2019/11/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区の娼館前」にアストランティアさんが現れました。
アストランティア > 貧民地区にいくつもある娼館のひとつ……その前の通りに、一人の少女が座らされている。ニコニコと愛想良く笑顔を浮かべている少女は、道行く男達にいちいち頭を下げて挨拶している。
その可愛らしい容姿と若さ……ともすれば「幼い」と形容する方が適当かと思われる顔に、何人かの男は立ち止まって、しかし足早に去っていった。
……それは、無垢で幼い顔に見合わない、奇妙なほど大きく膨らんだ乳房を見たせいだった。

少女に小金を握らせてここに座らせた娼館の主は、こういうのを好む物好きもいるかもしれないと半ば騙すようにして客引きをさせることにしたのだが、むしろ逆効果だと気づくのはいつになるか。そんなことも知らずに、少女は、

「こんばんは……えへ、こんばんはー」

と、場違いなほど純粋な愛らしい声で挨拶を続けていた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区の娼館前」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「……なんだあれは?」

貧民地区の表通りを往く通行人の一人──一風変わった銀色のジャケットを羽織った
金髪の男は、その色々とアンバランスな少女の姿を認めて思わず目を丸くした。

娼館前にいるということは客引きの娼婦だろうか。
しかし容姿は幼いものの申し分ないが、そのアンバランスさ故か通行人が引いている様子。

客を引かせる客引きとは如何なものか、などと下らないことを考えながら、
とりあえず話でも聞いてみようと歩み寄っていって。

「──やあやあコンバンハッ。キミはこの店のコかな?」

へらりと緩い笑みを浮かべつつ声をかけ、後ろの店を指差しつつ問いかける。

アストランティア > 「あっ、こんばんはっ」

話しかけてきた相手の明るく気安いノリに合わせるように軽い調子で、ニコッと微笑んで挨拶を返す。当然ながら初対面の相手のはずだが、表情と視線には既に彼への好意のようなものが滲んでいた。

「はいっ、ここでお客さんに挨拶しなさいと言われました。……えっと、お兄さんは、お客さんですか?」

客引きにあるまじきことにしばらく地べたに座り込んでいた少女が元気に立ち上がると、その大きな……大きすぎる乳房にかかっていた薄い布地がふわりと浮かび上がった。

エレイ > 「うむ、いい笑顔と返事だがどこもおかしくはないな」

彼女の応対にドヤ顔して頷きながら、そんな上から目線の称賛を贈りつつ。
再び目を合わせた頃には、その好意的な視線と表情に思わずぱちりと軽く瞬きして。

「そうか……ンン、そうじゃのぅ……じゃあせっかくなので俺が客になってやろう俺は優しいからな。
なのでキミはちょっとここで待っていてもらえますかねぇ?」

立ち上がった彼女の豊満すぎる胸元を改めて眺めてほう……と声を漏らしつつ。
問いかけには少し思案してから、笑顔でそう言うと肩をぽん、と叩いてから一旦彼女から離れ、店の中へ。
──そしてしばし後、男は再び彼女の元に戻ってくる。

「──待たせたなッ。じゃあ早速一緒に行こうず。ああついでにお名前も教えてくれるかな?
俺はエレイというのだが謙虚だから呼ぶときはさん付けでいい」

そう言って、笑みのまま彼女に手を差し出す。ついでに名前も訊いたりしながら。

──ちなみに店の方へは彼女を買い取る方向で話をつけてきた。
あの様子では、いずれ店の方から追い出されかねないと思ったからだ。

アストランティア > 「はいっ、よろしくお願いします!」

相も変わらず元気な返事と、純粋な信頼と好意に満ちた視線はもはや娼婦のそれではない。というのも、本人にも「自分は娼婦だ」という自覚がさっぱりないのだから当たり前なのだけど。
なので当然、自分が彼に買われたということも、その意味もわかっていない。ただ、彼についていけば良い、ということだけはわかっていて、

「よろしくお願いします、エレイ様。私はアストランティアです。アストラって呼んでください……えへ」

と、甘えるような笑顔で名乗った。

エレイ > 「アストラちゃんだな、こっちこそヨロシクだぜ。ンフフ、アストラちゃんはカワイイなあ。
じゃあ出発と行こうかッ」

その甘えた笑顔にこちらも表情をだらしなくしつつ、ワシワシと頭を撫で付けて。
それからその肩にするりと手を回すと、彼女を伴ってその場からゆっくりと歩き出す。
周囲から集まる、奇異の視線を受け流しつつ──。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区の娼館前」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区の娼館前」からアストランティアさんが去りました。