2020/04/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区のどこか」に玉藻さんが現れました。
玉藻 > ここは王都マグメール、貧民地区にあるどこかの路地裏。
人の通りが少ないこの場所に、幼女の姿は…
まぁ、物陰に隠れているので、見える事はない。

こんな場所で、なぜこんな事をしているのか?
それは、手にした棒を見れば分かるのかもしれない。
その棒は結構長く、その先に糸が括り付けられており、更にその先に丸められた濡れタオルが縛られていた。
………まぁ、要するに、来た誰かを驚かせようとしているだけだ。

「むむむ…このままでは、せっかく準備したこれが、無駄になってしまうのぅ」

その手元の道具を見詰めながら、ぽつりと呟く。
今日の成果は…まだ、誰も来ていない。
人の通りが少ない場所、それを狙っているのだから、当然と言えば当然なのだが。
しかし、そのせいで、狙うべき相手さえ現れないのだ。
うん、良いのか悪いのか、と言った感じである。

玉藻 > 暇そうに棒を揺らしながら、ふと前回の事を思い出す。
不覚ながら、前回使ったコンニャクは当たったものの、追い詰められてしまう結果に。
…あ、コンニャクは回収し忘れ、無駄になったのは秘密だ。
その失敗を踏まえ、今回は、しっかりと対策は整えてきた。

対策と言うのは、当然、相手が捕まえに来た時の、だ。
それを確かめるように、視線は己の着物の袖。
ごそごそと袖に手を突っ込み、中を漁る。
そこから取り出したのは…ビー玉。
いや、違う。
ごそごそごそ、もう一度漁る。
次に取り出したのは…お弾き。
いやいや、これも違う。
ごそごそごそごそ、更に…

「………はて、どこにやったっけか…?」

うん、何かちゃんと取り出せない、対策になってないようだ。

玉藻 > そして、ついにその時が。
ごそごそ…もそり、取り出したのは、小さく黒い球体が数個。

「お、あったあった。
ふふんっ、これさえあれば、妾に敵はないのじゃ…!」

ぎゅっ、とそれを握り締め、誰にでもなく自慢気に呟く。
と言うか、隠れているのだから、黙ってなくてどうする、とも突っ込まれそうだが。
それそのままに、再び、路地へと視線を向ける。
ここまでしている間、結局、誰も来てなかったようだ。

ゆらゆらと、手にした棒を再び揺らし、現れるとも知れぬ相手を待つのだ。

玉藻 > だが、一つ問題があるのを幼女は忘れている。
待つ、待つ、ずっと待つ。
それに耐え切れる、そんな幼女ではなかった。

しばらくすれば、かく、かくん、と首が何度も傾き始める。
それを何度か繰り返し、ついには、ぱたん、と横倒しに倒れた。
すやすやと立てるのは、静かな寝息。

誰かに起こされるまで、日が昇り目の覚める朝が来るまで。
そのどちらかが、やってくるまで。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区のどこか」から玉藻さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にレザンさんが現れました。
レザン > 幼い人間の子供が大人に猿ぐつわをかまされ、縄でくくられて路地を無力に引きずられていく。
この国ではよくある光景、人さらいだ。
そこに一陣の風が吹くと、人さらいの男はすっ転び、
そして子供を縛っていた戒めもはらりとほどけた。

「早く逃げなって~」

空から声が降ってくると、子供ははじかれたように駆け出していく。
それを追って男も消えていく……

誰もいなくなった路地の、打ち捨てられた樽の上にちょこんと手のひらサイズの妖精が降り立った。

「治安がよくないといたずらの市街がないんだよな~」

この緑髪の妖精も特段善の行いが好きというわけではない。
ただ目の前の事柄にちょっかいを出したいだけだ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にシルクさんが現れました。
シルク > とある人から依頼された今回の仕事は、緑髪の妖精を『懲らしめる』事。
なんでも、依頼主は妖精に悪事を働かれたらしく。
何をされたのかまでは聞かなかったけれど、とにかく彼に仕返しをして、もう悪事を働かないようにすれば良いとか。

話に拠れば、その妖精の体調は僅か10cm程。そんな小さな目標を見つけるのは骨が折れる、と思っていたのだけれど...。

「案外、見つかるものだねぇ。
...ん?」

たった1時間、探し回ったところ。
ガタイの良い男と、小さな子供、そしてそれよりも小さな緑髪の少年。
標的を見つけた私は、まず彼を観察しよう、と、彼を捕らえるために用意した瓶を片手に忍び寄る。

観察していれば、どうやら、捕えられていた子供を妖精の彼が救出したらしい。
依頼主の言う『悪戯妖精』とは思えない行動。
不意打ちで捕まえようとしていたけれど、気が変わる。

「...ねぇ。私、君に悪さされた、っていうある人に頼まれて君を捕まえに来たのだけれど。
なにか事情があるんだよね?きっと許してくれると思うから、一緒に謝りにいこうよ。」

なんて、樽の上で何かをつぶやく彼に近付き、声を掛けてみる。

レザン > 「ん~?」

冒険者を差し向けられたことは何度もあるが、
わざわざそんなふうに声をかけてくる殊勝な相手はまれだ。
興味を示したように視線を向ける。

「あはは、誰に頼まれたのやら。心当たりがありすぎるなぁ。
 家畜をさらった農家のおじさんかな?
 それとも向こう半年は服が着られないほど肌を敏感にしてやった貴族かな?
 それとも……まあいいや。

 えー? 事情。ないけど。
 おれの嫌いなことは、ひとのお願いをおとなしく訊くこと!
 言うこときかせたいなら、力づくでやってみれば?」

 けらけらと笑いながら、魔法の風を操り、少女へと向けて放つ。
 防御せずとも怪我はしないが……よけなければショートパンツの留め金だけが正確に破壊され
 ストンと足元に落ちてしまうことになるだろう。

シルク > 「うーん、私も依頼主さんから何も聞いてないんだけど...
んー、でも今、人助けしてるのを見...きゃっ!?」

彼の言う悪戯の内容を聞いていれば、依頼主は恥ずかしい事をされたから私に言いたくなかったのかも、なんて予想が。
偉そうに本性を表す妖精から、不思議な感覚...魔力が感じられた次の瞬間、するりと私のショートパンツが地面に落ち、白い下着を晒してしまう。

「あーもー!噂通りの悪戯妖精、だねっ。
予定通り無理やり捕まえてやるんだから!」

やはり、今の人助けは気まぐれか。と、そう結論付けて。
みるみる顔を赤く染めあげる私は、瓶を握っていない方の右手を彼に伸ばし、とっ捕まえてやろうと。

レザン > 見事に魔法が命中し、あらわになる見事なまでの子供っぽい下着にぱちぱちと拍手を送る。

「そうだね。人助けも大好き。だからこうして助けてあげてるじゃないか。
 悪い冒険者に捕まりそうな、かわいそうな妖精をさ」

その場で飛び上がって素直にまっすぐ伸びてくる右手をかわすと、
そのまま相手の腕を伝って、すばしっこく背中まで回ってとりついてしまう。

「そんな瓶におれを閉じ込めるつもり? 閉じ込めてどうするつもり?
 少しおれより大きいからって、いい気になってくれるもんだ」

歌うような言葉とともに、背中から呪力がほとばしるのを感じるだろう。
これは、触れている相手を小さくしてしまう呪いだ。
今すぐこの妖精をひっぺがすか、呪いに対抗する手段を用いるか、
どちらもできないなら、少しずつ少女の身体は縮みはじめるだろう。