2022/11/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にチューベローズさんが現れました。
チューベローズ > ふらふらとした足取りで風の向くままお散歩していれば、大きな道から少し狭い道を経て汚く、僅かに饐えた匂いの満ちる貧民地区の路地へと迷い込んだ少女。
あっちにふらふら、そっちにふらふら─。
元の場所に戻る道も既にわからない、完全なる迷子。

迷子になっていながらもその表情は曇らず、優しい夢でも見ているかのようにふわふわとした穏やかな笑みを浮かべている。
少女が路地を進むにしたがい澱み、饐えた匂いは少女の体から放たれる金木犀の香りで上書きし、ゴミやら汚れはそのままだが目を閉じれば小さな金木犀を幻視してしまうだろう。

そして、そんな香りをまき散らす少女は十字路で足を止め、前を見て、右を見て、左を見て、後ろを見て、何方に進むかふわふわと悩み始める。
しなやかな指先、薄く僅かに膨らんだ胸元で組んでから、前を指し、右を指し、左を差し、振り返り後ろを指してからこてんと首をかしげる。
「あら…どちらから来たのかしら…?」

等と呟きながら再び足を前へと振り出し小さな歩幅で歩き始める。
そうして、奥へ、奥へと進んでいく。