2023/02/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にティリエさんが現れました。
ティリエ > 王都の貧民街
表通りでは取り扱いのない素材もここでなら手に入ったりする。
ちょっとばかり危ない薬を作ってみようと思い立ったものの、
その素材が普通の店では手に入らないと知って、やって来たのが貧民街の裏通りだった。

「確か……こっちの角を、曲がって……」

曲がり角から、顔だけ出して様子を窺う。
この辺りの治安の悪さは、王都に来てまだ日の浅い少女にもよく耳に入るもの。
その分、貴重な素材や薬も出回っているという話も聞くのだけれど。
どちらにしても慎重に注意を払うに越したことはないと、人目を避けるように路地裏を進み。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にコルボさんが現れました。
コルボ > 「っざけやがってよぉラァッ」

 路地裏を進む中、唐突に曲がり角からもんどりうってごろつきが飛び出してくる。
というより、
 吹き飛ばされて地面にたたきつけられ、それでも立ち上がろうとしたゴロツキの顔を曲がり角から飛び出した足が蹴り上げる。

「報酬はねえ物は置いてけこの数で敵うかとか今時三文芝居でもやんねえわバーカ!
 そもそも金もねえのに絡んでくんなやボケがっ、ぁあっ!?」

 仰け反って倒れ込んだ男へ追い打ちをかけるように腹を蹴り上げる男。
 執拗に何度も、何度も、罵声を浴びせながら蹴りを入れ、ごろつきが蹲って動かなくなったのを認めてからようやく大きく息を吐き、別の気配を悟ってそちらをねめあげる。

「……んだっ、何見てんだテメあっ」

 視線だけで殺しそうなほどの凝視が見開いて、両手が、わたわたと左右に触れる。

「ティリエ。おま、なんでこんなとこに、え、ちょっとまて。
 え、あ、違うからこれ。違うから。落ち着け。怖くないから。俺怖くないから。

 ん-っ!!」

 学院では熱ささえ見せた男が、垣間見せた表情を見られて明らかに狼狽えながら貴女に言い聞かせた末に、唸り声をあげて頭を抱える。

「とりあえず動くな、大丈夫だから。お前には危害を加えな、なにをこいつのこと見てんだテメエコラ!!」

 ごろつきが丸めた身を動かしながら貴女を見て、何かを目論みほくそ笑むのと
 そのこめかみが蹴り飛ばされて路地裏の壁に叩きつけるのはほぼ同時。

「ティリエ。ここ怖いところだから。マジでお前なんでここにいるんだ。」

ティリエ > 聞こえてきた怒声に、びくぅッと身体を震え上がらせる。
思わず「ごめんなさい」を連発しそうになって、どうにか口を噤む。
というのは、目の前に転がって来たから。そのゴロツキが。

「ひぅっ!? ご、ごめんなさい、ごめんなさいっ!」

目の前でボロ雑巾になるゴロツキ一味
その元凶の視線がこちらに向いた途端に、しっかり90度のお辞儀を繰り返し。

「どどど、どう見ても、怖い人ですっ
 ひぃっ……み、見ないでください!」

地面とランデヴー中のゴロツキがこちらを見上げる。
それはつまり、膝丈のスカートの中がバッチリと見られるということで。
手にしていたかき混ぜ棒が火を噴いた。―――物理的に。

「はぁ、はぁ……
 な、なんでって……ちょっとお買い物に……」

フルスイングでかき混ぜ棒が振るわれるが先か、男に蹴り飛ばされるのが先か。
どちらにしてもゴロツキの運命は、壁との遭遇に違いなく。

コルボ > 「やめて!? ティリエに怖い人扱いされると傷つくから!?」

 なんだかんだで妹くらいに思っていた娘によりによってゴロツキ状態を見られて、
 怖いと言われてちょっとショックな男は胡乱な眼差しで。

「てかお前筋いいな」

 かき混ぜ棒が(物理的に)火を噴く様に口笛一つ。
 先を越されたけど、壁にめり込んだごろつきの後頭部を蹴り飛ばして今度こそ動かなくなるのを確認してから。

「お買い物って、ここはそんなショッピング感覚で来るところじゃねえ、が……。」

 言葉が途切れる。そうだった、と。
 才能があるか否かはまだ推し量れていないが、積極的に質問を教師にしてくる程度には意欲がある。
 故にステップアップも他の生徒より早い、であれば、
 早々に何かしら取得難易度の高い調合に着手しているのだろうと。

「……怖がらせちまったからな。デートがてら買い物に付き合ってやるよ。
 俺がついてたら少なくとも絡まれることはないからな。
 んで、何探してんだよ。」

 返り血、というには少ない、蹴りを見舞った時に飛び散った血を上等そうなハンカチで拭いながら顔を覗き込む。