2020/01/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/酒場」にカインさんが現れました。
カイン > 騒々しい声の響く貧民地区の酒場の扉を押し開けて、男が一人店内に足を踏み入れる。
稀に興味を惹かれるものもいた様子だが、大半の意識が喧騒に飲まれる中、
躊躇うこと無く人気の薄いカウンターの端に陣取ると先程まで外を賑わせていた外套をカウンターの端に引っ掛け。

「こんな時間だってのに酒飲みに来る連中が多いもんだな。――マスター、たまには一番いいヤツを一つ頼むよ」

普段は躊躇うこと無く安酒を注文するところだが、
やたらと奮発した様子で上等な酒を注文してみせる。
まったくもって周りの人間のことを言えない言動であった。

「年始なんだからそれくらいは皆するか。
 この時期はどこでも最初はゆっくりしたもんだ。どこの場所でも変わらんね」

いろいろな場所を旅した記憶はあるのだが、
年明けにやることは以外にどこでも大差のある記憶がない。
すなわち大体いい大人が酒宴に興じて休みに便乗して潰れてる光景、なのだが。
その光景に加わる積りはないが、運ばれてきた酒を手に一口それを煽ってなんとなし酒場の中を見回し肩をすくめる。
案の定、もうすでに出来上がってるか潰れてる輩が数多い。

カイン > 「んー、やっぱこの季節は良い酒が出回るのが良いことだ。
 酒造も特別な酒作るみたいだからなあ」

煽った瞬間いつもと違うと解るほどの上質さ。
上機嫌に笑いながら酒を煽りながら緩やかにと息を吐くと、
そのままもう一口重ねて飲みながらゆっくりと目を細める。
今のうちにと酒のお替りを注文しながら見るとなしに見る店内の様子。

「…毎度のことだが、女っ気無いことだけが問題だな」

それこそ華として女性を雇っている酒場など数多いが、
残念ながらこの店はそうではない。
ジロリと店主から一瞥されれば、肩をすくめる事でごまかしにかかり。

カイン > 「…ん。酒もそろそろ潮時かね」

ふと気が付けば随分と夜が更けた気配がする。
人よりも随分と頑丈な体を持っている自負はあるが、
かといってほかの全ての部分が人間以上かといえばそんなこともない。
悪酔いしない程度に終わらせようかと緩く息を吐いて考えながら、
立ち上がってその場を後にしていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/酒場」からカインさんが去りました。