2021/12/06 のログ
グレアス >  
「その枷を苦に思わねえのが愛ってもんさ
 ああ、どっちでもねえさ」

表に出してくれなかたのには気づかず肩を竦めるだけに留め。
こんな食生活をしているのも全てあのクソ上司のおかげ
だと、顔を思い浮かべては頭の中でぶん殴り。

「それもそうか。悪かった。腹減ってて気づかなかった
 全く、頭に栄養行ってねえのかねぇ……お、ウメェ」

食いっぱぐれのほうが頭が回るのでは、そんな思考を回しつつ
硬いパンをスープに浸しチーズを絡めて食べてみれば
先程の味気ないスープとは思えないほどの美味。
スプーンで野菜とベーコンも食しながら満足気に、機嫌を上向きにさせる。

しかし、次いで耳に入った言葉は、思考を停止させるには充分だ。

「……本音を言われちゃぁ、その言葉を信用するしか無いねぇ
 アタシにそそられてくれるのは嬉しいけどね。

 そうさ、現場でぶっ殺して民に平穏を与えるのが役目さ
 間違っても犯罪を見逃したり権力を振りかざすことじゃァない。
 ……あんた中々分かってんじゃないか」

そうはいっても現実はどうだ、まともな騎士は多くいるが
腐った騎士もまた多くいる。その現実に舌打ちをしつつ
チーズの絡まったパンを口に入れ
お貴族騎士を物の数ではないと言い切った男への警戒を解いていく。

「ありがとうよ、これで明日も戦えるってもんさ
 あん? まぁ、コルボ、あんたの言葉通り
 アタシはいい女だから騎士と一緒にいると色々と狙われるのさ
 
 ふは、褒めるの上手だね全く
 で、スカウトってのは儲かるのかい?」

こっちを女としてみてるであろうコルボに
こういう身体だしね、と騎士服を浮かせている乳房に
指を指し、肩を竦めて再びパンへと手を付け。

敬意の色も浮かぶ目を見れば
瞳からは警戒の色はどんどんと消えてなくなっていく。

コルボ > 「悪かったなんざ他人行儀の言い方止めてくれよ。
 もう同じ器でスープ食い合ってんだぜ?」

 ゆるく笑いながら自分もパンを浸してかじりつく。
 硬いパンもコツを掴んでスープを浸せば旨味が持続する肴に早変わりして。

 そういう要素があるからこそ貧民地区で長く店が続いているのだろう。
 ……きっと探せば、他にも思わぬ出会いを生み出すメニュ0が、この店にはあるのかもしれない。

「歯に布着せずに言っちまうと、どうすればあんたを抱けるのか考えちまうぐらいにはな?

 利害が一致するのがいいか、見合う対価を用意したらいいのか。
 あんたから感じるヒリついたもんを拝みながらこういうのを考えるのがたまらなくてなあ」

 回りくどい言い回しをせず、女として見ている、と、獲物を見る目で男は直球で言葉を投げて。

「ただでさえこの国は腐ってる部分が多いからな。
 だからこそ、あんたみたいに真っ直ぐに目的を目指して、
 騎士としての道をきちんと歩んでる奴ぁありがたいのさ。

 鎧は飾りじゃねえ、戦うための道具だ。」

 コルボの言葉を代弁するように、スープを持ってきた店主が頼んでもいないカツレツを一皿置いていき
『奢りだ、御託を言わないならゆっくりしてけ』と言葉を残して

「ん? んー、まー、偵察斥候なんでもござれだからん。
 情報ってな大事なもんさ。特に、戦功をあげたい騎士様が
 他を出し抜いて一番槍を上げる”いいところ”を知ってたりするしな?」

 言外に、口説く男は”対価”を提示する。
 良い女を抱く代わりに、騎士として目を見張る戦果に不可欠な、
 戦場において戦術に必要な”情報”を提供できるのだと。

 敬意を帯びた捕食者の目が、貴女を値踏みするように。
 それは、ただ単に女性というだけでなく、投資するに値する”騎士”かを見定めるように

グレアス >  
「は、それもそうか?
 まぁ、他人行儀はやめるさね。ありがとさん」

チーズとスープ、それに硬いパンが交われば
パンでさえ美味しく感じる。
このセットをするには高いだろうから
余裕ができた時に頼むだろうけれど。

「素直なのは好きだし、アタシも女を捨てたわけじゃねぇ
 そう言われちまうと嬉しいのは確かだがな
 まったく……スケベな野郎だ」

抱けるのか考える、そう言われた瞬間に警戒が上がり
視線を鋭いものへと変えさせたが。
目元には照れくさいのか、朱が浮いている。

「ふん、アタシの口からはなんとも言えないがね
 ありがたいなんて、初めて言われたよ 

 ……全くその通り、鎧は傷ついてなんぼさ」

置いていかれたカツレツは、とても美味しそうで
不味いって言ったのは悪かった、そうも口にして
カツレツを半分に割って、その半分へとスプーンを入れる。

「……成程? そういうことかい」

確かに、その情報は喉から手が出るほど欲しい
だが、しかしだ、自分で手にして初めて価値が出るのではないか
そうも考え、コルボを睨むように思考を巡らせる。

「はぁ、その情報は欲しいと言ったらアタシの価値を
 ひいては騎士としての格を下げることになる
 引っ込めときな」

だがしかし、とも思う。
この情報屋を使えば上司を、部隊を変えれるのでは、と。

「……騎士の都合の悪い情報とか……あるかい」

コルボ > 「男はスケベさ。いくら気取っても結局そこに落ち着いちまうもんだよ。

 それとも、お行儀よく座ってる七三分けが好みかい?」

ニヤニヤ笑いながらカツレツの一切れに手を伸ばして。

「……なるほど。ここで騎士の矜持を出してくるか。」

 貴女の言葉を聞けば、少し笑みが消える。
 それはあざけりではなく、貴女を一人の将として見据えたもので。

「……ああ。あるよ。特に、腐った上司に辟易してる騎士様にありがたいやつとかな」

グレアス >  
「ま、男はスケベなくらいが丁度いいってもんさ
 はん、そういうのになびく女に見えるってかい?」

ニヤニヤ笑う様子、それを一睨みし
カツレツに手を出し。

「ここで出さなきゃいつ出すってんだ」

笑みが消えた様子、それを睨むように目を細めた後
続いて耳に入る言葉は、望んでいたものだった。

「……それ、支払い方法は?」

パンを一口、チーズと良く絡ませ。
これだけは、こっちの矜持ではどうにもならないもの。

コルボ > 「そういうのになびく女じゃないからこそ、落としたくなるんだろう?

 安く見ているわけではない。逆に、一目置いているからこそ、その”女の部分”を得たいのだと。

「どれだけ言おうがグレアスは女だ。この先戦功をあげようと、過去の歴史に名を連ねる大将軍になろうと。
 だからこそ口説きたくなる。

 絶対に”燃える”からな?」

 いくら事実を、評価を重ねようと、女。
 否、それだけの女だからこそ、近づいて、対価を掲げて駆け引きに至る。

 貴女を一人の騎士として認めながら、それでもなお、女として欲する”雄”の眼光が睨む貴女の視線を押し返す。

「一晩と、金貨一袋、どっちがいい?」

 対価を問われれば指を一本立ててそう告げて。

「少なくとも”身を切る”に値する情報は出せるぜ?
 ……近いうちにミレーの異教徒を狩る作戦が年を越す前にあるだろうよ。
 あんたがそれまでに一部隊を率いて名を刻め。

 知ってる奴が上に上がるのはこっちも都合がいいからな」

グレアス >  
「言うじゃないか」

一目置かれていることはなんとなし分かった
コルボの性格をおおよそ把握し、警戒を再び下げた。

「本当に口が回るねぇ……いい男だよ全く」

それだけ言われてしまえば、本当に此方をいい女だと見ている
と感じてしまう。だから顔を少し赤くし
此方を望む雄の眼光に睨んでいた視線を和らげ
負けを認めるように視線を外した。

「……チッ」

金貨一袋、そう言えれば格好もついたのだろうが
それだけあれば色々と調達できる。
パンをそのまま噛みちぎり、何度も咀嚼し答える時間を伸ばし。

「……やる気が起きない嫌な作戦だねぇ
 参加するかはともかく、いい加減上にも飽き飽きだ
 ……身体で払わせてもらう」

時間をかけ、出した結論はそれだった。
パンの最後のひとかけらを口に放り込み
悩んだ末に答えを出した。

コルボ > 「そうでもねえさ。あの異教徒共は、同族さえどうとも思ってねえから国でテロを起こしやがる。
 ……ミレー族の為にも掃除は必要なんだ。特に理性が効く奴の一手もな。」

 作戦に乗り気でない、一抹の情を備える貴女の反応に希望を見出して。

 ……毎度。」

 貴女の結論に口を歪めて嗤い。

「キシサマの鳴き声を対価にこちらも鳴かせてもらうさ」

 食事を終えれば、貴女と連れ立って宿へと消えていくだろう

グレアス >  
「そういうもんかね。少し調べておくよ
 ……本当に、ままならないねぇ」

どうすれば良いのかなんてわからない
わからないなりに動くしか無いだろう

「……せっかくだ、楽しませてもらうさ」

食事を終えて、連れ立って宿へと向かい――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からコルボさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からグレアスさんが去りました。