2020/06/04 のログ
■ティアフェル > 「っへー。どこに入れたかちゃんと覚えてるのが偉いねー」
小さなポケットの中に几帳面に整頓された品々を覗き込んで感心したように呟いて。
まあ、自分のウェストバッグも見た目よりもずっと大容量である。何かと物入りなのは間違いない職業だが、それにしても用心深い性格な人は装備も用心深いのだと認識し。
「逆に話に聴いてたより効果がある――なんてこともあるけど、かーなり稀だしねえ。試運転は大事です。今回は試運転、ってことで。
ま、それは普通に生きてても何かあるかも知れないし、だけど……わたしたちの場合は余計に、ね」
冒険者同士、ここら辺の意見に相違はないようだ。無事に長生きできるような職業じゃないことは判り切っていること。その上で身を投じている。こうして街で安穏と過ごしていてもそれを忘れることはないもので。
仕事中だと誤解した様子に、考えすぎ考えすぎ、と小さく笑声を漏らしながら立てた右手を横に振って。
「そうなんだ。何が要るの? ポーションとかならわたし都合できるよ。イディオさんならお安くしといてあげるー。
デートならエスコートさすよ、あと我が侭を云う。そしてめったやたらに誉めさせる」
多少の営業を挟み、軽口を叩きながら柱から身を離した手を取ってくい、と引っ張り行きましょーかー、と至って暢気に口ずさむと、ひょこひょこアホ毛を揺らしつつ空き地から飲み屋探しの順路へシフト。賑わいの見える方向へ歩いて行こう。
■イディオ > 「まあ、ほら、どこに入れたか忘れて死にそうになるの、嫌だし。」
(様々な道具、ロープにテント、毛布、保存食に、杭とか魔法のアイテムなど、覗き込めば沢山のアイテムが見える筈だ、それは冒険者が経験して必要と判断したものばかりで。
一人での冒険はほかにやってくれる人がいないから、自然と荷物が多くなるものなので、仕方がないと言えば、仕方がないのだ。
ついでに言えば中身の入ったワインも見えるだろう。飲むようではないのだが。)
「……だな、さっきの鳥もち、モンスター用には使えなくても、人相手ならば十分に使用に耐えられると判ったし、それ用に買うのもありか。ただ、買い叩くがな……!
危険に身を投じるから、な……。だから、刹那的にもなるもんだ。」
(冒険者は、欲望を隠さない、何故ならば、死んでしまえばそれまでだし、秘した思いは伝わることがないことを知っているから。だから、精いっぱい生きて精いっぱい楽しんで、死地へと、冒険へと向かうのだ。
ヒーラーとして、助けることを優先する彼女もまた、冒険者であり、その辺りは同じだという事を、その言動で知った。それがなんかうれしくて。)
「ああ、呪符。魔法の守りを付けるタイプの。さすがに、こういうのは、向こうじゃてに入りづらくてね。知っている店は、大体こっちなんだ。
ポーションか……ふむ、今持っているポーションのより、良いの作れる?
何と、デートでもいいのか。なら、エスコートも使用、我儘も聞こう。ティアちゃんさいこう!
そして、連れ込むんでもいいのか。」
(ポーション、それは生き死にを分ける大事なお薬である、回復力が高いコストパフォーマンスなども考えるなら、売込みに対しては食いつくのが冒険者。
因みに、常備しているのはギルドで作って売っている中級のポーション。値段と回復力を鑑みて選んでいる、彼女の腕がどれだけなのかはわからないので、確認として。できるのであれば、少し高くなっても乗り換える気は満々である。
ちなみに、冒険者、下心隠さない。デートにするなら、遠慮なく、最後まで行く気を見せる。たぶんスタッフが待っていると判っていても。止められないのが男の悲しい性。)
■ティアフェル > 「一理ある。でも、そういう危機的状況ほど慌てちゃって取り出せなくってアウトだったりねえ」
たまーにそういう残念な例もある。そうならない為にちゃんとみんな覚えているし、そんな初歩的なミスをするタイプでもなかろうが。くわばらくわばら、と小さく呟いて。
「うん、雑魚ならまあ、どうにか使えそうだし。たださあ、さすがに安いのと高いのふたつ同じようなの持ってるとややこしくない? イディオさんてマメ過ぎ。
あんまり、イディオさんは刹那的って感じもしないけどね」
びっくりする程用心深いし、危険を冒すことをあまりよしとしていないし。冒険者よりも町人として仕事をしていた方が似合うように見えるタイプだ。アスピダで掻き入れ時の今、稼ぎまくって市民権を早く獲得したほうがいいと常々感じる。
「呪符か、いっそエンチャンターの知り合いを作った方が早いだろうけど……少ないもんね、絶対数が。
今持ってるポーションがどんなのかに依る。
デートならわたしお金出さないモードにシフトするよ…?
あと、最後余計なこと云うなや。わたしが付き合ってない相手に連れ込まれるとでも?」
仲介業者がない分、ポーションの売値に関しては安くできるだろうが、効果のほどは今使用しているものと比較しないとなんとも云えない。
さり気に付け足された誘い文句に関してはぺしこい、とアホ毛が揺らめいて彼の頬辺りを打つかも知れない。まず交際に発展しないとなにもそれは進みませんよという、鉄壁のガードは常に健在。
酒場を探しててくてく歩き、それらしい明かりが見えると覗き込んで。
■イディオ > 「ああ。あるある、危険に焦って……ってやつだな、初心者とかによくあるし、不意の危険なら上級者でも、やりそうだ。」
(凄く分かる、不意打ちに、あわてて反応したはいいが、間違えてしまう、そういう状況、初歩的とはいえ、無いとは言い切れないのだ、冒険に慣れたものでも、起こりうるミス、判るわぁ、とうなづいた。
自分も、恐らく状況によってはそういったミスを起こすこともあるだろう、そう自戒しつつ、笑って見せるのだった。)
「ややこしいかも知れないけれど、其処はなぁ。まあ、慣れっていうか。ポーションもほら、大体色は同じようなもんだし。
こんなに刹那的なのに、ティアちゃんと俺との認識の差が違い過ぎる……っ。」
(彼女の言う方が正しいのだろう、男は冒険者としていうなら、首を傾げられるレベルで、むしろ冒険者してないじゃんと言われる。今だって、アスピダの方で戦闘で荒稼ぎよりも、高騰している薬草採取で荒稼ぎで、ほくほくというレベルなのだ。ちなみに市民権を買う気は―――あまりない。
今は別に困ってないので、というのが理由だ。)
「いるとしても、結構一癖二癖ある人がおお……げふん。
今持ってるのは、ギルドで売っている中級のポーション、回復力は、低めで、即効性が高い代物。緊急時用のものだね。
って、デートって、あれ?恋人同士が遊びに行くとかかそういう話のものじゃない?
ついに許可が下りたのかとかそんな風に。
……すまん、つい。舞い上がって先走った。」
(ぺししぺし、と威嚇する陽にぶつかるアホ毛、冒険者は、男は目を瞬く。誰も言ってないし、誰も知らないだろうが、古代人なので、今の人感覚がずれていたりもする。
デート、というのは恋人同士でお出かけ、という認識だった、現代は違う模様。彼女の反応を見て間違えたのだと気が付く。
なので、ごめんなさいした。)
「まあ、あれだ。このあたりなら、三軒先の踊るタコ足亭が、この辺でも、まともでおいしいところだ。ただ、食いものが肉!ミート!肉!って、言う感じになるけれど。」
(そこで良いならば、其処でおごるよ、と男は、大体理解してきた大通り、先に歩くことに)
■ティアフェル > 「こう、そこまでピンチじゃなくってパーティで一人で新人が焦っているのを余裕で見ている分には楽しいんだけどね」
フォローできる範囲で焦っている新人冒険者は微笑ましい。勿論後でがっつり駄目だしが飛ぶが。
自分はあんまり細々と持っていると面倒くさくなるし、そういうミスも起こりそうなものなのでそこまで何でも持ち歩いてはいない派。
「鞄の中身で人柄が知れるなあ……。細かいことに拘りそうだよね……。
どこがどう刹那的なのよ。ティアに対するセクハラ発言? まあ行き過ぎると死ぬよねー」
云う程セクハラ発言も受けてないが。試しに誇張してみた。にこにこ口走るので冗談だが。云われた方は笑えないかも知れない。
結局ちゃっかりアスピダの影響で荒稼ぎ中らしい。確かに今冒険者は関節的直鉄的両方で要塞関連で皆潤っていて、夜酒場でクダ巻いてると思ったら大体同業者だ。
「魔法職は変わり者が多いってのが定石だしね……。
ああ、それならわたしの方が効くヤツあるよ。回復指数はお値段次第だけど。あと強壮剤と、解毒、麻痺とか神経系も扱ってるから必要なのあれば取り引きしやしょうぜ。
10代前半か? 男女が一緒に出掛けるとそれだけで付き合ってることになる現象か?
まずコクられてなかったらんなもん論外だよ」
甘酸っぱい誤解を、っは、と鼻で笑った。自分こそ、まず交際に発展するアクションがあってそれから、というバリバリ10代恋愛路線を地でいってるというのに――ギリ10代だから――先走り発言をアホ毛で突っ込んでから、ぽんぽん、と謝罪に気にするなと云うように肩を叩いた。
「タコの癖に肉……矛盾を感じる。本当にお肉好きだねえ。じゃあそこにしよ。エール以外のお酒置いてる?」
奢るという声に、デートしたいの?と少々揶揄うような声で聴いて取り敢えずそのタコ足へ向かおう。
■イディオ > 「新人教育にはいいよな、あれ。」
(新人君の対応力を確認するためにわざとフォローできる状態での放置、そして新人君に終わった後に注意の雨あられ、そして、そつなくこなすような新人君は――――。実は、イディオはするりと、抜けることにする。
最初に失敗する方が、教訓を得て後に活かせるが、最初から天才肌で出来る!というのは、いざというときに信用成らなくなるのだと、そんな持論があるのだ。
彼女のスタンスは、彼女の一番のスタンスとなるだろうし、それはそれで尊重すべしだ、と考える。)
「―――自分では、そんなつもりはないんだよ、当然の準備を当然にしてるという認識しか。
それでも挑戦をあきらめないのが、冒険者……っ!」
(笑顔とは、もともと攻撃的な表情という、にこにこしている顔で口走られる言葉、男は顔面に汗をにじませるが、引かぬ媚びるけど顧みぬ。
セクハラ発言?は。やめる気は無いらしい。
細かいことにこだわりそうだな、という相手に、こだわるのは生き延びることにだけです、そう伝いたいところだが、さてどう言えば伝わってくれるか。彼女の中では細かい男に分類されたかもしれない。
今、アスピダのおかげで、冒険者はみんなそっちに行ってるので薬草が足りないのである、だから、薬草採取の依頼も、今までよりは高価になっているのだ。
だからちゃんと潤っております、つやつやです。懐の話。)
「―――デートとか恋人とかは、まあ後でという事で。
先ずは、薬師としてお付き合いお願いいたします、薬草欲しければ優先的に回しますので何卒、何卒!」
(ギルドの中級ポーションよりもというならば、それに、強壮剤は兎も角、解毒、麻痺、神経系まで扱えるのであれば、それはかなり必要な部類だ。
しゃきん、居住まいを正し、綺麗なお辞儀からの、お仕事上でのお付き合い。個人的なそれは今は忘れる。こんな有能な薬師は、逃がしてはいけない。
生きることに貪欲であるがゆえに、ここは、何よりも優先してお願いするところだ。
鼻で笑われても、アホ毛で突っ込み受けても、肩を叩いて慰められるのも、今は気にならなかった。でも、ちゃんと後でへこむ。)
「店の名前と品ぞろえに関しては、店主に聞いて欲しいところだ其れは。あと、肉は好きだけど、今回に限っては、この周辺で一番いい店、という意味での紹介だ。
お酒はああ、ちゃんと色々あるよ、ミードとかもあるし、カクテルも意外にあつかってる。
マスタービア樽のクマのようなおっさんだけど。」
(踊るタコ足亭は、入ってみれば、先ほど言った、クマのような顔で、樽のような体格のマスターが切り盛りしている店だった。入ってきているのは冒険者が多く、次にこの界隈の人だろう。
テーブル席に付いて、メニューを出せば、値段は安め、種類は多め、量は、ほかのテーブルのを見ればわかるだろう、かなり多い店である。
安くてお腹いっぱいになる冒険者向けの店だった)
■ティアフェル > 「ねえ。自分もそんな時代があったねえー、とほのぼのしちゃうけど」
焦るとトチるのは人間らしい証拠だ。失敗してこそ学ぶこともたくさんある。物を取り出せない系のミスはしなかったが、他のしょうもないポカなら新人時代に色々踏んだものだ。人間だもの。
「うん、別にいいと思うよ……? ただ、付き合う相手にはおおらかでいなね。せめて。
そこだけは攻めるんかい。よし、来るなら来い受けて立つ」
腰に手を当てて胸を張った。応じるかどうかは措いといて、挑戦を受けることはいつでも。これを折れる奴はいるんだろうかってくらいカタいが。
そして、荷物云々だけではなく、細かいといえば細かそうな感じもするので。変な説得もしていた。
「はいな、お客様。お買い上げありがとうございまーす。
じゃ必要なポーションを調合したら引き渡すのでリストアップしといてくれればー」
速やかに顧客の関係になった。これからの季節需要の多い虫除けも売りつけていきたい。理由は最近作り過ぎた薬NO1なので。ヒーラーの一環としての調合スキルなので薬師と呼ばれれば微妙だし媚薬とか育毛剤とかそういうものは専門外だが。状態回復系の薬品なら任せとけ、と胸を叩いて請け合った。
「わあ、カクテルもあるの? それは嬉しいなあ。甘めの奴たーのも。
ふーん? でも知ってる店は結局肉料理がおいしいお店が多いんでしょ?
……ぅゎ、ほんとにくm……」
お肉はこの時間でそんなにたくさんは食べれないので、お酒とおつまみ程度で充分。カクテルと聴いてアホ毛がぴん、と反応して立ち上がった。それは楽しみだなーと声を弾ませて。
そしていざお店に入ってみると仕切っているマスターの容貌に出かけた素直な感想を、口を両手で塞いでストップさせ。やべー云っちゃうとこだったと、そろそろと手を下ろしては着席して、リキュールと果汁を合わせたカクテルを注文した。
がやがやと冒険者らしい人々で賑わう店内ではこの二人連れはまったく浮かずに馴染んで。店内を眺めながら、やっぱり今冒険者は好景気だな、と値段を気にせず注文を入れている冒険者らしい客を見て感じた。
■イディオ > 「ああ、ほほえましいというか、何というか、な。」
(自分もそんな時期があったなぁ、とモンスターが襲ってくるのに、武器が抜けなかったり、とか、必要なものがあるのに取り出すことができずにあわてていたり、とか。
後は、見えている罠につかまってぶらりんぶらりんしたり、とか。いろいろなポカミスを思い出して、冒険者は遠くを見つめる。恥ずかしい思い出だなぁ、と。)
「うん?……うん。わかった?何故せめて……?
ほら刹那的な反射神経的な……?うん、良し可愛い。」
(小動物がすごく、威張っている姿はかわいらしいなぁと、そんな感想を一つ。オリハルコンだって、アダマンタイトだって、物質だ、何時かは破壊できるだろう、それが破壊できる武器を見つける前に、終わるのが大体でもあろうけれど。
そして、変な説得には理解が及ばず、うなづくも、首を傾いで頭にはてなマークを一つ。)
「必要なポーションは、即効性と、治療効果の高めのポーション、これは命の値段だし、高めでもいい。
あと、虫よけあるなら、それも……と、どれだけの時間効果あるのかな?それによって本数決めたい。
あと、面倒だとは思うけれど、麻痺と神経系に関しては、予め飲んでおいて、掛かるのを防ぐタイプでほしいな、麻痺してからじゃ、一人じゃ飲めないし。神経系も同じ理由で。」
(リストアップなんて、言う暇もないぐらいにもう買うものが決まってるのである。とはいえ、ちゃんと紙に書いて、手渡しておこう。お値段はいくらだろう、なんて言わない。命の値段だ、此奴は。
媚薬とか育毛剤に関しては必要がないというか、媚薬の使用用途がない。育毛剤も同じく。)
『誰だ俺様の事を熊っていったのは!?』
『うっせ!黙れ熊!』
『ふざけんなてめぇら!この俺様を誰だと思ってやがる!この店の帝王だぞ!』
「なら、帝王らしく肉焼いてろ熊!おすすめの肉料理と、カクテルと、エールな!」
『王よ!』
(ティアちゃんの言いかけに反応する店主、その直後周囲常連客全員から店主への突込み。これがこの酒場の日常のようだ。しかも最後の返答、なんか発音違う気がするが気の所為ではなかろう。
ちゃっかり混じって、注文するのが、イディオでした。)
「まあ、あれでも、気は良いんだ。別に怒ってないし、こういう流れだから。クマと言っても大丈夫さ。」
(フライパンが飛んできて、イディオに命中。すかーんといい音がした。)
■ティアフェル > 「初々しさを感じてしまう一幕……」
そんなミスを初々しく感じてしまう程度には成長した……と思う。遠い目をしているのに気づくと、回想中らしいと察して小さく笑った。
「道具が細かい奴は概ね性格が細かい。
雑な誉め方……どこが? どんな風に?」
誉められて突っ込んでいくという女子特有の面倒くささを発揮。
そして偏見染みた細かい性格分析をもっともらしい顔でカマした。当たってるかどうかなど知らない。
「うぃうぃ、全回復までできるけど、ただし連続した服用、解毒系の一部の薬品と合わせると中毒症状が出るから注意。その辺は別で記載しておくね。
塗るタイプと、燻すタイプと置き型でそれぞれ効果と持続性も異なります。
あぁ……先に服むタイプか……ちょっと値が張るよ?あと持続性が薄い。麻痺を回復させるのもあるけど、麻痺させるヤツもあるよ」
注文を受けてふんふんと肯きながら、あれこれと意見を話つつ、もしかしてこれは本業薬師に回した方がいいのもあるかも知れないなと考え。その場合はこっちのツテで紹介をしようと。
「地獄耳か……」
クマって最後まで行ってないのに怒られた。理不尽。熊だと云われたくなければ髭を剃ってダイエットをしてほしいと感じながら常連客との掛け合いに噴き出して。そして慣れた様子で注文を織り込んで行くのに、慣れてらっしゃると拍手した。
「怒り狂ってんじゃん……」
フライパンがクリティカルヒットして、いい腕してやがる、と認識しながら落ちてくるフライパンをキャッチして厨房へ投げ返しておく。コンロを目指したがちょっとズレた。
「サービスしとくね…」
そして、フライパンがヒットした箇所にスタッフを翳して詠唱し軽くヒールしとこうか。
■イディオ > 「そうだなぁ……、まず、小動物のような動きが可愛いだろう?感情が素直に出てくるのもかわいらしい。
あと、表情もコロコロ変わるのもかわいらしい。」
(褒めちぎれ、と先程のお話にも合ったので、男は先ずは、軽いジャブ程度に、可愛らしいと思った所をほめることにした。もっと細かくなるのであれば、さてどう褒めたものか、とうんうんうなり始める。
性格分析に関しては、さて、どうなのだろう、当たるのか当たらないのか、本人には判らぬことだ。自分はおおざっぱだと思ってるし。)
「了解、全回復は一つでいいや、緊急時用に、後は、半分くらいの回復とか、で良いかな。記載所はお願いします。
塗るタイプと、置き型がいいかな、置き型は寝る際に使えそうだし、基本移動は塗るタイプがいいな。うん。
命の値段に、糸目はつけないさ……。それで助かるなら少しぐらい高くても。
麻痺回復は兎も角させるのは―――今は良い。」
(大事なのは回復であり、攻撃などには今は必要を感じない、依頼的には必要な時も出るだろうから、その時は改めてお願いすればいいと、思うのだ。
なので、麻痺薬は今は大丈夫と言って置く。)
「このくらいは、まだまだ序の口さ。一番面白いのはほらあそこ。」
(熊熊言っている別の冒険者は、顔面に焼き立ての肉を叩きつけられていた。これでも食ってろ、という意味らしい。
投げ返されたフライパン、コンロの近くに落ちそうになるところ、ひょい、と救い上げてコンロの上に、そして、重々いい音を立て焼かれ始める。その上に肉が置かれて、良いにおいもし始めた。
回復してもらい、ありがとうと伝える冒険者。綺麗に治ったので、たんこぶもない。)
「それじゃ、乾杯。」
(届いているカクテルと、エール、グラスを掲げて冒険者たちは楽しい酒宴を始めるのであった。此処の、名物店主をからかいながら―――)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からイディオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にサナさんが現れました。
■サナ > 陽が落ちて尚、重たく絡む湿度が肌を粟立たせる。
人混みに酔い、其処から離れるように歩いた果て、方向を見失ってのろのろと歩く。足先がじんじんと熱を持ち、草臥れて、とうとう亀のような歩みすら止まる。
「此処は、…何処だろう」
有体に言えば迷子だった。
薄闇に溶け込むフード姿は身を隠してはくれるけれど、蒸し暑さからは守ってはくれない。寧ろ追い詰める側だ。
頭を覆う布を後方へと払う、と同時に視野がひらける。
狭く、曲がりくねった路地裏で、崩れかけた塀は己の上背一つ二つ以上は高い。
■サナ > この蒸し暑さだから、明け方過ぎ、凍えて二度と目覚める事のない眠りにつきました、なんてことは、無いだろうけれど。
身を休める場所に乏しそうなこの場を歩き回って、翌朝疲れ果てた所に身包み剥がされ―――、ということは十二分に起こりそう。
かといって、助けを求められそうな善人は無理そうだから、すごく妥協して、己の目を信じて、人相の悪そうだけど実は良い奴――――を探すけれど、そもそも人が見当たらない。
人を、呼ぼうか。
けれど、身も心も怖い人がぞろぞろと来られたら非常に困る。
己の生白く細い腕を見下ろした後暫く考え。
「……………、火事だー。」
飛び出てきたら、良い人そうな単語の選択を。
かそけき声が放つ。思ったよりは大きい声に、ならなかった。
■サナ > ………………。
静まり返った路地裏にかそけき声が反響して、残響になり、消えていく。
火事は大した釣り餌にはならない、選択を誤ったようだ。
声が小さすぎる点は目を瞑る。盛大に物騒な嘘を叫ぶ根性も無い。
「カモだー。」
語感の似た呼び声を。
己がカモだと主張しているわけではない、カモにされてくれる側は求めるかもしれない。
思考が脱線していく中、首筋がじわりと熱を帯びるのを自覚する。
腰に提げた袋から紐を取り出し、後ろ手に髪を一つに括り上げる。
項の辺に外気が通れば少し快適さが増してくれる、ような。
滑らかとはとても言えない壁に背を少し預けて一休みの態。のろのろと腰が落ちて座り込む。
地面のほうがむしろ冷たく涼しい、とも。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」に番号215642さんが現れました。
■番号215642 > 貧民街。細い細い道が入り組んだ裏路地ばかりの街。
細い裏路地に隠れるように入り込んだ少年の耳を小さな声が捉える。
大きな獣耳の少年は首を傾げる。火事?カモ…?
「だれ…なに…?」
壁にもたれる女性の数メートル先。
別の裏路地から顔を出して、貧民街には似つかわしくない女性を
遠巻きに眺める小さな影。警戒心を丸出しで、それでいて好奇心もくすぐられて。
女性を見つめる2つの目と緊張して大きく立った狼の耳。
■サナ > カモだー。細く反響して消えていく、と思われた中、小さく重なる別種の声。路地裏に座り込んだ儘、あたりを見遣った先に、小さな影が見えた。遠目には、体躯が明瞭に見えたわけではないけれど。触り心地がよさそうな、狼の耳が目を惹いた
「……サナ、だよ。
カモが火事で大変………… ………って誰かが言ってた。」
あっちで、と己より更に遠くを指さす。のろ、と腰を上げて。一歩、彼へと歩みだしてみる。反応をうかがうよう、一歩、二歩、行ったところで立ち止まり
■番号215642 > 「カモが火事なら、焼きカモになる?うまそう」
彼の価値判断基準は大体、食事。一番の関心事項は空腹を満たすこと。カモが火事でも特に違和感をもつことなく、ふぅん。と
「サナ?お前の名前?なにしてるの……?こんなところで」
貧民街が似つかわしくはない相手に問いかけて。
名乗るべき名前を持たないから。自分の名乗りは誤魔化して、相手の名前だけを繰り返した。
相手が近づくと、一瞬。裏路地に身を引きかけるが、相手が立ち止まると逃げることはしない。一歩だけ、相手と同じ路地に移動する。二人の距離はまだ数歩は充分にある。何かあったときに逃げられる距離は保ったままで。
■サナ > 「焼きカモを見つけたら、山分けだからね。私もお腹が空いた。香辛料くらいは、お裾分けするから。」
行く道を見失った心細さで忘れ切っていた空腹を思い出す。
人を、それも、どんなに困っても顔を合わせた瞬間逃げの一手を打たなければいけない相手、には
今の所見えない彼の、声を聴く内、少し気が緩んだのかもしれない。
「サナは、私の名前。………道に」
迷っていた。と正直にいえば、彼はどうするだろうか。
正直に言った方が、良い気がするけれど。少々気恥ずかしい気もした。
要らぬ意地、なのか、どうか。
「………置いて行かないで。」
逃げられる気配には特別敏感。逃げる選択肢に小さな壁を作るよう言ってから、ほんの少し縮まった距離越しに相手を見遣る。
「貴方の耳を、もふりたい」
強請ってみた。――――むしろ心の声が漏れた、が正しいか。
■番号215642 > おいていかないで…?意外な言葉に目を見開いた。この殺伐とした貧民街で少なくとも害はない相手だろう、と彼が思っているのも確かだったが。それにしても思いがけない言葉だった。
「おいていかないけど…?なんで…」
何を問いかけたいのか、上手く言葉にならない。
どことなく相手の声が切羽詰まっているのは、なぜだろうか。迷子だからか?それとも何か…わからないけれど。興味を引かれてもう一歩近づいた。
続く言葉に、数秒完全に固まって。警戒してまた、耳が大きく立った。既に、両方が手をのばせば触れられそうな距離。近づきすぎただろうか。
「もふる?ええと……」
『もふる』の意味はわからないけれど。なんとか考えて言葉を続けた。
「痛くしないならいいけど。でも、10ゴルドね」
10ゴルドあれば、何か食べるものを買えるだろう。腹一杯にはならないかもしれないけれど。
何をされるのだろうか。やや不安げな眼差しはほぼ同じくらいの背格好の相手に向けられて。
■サナ > 自分で思っていたよりは、切迫した声になったのかもしれない。
なんで、と問われて、なんでだろう、と、吸った息が吐かれずに止まる。
「………迷子だからだよ。」
つまらない意地に思えた、躊躇ったことは。
意味を深く考えることに比べてみれば。
近づかれた分一歩、下がったのは、無意識の領域。
はた、と我に返って相手を見遣る。彼は己の望みを叶えてくれそうだったから。
逡巡の気配に、それを敏感に嗅ぎ取れて。
「……痛くはしないよ。…10ゴルド。」
お金と交換は、何処か味気なく感じられた。今己が食うに困っていないからだろう、そんな悠長なことを思うのは。――――否、地だ、おそらくは。
「お金じゃなくて、これとなら」
腰に提げた袋を探り、荒い革紐に通しただけの淡い紫の硝子を取り出してかざす。互いの眼鼻の先、泪型の硝子が薄闇の中鈍く光る。
「好きな所で結ぶの。腕輪にも、くびかざりにも。」
海で拾った硝子を磨いたもの。身に着けるか、彼の提示した金額より安く売るか、高く売るかは、舌先三寸次第、のもの。
■番号215642 > 「まいご。道、多いからね」
彼にとって裏路地は逃げ込む場所。ここではなくどこかに、帰りたい場所があるのか、とほんの少しの間だけ、くだらないことを考えた。
「痛くしないならいいよ」
痛くされなければ、別に何をされてもよかった。
自己の体が自分のものである、という認識の薄い奴隷は直ぐに快諾する。何かもらえるなら尚更だ。
「はい、どうぞ」
もう一歩近づいて。手をのばせば充分頭に届くような距離。耳を触りたい、だなんて申し出は珍しいからどうしたものかと少し考えて、頭を差し出す。触りやすいように。
■サナ > 「道には、詳しいの」
道案内も頼めるのだろうか。
ひとかけら、面白いことがあったなら、そのあたりの道で眠っても良いような気もした。
迷子か、と、彼は笑わなかったなあ、と、思考の片隅で。
「痛いことを厭うのに、そんなに無防備で良いの」
差し出された頭は、本当に、無防備そのものだ。細い、――己と然程変わらなそうな、薄いとも云える首筋を見下ろす。己にその気はまるで無いけれど、本当にその気になればへし折ってしまえる手立てはあるから。
己がそうなように彼にもまた、隠した手技が或いは、あるのかもしれないけれど。
袖を払った薄い指が、彼の項の表面を払うよう動いて。
両手を掲げ、くしゃり、と。狼の耳に掌を被せる。
■番号215642 > 「道…ええと、たぶんサナよりはわかる」
狼の習性か、鼻がヒトよりは効くからか。
大体の方角と位置関係を見失ってはいない。
大通りはあっち、と言いかけるけれど、あえて黙った。
これでも稼げればいいと、小さな下心。
「痛いのはヤだけど」
むぼうび?言葉を理解しきれないけど、なんとか咀嚼しようと。小さく首を傾げる。
「痛いことされても、痛いって言ったらもっとひどい」
しかたないから、と小さく笑って口角を上げた。
奴隷商はもちろん、まだ小さいと言っても過言ではない奴隷を一晩なり買う客は、やや歪んでいるのだろうか、加虐性が強い相手が多い。
その拒絶や痛みを訴える言葉が余計に相手を高ぶらせてしまうのはよくあること。
何をされても耐えるのは奴隷の習慣で。
それでも相手の手が自分に伸びると、一瞬怯えるように目をつぶった。髪は狼の毛と同じように外側が堅くて、内側の毛は柔らかい。
耳は細かい毛に覆われていて、温かく柔らかな手触り。
「んッ…」
手が耳に伸びると。小さく漏らす声。くすぐったい。無意識に逃げようと体を動かして。
■サナ > 「教えてもらうか、…貴方の後をついていくって、方法もあるね」
足が速い、だろうか。撒かれてしまわれたら更に深い所で迷子になるかもしれない。
あれこれ考えてみるけれど、狼耳のやわっこさと独特の弾力に手が止まらない。
手が止まらない代わりに思考放棄しそうな感じになる。これが癒されるってことだろうか。
「痛いのが嫌って、言ったら、弱みを見せてしまっている気がする。
仕方が無いと、思っているの?
口許、笑ってる」
矛盾に思えた。諦めや、辛さを、その声音からは感じ取れなかった。
感じ取れないのと存在しないのは別の話だとは、知っていても。
―――逃げられれば、追いたくなる、のは、半分本能。
片方の耳を覆っていた掌が背へと落ちて、己へと引き寄せる。手を放してしまった狼の耳が、口許に近づくように見える、と。内側の柔らかい所に戯れにふう、と息をふきかける。
■番号215642 > 耳を触る手が動けば動くほど、くすぐったさから身をよじって。耐えるように返す言葉もだんだん少なくなる。
「しかたないよ…やめてって言ってやめてくれるわけじゃ…」
耳への刺激に言葉も絶え絶え。思考は普段に増して単純になって。
諦めや辛さがずっと積もり積もるともう、自分でも認識できなくなってしまう。もう希望も期待ももうそこにはないのかもしれない。
「ひゃん…」
極めつけに耳に息を吹きかけられると、小動物のような甲高い声を上げてしまって。腰が砕けかけて、相手にやや体重を預けてしまいそうになる。相手にもたれかかったところで大して重くはない体重だけれども。
「ちょっとまって…これ以上は別料金…」
背中に伸びる手。それにさえ敏感に反応して、小さく震える。薄いシャツごしに己の体温の高さが伝わってしまうだろうか。
耳への刺激は彼を高ぶらせて、上気した頬は赤い。