2021/12/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にグレアスさんが現れました。
■グレアス >
貧民地区、と言っても平民地区に近い通り
その通りにある激安がウリの定食屋に来ている
小さい店で、見逃しそうになるのがポイントだ。
「……まっず」
硬い硬いパンに味がついているのか怪しいスープ
様々な問題を起こしているお陰で給料が平民より安いお陰で
切り詰めなければ新しい武器も買えず、修理もできない。
そこは、バイトさせてもらっている鍛冶屋さんでどうにかなっているが。
兎に角、そうして日々を生きているわけだ。
「それにしてもマジィな」
店の奥から『出て行くか?』なんても聞こえてきたものだから
もう黙っていよう。
この店、パンが無料なのは良いが、硬い、硬すぎる。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にコルボさんが現れました。
■コルボ > 「よぉ、相席いいか? 一人で食うんじゃ味気なくてな?」
硬いパンに辟易していた貴女にそんな声をかける男が一人。
穴場の店なのだから席は空いているのだが、それでもあえて相席を、と言ってくる。
後から男の元に運ばれてくるのは同じく硬いパン。
それにスープ。野菜が入っているが芯が多めの一見すれば残飯処理に近い代物。
それにチーズとぐずぐずのベーコン。
トレイを受け取りながら貴女の返答を待ちつつ。
「キシサマがこんな貧民地区で飯ってのは気になるが、イイ女見かけりゃ声をかけたくなるからな。どうよ?
なんだったら奢りでもいいぜ」
■グレアス >
浸しても浸しても一向に柔らかくならないパンは
防御力が高く、歯にダメージを負ってしまうのではないかと言うほどに硬い。
そして、浸しているスープもどきも硬いパンを浸している間に冷えて
冷たくなっている。こっちはお代わりできないのでちびちびと。
そうして、もそもそとパンを食べている間に新たな客がやってきた
それを気にもとめず食べていたのだけれど、声がかかってくれば
あん? と顔を上げガンを飛ばすに近い視線を向ける。
「……別に構わねえよ」
確かに男の言う通り一人で食うには味気ない。
ここは誰かと話して食べたほうが美味しくなるんじゃないかと思い、頷いた。
「はん、騎士でもこんな場所で食べたい日もあらァね
いい女ってのには感謝するよ……奢り?」
給料が低空飛行しているのを言うわけにもいくまい。
騎士は食わねど高楊枝、というのをどこかで聞いた。
だが、奢りと聞けば話は別だ。ちょうどスープもなくなってきている。
「……奢ったからどうのってのは無しだよ」
一応の警戒は向けているが、内心小躍りしつつ、分かりにくい返答で
奢りを受け取ろう。
■コルボ > ガンを飛ばされれば、気圧されるどころかニィ、と笑う。
その気勢にむしろそそられるように。
「女口説くのに割り勘なんざみみっちぃ真似はしくたねえしな。
つーか、こんなところで食べたくなる騎士なんざ、
よほど上を目指す為に律する馬鹿か、登用されたてだろうよ。」
了解を得れば向かいに座り、スープにチーズとベーコンを放り込んでかき混ぜて、即席のチーズフォンデュを造りながら。
「ここでスープ頼むなら”ぐつぐつに煮込んだ奴”をオーダーしてから
好きな具材ぶち込んでパンを叩き込むのがお勧めだぜ? 食うか?」
貴女のスープと比較して湯気の量が段違いのそれを指さしながら。
「つーか、こんなところで極上の女見かけて口説くのに、飯だけで堕とせると思うかよ。
ま、それよかお前さんのことを知りたいってのはあるがな。
……家柄だけでひょろっちい奴なんざ、気にも留めたくねえしな。
俺ぁコルボ、まあ見ての通りスカウトよ。あんたは?」
■グレアス >
ニィ、と笑う様子に毒気を抜かれつつも
視線は一向に緩めずにその姿を眺め、レザーアーマーに目を留める。
「はん、金がなくても愛がありゃなんとかなるもんさ
だけどまぁ、太っ腹な所は好感が持てるねぇ
……馬鹿だぁ?――ふん、どっちでもねえよ。ただの気まぐれさ」
実のところは前者。だから反応したのだが、ここで機嫌を悪くしても
馬鹿だと認めそうで怖い、なので鋭い目つきを更に鋭くしておこう
それでも、目の前の男が作る食べ物は美味しそうで、思わず喉が鳴る。
「……くそ、盲点だった
いいのかい? 全部もらっちまうよ?」
きっと熱々なそれは美味しいのだろう
たれそうなよだれを制御しながら
じっと男から湯気が出ている皿へと視線は移る。
「随分と褒めるじゃないか。褒めても何も出てきやしないよ
……ふは、家柄だけのやつに碌なやつはいないからねぇ そこは同感さ
コルボね、アタシはグレアス・レッガー 奢り頼むよ?」
飯をおごってくれるというのは嘘ではなさそうだし
こっちを口説いているという点ではある意味信用はできよう
警戒を少し解き。
■コルボ > 「愛ねえ。腹の足しになるならいいがな。
たまにゃ枷になるぜ?
どっちでも、ねえか。」
自分が発した言葉のうち、前者に反応したことに、気づきはしたものの表には出さず。
(たまぁに、騎士の中にゃあこういう【まっとうなのが】いるから面白いんだよなあ)
騎士である以上、国への忠義を第一とするのは道理。
だが、同時に騎士とは前線に立つ武人であり、同時に、その武を以て上を目指す者であり。
「総取りしなくても二人で食ってる間に追加でたのみゃいいだろ?
それこそこの地区の飯の喰いっぱぐれじゃあるまいしな。」
遠慮なく食べていいという男の出した通ならではのスープ。
パンを浸して食べてみれば、熱が硬いパンを突き崩し、更にチーズが浸透する。
更に、クズ野菜であるはずの芯。それが甘味を生み出す要因となって、更なる味をかもしだし、
そこにベーコンの旨味が追い打ちをかける。
追加でまたスープ、チーズ、ベーコンを頼みながら
「褒めてねえよ。俺は見たまんま言ってるだけだよ。
イイ女ってのは、顔とか性格じゃねえって思ってんだ。
全部だ。
このスープと同じさ。いろいろなものが合わさって完成してる。
俺も一か所に留まってない自覚はあるけどさ。
だからさ、あんたからそそる感じがしてな。
騎士としても、女としてもな。
騎士なんざ、剣なんざ、現場でぶっ殺してなんぼだろ?
それが出来ねえお貴族騎士なんざ、物の数にはいらねえよ」
パンをスープに浸しながら、とろけたチーズが糸を引くのを眺めつつ、それを口にする。
「ああ、好きなだけ食ってくれや。
グレアスな。ほんと、もったいねえよな。
あんたみたいなのが一人で飯食ってるなんざよ。
……ま、玉ナシじゃあさっきの一睨みで逃げちまうか。
ここはそういう奴等が流れ着いた地区だしな」
あきらかに、あからさまに、貴女を”女”として見る目は鋭く、
しかし、獰猛と言うには幾ばくかの敬意が垣間見える。
それは、騎士の本懐、戦場において切り込む強さを貴女から見出しているからか。