2019/06/29 のログ
■カイン > 「よし、これで決めておこう。
全く、少しくらいは色をつけてくれてもいいだろうに」
常連相手に連れない事だとぼやきながら金を先に渡すと、
店主が目の前でそれなりの量の荷物を包み始めるのを眺めて肩を竦める。
「消耗品の類は平民地区とかだとちと足が付きかねんからなあ。
全く世知辛い。昔はもう少し大雑把だったんだがな、この国」
自分の身の上的に考えていた仕方のない所ではある。
大手を振って歩ける身分では本来ない以上はどうにもならないが。
商品を用意してもらう間に周りを見回せば俄かに人の増えた様子。
それでもちっとも賑やかと思えないのがなんとも陰気である。
■カイン > 「全く、出てくるのが遅いぞ」
暫く待たされた後に漸く用意された道具の数々を手に取って渋い顔。
仕方がないとばかりにぼやきつつもそのまま手を振って踵を貸して去っていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/路地裏」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にフラニエータさんが現れました。
■フラニエータ > 貧民地区のとある酒場の近くに女は佇んでいた。
といっても今からその酒場に入るつもりではない。その酒場は既に廃業しているのだから。
近くに新しく賑やかな酒場が存在しており、競争に負けたのだろう事が窺える。
「…改装、かなり掛かりそうね…ここはダメかしら…」
その近くの店から漏れている明かりを利用しながら見ているのはこの元酒場の平面図。
女が日頃見せている扇情的な仕草は何処へやら、真剣な眼差しでそれを見入っていた。
■フラニエータ > 月がすっかりと雲に隠れ、降りてくる灯りは灰色。共に雨まで毀れそう。
そんな時間にこんな格好でなにやら難しそうに図面を眺める女に、奇異の眼差しを向ける人物も少なくない。
「…チッ…仕方ないわね…」
そんな人々に対して鬼の形相で舌打ちをする女。はっきりいって怖い。
勿論女も舌打ちの後に気づき、表情を優しいものに変えるのだが…その方がもっと怖い。
女はこの店を潰したであろう活気のある店に視線を送る。
少し往来が減るまでそこで時間を潰そう、そう考えたのだろう、女はゆっくりと歩みをその酒場へ。
酒場の扉を開けば繁盛しているが故に満席だった。
立ち呑みであれば可能、と店主から伝えられるも、店内にはその場所すらも無い程賑わっている。
女はグラスワインを頼むと即座に店の外、入り口へ。
「…煩い…ああもう、黙って飲んでなさいな…」
身勝手な言葉を吐きつつ酒場の入り口付近の壁に凭れ掛かりワインを一口。
眉間に皺を寄せつつ酒場の入り口でワインを飲む女…端から見れば営業妨害である。
■フラニエータ > 暫くすれば店に訪れる客よりも帰る客が多くなる時間。
女はやっと、のんびりと酒を飲むことができるようになる。
その店のカウンター席の一番奥、壁際に陣取り、飲み干し空になったグラスを返して、新たなワインを頼み…
少しの客の少しの賑わい。
そんな中、女はいつもの女に戻りつつ、図面を肴に酒を飲み始める。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からフラニエータさんが去りました。