2023/04/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にヴァンさんが現れました。
■ヴァン > 夜の貧民地区。
男はノーシス主教の学徒が集まる場所へ本を届けにいき、自宅である宿へと戻る途中だった。
本来ならば渡してすぐ終わる筈だったが、先方のトップにつかまって延々と雑談をする羽目になった。
とはいえ、まだ宵の口だ。周囲の建物からは人の生活音が聞こえてくる。
「今から帰っても図書館は閉まってるな。どこかで食って帰るか。
……このあたりに来るのも久しぶりだな」
最近は富裕地区へ向かうことが増えていた。貧民地区に仕事で向かうのは、件の場所以外にはない。
ちょっと見ない間に街並みが変わったか。周囲をきょろきょろと見渡しながら歩く。
普通ならば余所者だとすぐにばれて犯罪の格好のターゲットになるが、男は気にしていないようだ。
■ヴァン > 歓楽街を通り過ぎる。
若い頃はよく通ったものだが、とんと行かなくなってしまった。
昔なじみだった店も、もうないかもしれない。
貧民地区は野放図な増改築で路地も変わる。どのあたりにあったかも正確には思い出せない。
「店。店……なぁ」
腹が減っているような、そうでもないような。
昼間は春の陽気を感じていたが、陽が落ちると途端に寒くなる。時折吹く風は狭い路地を勢いよく通り抜けていく。
路地に突き出す看板を眺めながら、男は歩く。
そのまま歩いていけば歓楽街を通り抜け、平民地区との境はすぐそこだ。