2023/04/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にリュークさんが現れました。
リューク > 「ふぁふ――」

あくびを噛み殺しながら、今では実家のある富裕地区よりもよほど馴染みのあるようになってきた貧民地区を歩く。
男は冒険者としての活動をしていないときには、もっぱらこの辺りに足を伸ばすことが多い。
娼館などに“遊び”に行くことが多いのは当然として、それでなくとも。
強者が弱者を食い物にしているこの界隈の雰囲気は、男の気質として居心地が良いものだった。

「さぁて、と。今日は、どうしよっかな」

ゆっくり、と。噛み締めるように歩みを進めながらひとりごちる。
馴染みの娼館に足を向けるのもいいし、それとも。
この国の流儀であり、また自身が望むように。
油断している弱者を見つけて、牙を突き立てるのもまた悪くない。
そんな風にぼんやりと考えながら、日の落ちつつある街並みを明確な目的もなく、歩いて行く。