2017/09/12 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にシトリさんが現れました。
シトリ > もとはオアシス集落にいたシトリ。水泳は遊戯や運動でなくもはや生活の一部と言ってもよい。
郊外に水遊場が開放されたと聞けば興味をそそられるが、初回は混雑をさけるべく、あえて真夜中に来訪してみたのだった。
それでも、平民層に向けて比較的安価に開放されたエリアには、人影は少なからず見受けられる。

「………はぁー、すごいなぁ。こんな広い屋内にこんなに池があるなんて」

購入した水着に着替え、場内に入ったシトリがまず感心したのは、空気の生暖かさ。王都の大浴場施設にも似た雰囲気だ。
湿度も高い。乾燥した砂漠生まれのシトリとしては違和感が勝るが、ムワッとした熱気はどこか心地よさも感じる。

ところで、シトリの着けている水着がなぜよりにもよって「女物のマイクロビキニ」なのか。
ありていに言えば水着売りの悪ふざけの結果だ。しかし、辺りを見回すシトリに自らの装いを恥じらう素振りはない。
本来彼にとっては、水泳や水浴びは全裸で行う行為なのだ。水着は施設に入るためのルールと言われ、しぶしぶ購入したのだ。
全裸と、少しでも布を纏った状態、どちらがより恥ずかしいかと言われれば、まぁ自明だろう(たぶん)。

シトリは、流れるプールや波打つプールなどの遊泳目的の施設を横目に、スタスタと奥の方へ歩いて行く。
彼が足を止めたのは、より本格的に「水泳」を行うための水槽がいくつも設けられたエリアの傍。
とくにシトリが気になっているのは、浅くとも2m、最深部は6mにも至る極めて深い作りのプール。飛び込み台も併設してある。
さすがにこの深さだと泳ぐ難易度は高いだろう。すぐそばの他のプールには人影もちらほらと見えるが、ここは無人だ。

シトリ > 魔術によって清められた水は、不自然なほどに透き通っている。6m下の底までも明瞭に見て取れる。
多少水泳をたしなんだ程度の者が見れば、それだけで脚がすくみそうな光景。しかしシトリは平然と見下ろしている。
とはいえさすがに最初から高所飛び込み台を使う度胸もない。まずはプールサイドで準備体操。

「………ふっ。………ふっ、ほっ……」

屈伸、伸脚。アキレス腱も伸ばす。……実はシトリには腱などの体組織はもはや備わっていないのだが、一種の癖というものだ。
大きく脚を広げると、薄い布に包まれふっくらと真球を形作った股間が周囲からも悪目立ちする。褐色肌に白い布だからなおさら。
ビキニパンツは、平常時の男性器をぎりぎり隠しきれる程度の布地しか有していない。
しかし、本来であれば全裸でやるはずの水泳である。やはりシトリには今の自分の容姿を恥じらう様子はない。

やがて早々に準備運動を終えたシトリは、水の温度を確かめることもなく、まるで歩み入るように水槽に身体を投げた。
たぷん、と控えめな水音と飛沫を立てて、透明な水中に褐色の身体が沈む。

「ん、ふふっ。もう少し冷たいほうが好みだけど……いい感じ♪ オアシスを思い出すなぁ……」

澄んだ水に包まれる心地よさに、水中にもかかわらず思わず独り言が漏れてしまう。
そのまま、しばらくは水面付近を円を描きながらスイスイと泳ぐ。
たいして足を動かしておらず、ただゆっくりと身体をくねらせているだけなのに、泳ぐスピードはかなり速い

ご案内:「ル・リエーの水遊場」にリンさんが現れました。
リン > 黒いスパッツだけを纏い、紐で髪を後ろにくくってぺたぺたと歩く。
リンが真夜中に水遊場に訪れたのは、大凡はシトリと同じ理由だった。
薄い布を纏った美女を眺めるには、人の多い昼間のほうがむろん適しているだろうが、
どんなものかと軽く様子を見る分にはこれでいい。
水泳施設というものが一体なんなのかというのを確かめたい、という
純粋な好奇心はこのろくでなしにもあった。

「おや……」

通りがかった深いプールに、目を引くものがあった。
嘗て船の上からイルカの泳ぐ様を見たことがある。水中で滑らかに身を踊らせる褐色に、それを思い出した。
……しかしやたら恥ずかしい水着だ。……というかどこかで見た覚えのある肌色だ。
泳いでいる姿では確信が持てないまま、プールサイドに座り込んで控えめに拍手など送ってみる。

シトリ > 「………ぷはっ。……よーし、次はっと…」

しばし伸び伸びとした遊泳を楽しんでいたシトリだったが。
立ち泳ぎの姿勢に顔を水面に出して数回息を整えると、勢い良く身体を沈め、水を蹴り、潜行を始める。
人魚めいて全身をしなやかに波打たせ、螺旋状の泡を軌跡に残しながら、シトリは2m、3m……と躊躇なく潜っていく。
……しかし。

「………んん?」

水精霊と一心同体になってしまったシトリは、水中においては空気中よりも遥かに五感が明瞭となる。
水槽の半分近くを潜った状態でも、外のプールサイドで鳴らされる拍手の音ははっきりと聞こえる。
餌付けの手拍子に反応する鯉めいて、シトリは優雅にUターンを決め、潜行するのと同じ速度で浮上する。

「……ぷはっ! あ、あれ、リン!? キミも泳ぎに来てたの?」

再び水面に顔を出したレモン色の髪の頭は、プールサイドで拍手を鳴らす少年の姿をすぐに認め、その名を呼びかける。
よく見知った顔だ。しかしシトリは水からは上がらず、立泳ぎの姿勢でその少年に喋りかける。
澄んだ水の中で、褐色の体にちょっと恥ずかしい布地を纏っているのがよく見えるだろう。
そして、立泳ぎにしては、足の動きは少ない……というより、ほとんど棒立ちのままで水中に浮かんでいる。

「今来たとこなの? だったらこっちで一緒に泳ごうぜ、リン!」

彼の肌がほとんど濡れてないところを見て取れば、やや挑発的に手招きして誘う……深いプールへと。
久々に広く澄んだ水の中で泳げたからか。いまのシトリはややテンションが高い様子。

リン > 「おお?」

どうせ聞こえないだろうとたかを括っていたら、すぐさま気づかれておののく。

「やっぱりシトリだった。うん、どこで泳ごうか考えてたところ。
 ……なんだかマニアックなもの着てるねえ~。そういうの好きだった……?」

あまりにも不自然なものを着用しているというのはリンでなくともわかるだろう。
そういうのを好むタイプという印象ではなかっただけに。
……それとも彼の出身ではこれが普通だったのか、などといらぬ考えを巡らせ。

「……お、おうよ。別に全然怖くないし。
 小さくなってるときで、これぐらいの高さに慣れたし!」

金槌というわけではないが、今のシトリの鮮やかな泳ぎを見てしまえば気後れもする。高いし深いし。
だが応じないのもつまらない。準備運動を軽く済ませ、よせばいいのに飛び込み台の端に立つ。
プールの水面からでも、高さに緊張している様がわかるだろう。

「……とうっ!」

だがやがて意を決して、台を弾ませて跳ね――バシャーンと着水した。背中から。

「いってー!!」

なんとか顔を水面に出す。ひりひりする。背中が。

シトリ > 「マニアック? 何が? この……水着だっけ? 店員にこれを勧められたから着てるんだけど。
 普段のズボンみたいな水着もあったけど、速く泳ぎたいからできるだけ布少なめに……って言ったらこれを買わされたんだ」

リンの問いかけに、シトリもどこかとぼけたような表情を浮かべたまま答える。
……そして、ここにきてシトリの脳内にぼんやりとした疑問が浮かぶ。目の前のリンは、下半身にしか布を纏っていない。
更衣室でも、他のプールでも、男性は下半身のみを隠し、女性は胸部にも布を着けていた……ような。
泳ぐこと・泳げることに気を逸らせるばかりに、周囲があまり見えていなかったことを今更ながらに後悔しつつ……。

「……え、なに。ちょっとまってリン、いきなり飛び込むのは危な……」

思案を巡らせている間に、リンは飛び込み台の上にいた。慌ててそっちの方を振り向き、ぎょっとしたような視線を送る。
泳ぎに絶対の自信がある自分でも躊躇した飛び込みに果敢に挑戦する少年。
さすがに今から止めるわけにもいかず、内心ハラハラとしながら彼の様子に注目するシトリだったが。
……案の定、彼の飛び込みは失敗した。痛々しい音と、おびただしい水しぶきが水面に響く。

「……ほらー、飛び込みはやっぱり危ないって! 大丈夫!? 強く打ったんじゃない?」

シトリは身体をくねらせ、水面から顔を出したまま滑るように泳いで彼に近づく。
意識は失っておらず、顔を出して呼吸をしているところを見れば大事には至っていないようだ。
したたかに背中を打ったのは見ていたので、俊敏に身体をよじって彼の背後へと回る。
そして、半ば抱きつくように褐色の身体を寄せ、彼の背中に傷や打撲が無いことを確かめようとする。

「大丈夫、かな………っと」

水の流れに煽られ、リンの背中とシトリの胸がつかのま密着する。
プリッと張った2つの乳首も、薄布に覆われた柔らかい局部も、ふんわりと押し付けられる。
焦っているシトリはすぐには身を離そうとはしないが、傍から見て小恥ずかしい密着具合になっていることは認識しつつある。

リン > 「…………。」

それ騙されてるよ。と口にすることはしなかった。




「ううう……。痛いだけだから……多分……大丈夫……」

水に全身を濡らして、我ながらアホなことをしたな、と思う。
自分は自分で思っているよりアホなのかもしれない。
そして年下に思いっきり心配されている。
そんなこんなで落ち込んでいると、背中にシトリの小さな身体がぴとりと密着した。

シトリが触れるならわかるだろうが、運の良いことに怪我らしい怪我は見て取れない。

「…………あ、ごめん、ありがと…………
 あの……大丈夫ですから……」

当たってますよ。背中とお尻に。
立ち泳ぎの姿勢のまま気まずそうに顔を赤くする。
したたかに身体を打ってしたたかにプライドが傷ついていたところにこの不意打ちである。
シトリのマイクロビキニは、間近で見ると背徳感がその、すごい。
下半身に血が通っていくのを感じる。下にサポーターがあるからまだ見てもわからない。
でも心臓が早く鐘を打っていることは伝わるかもしれない。

シトリ > 「ほんとに大丈夫? ならいいけどさ。まぁ、こういうのも慣れの問題だよな!」

いまは泳ぎに夢中の心持ちであるシトリ。
身体を密着されたリンの照れに気付く様子もなければ、自分から熱烈なスキンシップを取ったことへの照れも見られない。
快活な、それでいてどこか気の抜けた声を張り上げると、シトリは身を離し、未だヒリついてるであろうリンの背中をペシッと叩く。

「よーし、今度はオレの飛び込みを見せてやるよ。お手本ってやつだ!」

目を細め、白い歯を見せながらニッと笑うと、シトリは素早く水面を駆けてプールサイドまで寄り、小走りで飛び込み台に向かう。
しばらく後、数段にわけて設けられた高飛び込み台の一番上……水面から10mはあろうか……に褐色少年の姿が現れた。

「いくぜー、リンっ! ……とうっ!」

下にいる少年に一声飛ばして安全を確認すると、シトリは一切の躊躇もなく飛び込み板を駆け、しなりを利用して宙に飛翔する。
しなやかな弧を描く、褐色の身体。しばし風を感じたのち、ぐっと身体を丸めて前に3回転。
着水の瞬間に再び身体を伸ばし、水面に対して完全に垂直となって入水した。
ざぁん! とけたたましい水音が立ち、水しぶきがあがるが、高所からの飛び込みにしては比較的音は小さめ。

澄んだ水の深みに沈み込んだ褐色の身体は、蛇のようにその肢体をくねらせ、勢いに任せてさらに深く深く潜っていく。
そして、6mの底まで一気に潜行した後、水面の方へ向き返って、リンに向けて勝ち誇ったような笑みを向けた。

……リンのすぐ傍に、白い布地が浮かび上がってくる。小さな三角形の布地に、細い紐が伸びている。
シトリが腰に履いていた水着だ。着水と潜行の勢いで脱げてしまったようだ。
水底でVサインを向けるシトリは、まだその事実に気づいていない様子。

リン > 離れていくシトリに、ほっと一息つく。
普段ならこんなことでいちいち動揺はしない。状況が悪い。そういうことにしておく。
手で水をすくってパシャパシャと自分の顔にかけた。

「お、本当に? ……参考にできるかは怪しいけどな!」

着水予想地点から十分に距離を取り、板をしならせる褐色を見上げる。
見事な回転ののち、鮮やかな着水。飛んだ飛沫が顔にかかる。
野生の獣が躍動するような美しさだった。
自分の飛び込みとは比べるべくもないだろう。
勝負になっていない。お手本にもならない。悔しさすら浮かばない。
そのまま浮かび上がらず澄んだ水の底へ底へと進む彼の姿に、純粋な感嘆の表情を見せた。

「…………」

傍に浮かび上がった白い布地に、その顔が固くなり。
続いてニマ、と口角が上がった。

「ほぉ~~」

手にとって見ると、着衣という概念に喧嘩を売っている布の少なさだ。
物珍しげにしげしげと観察したり、布地をちょっと引っ張って質感を確認したり、
なんとなく匂いを嗅いでみたりする。その様子は水底からでも見えるだろう。

シトリ > 防水性の石膏みたいなモノだろうか? 綺麗に均された水底は鮮やかな水色の塗料を塗られ、触るとザラついている。
湖や川の底とも、風呂の底とも違う人工的な池の底を、褐色の魚は優雅に泳いで見せる。
急速に潜ったにもかかわらず、水圧にたじろぐ様子もなければ、口からあぶくを発したりもしない。

…実のところ、水精霊と半身を融合したシトリは、息継ぎすることなく潜っていられる。水圧もこの程度ならどうってことない。
しかし、過去に風呂を借りたときにこうして何時間も潜っていた結果、溺死体と間違われたことが何度かある。
ゆえに、衆目下では何分も潜っているようなことはせず、意図的に息継ぎをするように見せることをシトリは学んでいた。

そんなわけで、1分ほど水底の水圧を堪能したのち、水面のリンの元に戻ろうと上を向き直った時。
彼の手の中に、どこかで見覚えのある白い布地が握られてることに気づいた。
はっとして自分の下腹部に目をやると……澄んだ水に揺られて漂う男性器が完全に露わになっていた。己の痴態にようやく気付く。

「ちょっ……ま、や、ヤバイって!」

思わず水中で叫び、上を向いてぐるんと身体をひねった。ドリルめいて水を切り、シトリは上昇していく。
水底から6m上の水面に頭を出すまで、わずか4秒ちょい。

「っは! はあっ……ちょ、ちょっとリンっ! それ返せよっ!」

褐色の頬を赤らめ、必死の仕草で手を伸ばしてリンに掴みかかろうとするシトリ。しかしこれまでの泳ぎの優雅さはどこへやら、
焦ったように足をバタつかせ、手で水を叩いて近づこうとするも、うまく進めず。脚の間で、皮被りのおちんちんが踊っている。
リンの目の前で下半身をはだけてること自体はどうってことないが、プールのルールを破ってしまっていることへの引け目や、
リンがその布地を扱ういやらしい手つきに少々戸惑っているようだ。

リン > 「うわはや」

常軌を逸したスピードで浮上するシトリに素の驚きの声が出る。
水の精と融合したと前に言っていたが、人間離れした泳力は、その影響なのだろうか。

「やっだね~。ここまでおいで」

古典的な挑発セリフを吐いて立泳ぎで逃げる。打って変わったシトリの慌て具合が面白い。
後頭部に尾のように括った藍の髪の毛がゆらゆら揺れた。
立泳ぎがそんなに速いというわけでもないので、シトリの不格好なバタ足とは案外いい勝負かもしれない。
なかなか追いつけないようなら、これみよがしに白の水着を口ではむはむしてしまうだろう。
果たしてどこまで逃げおおせるだろうか。

シトリ > しばらくは面食らったような狼狽ぶりで喘いでいたシトリだったが。

「ぐぬぬぬ………ーーっ! リン、あまりふざけてるとオレ、怒るかんな!」

つたない泳ぎながらもリンがどんどん離れていき、あまつさえ己の水着を口に咥えるような破廉恥な行為に出るのを見ると。
水面で暴れていたシトリは不意に動きを止め……羞恥の中にほのかに怒りの震えも見える赤ら顔で、頬を膨らませながら彼を睨む。
そして、チャプンと僅かな水音だけを立てて、火照った頭部を素早く水面の下に沈めると、体をよじり……。
先程までの狼狽はどこへやら、水底から駆け上がってきたのと同等の速度で、リンに向けて踊りかかった!

「まてぇッ!」

まるで血を嗅いだサメのように一直線にリンに向けて突進する。
しかし、激突するわずか数十センチのところで機敏に進行方向を変え、リンの横手へと回り込む。
と同時に、彼の履いたスパッツへとおもむろに手を伸ばし、指を掛けた。

「そんなにオレの水着が欲しいなら、交換だ、交換ッ!」

水中であるにもかかわらず、シトリの叫び声は水面の上にも明瞭に響く。やはり、シトリの口からは泡は吐かれない。
獲物に食らいつく水獣のように激しく身をよじりながら、シトリはリンの水着を無理やりずり下ろそうとする。
振りほどけなければ、リンもシトリと同様に下半身を露出してしまうだろう。