2020/05/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──む……」
人気も無ければ灯りもない、月光だけが差し込む寂れた夜の裏通りを、一人のんびりと歩いていた金髪の男は、
脇道から己の前に躍り出てきた影にふと、足を止めた。
『──ミャーオ』
それは猫だった。暗がりの中でなお黒く、逆に目立つシルエット。
その中で目だけが金色に浮かび上がっていて。
「……なんだ黒ぬこか。しかもお前平民地区でも稀によく会うヤツじゃねーか。
もうお馴染みすぎて顔すら覚えてしまう始末」
しかめっ面でそう言いつつしゃがみこむと、黒猫は気安く寄ってきて男の突き出した膝に
スリスリと顔や身体を擦りつけて来る。
「……愛想をしたってやるモン特になにもないから無駄だぞ。ってゆーか相変わらず
目ヤニまみれだなと呆れ顔になる。もうちょっと自分でキレイにすろ」
眉下げてフンス、と鼻を鳴らしつつ猫の顔を見やれば、目頭にこびりつく大きな
目ヤニが確認できて。片手で首根っこを抑えながら、もう片方の手を顔に添え、
親指でぺりぺりと目ヤニを剥がしてやってゆき。
■エレイ > 「……よしちっとはマシになったな。──ン?」
黒猫の目ヤニを粗方落とし終えて満足気にしていれば、ふと。
どこかしらから、女性の悲鳴と思しき声が聞こえて男は顔を上げた。
黒猫もそれを聞き取って騒動を予感したか、男の元を離れてササッと何処かへと走り去っていった。
それを見送ってから、男はゆるりと立ち上がり。
「ほむ……貧民地区(ここいら)ではよくあることだが……まああ近くに居合わせちゃったからには、
見過ごすワケにもいきませんなあ」
なんて、眉下げて笑みを浮かべながら、悲鳴の聞こえた方へと悠然と足を進めてゆき。
■エレイ > やがて見えてきたのは、女性を壁に押し付け乱暴を働こうとするゴロツキ二人という、
先程の男の言葉通り、この貧民地区においてはありふれた光景。
男はそこへ、歩調を変えないまま近づいてゆく。
やがてそれに気づいたゴロツキ達は、突然の闖入者を不快そうに睨みつけ……。
──数分後、その場にはピクピクと痙攣しながら地面に倒れ伏しているゴロツキ達の姿だけが残されることとなった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 「……だぁぁぁぁうっ……」
貧民地区の通り、転がる木箱に腰掛けながら、男が呻いていた。
吐く息からは酒気が漂い、そうとう酔っていることが遠くからもわかるほどだろう。
男はぶんぶんと頭を振り、ぼりぼりと頭を掻くが、思考にかかった靄は晴れず。
「……がっ、はぁっ」
再度息を吐くも、胸のつかえも取れず。頭もしゃっきりしない。
男は、懐をがさごそと漁るも。
出てきた小瓶は空で、男はそれを投げ捨てる。
「……ちっ、きしょぉぉぉ~~~~……」
とりあえず声を上げ、呻き続け。
胸の中の痞えを外に出そうとする男だが。
それは上手くいかず、木箱に座ったまま、壁によりかかる。
ハッキリいって、ダメダメな酔漢そのものの姿だ。
■セイン=ディバン > そうして、男は酔いつぶれたまま路上で寝始めてしまった……。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にキールさんが現れました。
■キール > 太い棒を肩に担ぎながらぶらぶらと夜の貧民地区を歩く男。
喉が渇けば腰にぶら下げた酒瓶を結ぶ紐を手の甲に巻き付け手繰り寄せてから持ち上げ瓶の口から直に安酒を胃に流し込む。
「ぷはっ 酒はあるが血やら女がたりんな…」
男の太い首が動き酒をたっぷり飲みこんでから濡れた唇手の甲で拭いつつそんな一言を漏らし。
酒精もありムラムラしたまま、ぶらぶらと歩き続ける男。
娼婦の中でもある意味で評判の悪い男。 その特徴的な影だけでも逃げられてしまう。
曰く壊される、曰く次の日仕事にならない。
曰く性が濃すぎる等等。
酒と欲求不満で火照る体を夜風で冷やしながらぶらぶら、ぶらぶらと闊歩する。