒い触手。
触手は肌を舐め回すように、ゆっくりと手足を這い登りながら、華奢な胴に近づいてゆく。

「やめて……、こんな場所で……」

少女は小声で呟いて、すぐに唇をかみ締める。
光隠れ。その能力で、声まで消すことはできない。
もしも大きな声を上げれば、周囲に聞こえてしまうだろう。
無数の触手に姿を変えた魔王の化身、漆黒の魔剣は、主であるはずの上位魔族の言葉を無視して――

ご案内:「ル・リエーの水遊場」からシェラフィータさんが去りました。