2023/05/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアスリーンさんが現れました。
■アスリーン > 王都の外縁、城壁にほど近い貧民地区。
ぐるりと円を描くように外側から広がる危険地帯は広く、日常的に危険が付きまとう場所。
陽が高いうちはまだマシだろう。
空に藍色の天幕が下がるように、星と月の心もとない明かりの下では、さらに危険度は高まる。
そんな場所へ、貴方が何を目的とし、訪れ、歩いているかはさておき。
道行く先の果てにある広場に似た開けた場所に、ソレはいた。
穢れのない純白を纏い、癖のない長い銀髪をさらりと揺らす、3mに近しい巨大な女の姿。
外灯すらない場所なのに、ソレの周囲はほんのりと白く輝いて明るい。
その背にはうっすらと半透明な六枚の翼。
物語に出てくる天使、そんな風に呼ばれる存在。
遠目からでもその大きな姿はよく目立つ。
そして彼女の周囲には、人が膝を抱えていれば一人入れるだろうという白い羽根で出来た繭が、いくつか転がっているのも、貴方の目には見えるだろう。
進むもよし、引き返すもよし。
貴方が近づくのなら、その足音でソレは振り返り、可憐な少女の容貌で微笑みかける筈だ。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアルブムさんが現れました。
■アルブム > ちょっとした請け負い仕事として、王都外縁に住む人物への届け物を済ませてきたアルブム。
いつものごとく手際も足取りも鈍臭く、帰途につく頃には夜も更けてしまっていて。
ランタンの明かりだけを頼りに危険な路地を行くのももはや恒例行事。
もちろん慣れてはおらず油断もなく、最大限の警戒心を張り巡らせてひたすら平民地区を目指す。
……しかし。遠目に白い光を見たならば、まるで誘蛾灯に寄せられる虫のように、ふらふらとそちらに向かってしまう。
「――あれは。あの光は……」
貧民街に似つかわしくない、清浄な白い光。アルブムはその色合いに見覚えがある。
彼の脳内で《かみさま》が警告を発する。しかしアルブムの歩みは止まるどころかむしろ加速していって。
もはや歯止めがきかないと見れば、《かみさま》は早々に己の下僕との接続を『切断』する。
「………やっぱり。ええと……貴女は、たしか………」
そうして、ローブの少年は広場に佇む巨大なる存在に相まみえる。
明らかに人の域を超えた巨躯、存在感、そして神聖さに心の底では打ち震えつつも、それよりも再び遭遇できたことに歓喜を覚えて。
「――アスリーン、様……!」
うっとりとした笑みで、己の2倍もの身長を有する女性の名を叫ぶ。
いつか夜の海辺で遭遇した大いなる天使。
その時は天使の躰に埋もれるや否や、夢の谷底まで誘われ、気付けば朝を迎えていたアルブム。
遭ったこと自体が夢幻ではなかったかと一時は疑っていたが、こうして正気なときに再び見ることができた。もう存在を疑いようはない。
……すでに魅了されきっているがゆえに、周囲に転がる大きな羽繭について、疑問を抱くこともなく。
■アスリーン > 弾むように駆ける足音は大人にしては軽い。
その音を聞いた天使がゆるりと振り返れば、そこにはきらきらと歓喜に打ち震えたような眼差しの貴方。
天使に見覚えがる様子に、頬に手を当てた天使はしばらく考えるように首を傾けて。
その内に≪かみさま≫と呼ぶものを抱く少年に関する、記憶の泡が浮かぶ。
波打ち際で、腕の中に抱くだけで幸せそうに眠りについた貴方の事を思い出したようだ。
貴方の中にある存在に天使は興味を抱いたけれど、今日は何も感じない。先んじて逃げられてしまったのだろうか。
残念に思いながらも、天使は恍惚と笑みをむける小さな貴方の前に音もなく近づき、その膝を折ってもなお小柄な貴方を見下ろす。
「こんばんは、小さく可愛らしい貴方」
変わらず、鈴を鳴らすような声音で、貴方の聴覚を。
青い瞳を覗き込む天使の瞳が、貴方の視覚を。
貴方の顔をそのまま掴んでしまえそうな大きな掌が、貴方の頬を撫でれば、貴方の触覚を。
その距離まで近づくことを許せば、貴方が好むかぐわしい香りが、貴方の嗅覚を。
それらの感覚を介して、貴方の脳を幸福で侵し行く。
変わらぬ状態異常。それらに一度かかった貴方ならば、その幸福感に覚えがあるだろう。
「わたくしに会いに来てくれたのね。嬉しいわ、▮▮▮▮▮────アルブム」
言語不明の音が、貴方の名を呼ぶ。
■アルブム > 実際のところ、《かみさま》は超常存在を騙る者。詐称者。アルブムの運命をその出生の時から弄ぶ災厄。
ガチの超常的存在に干渉されると容易に馬脚を現しかねない。それはアルブムを生涯にわたり『弄り倒す』計画への障害となる。
そのため今回も早々に引っ込んだわけだ。
もっとも天使との遭遇によりアルブムの心身がどう変化するかは《かみさま》の興味の対象であるため、強く制止することもしなかったが。
「こんばんわ、こんばんわです、大きくて素晴らしい天使様……!
ぼくなんかの名前を覚えていてくださっていて、光栄です……」
そんな《かみさま》の思惑と当惑なんて一切知ることのないアルブム。
致命的な存在である堕天使の誘引にまったく疑問を抱かず、神聖なる存在との接触に歓喜しながらずけずけと接近していく。
からからと鳴らしていた鈴つきの杖も途中で手放して。
いっときでも早く、彼女の肌の温かみを、香りの清らかさを、声の甘さを味わおうと、その身を寄せる。
「ぼく……もっと天使様とお話したくて……天使様のことを知りたくて……!
幸せに……人を幸せにする術をもっともっと知りたくて……!」
ただ自分が、彼女のもたらす超常的な幸福感に浸りたいだけ。それが本音。
当然そんな自分勝手な思惑を口にすることなどできず、言い訳めいた建前で繕いつつも。
すでに少年の顔は天使に奪われた五感によってとろけきり、空色の瞳は一心に天使の顔を見つめ、離れない。
■アスリーン > 天使の与える幸福は等しく、状態異常だ。
思考を鈍化させ、感覚を鋭敏にし、幸福ホルモンと呼ばれるものを分泌させ、強制的に幸せを与える。
天使はそうしてヒトに快楽を与え、果てさせ、幸福で脳を侵し、身体を淫らに犯す者。
それをまだ体験していない貴方が懸命に語り掛けてくるのを受け止めながら、天使の細長い指先がするりと猫の顎下を撫でるように貴方の顔を上向かせる。
「ヒトを幸せにする術なら、教えてあげるわ。
────素晴らしい快楽(こうふく)を」
天使は微笑む。
そして貴方に顔を寄せ、小さな顔の小さな唇に、ソレを押し当てた。
柔らかく弾むような艶めく珊瑚色の唇が貴方の唇に押し当てられ、そこから伸びる舌が深く貴方の口腔へと侵入する。
今更拒むことなどないだろう。なにせ貴方はもう天使の与える幸福の虜だ。
注がれる甘露に似た唾液は貴方の舌から、味覚を侵す。
脳へと見えない触手が伸びるように、五感全てから幸福感が襲い掛かる。
────【幸福付与】。
天使が与える状態異常。
体力増強、精力増強、精神強化、生命力強化、心身負荷無効。
感度上昇、思考力の低下、性欲増強、リジェネ、苦痛軽減。
思考を鈍らせ、性欲を昂らせ、感度を上げ、肉体と精神を強化する。
一種の上昇効果バフでありながら、それはこれから与える淫獄に耐えうる肉体になるように与えられるものだ。
なにせ普通の状態では間違いなく、淫死してしまうので。
「さあ、わたくしの愛を受け入れて、愛しい貴方」
■アルブム > アルブムは心の内で理解している。彼女のもたらす幸福は技術や信仰ではない、天使としての能力であることを。
天使でも何でもない、ただの人の子である少年には、到底真似のできないわざ。
それでも、実際にその力に触れることによって、天使に――あまねく他者に幸福をもたらす者に、近づけるかもしれないと。
とろけ始めた脳内で必死にそんな感じの『いいわけ』を紡ぎながら、心も身体も天使の罠に自ら嵌っていく。
顎を引き上げる指の感触にも、ぴくり、切なく上半身を震わせる。ただ触れられただけでも軽い絶頂に似た恍惚が駆け巡る。
「は、はひ、はいっ……教えて、くらさい……アスリーン様の……天使様の、素晴らしさを……」
己の倍以上の丈を誇る巨躯。ただその身を寄せられただけで、大きな手で触れられただけで、一切の逃げ場を失ったように錯覚する。
……否。逃げ場など要らない。こここそが、彼女の傍こそが、己の在るべき場所。そう心の底から思わされて。
恍惚で心臓が早鐘をうち、呼吸が荒くなっていく。甘い白檀の香気を纏った吐息とともに、口の端から唾液が伝う。
そんな少年の唇を、天使の柔らかな唇が啄めば。甘い露が口腔に広がり、途端、少年の小さな身体はびくんと海老反りになる。
「――――――――――ッ!!!♥♥」
空色の瞳が大きく見開かれ、ぶるぶると乱雑に震える。瞳孔が散大し、視界がぼやけて眩む。
天使の傍にいて言葉を聴いているだけですさまじい幸福感に包まれていたのに、それを容易に凌駕する精神汚染が全身に走る。
天使の体液がもたらす状態異常はまるでスポンジのようにアルブムに染み渡り、一切の抵抗や疑問の意思を奪ってしまう。
ひらひらのローブの下、水色のタイツの裏側で、少年のペニスは一気に勃ち上がり、ぷしゅ、と潮を吹いた。
「――――ッ、んんぅ―――♥♥♥ て、てんひ、ひゃまぁ……♥♥♥」
ひとしきり超常快感の波が走り終わったあとは、とろりと目を伏せて。その瞳には情欲の桃色の光が確かに灯って。
全身から熱い汗を湧かせ、年相応の男性器を脈打たせ、自ら手を伸ばして天使に抱きつき、はしたなく『愛』を貪る。