2021/01/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にヴァルガンさんが現れました。
ヴァルガン > 「はっ…はっ…はっ…」

犬の様に荒く息を吐き出しながら、ふらふらと貧民地区を彷徨い歩く男。
眼は血走っており、獲物を求めるかの様に視線はふらふらと覚束ない。

「ああ、ちくしょう!何でもいい、誰でもいい!女、雌、なにか、ナニカ…!」


革鎧の下で、陰嚢が悲鳴を上げている。
睾丸は俺のものじゃないみたいに、精液を生産し続けている。
いつもの発作。いつもの呪い。しかしこれは、本当に気が狂いそうになる…。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にシェライラさんが現れました。
シェライラ > 「どーこーよーこーこー!」

適当に街を見物しながら歩いていた私は、現在道に迷っていた。
故郷の森なら、眼を瞑っていても目的の場所に行けるのに…
どうしてこう人間が作った街ってごちゃごちゃしててわかりにくいのかしら。

騒いでも、故郷みたいに鳥や虫が案内人が現れるわけでもなし。
臭いし汚いし、さっさと抜けたいのだけど正解の道がわからなかった。

「はぁ、もう、まったく。つかれたー…ん?」

近くの、出来るだけ汚れていない壁に立ったまま背中を預けてため息。
全く、こんなところ早く抜けたいんだけど…って、何か近づいてくる?なんだろう。

多分浮浪者か何かだとは思うんだけど、一応当たりを見回しておこう。

ヴァルガン > 聞こえた。耳を打つのは、女の声だ。
女…というには、少しばかり幼い声な気もする。
だけどまあ、そんな事は…どうでもいい。

「……あ、ああ…。まったく、待ちわびたぞ。本当に、ほんとうにっ…!」

少女の視線に映るのは、極々普通の冒険者…の様な男。
使い古された革鎧。背も高くも無く低くもなく、冒険者としては一人前な筋肉を隆起させている。

しかし、エルフの少女にならばきっと分るだろう。
男からは、尋常じゃない量の魔力が、制御出来ていないという様に漏れ続けていることが。

そして、その男は…。
まるで獲物を見つけた野犬の様に、壁に背を預けた少女へと大股で近付いて来る。何かに焦ったかの様な、鬼気迫る表情で。

シェライラ > 「は?なによアンタ。っ、なに、それ。
なんでそんな……」

ほんの一瞬だけ見えたのは、男らしく逞しい体。
けれどそれだけでは私に近寄る事なんて許さない。
普段なら怒鳴りつけるところ。

だけど、目の前の男から異常な魔力が垂れ流されてる。
ちょっと気持ち悪くなりそうなほど、濃密な…森でも感じたことの無い魔力。

「ちょ、ちょっと!近寄ってこないで!私を誰だと思ってるのよ!…っ、来るな!」

けれど、怯んでいるわけにもいかない。最悪な事に後ろは壁。
近寄られ始めているから、今から逃げようとしても遅れてしまう。

そう判断した私は…即興だけど、風の球を3つ魔法で作成して謎の男に放つ。
本当なら、人一人ぐらいぶっ飛ばせる魔法だけど…あんな濃い魔力を常に垂れ流していたら、効くかどうかはわからない。

ヴァルガン > 少女が何か叫んでいる。来るな、とか何とか、そんな風に聞こえた…気がする。
だけど、俺にはもう何も関係無い。とっととこの女を押し倒して、組み敷いて……ああ、もう駄目だ。頭もチンポも破裂しそうだ。

「…っち、やかましい!うざってえもの飛ばしてくるんじゃねえよ!ぶち殺されてえのか、ああ!?」


ゴロツキ紛い…というか、完全にゴロツキの様な態度と言葉。しかし男は、まるで羽虫を払うかの様に…少女が放った魔法を、無造作に手で叩き落とした。
高度な魔術も、熟達した技もない。ただ、溢れ出る魔力だけで少女の魔法を、文字通り跳ね飛ばしたのだ。

「お前が誰でも何でもいいんだよ。どうせ今から、お前は俺にチンポ突っ込まれるだけの女なんだからよぉ!」

カチャカチャ、と少女に近付きながら革鎧の前掛けを外す。
すると、既に凶暴なまでに反り返り、常人のものよりも大分大きな肉棒が少女の前に露わになるのだろう。

「……あー…はやく、はやくっ!もうこちとら我慢の限界なんだからよぉ!」

其の侭少女に大股で歩み寄ると、両手を伸ばして少女を強引に抱き締めようとするだろうか。
甘ったるい抱擁ではなく、目の前の獲物を逃がさないと言わんばかりに。

シェライラ > 防がれるのは計算済み、男が払う間に溜めた魔法で―――

「この、死ぬのはそっち、っ!?、ひっ、な、なに、だして…っ」

魔法が、霧散してしまう。
眼が、身体が釘付けになる。
男の腰に聳え立つ、反り返ったソレ。
メスを犯させろと暴れるかのような威容に、足が、動かなくなって…震える。

昔の記憶がまた蘇る。
あれを股に突っ込まれて、気持ちよさそうに、狂うように喘いでいた雌の姿。
じくん、とお腹に…疼きが走る。
ただ、こんなやつに、そんなことさせるわけには……

「…ぁ……♡、あ、ひ……、は、はなしな、さいっ、よぉ…っ!」

い、いつのまに近くに…しかも、こんながっしり抱きしめるなんてどういうつもり?
お腹にさっきの…凶悪なモノが当たってる。
男くさい体温も、力強さも直に感じてしまって…だめ、力が抜けちゃう…。
逃げなきゃだめなのに、身体に、力が入らなくて…魔力も編めない…っ
逃げるつもりで腕を振り回してるのに、抱きしめ返すみたいな力になっちゃってる…。

何か、おかしい。早く、早く逃げないといけないのに…、息が荒くなって…勝手に身体が震えちゃう…っ

ヴァルガン > 「…んだ、てめえ。急にしおらしくなりやがって。
犯されたかったなら最初からそう言えば、話は早いってのによぉ」

肉棒を露わにした瞬間、露骨なまでに狼狽えた少女。
魔法の追撃も無い。視線は、肉棒に向いたまま。
そんな少女の姿に…舌なめずりするように、男は醜悪な笑みを浮かべた。

「あん?はなせ、だあ?お前の方からしっかり抱き着いてきてて何言ってんだよ。この淫乱がよぉ。
いいじゃねえか、ちょぉーーっと、お前でチンコ扱くだけなんだからよ……大人しくしといてくれれば、朝までには終わらせてやっからよぉ!」

依頼を終えた後の汗。風呂にも入らず、魔物を狩り続けた体臭。そして、既にどろどろと溢れ出しているカウパー。
それらが入り混じった匂いが、少女に届くだろうか。

その一方、好き放題言い放題な男はその強靭な筋力で決して少女を離さない。それどころか、図らずも少女が抱き締め返す様な形になってしまえば、それに合わせてカクカクと腰を振り始める始末。

「…おんな、おんなのからだっ……おしつけてやる、こすってやるっ…!」

理性を失った獣の様に、少女に肉棒をぐりぐり、ずりゅずりゅと押し付け始める。
少女の躰そのものをオナホ代わりにする様に…その豊満な胸に下卑た視線を送りながら、一刻も早く射精しようと腰を揺すり続けている。

シェライラ > 「だ、誰が、い、淫乱よ…っ、苦しい、だけだから…、は、はなし、てぇ…っ♡」

違う違う、と頭を振るけど、どんどん身体が熱くなってくる。
お気に入りのブラウスが、どろどろのカウパーに汚されて、マーキングされてるみたい。
…最悪なのは、それが、もう…嫌じゃないこと。

「やだ、やだやだ…、離してっ♡、そ、そんなの、いや…、そんな汚いの、擦り付けないで…っ!♡」

段々、声が甘くなっていくのがわかる。
擦り付けられるのに合わせて、腰が勝手に迎えに言ってしまう。
かくんっと力が抜けて…抱き着く力も無くなり、しなだれかかるように体を預けてしまう。

「は…っ♡、はっ…♡、うぅ、ぅ♡、やだ、出しちゃ、だめ♡
汚される、汚されるの嫌ぁっ♡、こ、こないで…、もう、逃げさせて…っ」

それしか言えない。
けど、身体は違う。
力の抜けた体は、男がその気になればずり下がり。
邪魔だといつも思っている胸の間に…その肉棒を迎えてしまうか、あるいは、上等な生地のブラウスで刺激してしまうか。
どちらにしても、望まない結果になるのは、もう避けられない。

すっかり私も、発情してしまって…きっと、男を見上げる目は、涙目で、とろんとした顔になっちゃってる…♡

ヴァルガン > 「……おいおい、そんなだらしねえ顔でよお。早くザーメン注いでください、みたいな顔で淫乱じゃないなんて冗談キツイぜ?それともなにか?エルフってのは、皆そんな感じなのか、ああ?」

少女の躰全体で肉棒を擦りながら、そのエルフ特有の尖った耳を見て…ニヤニヤと笑ってみせるのだろう。
その間にも、少女の躰は汚されていくばかり。カウパーが、少女の衣服に染み込んでいく。肉棒は少しでも刺激を求めて、少女の露わになった皮膚に亀頭を押し付け、ごしごしと擦る。
青いスカートはカウパーで群青色に染まり、白いブラウスは濁った様にくすんでいくのだろう。

「……ふっ…ふぅっ…!いいぞ、いいぞぉ…お前のこえ、チンポにガンガン響く…!おら、むね、はやく胸だせっ!
ザーメン、ザーメンもう出る…出す…はやくしろっ!お前のむねにいれる…だすっ…!」

ずり下がった身体を押さえつけて、当然の様に少女の胸元に肉棒を捻じ込んでいく。
ブラウスのボタンを引きちぎる様に無理矢理前を開けると、そのまま少女の胸の中へと肉棒を沈めて……。

「あ、あっ…でるぅ……おんなに、だす…よごす、どろどろにするっ……!」

最早、理性の片鱗も感じられない言葉を叫びながら。
少女の胸に肉棒を差し込んで、猿の様に腰を振って。
破裂寸前の風船の様な肉棒が、少女の胸で扱かれていく。
そして、一瞬、その動きが止まったかと思うと。

ビュグッ!びゅるびゅるびゅるっ!

水道管が破裂したかの様な勢いで、精液が噴出した。
その量は尋常なものではなく、湧き出る様に少女の胸元から、生臭い精液が吹き上がってくるだろうか…。

シェライラ > 「っ、ぁ♡、ちが、ちがうぅぅ…っ♡、そんな、えるふ、は気高い、森のっ、ひぁんっ♡♡」

言葉で否定することしかできない。
服は雄の匂いで汚され、僅かに露出した肌にも同じく…ぬるぬるの液体が塗り付けられていってしまう。

「ひっ!?♡、あ、あ、っ♡、うそ、やだっ、わたし♡、の♡むね、勝手に…っ!
ころしゅっ!♡、ぜったい、ころしてやる…ぅ…♡、から…っ♡、ひ、ぁぁ…っ♡」

足が震えているし、身長差もあるから…にゅるん、と肉棒が私の胸の間に入り込む。
ブラウスも破られて、こんなところで胸を曝け出しちゃう。
ああ、もう…、なんで、先っぽ、尖っちゃって…♡

「は、ぁ♡、ぅ♡びくびく、して…る…っ♡、ださない、で♡
やだ、う、ぅ♡、こんな、道具、みたいにっ♡、でて、出ていって…っ♡」

何とか身を捩って逃げようとするけれど、結局肉棒を刺激することにしかならなくて…♡

「――――――っ、♡、ぁっ♡、と、とまって、だす、だすなぁっ♡
はぁ、ぅ♡、くぅ♡、ひ、ぁ、ぁ……♡、ぁ…―――っ♡♡、う、ぅ…♡、く、くさい…、くさい、のに…ぃ…♡」

突然、肉棒が弾けたかと思った。
噴水よりも激しく、どろどろの液体が次々に私に降り注いでくる。
濃い、雄の精液。雌を孕ませ、自分の証を刻む白濁液…♡

「は、ひ……♡、ぅ♡、………ぁ…♡、……っ…♡、ぁ…♡」

もう、抵抗など考えられない。
お腹の疼きはもう限界…、痛いくらい、雄を求めてしまっている。
早く、この雄で蹂躙されたい、掘削されたい、開発されたい…、雄の証を刻んで欲しい…♡

「――――――――――♡」

床に垂れるほどぐしょぐしょになった股。
腰が完全に抜けて、壁に完全に身体を預けるように後ろに体重が流れ…その場に、軽く足を広げてぺたんと座り込み。
発情する雄の前に、薄布一枚しかない、無防備で食べごろに潤んだおまんこを晒してしまう。
雄の匂いに混じって、濃い…これだけで発情しきった、雌の匂いもたっぷり垂れ流してしまっていて♡

ヴァルガン > 「ふ、ふっ……射精…しゃせいっ……きもち、いいっ……」

少女の都合も、気持ちも、何もかもを無視して、一方的に精を吐き出した。
ごぷっ、ごぷっ、と精液を吐き出し続けている肉棒は…全く、衰えている様子を見せていない。

まして、へたり込んだかのように座り込んだ少女からは…極上の雌の、匂いがする。
下着越しでも分かる程に濡れた秘部。床に水溜まりが出来る程に滴る蜜。
普通の男だって、コレを見れば問答無用で襲い掛かるだろう。
まして、少女の目の前にいるのは……無限に近い性欲と精液に苦しみ、悶える男。

「……ああ、ああああああ…。孕ませる。どぷどぷ出してやる。男にザーメンぶっかけられて、まんこから汁垂れ流すクソエルフに、なかだしして、ぶっかけて…それから、それから……あー、クソ。なんでもいい…射精するからな。お前つかって、ザーメンだすからな…!」

ふらふらと夢遊病者の様に少女に近付くと、そのまま、薄汚い床へと押し倒す。
そのまま、ぐいと少女の両脚を掴んで広げる。
射精直後で、濃厚な雄の匂いと精液でコーティングされた肉棒を、少女の秘部に擦り付けていて。

「……はいらねえ…はいらねえ…なんで、なんでっ…!
はやくまんこに射精…たねづけ…っ!」

もう、男にも碌な理性は残っていないのだろう。
どろどろに濡れた少女の下着を脱がす事もずらす事も出来ず、ただ我武者羅に下着に肉棒を擦り付けているばかり。
それは図らずも、此処迄来て少女を焦らしている様な動きになってしまっているだろうか。あと少しで挿入、というところで、ギリギリそれを取り上げられている様な。
男には、全くそのつもりは無いのだが。

シェライラ > 「は、……っ♡、は…っ……♡、…あんなに、だした、のに…………」

つい、眼を奪われてしまう。
髪にも顔にも、身体にもたっぷり染みつくほど射精したのに。
未だ反り返って…萎えない雄の肉棒。

(ほしい、ほしいほしい、ほしい……♡♡、あれ、おなか、に、欲しい……♡♡)

逞しい、強い、雄。
あの時見た光景みたいに、好きにされたい。
雄に喰らわれて、注ぎ込まれて…、私もあんな『雌』になりたい…♡

押し倒されても、もう恐怖はない。
むしろ、お腹の疼きに耐えられず…腰をくい、くい♡と上げてしまう始末

「っ…♡、こ、こまできて…、っ♡、ばか、ばかばかばか…っっ♡♡」

でも、来てくれない。
興奮しすぎた雄は、下着を退けることもせずそれに阻まれている。
なんで、なんで貫いてくれないの。奥まで一気に突いてくれないの…♡
そんな、布越しじゃ、もう足りない…っ♡
早く下の口を強引に開いて、その反り返ったモノでごりごり擦って欲しい…。

エルフの誇りだとか、相手に対する疑問だとか。
そんなのはもう、要らなかった。
罵倒しながら…手を使って、自分から、差し出す。
もうとっくに精液を受け入れる準備が整ったエルフまんこを…♡

「こ、こ、だから…っ、♡、はや、く…♡、♡、いっぱい、ここに、……シ、なさい、よぉ…っ♡♡」

白い下着をずらして、軽く自分で入り口を開く。
興奮しすぎて息が苦しい…、もう、耐えられない。自分から、腰を反り返った肉棒の亀頭に押し付けて…下品なダンスを披露してしまう。
自分で、その凶器を入れるのは流石にまだ怖い。
だから…入り口までは開くから、強い雄の手で私の雌を壊して欲しいっておねだりしちゃう…♡

ヴァルガン > 収まらない。熱が引かない。寧ろ精液は極上の雌を前にして鈴口から溢れんばかりに滾っている。
あと何度射精すれば、男は満足するのか。肉棒は萎えるのか。
それを知るのは…男に呪いをかけた悪魔だけ、なのだろうか。

「はいらねえ、ずぽずぽできねえっ…!あー、もういい、このままでいい、しゃせい、しゃせいっ…」

そんな極上の雌が、自ら腰を上げて誘っているのに。
濡れた下着の上を、にゅちゅにゅちゅと肉棒は滑るばかり。
もう構わない。取り敢えず、このまま下着に一度射精しよう、と。少女の願いに気付かぬ儘、本格的に腰を振ろうとした、矢先。

「……ふへ、ふへへへ。やっぱりお前は淫乱だ。男のザーメンしか頭にねえ、クソエルフさまじゃねえか。
いいぜ、いいぜ…望み通り、お前ののぞみどおり、チンポぶちこんでめちゃくちゃにしてやる……。
十回…いや、二十回……いや、わかんねえや…俺が満足するまで、ずっと、ザーメンだす……」

下着をずらした雌。
肉棒を受け入れる為に、秘部の入り口で亀頭にキスまでする様な、雌。
それを見た男は…発情期の犬の様に、呼吸が漏れているだけの様な笑みを浮かべた。

「エルフまんこ、犯すっ…。ザーメン注ぐだけの道具にしてやるっ……入れる、はいれるぅ…っ」

そうして。最後の関門である下着が少女の手によってずらされて。両腕で、しっかりと少女の腰を掴むと。

「あっ、ああっ……きもちいい…おんなに、チンポつっこめる…エルフまんこで、ずぽずぽできるぅ……」

何の容赦もなく、少女の腰を引き寄せながら、強く腰を突き出した。
ごちゅり、と生々しい音と共に、一息に、一気に挿入された肉棒は、少女の子宮口まで容易に到達して…。

「…ん…おくまで入らない…もっと奥まで、根元までチンポいれる…っ!」

そのまま子宮口をこじ開けて。ぶちゅ、と音を立てて、文字通り肉棒は少女を貫いた。

シェライラ > 「………ぁ、う…………♡」

既に否定などできない。
こんな姿を見れば、百人が百人、ただの淫乱だと言うだろう。
そのことに、恥ずかしくもなるけれど…

「じゅ、じゅっかい…、♡、に、にじゅ、っかい…?♡
あ、あ……、そ、んな…注がれたら…、っ、絶対、受精、しちゃう…ああ、もしかしたら…♡」

こんな強い雄の精なら、本当に孕んでしまうかもしれない。
それはいつもなら、屈辱的な事のはずだった、けど…
もう、無理。だってもう、逃げられない。
腰をがっしり掴まれて、逃げ場は完全になくなる。

ここに居るのは…雄を受け入れるためのただの、入れ物――

「ひ、っ、お"!?♡♡、は、ぎっ、ぁ"♡♡、い、ぎ、ぃぃぃぃぃっ、ぁ、ぉ、ぃっっ!!!♡♡♡」

ずぷずぷ、なんて生易しい音じゃない。
ごりごりごりごりって一気に…私の中を掻きむしりながら、雄が入ってくる。
熱くて、反り返っていて、硬い…私を壊すモノが。
自分の身体がどうなっているかわからない。多分跳ね回って、腰も反り返っているのだろうけど。
きっと、そんな動きすら…男の逞しい手で押さえられてしまうのだろう。

「ほぉ"っ♡♡、ぎっ♡♡、う、ぞっ♡、そんな、と、ごっ♡、いれ、だ、ら♡♡にげられ、ない"、たまご、にげられ、にゃいぃぃぃっっ♡♡」

緩んで緩んで、待ち望んでいた子宮は、あっさり陥落。
亀頭を…あるいは竿の一部もぎゅぽんっ♡と咥えこんで、きゅぅぅぅって締めちゃってるのがわかる♡

無理だ。
こんなの、こんな状態で射精されたら雌なんてあっさり落ちるに決まってる。
ピストンも始まってないのに…私はもう、腰をふりふり…、雄を誘う淫乱メスのダンスを披露して。
神聖なはずの子宮まで使って、雄に媚び媚びしちゃって…♡苦しくなんてない、もっともっと使って欲しい。
欲望の赴くまま、熱を叩きつけて…征服してほしい…♡

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からシェライラさんが去りました。
ヴァルガン > 後日継続にて
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からヴァルガンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル >  ――呼ばれれば大体どこへでも。治療の依頼を請ければ貧民地区にでも赴けるのは、普通の街ヒーラーと違い郊外へも出かけるような冒険者であるからだろう。今宵も各所を回って最後にこの辺りに住む患者に呼ばれて、ようやく一仕事終え。
 富裕地区や平民地区とは異なり、街灯の数も少なく薄暗い通りを行き過ぎてた。多少の武力を有するからと云って、一応は女の身。油断できるほど安全な場所ではないし、先だって嫌な話を聞いた。とても不吉な噂を。

「………や、やだな……女の人を襲う魔犬……なんて……」

 恐々と呟きながら、充分に警戒しつつ一本の裏路地を歩きながら身震いした。
 
 ――この辺りで、女性を襲って孕ませてしまうという、犬恐怖症の己からすれば身の毛のよだつような話を耳にしたのだ。考えるだけで震え上がってしまう。

「そんなんに襲われたら……即時発狂事案よ……」

 ごく普通の野良犬にさえ泣かされている始末なのだから、そんな物騒な魔犬立ち向かえるはずもない。うっかり出くわしたら死ぬから、さっさとこんな所離れよう、と足を速めたその時――、

「えっ?」

 通りの向こうから女性の悲壮な悲鳴が響いて来て、思わずびくり、と脚を止め。それから、ごくり、と息を呑み。
 ……逡巡ののち、見過ごしてしまおうかと過った思いを打ち消すかのようにさらに続けて悲鳴が耳を劈き。

「……ああっ、もう…!」

 魔犬の話を思い出していたばかりなので、万が一当のそいつに誰か襲われてたとしたら、どうしようかと気を迷わせながらも意を決して悲鳴の方向に駆け出した。

 すると、そこには――、

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にラファルさんが現れました。
ラファル > ―――そこには、体長3m程の狼犬が居た。

 人なんて一飲みにできるような、大きな口を持つ狼犬さんだ。そして、その口に咥えて居るものがある。
 噂通りに、女性を襲っている、といって良いのだろうか。
 咥えられているのは、年端も行かぬ幼女で、そして――――半裸であった。
 ぷらーんとしているさまは力なく四肢を投げ出して重力に惹かれるがままに揺れているのである。
 金色の髪の毛をツインテールに縛り、其れも地面の方にたらーんと垂れている。
 悲鳴を上げた女性は、大きな大きな、狼犬を、そして、それが咥えて居る幼女を見ての物なのは、間違いがなかった。

 そして、その幼女は、悲しいかな、彼女の妹といって良い女の子だ。
 狼犬は、走ってやって来た彼女―――ティアフェルの方を、蒼い双眸で見つめる。

 のしり。
  のしり。

 百獣の王という存在が書くや、と言わんばかりに悠然に、ティアフェルの方にゆるりと歩いていく。
 その目は、確りと彼女を見据えているようだ、咥えた幼女、ラファルを放すことも無く。
 のしり、のしり。

 一歩ずつ近づいていく。
 その四肢はしっかりと力を蓄えているようで、逃げても逃がさぬ。
 そう言っているかのように、力強かった。
 ぶおん、ぶおん、尻尾が揺れて、正に、獲物を見つけた、とも捉えられるだろう、か。

ティアフェル >  果たして目にした衝撃映像は……

「き―――……、」

 悲鳴を上げた女性はすれ違いにダッシュで一目散に逃げていた。わたしも逃げたい。

「きゃあぁぁあぁぁぁぁぁぁー!!!」

 わたしも叫ぶ。
 でっかい犬に見慣れた姿がぶら下がっている。けれど、その光景に恐怖してというよりは単純にでかい犬怖さに絶叫。
 だって、彼女は犬相手には圧勝だ。全然危ない訳がない。獣などよりずっと上位種なのだから、むしろ知り合いの犬でなければ向こうの方が危ない。

 だから、悪いけどダッシュで逃げる。
 近寄って来るものだから、恐怖で怖気だってぶわわと鳥肌を立てて涙目になりながら、

「いーやあぁぁぁああぁぁー!!」

 無理かも知れないが、路地に入り人込みに飛び込みとじぐざぐに逃げ出した。

 少女の安否は――信じてる。心配ないっておねえちゃん知ってるからね。

ラファル > 考えてみて欲しい。
 足の速さという物は、ワンちゃんはとても速いのである、普通のワンちゃんでも、人よりも何倍も速いのである。
 そして、狼犬、でっかいワンちゃん、その犬が、となると。

 走り始める、其れこそ、風のように。涙目で、逃げ出すティアフェルちゃんをきょとんとした目で眺める。
 あれー?走っていくぞ、どっか行っちゃうぞー?と、言わんばかりに彼女を見ていたが。
 当然のごとく、追跡を開始する。
 狼犬のグリム君、ええ、ええ。と有る冒険者の飼い犬にして猟犬でもあります。トゥルネソル商会の飼い犬なので。
 そして、其れなりに頭のいいこの子は、咥えた幼女と同じ匂いを持っている彼女を逃がすわけがなくて。

 物凄い勢いで、走っていくのです、さながら、砲弾のように。
 勢いよく走り、風のように走れば、すぐに追いつくのでしょう。
 そして、咥えられていた幼女はスピスピと寝て居たのですが――――


「んに?ぁーふ。」

 寝ていた模様。
 こしこし、と目をこすりながら、視線の先に見慣れた、人。

「あ、てぃあおねーちゃー。」

 寝ぼけ眼でにへーっと笑いながら。
 ちっちゃな手をぶんぶん振ってアピール。
 咥えられたままするもんだからその状態からプラプラり。
 面白い状態となっておりました。

ティアフェル >  犬の方が早いからとかそういう問題じゃない。犬恐怖症なのだから出くわしたら絶対逃げたい一刻も早く逃げ去りたい、そこにいたくない。という理屈じゃない恐怖心から走り出すのだ。
 狭い路地が続くし狭い場所に入り込めばあるいは撒けることもあるもので。……ま、普通の犬の話に偏るが。

「いーやあぁぁー! ついてこないでー!! いやああぁぁー!
 やだやだやだやだあぁぁぁー!!!」

 大っ嫌いなのである。それこそ毛虫恐怖症の女性がでかい毛虫に追いかけられてるのと同等くらい怖い。毛虫だと割と理解されるのに犬だと「えー? かわいいのにー」と共感者ががっくり減るのに物申したい。
 というのはともかく、追いつかれて泣きべそかきながら、路地の壁によじ登り始めていたその時、呑気な声を犬に咥えられたそちらから掛けられて、

「ラ、ラファ……、お願い、その犬どこかへやってえぇぇー……死ぬー……」

 塀の上に手を掛けて涙目で訴えた。

ラファル > 犬と言うのは、横方向には強いが、縦方向には弱い。こう、1mの高ささえ、飛び降りたりは出来ない模様。
 壁によじよじ、とよじ登る彼女、ただ、3mの大きさとなると、堀程度ならば、丁度視線と言った所なのだろう。
 何やら、狼犬グリム君は、嫌がられているのが判ったのか、堀から少し離れたところで止まり、ちゃんと腰を下ろす。
 敵意は在りませんよ、だから匂いをかがせてくださいと言わんばかりの様子でもあったりする。
 それは屹度、絶対伝わらないのだろうけれど。

「んい?」

 その犬、と言う言葉で、ようやく視線を上にあげる。
 自分を加えている狼犬に気が付いた模様、と言うか、普通に気が付かないのかと言う突込みはこの際忘れてもらいたい。
 何故なら、幼女にとっては、細かいことに分類されてしまうのであった。

「グリムー。ごめん宜しくできないってー。
 取り合えず、帰ってー。ボクはだいじょぶだから。」

 その言葉に、グリム君、幼女を放します。かパ、と口を開くからそのまま頭からべしゃり、と地面に叩きつけられるも。
 幼女はダメージもないし、直ぐに起き上がる。
 そして、その毛皮で、涎を吹いて見せてから。
 おかえりー、という物の。路上で寝てる所見つけて咥えたグリム君。ほんとかなぁ?と言わんばかりに見下ろすが。
 大丈夫大丈夫、とぺしぺし叩いて、退散させる。

「あ、ごはんいらないからつたえといてー。」

 その言葉に、ウォンと、返事。ほんとに頭がいいらしいわんこは、フェードアウトしていった。
 それを見送ってから、幼女は、お姉ちゃんの隣に、ぴょい、と飛び乗って、堀に腰を掛ける。

「ねね、こんなところで、どしたのー?」

 と、金色の竜眼は、じぃ、と怯えているおねーちゃんを見上げるのだった。

ティアフェル >  この塀の向こうに行こう。例えそこが民家の庭であっても知るか。謝罪して押し通る。犬と不法侵入なら不法侵入を選ぶわたし。
 そう決して懸命に塀を上がろうとしていたが、犬はとりま一定以上近づかないので、よし、今だ、今ここの塀を乗り越えてよそ様のお宅の庭を横切って逃げるのだ、と思ったが。

 先に彼女の方が気づいて犬を先に帰してくれたようで。
 その間にも塀の上までは上がった女。上からその様子を恐々と見下ろして。それから、ようやく件のでっかい犬が立ち去っていくと。ほーっと塀の上に這いつくばるような姿勢で胸を撫で下ろし。

「……ぁー……死ぬかと思ったー……。
 え? ああ、わたしは仕事の帰りよ……――よっと、とと…」

 返答をしながら、よじ登っていた塀から身をひるがえし、すたっと爪先から路地に両手を広げて軽々と着地。よし、10.00と着地を自己採点しつつ。

ラファル > 「うん、大丈夫だよー。グリムは頭いいから。
 ちゃんと言えば判ってくれるよー。多分、ボクの事、おねーちゃんの所に届けに来たんじゃないかな?」

 こう。取得物は持ち主の所に、的な。
 自分の飼い主の義妹を取得物扱いするとかなんとか突っ込みありそうだけど、まああれです、動物ですし。
 グリム君は屹度善意の行動だったのでしょう、そして、目的が達成されたので、満足して帰っていった、と。

「お仕事だったんだ、今回のお仕事は、どんなのだったの?ついていきたかったなー。
 暇だったから、一寸狩りしてたし。」

 堀から飛び降りるティアおねーちゃん。堀に座ってお話しするのかと思って居た所、そうでは無いらしい。
 ちょっと残念に思いながらも、幼女もぴょい、と飛び降りて、隣に着地。
 お仕事と、言うので、どんなお仕事なのだろうか、と興味津々。
 自分の知らないことをいっぱい知ってるし、色々している彼女。
 一緒に居たくて結構な勢いで纏わりつきたがるのである。

 ヒーラーと言う役職、とても面白そう、と。

ティアフェル > 「そうか、じゃあ……良かれと思ったところを、大変申し訳ないけど、二度とやめて下さいと減り下ってお願いいたしますと伝え下さい……」

 軽くトラウマが追加されてしまった。面倒見の良すぎる犬の起こした悪気のない悲劇。てゆうか、自分ち連れて帰るでしょそこは…なんでわざわざ知らない匂いのもとに届けるんだよ…と泣きたいくらい怖かった。
 小さい犬も怖いがでっかい犬はもっと怖い。

「んー…? ああ、でも治療のお仕事だからね。街での仕事は大体ヒーラーとして呼ばれてるから」

 基本的に助手も必要とはしないし連れて行ける内容ではないことが多い。微苦笑しつつ。余所様のお宅の塀で夜中に二人で登って井戸端されたらお家の人がご迷惑だろうと速やかに撤収し。

「さーて……、じゃあ帰ろっか。それかたまにはどこかでごはん食べてく? 何か買って帰ってもいいけど」

 外食となるとかなり嵩んでしまうから普段はなかなか出来ないが、たまにはいいだろう。必然的に安食堂になるだろうが。
 仕事帰りは少し疲れる。今日は買い食か外食にしようかと。

ラファル > 「んい。判ったよ、じゃあ、グリム君はティアおねーちゃんの半径……3キロ以内に入らないように伝えておくね?」

 伝えておけば、頭のいい彼の事だ、ちゃんと守ってくれるはず。匂いも覚えれば、近くに寄らないように、向こうが来ても鉢合わせしないように避けてくれるとかしてくれるだろう。
 幼女のように分身して囲んで近づくとか、そんな頭のおかしい事さえしなければ。
 大丈夫だから安心してね!幼女は、ティアおねーちゃんにぴたぁ、とくっ付いて。薄い胸をドンと叩くのだった。

「うん、興味あるよ?だって、怪我したときとか、そういう技術あると、良いでしょ?」

 魔法による治療は流石に、だけど、彼女は魔法を使えない時に知り合っている。
 薬品とか、包帯とか、そう言った物理的な治療法とか、後、応急処置とか、薬草の上手な使い方、とか
 そう言った方に興味があって、学びたいんだーと。
 じぃぃ、とお願い教えて、幼女の眼がキラキラ輝きます。

「わぁい!ご飯美味しい所、知ってるよ!
 お姉ちゃんと一緒にご飯食べに行きたいな!」

 大丈夫、流石に幼女は、住まわせてもらっている姉の生活を圧迫させるつもりはない。
 だから、お小遣いもあるよ!なんて、カバンから革袋を取り出す。
 ちゃんと依頼を受けて手に入れた正当な報酬なので、大丈夫です、と胸を張る。

「あ、あと、お魚さんいっぱい取ってるから、後で食べようね、干物ー!」

 文脈はおかしいが、先程狩りをした時にお魚さんを取って干物にして持ってるよ、と言いたいのであった。

ティアフェル > 「3キロ…! いいの3キロも…! 助かる!」

 賢かろうが性格が良かろうが犬の時点ですべてアウト。申し訳ないとは思うが頭の良さに救われて、出くわす心配がなくなったなら目をきらきらさせて喜んだ。不安分子が少しでも消されれば心の底から安堵したような表情を浮かべ。それから、ぴた、とくっついてくるのはかわいかったが、いつもならウェルカムなのだが、今日は犬に咥えられてたので……拭かれたくらいではちょっと気になるので、さ、とウェストバッグから消毒薬とガーゼを取り出して、さささ、と咥えられていた箇所を拭って除菌し。改めて、よしよし妹よ!とハグ。
 犬にとってひどい女。真の恐怖症ナメるなという。

「んー……でも、現場にはヒーラーの見習いさんしか連れて行けないから……ごめんね、冒険中とかだったら実地の手当てなんか多少教えてあげられるんだけど……」

 見習い回復術師の研修ならば伴えるのだが、それとは無関係となると、傷病者の治療現場に小さな女の子を伴う訳にもいかない。
 家で個人的になら解説できるのでそっちで勘弁してね、と眉を下げた笑みを向けて。

「じゃ、たまには食べ行こっか。――お金はわたしが出すからいーの」

 おねーちゃんぶっている立場。妹に出させる訳にはいかない。意地だ。ふる、と取り出された革袋に断固首を振って。

「今日は魚獲ってたのねー。うん、じゃあ明日の朝ごはんにしよう。じゃ、れっつご」

 はい、とお手々を出してつないで向かう。どこら辺にあるの?と首を傾げながら。

ラファル > 「だって、怖いんでしょ?グリムならできるし……それに、おねーちゃんが嫌な思いをするのはボク、やだし。」

 彼女、自分の鞄から取り出したのは、消毒液とか、ガーゼとか。何?何?と思っている間に、あちらこちらと消毒されていく。
 消毒液の冷たさがちょっとくすぐったくて、あひゃ、と笑ってしまうのだった。
 それぐらいに、恐怖を覚えているのだから、散歩コースとか、移動コースの変更程度は、仕方あるまい。
 それに、普段は義理の姉と一緒に冒険に出ているから、居ないもんね、と。

「ヒーラー見習い……。」

 そんなものがあるのかと、初めて知った。もしかして、ヒーラーにもギルドとかがあって、其処に所属しないとヒーラーに成れないのだろうか。
 初めて聞く単語に、目をぱちくりと瞬かせる。
 とは言えども、仕方がない、無理をいう積りはないので、首をぶんぶん横に振って、気にしてないよ、と。
 お家での個人レッスンに関しては、其れでも十分、と顔を輝かせるのだ。

「……………んー。」

 基本お家で食べるのは、幼女のコスト、エンゲル係数に有るのだけども。
 それをいかんなく発揮するとなると、と考える、でも、おねーちゃんが大丈夫だと言うのなら、それで良いのだろうか。
 しばらく、じーっと見上げて考えているものの、姉を信じることにした。
 にぱーとわらって、判った!と。姉の意地を尊重した。

「うん、海のお魚さん一杯取れたよ!
 えーと、お姉ちゃんは、何が食べたいかな?
 此処から近所と、家に近いのと、お肉がおいしい所、と、お魚さんがおいしい所。
 パンがおいしい所、お酒がおいしい所。

 いっぱいあるよ!」

 手を繋いで、北、南、東、西、色々な方角を指さす。
 どれもおいしいところあるから、と。
 これでも、様々に歩き回ってうろついてない。

ティアフェル > 「ありがとうありがとう、家は一族郎党犬嫌いなので助かります」

 両手合わせて拝む勢いで感謝した。伝統の犬嫌い。他の犬も同等に話が分かってくれると日常は平穏だし少しは恐怖症も緩和されていたかも知れない。
 最近風邪が流行ってるから…と除菌の云い訳をそんな風にして。

「わたしも最初は見習いだったものよ……」

 思い出して懐かし気に遠い目。実地が毎日怪我してくる弟達だったから、比較的早めに技は習得できた。
 じゃあ、また教えるね、と請け合って。

「そっかそっか、じゃあ朝はお魚となににしようかな。
 うーん…近い所にしよっか。お腹空いたしね」

 家の近所は大体店の見当が付くが、ここからだと少し距離がある。この近くでさっと済ませちゃおうと、小さな手をつなぎながら行く先はその手にゆだねた。

ラファル > 「え。そうなんだ?」

 一族郎党犬が嫌いらしい。そういう嫌い方もあるのだろうか、若しくは、犬は彼女たちのなんだのだろう、天敵なのだろうか。
 目をまぁるくして見上げる、そして考える。
 竜から見た、ドラゴン狩りの人とか、ドラゴンキラー系の武器とかそう言ったもの、なのだろうか。
 わくわくっと興味が沸いてくるのである。

「お兄ちゃんたちも、犬嫌いなの?」

 ここで幼女の言うお兄ちゃんと言うのは、彼女の……ティアフェルおねーちゃんの弟たちの事だ。
 姉のティアフェルおねーちゃんはそれなりに年上だから、彼女の弟としても、ラファルよりも年上なのだろう、と考えての事。
 出会ったら、普通におにいちゃんと懐いて、家族を混乱させるだろう。
 それはまた別の話、なのである。

「治療師にギルドとかあるんだって、そっち驚いたー。
 そっか、そっか、ヒーラーと言う職業あるんだから、ギルドもあるよね。
 お姉ちゃんが見習い……。」

 どんな見習いだったのだろう、目が遠くなって居る。懐かしいのか、思い出したくないのか。
 思いを馳せる様子を見ているだけでは、幼女には想像がつかなかった。

「お魚と……うーん。パン……?ケーキ……?うーん。」

 何が良いだろう。明日の朝の献立、お腹が減っている時にすると、決まって豪華になりすぎるのだろう。
 きゅ、と小さな手はしっかりとティアフェルおねーちゃんの手を握りしめて。

「近いお店、ね、判った!」

 じゃあ、こっち、と連れて行くのは、裏路地の方にある隠れたお店。
 知る人ぞ知る、と言う感じで、頑固な店主が、一見さんお断りな、雰囲気を全力で出しているお店。

「此処のチーズはおいしいんだよ!」

 あろうことか、酒の摘まみがメインだった。
 と、言っても、チーズを使った料理があり、それはそれで、とてもおいしいお店、でもあった。
 店主に、おねーちゃん連れてきた、と言いながら、しれっと入り込み、ベンチに座る。
 店主がメニューを出すあたり、追い返されたりは、しなさそうだ。

ティアフェル > 「うん。そんな生活環境だったから、自分が異常なくらい犬が怖いって気づくの割と遅かった」

 このくらい拒否反応するなんて家族全員だったから普通だと思っていたのに、世に出れば『お前は異常』と判を捺される。ふう、と悩まし気な吐息を吐いてぼやいた。

「おにー……ああ、弟? もちろん、あのサル共も犬は天敵よ」

 一瞬誰のことか判らなかったが、ちょっと反応が遅れながらこっくりと首を縦にして肯定した。
 いきなり見知らぬ女の子に懐かれたら何事かと驚くだろうが、末の弟はなんだかんだ一番喜ぶかも知れない。11歳なので先に照れそうだが。

「教会なんかと一緒になってることも多いわねえ。神官さんなんかが回復術に長けている場合があるから。
 まあ、わたしは神聖術とは流派が違うから関りないんだけど」

 他の見習いより術の習得が早かったので図に乗った幼少期……まあまあな黒歴史だ。生意気なガキだったなと思い出して早めに忘れたいと感じていた。

「干物だと合わせるのが難しいね、黒パンかな? ケーキはちょっと取り合わせ的にエグイな……」

 思わず魚ケーキとか吹っ切れた想像してしまい、うーんと眉を寄せて唸った。

「おー、いーね、チーズ……なんか冬は特に食べなくなるよね。油分は身体温めるからかなー。
 チーズマシマシ~。グラタンにしよー。ラファルちゃんは?」

 グラタンとサラダくらいで充分。目立たない場所にある小さなお店に連れられて席に着くとメニューを見てチーズチーズと唱和しながら上機嫌で。チーズケーキも頼んじゃおうっかなと弾んだ。

ラファル > 「なるほどー?」

 確かに、環境によって、異常が異常と気が付かないこと、と言うのは在りそうだ。そもそも、トゥルネソルに住んでると、ドラゴンは普通に感じられると思う。
 が。ドラゴンと言うのは基本的に、一匹で十分国が脅かされるような、超強大な存在なのである。
 それが群れで居るのだから、国がどんな風に思って居るのか、今見た縮図かも知れないなぁ、とラファルは思う。
 ただ、それを感じたとして、どう動くかは、また別だ、と言うかここに何時くことを決めたのは母親だし。
 姉は色々と手を回して、普通に商売をしているし。

 ただ、彼女の感覚に。悩まし気な吐息には、共感できるような、そんな気がしたのだった。

「うん、おにーちゃん。犬はダメなんだー。
 じゃあ、お姉ちゃんも、お兄ちゃんも、犬が来たら、ボクが護らないと、なんだね。」

 ふんす。
 姉の数少ないであろう弱点、妹にさえ、隠すことができないぐらいの弱点なのである。
 そんな姉を守るのは、妹の使命なのだろう。お姉ちゃんはボクが護る……。心に決める幼女10さい。

「回復魔法と言うと、神様の奇跡……神官さんなイメージあるよね。
 病気のときとかも、神官さんのところよく行くみたい、だし。

 流派。」

 響きがすごい、流派。必殺技、とか奥義、とか。
 回復の技術で必殺は致命的に何か違うと、誰か突っ込まないと。

「ニシンのパイ、とか。あと、……星を見るパイ。とか。」

 普通なメニューの後に。伝説の不味いと言われているメニューを思い出す。丸いパイのうえに、空に向けて魚を刺して食べるパイ。
 まあ、全部干物にしてあるので、それは作れないだろうけれど。
 ただ、黒パンとの食べ合わせ、とか、その程度で、良さそうだ、と。

「ペンネグラタンとか!あと、ピッツァ!チーズマシマシ!」

 何が良いと聞枯れれれば、ピッツァが出てくる。
 後は、モッツァレラチーズを使ったサラダ、とか、スープ、とか。
 チーズな料理はそれなりに在るので、それらを遠慮なく。

 チーズケーキは、ちゃんと便乗する妹。
 たべ、ます!と。

ティアフェル >  各ご家庭それぞれの事情やルール、しきたりがあるものである。
 違う環境に身を委ねて気づくことも多いものである。大なり小なりに。ま、こっちの家庭は確実に小の悟りが多い。

「サル共はほっといていーわよ。女の子に守られるのも情けないだろうから。
 吠えられて木にでも登るでしょ」

 実際全員木登りの達人だ。――犬から逃げる為に鍛えられたやっぱなっさけないスキル。

「そーね。神官さんの使う奴はね。わたしのはまた違うから。なんせ無神論者だし」

 真面目に進む会話。
 突っ込まれたい場合はまず「」内でというのを踏まれていないボケに突っ込みは発生しなかった。
 
「ケーキではないな……それに、干物だからねー……」

 野菜とパンで合わせる程度か。生ならば調理法も広がるがその分傷みとの闘い。

「よしよし、じゃあちゅうもーん」

 お願いしまーすとお店の人を呼んであれこれと二人で食べたい物を注文し、テーブルに乗らんから順次持ってくるよと当たり前のお答えに、それで。と肯き。疑うべくもない旺盛な食欲にケーキはホールでいった方がいいかもなと考えた。

 そして出来上がった料理が次々に運ばれてくるとすぐにテーブルが満員になる。
 チーズたっぷりでいかにも食欲をそそる。でも見るだけで腹いっぱいになりそうだったので、狭い範囲で視線を流し。

「じゃあ、いただきまーす」

 フォークを取ってあつあつのグラタンに差し、冷ましても熱くって、伸びるチーズを絡めながら、ほふほふと口端から湯気を立てながら頬張り。

ラファル > そういう意味では、彼女の所に住むことになったのは良い事なのだろう、幼女の家では気が付けないことなどが、いっぱいあるのだ。
 いい勉強になって居る、小さな悟りは、そもそも、その生活に即した悟りなのである。
 寧ろ、その辺りは姉辺りが欲しているものなのかもしれない。

「じゃあ、ティアおねーちゃんはボクが護るよ!
 ボクも木登り好きー。
 リンゴの木とかバナナの木とか、新鮮な果物美味しいよね!」

 サルの仲間入りを、全力で言い出す幼女。ドラゴンもおだてりゃ木に上るらしい。
 弟たちは兎も角、お姉ちゃんは、犬から守る事は誓います。
 ええ、ケルベロスだろうが、撃退してくれます。ふんす。

「神様……か。
 お姉ちゃんが言ってたけど、竜の神様は、人の神様と違って、回復魔法は授けてくれないみたいだよ。
 神様信じる信じないは、どうでも良いや。」

 幼女は、無神論ではないけれど、信じる気はないのです。ドラゴンは神様に祈る暇があれば殴って齧るので。
 真面目な会話なので、「」のなかに、ボケを突っ込むことを止めたのでした。

「干物にしておかないと直ぐにいたんじゃうからー。
 今は、冬だし夏よりはましだけどねー。」

 でも、生もの、お魚さんは足が速いので、干物にした方が良い、スープにすればだしになるかも、と。

「わぁ……っ!いい匂いー!」

 どれもこれも、おいしそうな出来立て熱々のご飯。
 テーブルの上に並べられる美味しいご飯に、よだれがじゅるりと零れてしまう幼女で。
 そして、ふと、お姉ちゃんの方を見上げてみた。

「いただきます!

 ……そいえば。お酒は?」

 幼女は飲みたいけど飲ませてくれないので、その辺りは諦めてるけれど。
 姉はもう、飲んでも良い年齢だ。
 チーズとか、お酒のおつまみに最高なものがいっぱいあるのだし、飲まないのだろうか、と。
 ぴっつあを一切れ取って、チーズをのビーンとしているのを這振り、と食べつつ問う。