2023/02/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 夜、月明かりが照らす路地でのこと。

男は時折立ち止まり、ジグザグに道を歩いていた。背後から感じる気配がその理由だ。
殺気は今の所感じられず、一定の距離を保っている。人気のない所で襲うつもりなのか、ただ尾行しているだけなのか。
まいったな、という顔をしながら移動を続ける。面倒なことにならなければよいか。
人通りがある場所にいけば襲われることはなかろうが、今日にかぎって通りから人が消えてしまったようだ。
教会関係者からの依頼か、物取りに目をつけられたか、あるいは人違いか。
以前も同様のことがあったが、その時は逆恨みしてきた相手から依頼を受けた者だった。今度ははたしてどういう相手か。
途中誰かに出会えれば、その人物についていくのもいい。物売りや知人なら会話もできよう。

ヴァン > 路地を曲がろうとした刹那、強い風が吹いた。
これ幸いとばかりに曲がるのを取りやめ、後退しつつ壁に背を凭れる。男は風除けのため止まったようにしか見えない。
不自然にならぬように通ってきた道に視線をやる。貧民地区の路地は暗く、男の目では追跡者を確認することはできない。

男に気配を悟られるぐらいだから、熟練した専門職の者ではなかろう。意図的に気配を消さない可能性を頭に浮かべたが否定する。
常に気配を残すことで相手を精神的に追い詰める、という手合いはいるが、男はそこまで繊細ではない。
さてどうしたものか、一度強まった風が止むのを待ちながら壁際で考える。

ヴァン > 風がやまぬうちに、気配が消えた。

追跡に気付かれたことを悟ったか、目的を達成したのか。男にはわからない。
念の為にと感知系魔法を唱え、周囲の生体反応を確認する。男が想定していた付近には誰もいない。
頭を掻いた後、強風の中を歩き出した。数分もしないうちに、貧民地区の路地から人気は消え失せてしまった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からヴァンさんが去りました。