2019/09/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > 「い、っつつ………」

屋根の上から転落した次の日。
当然のように怪我は認められず、今日は今日とて仕事があるシスター。
流石に、旅に出ろとかコロシアムに行け、は言われなかったけれども。

「よっこい、せっ……っと。」

古い教会の敷地内で、鍬を振るって地面を耕す修道女。
話を聞くに、どうやらここらは土地が安いらしい。
大きめに農場を併設する計画があるから、ちゃんと畑になる土かどうか、実際にやって調べてこい、という指示だ。


「………だから農家じゃないんですって、私は。」

遠い目をする金髪シスター。 まだ日は高く、汗が滝のように流れ落ちる。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にクレス・ローベルクさんが現れました。
クレス・ローベルク > たまの休暇で王都に訪れた男。
富裕、平民地区は前日に見て回り、今日は貧民地区の観光だ。
蚤の市にでも行こうかなとぼんやり思いつつ、通りを歩いていると――

「お?」

何か、見覚えのあるシスターが鍬を振るっていた。
最近のシスターは畑仕事なんかするのかと思いつつ、折角なので声をかけてみることにした。
一応、不法侵入にならない様に、教会の柵の向こう側から、少し大きめの声量で。

「おーい、何時ぞやのシスターさん、何してるんだーい?」

シスター・マルレーン > …よっこい、しょっ!
心の中で掛け声をあげながら、鍬を振るう。
元々は単なる修道女だ。この手の仕事は得意と言えば得意。
狭いスペースではあれど、畑として土地を掘り起こして。
……まあ、ガレキが多すぎて大変なんですけど。

「……? ……ぁあ、どうも。
 まあこれも一つの依頼でして……。」

あははは……と、汗を拭って苦笑い。
野良仕事には向かない修道服。顔まで真っ赤の汗だく姿。

クレス・ローベルク > 「ああ、冒険者の方の仕事なのか。教会に居るから、てっきり教会関係なのかと……っと」

依頼ということは、少なくとも彼女の私有地ではあるまいということで、柵を乗り越え向こう側へ。
少し辺りを見渡せば、瓦礫やらがらくたが転がっている。
ちらりと窓から教会の中を見れば、明らかに人が使っている形跡がない。

「ふうん、依頼主は教会関係者って感じか」

こんな所を整備するメリットがある人物は他に見当たらない。
となれば、彼女にとっては本業と副業を兼ねているといった所だろうと考える。
実際には、シスターは体よく利用されているだけなのだが、流石にその裏事情は男の価値観から大きく離れすぎていた。

「ま、いいや。手伝うよ。
農業はやった事無いから、耕してない所の瓦礫拾いぐらいだけど」

そう言うと、シスターの返事も待たずに瓦礫を拾い始める。

シスター・マルレーン > 「教会のお仕事ですよ。 ああ、冒険者の依頼と、教会の依頼、どっちも掛け持ちしてるんです。」

軽く事情を説明しながら、ああいや、と掌を向けて。

「大丈夫、大丈夫ですから。
 ほら、こう、………メンツにうるさいんですよ、うち。」

ひそひそと手で口元を隠して、渋い顔をして肩を落として見せる。

「手伝わせて報酬も出さない、なんて知れたら何を言われるかわかったもんじゃなくて。
 言われるどころかコロシアムに行ってこいとか普通に言われますし。」

遠い目をしながら首を横に振る。愚痴っぽくなりがちシスター。

「大丈夫大丈夫、こう見えて結構頑丈なんで………すよ?」

ぴき、っと背中が痛んで言葉が詰まる。
流石に屋根から一人バックドロップは彼女の身体をもってしてもダメージが残る。

クレス・ローベルク > 大丈夫、と言われた所で、別に引き下がるような男ではない。
そもそも、大丈夫であろうがなかろうが、男は単に手伝いたいだけ――もっと言えば、気に入った人物と一緒に何かしたいだけであり、たとえ彼女が楽しそうに仕事をしていたとしても、やはり手伝っていただろうからだ。

しかし、ひそり、とメンツにうるさいと言われれば、そこで手を止める。
聞けば、ああ、そうかと思い出す事があった。
闘技場の救護室でも、そんな事を言っていた。
上から度々無茶を言われているとか、何とか。

「正直そんなメンツ蹴飛ばしちまえとは思うけど、それで君に迷惑をかけたら本末転倒だしなあ……」

そう言うと、額に指を当てて考えるポーズをする。
正直、彼女の大丈夫には全く信を置けない。
逆に、大丈夫でなくてもやり遂げてしまう事に関しては信頼できてしまうのが質が悪い。
多分、今までそうやって成果を出してきた結果が今なのだろうし。
だとしたら――

「OK、解った。んじゃ、ちょっと失礼。やることできたから」

そう言うと、男は何処かに歩き去っていく。

シスター・マルレーン > 「わかってもらえてありがたいです。
 いやー、………これもまた試練です。大きく成長するための。」

ええ、ええ、と二回頷いてから、ぺろ、と舌を出して苦笑を一つ。
建前であることを言外に伝えながらも、相手が引いてくれればほっと一息。

「わかりました。ここもまだ治安は悪いので、お気をつけて。」

そう伝えて、鍬を振る。
振って振って、ああ、………本格的に背中が痛んできた気がする。
ふー、っと汗を拭いながら、仕事は続けるシスター。

それでも。大丈夫と言った通りに身体は動かし続けて、鍬を振るっていく。
きっと本当にやり遂げるであろうペースは守って。

クレス・ローベルク > 二十分で戻ってきた。
のこのこと戻ってきた彼だが、しかしその出で立ちは全く違う。
明らかに貧民が着ていそうな古着と、古い金属製のロザリオを身に着けている。髪はボサボサで、それだけでも舞台用に整えられた先程の髪型と比べれば別人のよう。

その表情も、何処かへらへらとした笑みではなく、きっちりとした真横に口を結んだもので――何処からどう見ても、『貧しいながら、信心深い純朴な青年』にしか見えないだろう。
正体を知るシスター以外は。

「どうも、こん、にちは。
奉仕活動をしに、あっちの教会に行ったら、こっちのシスターが大変な仕事をしているから手伝いに行きなさいって、言われる、です
何、すれば、いいですか」

口から出たのは、まさに『貧しいが故に無教養で正しい言葉遣いが解ってないたどたどしい言葉遣い』そのもの。
外部の人間が手伝うのが駄目ならば――内部の、それも教会側からすれば手伝って当然の、"信者"になって手伝えば良い。
そういう考えでの、変装だ。

シスター・マルレーン > 「無茶苦茶やりますね?」

まずもっての感想がそれだった。
苦笑をしながら、んー、っと頬を掻いて。)

「………ただ、まだまだ甘いですよ? 人手があるなら、もっと別のところにやるはずですからね。」

にひひ、と軽く笑いながら肩を竦めつつ、ウィンク一つ。
根負けしたのか、はいはい、と頷いて。

「……本当に何にも無いんですけどねー。
 とりあえず、瓦礫を端にどかしたいんです。もてる範囲で端に持って行ってもらっても良いですか?」

クレス・ローベルク > 「うーん。第二プランの『シスターの人徳に憧れたんです!是非お手伝いさせてください!』って言って上目遣いで目をキラキラさせた方が良かった?」

小声でそんなやりとりをする男。
こういう時、社会経験の差がボロボロ出るなーと思いつつ。
ともあれ、手伝わせてくれようという気にはなってくれたらしい。
今度は上手くやろうと思いつつ、対外的にはさっきの設定を押し通すため、

「わかる、ます。た。
瓦礫、どかす。ます。」

短くそう言うと、男は瓦礫をどかし始める。
男も力はある方だが、それでも結構重いと感じる。
どうせ一旦離れるなら、何処かから大八車でも持ってくりゃ良かったなと思う。
ただまあ、後悔しても始まらない。
予定とはちょっと違うが、折角の休暇だ。
お互いの邪魔にならない程度に、雑談でも楽しむとしよう。

「シスター、大変、です。ね。
何で。そんなに。頑張る、頑張れる?です、か?」

男はふと思った。
――意外とこの口調、大変だな?

シスター・マルレーン > 「何を言ったって私はしっかり断りますからね。普通は。
 まあ、本来なら手伝ってもらえるくらいに報酬を自分で用意できればいいんですけどね。」

苦笑を浮かべて。さあもうちょっとですから、と鍬を振るう。
ざっくざっくと地面を掘って。スピードも上げる。

「………もー会話も普通でいいですよ。
 これで怒られたら、まあ、それはそれ、仕方ないです。」

苦笑を浮かべつつ、背中を時折気にしながら、鍬を振るって。
よいしょ、っと瓦礫を横に避ける。器用なもの。

「……なんで頑張れるか、って。 ……そりゃまあ、お仕事だからですよ。
 趣味では厳しいかなー、流石に。」

んー、と眉を寄せながら、少しだけズレたことをいう女。金色の髪も土で汚れて。

クレス・ローベルク > 「あ、そう?すまないね。善意の押し売りしちゃって。
怒られた時はまあ、自棄酒代ぐらいは払うよ……って早っ!
くっ、男なのに女の子より仕事が出来ないとか思われる!急がなくては!」

流石神のパワー。恵みの力が強い。
そんな事を思いつつ、男の方も負けじと瓦礫をどかす速度を早める。
流石に全身全霊ではなく、ちょっと息が上がるぐらいだ。
作業の合間に、話を続ける。

「でも、辞める……は難しいにしろ、手を抜くのは抜けるんじゃない?
この仕事だって、別に瓦礫のない所だけ耕せば良いじゃん。
後は『瓦礫ばっかりで耕せませんでした』とか『信心薄い連中の嫌がらせがあって手が回りませんでした』って言えば良いんだし」

幾らシスターが怪力だからといって、そんなギリギリのノルマを課してくるとは思えない――というか、常にフルパフォーマンスだけを期待する様な仕事の振り方をするのは、どう考えても上司の方が無能だろう。

仮にも大量の信徒を集めて運用する教会が、そんな愚行を犯すだろうか、と。

シスター・マルレーン > 「そうですよー、早いですよー?
 ふっふっふ、伊達に開墾から屋根の修理まで一人でやらされてきた経験がありますからね。経験値が違います、経験値が。

 ちなみに何度も言いますけど冒険者兼シスターですよ。」

ふっふーん、と言い放ってから、自分で自分をフォローする。
あはは、と明るく笑いながら、鍬を振るって。

「……あー、そう、ですね。
 でも、そうなると他の人が来るだけですから。
 "ここ"に、何の備えも無い神父様やシスターを行かせて、後悔をする方が困るんですよね。
 それに、まあ、ここに農場ができたとして、それくらいで懐を潤すような人ばかりではありませんし。」

苦笑を浮かべながら、あっさりとした調子で言葉を漏らす。
言葉の意味は、"その程度のはした金を懐にいれる必要は無く、それで周辺住人に恩と名前を売っておこう"というもので、それは分かっているが。

「私なら、たいていの相手が来ても何とかできますしね。」

なんて、鍬を振り上げてがおー、と脅かして、ころころと笑って。

「それにまあ、よそ者ですから、あんまり好かれているわけでもないんで。
 それでもこうして置いておいてもらえるんですから、多少のババは引かないと。」

話をしながらも、そりゃ、っと手は動き続ける働き者。

クレス・ローベルク > 幾ら冒険者であっても、普通開墾はしない。
屋根の修理は微妙だが、それを一人ではやらない。っていうかできない。
それが出来てしまうのが、彼女の苦労の始まりだったのだろう。
もちろん、そこで同情的になってしまっては、彼女が気遣ってしまうだろうから、

「御見逸れしました。冒険者兼シスター兼反則ギリギリダーティプレイファイターさん……」

と、茶化しておく。
それはさておき、彼女の考え方は素敵な考えだと思う。
素敵、というのはつまり『綺麗だけど自分はそう生きようとは思えない』という意味だが。

「まあ、その辺の価値観とか、君の立場は良く解らないけど……。
でも、君は周囲のためにも、もう少し我儘になった方が良いと思うよ。
一度要求が通ると、他の冒険者にも同じ水準で要求するヤツも居るしさ」

まあ、無理をするなと言うよりは、こっちの方が刺さるだろう。
正直、労りも注意も余計なお世話なのだろうが、どうせ余計であるのなら。
多少嫌な顔をされても、彼女に何らかの影響があった方が、面白いではないか。こっちが。

シスター・マルレーン > 「待って待って、正々堂々、ルールに則って戦っただけですよ?
 違反に書いてあることはほとんどやってないと思いますけどー?」

なんて、てへ、と舌を出して笑って見せる。
生き残るためには勝ち続けなければいけないわけで、そのためには手段を選んでいられない。
そういうメンタリティが、彼女のダーティな戦いぶりにつながっているのだけれど。

「ふふ、………まあ、そうですね。
 それはあるかもしれません、けどね。」

さく、っと地面に振り下ろして、………ゆっくりと吐息をつく。

「他のシスターの境遇を考えれば、文句も言えませんしね。」

生贄かのように連れてこられるシスターのことは、彼女も良く知っている。
その運命を代わってあげることも、救い出してあげることもできない。
だから、その分働く。彼女にとって生きることが償いに近づいているのだけれども。

そんなことを考えさせないくらいに、汗をかいたまま爽やかに振り向いて。

「っと、これくらいで畑の広さはいいですかね。」

ふー、っと額を拭って、吐息を漏らし。

クレス・ローベルク > 「聖職者が法の抜け穴探しみたいな事やってんじゃないよ!
ってこれ前も別のやつに言ったよ!
聖職者は皆法さえ破らなければそれで良い精神なの!?
もっとフェアプレー精神大切にしていこうぜ!?」

まさか、悪びれもしないとは思わず、つい声をあげて突っ込んでしまった。
多少汚い手を使う連中でも、普通あそこまで割り切れない。
その辺の考え方は、やはり、負けても次のある剣闘士との違いなのだろうが。

「あー、まあ、噂には聞いてるけどねー。
でも、そこで『だから自分の境遇はマシ』って考えるの、あんま良くないと思うなあ……」

もちろん、彼女が、彼女の環境で抱いた、彼女の考えだ。
口を出す問題じゃない――と思う。
思うのだが、しかしこの娘、考え方が大人過ぎて逆に儚いというか、見ていられないというか……つまり『心配』になってしまう娘なのだ。
何とかならないかなーと思っている内に、瓦礫を全部どけ終えてしまった。
彼女の方も、一通り仕事は終わったようで。

「お疲れー。いや、最初の時は瓦礫は落ちてるわ敷地の広さは広いわで正直どうかと思ったけど。
終わるもんだねー」

そう言うと、男は柵により掛かる。
彼女は(一応)助かったのだし、自分は暇を潰せた。
お互いにとってwin-winだと思う。思いたい。
暫く、そうして休んでいたが、やがてのっそりと柵から身体を引き剥がし、

「さて、じゃ。俺は帰るかな。
俺がずっと此処にいると、その分だけ怒られる確率が上がるし。
終わったらさっさと帰るのがお節介のコツってね」

そう言うと、男は背を向ける。
特に呼び止められなければ、そのまま宿まで帰っていくだろう。

シスター・マルレーン > 。「だって、私が正々堂々とやって、負けたらどうなると思います?」

唇を尖らせて文句を言う。
本気で怒っているというより、ぶーぶー、と少しブーイングのような言い方で。
すぐに笑顔を見せながら、鍬を片付けるように。
戦いはあくまでも一つの手段であり、戦いを求める気質ではないのだろう。
それを突き詰めないのだから、美学やプライドも生まれ得ないのだ、多分。

「大丈夫ですよ、私は私で、ちゃーんと目標も夢もありますからね。
 まあ、その目標や夢にとって、開墾とか農作業が役に立つかと言われれば違うんですけどね!」

ははは、と笑い飛ばして。

「いやまあ、大丈夫大丈夫。
 お礼………といっても、お金は出ませんが。 お茶でも飲みます?
 いやまあ、まずは着替えますけどね。」

手伝わせないようにするのと、恩知らずとはまた違う。
首を傾げてその背中に言葉はかけてみる。

クレス・ローベルク > 「いやまあそうだけど……!
そうだけどアレはあまりにもぉ……っ!」

実はあの試合、別にこっちが勝っても適当に理由を付けて犯さないつもりだったのだが。
しかし、そういう特別な事情がなければ、負けたら多分ひどい目に合う。
滅多に無いとは言え奴隷落ちもありうる訳で、そういう意味では彼女は何ら間違ってはいない。

が、それはそれとして、対戦相手からすれば溜まったものではないのも事実であり。故に納得いかない気持ちを腹に溜め込んでそう言うしか無い。

ともあれ、そういう漫才の様な会話の後に、教会から出ていこうとすれば、呼び止められた。
思わぬ申し出に、こっちの方も首を傾げてしまうが。

「いや、そりゃ汗かいたし喉乾いたし、おまけに君みたいな可愛い子とお茶とか断る理由ないけど……良いの?」

万が一見られたら醜聞になりかねまいと一応気を使ってみたが。
しかし、内心はかなり胸躍っている。
男、クレス・ローベルク。仕事柄女性からは嫌われているが故に、これぐらいささやかな好意でも、相当貴重な経験なのである。

シスター・マルレーン > 「安心してください、ちゃんと新技も二つほどありますからね?」

殺人技のストックを着々と積み上げる聖女。にひ、と子供のような笑顔を見せる。
きっと残虐ファイトだ。

恐ろしい末路があるかもしれない綱渡りを、表面上ではあっても笑顔で渡ってしまう辺りは、確かに危なっかしいのかもしれないが。

「あはは、言葉が上手いですねぇ。
 そりゃまあ、別にいいですよ。 手伝ってもらってはい終わったから帰れ、って。
 私のことを本当に悪人だと思ってません?」

なんて、腰に手を当てて分かりやすくむくれて見せる。

「ま、今の恰好じゃどこにも入れてもらえないでしょうから、ひとまず汗を流してからとか、着替えてからになりますけどね。」

なんて、土塗れの顔で苦笑を浮かべる。

クレス・ローベルク > 「(新技……何だろう、今度は土煙じゃなくて石を拾って目に投げるのかな……あの腕力なら正確に投擲すれば瞼ぐらいは貫通……或いは暗器攻撃か……)」

最早女の子に対して思う事ではない事を思いつつ。
しかし、彼女の方はといえば、無垢っぽくむくれている。
どうやら、こちらの方が誤解を与えてしまったようだが、

「良い子だとは思っているよ。じゃなきゃ俺もわざわざ手伝ったりしない。
ただほら、女性と男性が一緒にお茶っていうのは、誤解されやすいだろうって事……なんだけど、まあ。
君が平気なら、問題ないんだろう。悪いね、ちょっと邪推というか、余計な気を回した」

考えてみれば、彼女は便利屋扱いされているフシがある。
ならば、ある程度の放任が許されているのかもしれない。
或いは、少しぐらいの誤解なら、何とでもなるぐらいの信用が既にあるのか……いずれにせよ、男が心配するような事ではなかった。

「まあ、俺も湯浴みしたいし、一旦宿に帰るよ。
俺は貧民地区には詳しくないから、店の選定頼んだ」

シスター・マルレーン > 「あはは、まあ、一応シスターの端くれですしね。
 人のためになるようにがんばってはいますよ。気持ちだけは!」

えへん、と拳を握って胸を張る。

「あっはっは、大丈夫ですよ。
 この恰好ですからね、そりゃあ、お仕事だと皆さん思いますから。」

心配してくれる相手に、ありがとうございます? なんてウィンクを一つして。
それから農具を抱える女。よっこいしょ、と。

「そうですね、私もお風呂くらいには入らないと………
 やー、ちゃんとした修道服……あった、あったはずですけど。」

改めて思い出して、うーん、なんて悩みつつ。
ではお任せくださいな、なんて、笑って相手を見送ろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からシスター・マルレーンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にテリスさんが現れました。
テリス > くぁ、とあくびをしながら平民地区から貧民地区へと戻ってきた。
今日の分の仕事はおしまい。
稼ぎはまずまず。それとは別に食事にもありつけ、一食分浮いた。
なので、少年はそれなりにご機嫌ではあった。

「あとは帰って寝るだけだな…。」

あーだり、と少年らしい独り言も呟きながら何とはなしに周囲に視線を向ける。
ここはここでそれなりの賑わいがある。
大抵は傭兵崩れや実入りの少なかった冒険者、娼婦などだが。
いつもの光景だよな、と考える。
綺麗な娼婦に視線をとられるのもいいつもの事だ。
後頭部をがしがしとかきながら照れたように視線を外し、寝床への歩みを再開する。
別に怪しい事はしてねぇよなと思いながらだと、ちょっと気もそぞろになっていたかもしれない。

「…わりぃな。」

誰かにぶつかりかける事もある。

テリス > ぶつかった相手とすれ違い、ゆっくりと歩いていく。

そのまま寝床に帰って今日の所は休むのだろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からテリスさんが去りました。