2019/08/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にフラニエータさんが現れました。
フラニエータ > 貧民地区の中でも人通りの多い表通り。
怪しげな店や如何わしい酒場が立ち並び、それ相応の人々を引きそれなりに持て成す、そんな場所。

通りの中の一軒の酒場、その壁に凭れ掛り、けだるそうにビールを口にしている女。
どうやら満席だったのだろう、酒だけを注文し外で席が空くのを待っている様子だ。

「…あの男、ダメね…――あの子は…どうかしら…見た目は美味しそうだけれど、ね…」

行き交う人々の己に向けられる視線。その一つ一つ丁寧に目線を合わせ、微笑んでやりながらの独り言は女を十二分に表している。
はっきり言って性悪だ。
しかしそんな笑顔に騙される人々も少なくなく、だから女は笑顔を絶やさない。
例え席が空くまでの短い時間でも、獲物が居れば狩る。それが女だ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にルーミスさんが現れました。
ルーミス > 外套も要らない、気怠い暑さに包まれるこの頃。
額に浮かぶ汗を片手で拭いながら、貧民地区の表通りを歩いていた。

酒場付近に差し掛かったところでふと、見覚えのある姿が壁に凭れているのを見つける。
瞳を細め、ふらふらと何気ない様子でそちらへ歩み寄っていく…

「………久しぶり。……相変わらず、みたいだな?フラン」

その隣に、同じように壁に背を凭せかけ、挨拶代わりに掛けるのは揶揄うような口調。
通りを眺める女の意図はわかっているからこそで。
様子を伺うように、横目で一瞥した。

フラニエータ > とある女性が女の横へ、同じように壁に凭れ掛った。
女が何も言わない所を見ると、どうやら見知った顔の様子だ。
しかし再会の挨拶をする彼女に向けられる視線は笑顔では無かった。

「…人前で名を呼ぶな、そう言った筈だけれど…?」

小さな声で告げられる囁きは低く、彼女に向けられていない視線もあからさまに不機嫌そうだ。

「そう、ね…もう癖になっちゃっているのかも、ね…
でも愉しいわよ?こうして…人を見るのって…」

それでも女は相変わらずと言われれば、小さく溜息を落とし、眉間の皺を伸ばし、彼女の言葉に答える。

ルーミス > 不機嫌そうに、低い囁きを此方に向けてくる様を見、肩を竦める。

「……悪い。忘れてた」

素直に謝る。
ここで突っ掛からない辺りは、昔に比べて大分丸くなったからか。
さておき、口を噤んで暫し通りを行き交う人の波を彼女と共に眺める。

「……ふぅん。まぁ、やろうと思えば私でも出来るけど…」

その手にあるビールに視線が向く。
酒場の中、喧騒に耳を傾けて何となく場の状況を理解しながら。
見ていると何となく酒も飲みたくなって、思わず舌先で唇を軽く舐めた。

フラニエータ > 素直に謝罪をする彼女に向かって女は微笑むも、その微笑みはどこか冷えたもので、次は無いと言っている様にも感じられる。
さて、彼女の目線が女と同じものを見つめれば、女は一口ビールを飲み。

「やろうと思えば?…という事は…そう思わないからなのかしら。
…普通はそうでしょうけれど、ね…」

言葉と共に視線を向けると、喉が渇いているのだろう、唇をなめる彼女が目に入った。
己が飲んでいるビールを差し出し、飲む?と小首を傾げながらそう答える。
彼女がビールを受け取れば、女はけだるそうな視線を行き交う人々へと戻すだろう。

ルーミス > 冷えた微笑みを横目に、怖いな、と瞳をまた細める。
唇を舐める仕草を見られていたのか、差し出されたビールに瞬き、頷いて受け取った。

「まぁ、普段は全然そう思わないな…」

ビールを一口飲み、喉を潤す。
ほっ、と柔らかな吐息を一つ零し、グラスを彼女に返した。
そうして再度、彼女へと視線を向ける。

「それで、此処にいる理由は……店が空くまでの順番待ち?
それとも、暇だから何となく此処にいるのか…どっちなんだ?」

フラニエータ > 一口飲まれたビールを受け取ると、女もまたビールを一口。
扇情的な飾り気も無く当たり前の様に飲むのはやはり見知った相手だからなのだろう。

「あら…思う時もある、そんな風にも聞こえるわね?ククク…」

グラスを揺らして残った琥珀のビールを回し、それを見つめながらの言葉。

「…そうね…両方かしら。…ゆっくりお酒も飲みたいのだけれど…暇なのも否めないわ。
夜はこれからだもの…ね?」

残った琥珀を眺めつつ、グラスを挙げてグラス越しに彼女の顔を見る。
彼女の視線が丁度、こちらに向いていた事に気づけば、女はやっと、裏の無い微笑みを彼女に送った。

ルーミス > 扇情的な様を見せられようと、とうに見知った相手ゆえか惹かれる風情はない。
グラスを揺らす様を横目に何となく見つめながら、相手の言葉に笑った。

「さて、な? ……全く無いだなんて言わないよ」

グラス越しに視線が合う。
薄く笑うと、伸ばした手が彼女の手をそっと掬い上げた。
音もなく、静かに互いの指を絡ませようと蠢く。

「……そっか。……なら、その顔をもっとじっくり見たいんだけど…ダメか?」

出来れば2人きりの場所で、と囁くような声音。
じっ、とその瞳を見つめながらの誘いの言葉。

フラニエータ > 伸ばされた彼女の手が女の手を掬うと女の方からも指を絡ませて。
彼女の女の間にあるグラス、それを彼女の方へと近づけ、そして女も自らグラスに顔を近づける。

「…私の顔…そんなに見たいの?…これじゃダメかしら…?」

グラスを持ちつつ絡み合う二人の手。そしてそのグラスを挟んで見詰め合う女二人。

「…シたいならシたいって…仰いな…その方が可愛いわよ?…フフ…」

女は更にグラスに顔を更に近づき、軽く口付け、舌先をグラスに押し付けて見せた。

ルーミス > 互いの指が絡み合う。
そのままグラス越しに、見つめ合う女二人。
グラスの向こうに見える妖艶な微笑に、ニヤ、と此方も笑みを深めてみせて。

「……ふふ。叶わないな。……シたい。お姉様と…」

彼女の真似をするようにグラスに口づけ、舌先を押し付ける仕草。
その間も、まるで交合の如く絡まる指同士を擦り合わせて。

フラニエータ > グラス越しのキスと指同士の交合…そんな妖しい雰囲気は長くは続かなかった。
女はそっと体を離し、彼女の指を解くとグラスを返却するのだろう、店の中へと入っていく。
戻ってくれば刹那、女は彼女の耳元で、熱い吐息を吹きかけながら囁いた。

「…いいわ、いらっしゃい…そうね…人前で私の名を口にした罰を…与えないと、ね?」

そして体を離し、着いて来いと言わんばかりに貧民区の暗がりへと身を沈めていった。
女の言葉通りの事が行われるのかどうか。それは彼女だけがわかる事だ。

ルーミス > 店の中に入り、グラスを返却してくる彼女を黙ってその場で待つ。
戻ってくるや否や、耳元で熱い吐息と共に囁かれた言葉に、瞳を細めて妖艶に笑った。

「……ふふ。楽しみ、だな?」

言われるまでもない。彼女の横に並び、元の通りに互いの指を深く絡み合わせた。
貧民街の暗がりに身を沈めて、その後は…二人のみが知る夜。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からフラニエータさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からルーミスさんが去りました。