2018/09/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/酒場」にカインさんが現れました。
カイン > 騒々しい声の響く貧民地区の酒場のカウンターに一人陣取って、
エールのジョッキを煽る男の姿がある。

「あ゛ー…ひどい目にあった。
 何だ今までトロ臭い動きしてたくせに俺の顔を見た瞬間動きの良くなるってのは、
 恨みでもあんのかね。あんな人形共に知り合いは居ないつもりなんだが」

人目をはばかる事無く愚痴りながらも、ジョッキをカウンターに置き、
店主に次の酒を注文する迷惑な客である。
とは言えその内容はどうにも真に迫った様子で心なしどこか疲れ気味。
団体客だらけのせいか自分以外誰も居ないカウンターを一瞥して緩やかに息を吐き出した。

カイン > 「ま、それはそれで最悪手間が増えると諦めるとしてだ。
 問題はよその連中と迂闊に混ざって仕事ができないって事だな」

注文から少し間をおいて運ばれてきた酒を手に取り喉に流し込んでから、
ツマミのチーズを口の中に放り込んで陰鬱そうな声を漏らす。
魔族に反応するだ何だという噂はさておくとしても、
自分の活性化した機兵との遭遇率が高いということが知れれば嫌疑の目を向けられるのは必然。
軽く唸って考え込みがてらに酒を煽り。

「しゃあない、ちょっと人目につかない所を中心に回るとするか」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/酒場」にニアさんが現れました。
ニア > カランカランと鈴の音を立てながら扉を開ける。
中は想像通り、酒に酔った者達の騒がしい声で満ち溢れていた。

少女がこんなところに来るのはよほど珍しいのだろうか。
周りの視線は彼女へ集まる
しかし、好奇の目などは無視し、一人堂々と歩いてカウンターへと座った。

先に座っていた細身の男を一瞥し、一個席を開けて座る。
視線は店主へ向ける
まるで聞いたものすべてを凍えさせるような冷え切った冷たい声で

「…カクテル。マスターのおススメで」

特に好きな酒はない。
ただ、一仕事終わってから酒を飲むようになって、
日々の嫌なことも、過去に遭った嫌なことも
それらを全て忘れさせてくれるのが、彼女にとっての酒。
つまるところ、彼女は酒が飲めればなんでもいいのだ。

カイン > 「うん?」

上機嫌とは到底言い難い酒を暫し嗜んでいた所に、来客を知らせる音が聞こえる。
少しだけ訝しげな様子を見せながらも視線を入り口の方へと向ければ見知らぬ姿が見て取れた。
この辺りでは明らかに見ない顔だと思って遠目に眺めていれば、
カウンターまでやってくるのを見て自然と横目に眺める形になり。

「あんまり、美味い酒が飲みたいって感じでもないな嬢ちゃん。
 折角なら自分の好みを頼んだほうが良いんじゃないかい?」

目が合って軽く目礼したところに聞こえてきた注文に、どこか楽し気に声をかけて見せた。
この場所で見た目の年齢など当てにならないの百も承知ではあるが、
呼び方に関しては他の形容詞が見当たらなかった様子。

ニア > 店主への注文を終え
カウンターに突っ伏せようと思ったその時

楽し気に自分へ呼びかける隣人を軽く見つめ、一つ息を吐くと
彼女は口を開く。

「…お酒、あまり詳しくないの。
疲れやストレスを発散したいだけだから」

見るからに人間
しかし、男から感じる薄い魔力。
きっと魔族の者だろうか。
別に敵対視するわけでもないが、少々警戒しながら
もう一度男の顔を見つめる。

「ナンパなら、もっと可愛い子を選んだほうがいいわよ
魔族のお兄さん」

カイン > 「それなら注文の仕方を変えてみるのもいいかもな。
 例えば――マスター、この子に一つ俺のおごりで何か出してやんな。
 ちっとは気が晴れる様なのをさ」

軽い調子で勝手に注文するままに、少女に視線を向ければ何でもない事のよう、
投げられた言葉にきょとんとした表情が浮かぶ。
こうも初見で己の種族を言い当てられたのは久方ぶりであったせいか、
鳩が豆鉄砲を食ったような表情で目を瞬かせ。

「おお、解るかい。あんまりバレた事は無いんだがな。
 そっちも見た目通りって訳じゃあ無さそうだな」

お見事、と言わんばかりに手を打って見せがら感心した様子でしげしげと相手を眺める。
少々の不躾さは隠しもせずに、上から下まで眺めた所でうむ、と一つ頷いて返し。

「ま、可愛いって点に関しては間違いなく口説きたくなるくらいには俺からは可愛く見えるがね。
 …所で、甘いのと辛いのどっちが好みだい?」

そう、唐突に問いかけた。ちらりと一瞥が直前にマスターに向いたのは気づいたか否か。

ニア > 男の発言に耳を傾け、抵抗することなく流した。
結局は、酒ならば何でもいい
それに、今日は機嫌がいいのだ。
たまにはこういうのも悪くはない。

それに、彼は人間ではないようだし…

「ええ、上手く隠せているとは思うけど
貴方が言った通り私も`ただの人間`じゃないからね」

正体を見破られたのにもかかわらず関心を見せる男
もちろん自分も正体や身分を隠している身。
こうも簡単に見破られてしまえば驚く暇すらない。
きっと、目の前の男には魔力探知機でも備わっているのだろう。

「そう。ありがとう
そうね、どちらかと言えば辛い方が好き」

可愛いと言われたことに関して
大したリアクションはせず、質問にだけ淡々と返す。
質問の意図は…彼の視線を辿れば何となく察しがついた。

カイン > 「なるほど?そうかそうか。
 生憎俺の側はそういう気配とかには疎くてな、
 見ただけじゃあ解らんが…まあ何となく気配ってのがな」

あっけらかんと言い放つのは完全にカンの領域に足を突っ込んだ発言だった。
逆に、長く生きている分だけ色々な存在と接しているのだから、
その「何となく」も決して馬鹿にしたものでもないのだが。

「どういたしまして、ってな。
 ここで出会ったのもなんかの縁だ、一つこれで乾杯ってのはどうだい?」

少女の返答に呼応して即座に差し出されるのは少女の注文とは異なり、
白ワインの注がれたグラスである。
ご丁寧に甘みの少ないながらも飲みやすいモノが選ばれている。

「たまには混ぜ物なしの酒ってのも悪くないと思うぜ?
 …ちょっとこの辺でのむには高いけどな」

なんせ大体が安酒だらけである。笑い飛ばしながら自分の前にも置かれた赤ワインのグラスを持ち上げて見せ。

ニア > 「気配、ね…」

その直感という第六感とやらで自分の正体が明かされるとなっては
のうのうと生きていくことすらできなくなってしまうのだが
それができるのは、彼のような特別な種族だけ
そう自己完結し、この話は忘れることにする。

「いいわ。
私の名はニアよ。この街で暮らしてる。よろしく」

差し出された酒に目を向けグラスを取った。
王都では彼女はお尋ね者だが、目の前の男がどうこうすることはないだろう。
完全に信じ切ったわけではないが、何かの縁と酒の礼に名前を明かす。

「言ったでしょ。飲めればなんでもいいのよ。
まあでも、せっかく奢ってもらえるのだし、今回は素直に頂くわ」

ここで、初めて彼女は口元を晒す。
口元を覆っていたマフラーを下げ、僅かなものだが、酒を奢ってくれた男へ微笑みを見せた。

男が持ち上げたグラスに、ぎこちない仕草でグラスをかかげ
小さな声で「乾杯」と呟いた。

カイン > 「何となくってやつだ。…というか、こんな話してるから話題に出せるけどな、
 そうでなきゃそうかもしれないと思っても口に出せないさ。
 なんせこの国、結構異種族への風当たりは強いからな。俺の種族とかを筆頭に」

薮をつついて蛇を出す気は早々ないのだと笑い飛ばしながら、
名を告げられればニっと口元を吊り上げて笑い。

「俺はカイン。傭兵をやってる、まあ何か入用になったら声をかけてくれ。
 ぜひご贔屓にしてくれると嬉しいね」

此方も名乗りながらに営業も織り交ぜて、冗談交えに頷いて見せる。
のめれば何でもいいという相手にはクックと喉を鳴らして返し。

「酒飲みの身の上としては色んな酒をのんで見て、
 どうせなら違いを感じて欲しいのさ。ついでに酒飲みになってくれて、
 晩酌の相手にでもなってくれたら最高だがね」

勝手な都合を上機嫌に口に出して肩を竦めて見せる。
逆にいうと口に出していること以上の下心はないという意思表示にも他ならないが。

「ああ、乾杯。…何に乾杯するかは特に決めてないが、まあいいか」

グラスを掲げて笑い飛ばして一口酒を煽る。
深いコクを感じながらゆっくりと息を吐き出して、それなりに美味い酒にご満悦の様子。

ニア > 「確かに…そうね
私の母も、この国の人間に殺されたから…」

彼の言葉に何か思い当たることでもあるかのように
虚ろな表情を浮かべ、静かな声で告げる。
表情には出さずとも、そこには微かな憎しみのようなものが含まれていた。

なんだか、彼の笑みに安堵すら覚えるように
こちらも笑みを送る。

「そう…
でも傭兵さんにお世話になるようなことはないかもね。
寧ろ私は、お尋ね者だから」

互いに人間ではないことを明かし、名も明かし、そして身分まで明かす。
だがこの場は互いにとってもプライベート。
これが仕事となれば、盗賊と傭兵は敵同士なのだろう。
でも、そこまでしてでも彼女には欲しい情報があった。
だから、彼女は彼にこう返す。

「生憎、払えるようなものは何も持っていないわ。
でも、そうね…カイン。
貴方が私の欲しいものを手に入れる手伝いをしてくれるなら…
私は貴方に身を捧げても構わない」

盗賊として身に着けた誘惑という手法。
随分前に、貴族たちによって汚された身体だ。
今更躊躇うことなんてなかった。

「そうね。
いいわよ
私も呑む相手がいなくて寂しい思いをしていたら、貴方を呼ぼうかしら…」

彼からの意思表示は確かに受け取った。
だが、人間でなければ彼女は簡単に心を開く。
そこが、彼女の寂しがりやな一面なのかもしれないが…

「こうして出会えたことに…
なんて、らしくないし物凄く臭いけど…」

彼の一言にクスクスと笑みを浮かべながら
此方も一口、味わった。

カイン > 「じゃあここの連中に嫌がらせでもしてみるか?
 色々とやり様はあるだろう。とりあえずそうだな、城でもぶっ壊してみるか」

相手の言葉に対して大した気負いもなく提案するのは大それたこと。
口調こそ冗談めかしている物の、
あまりにも軽すぎる口調はやってやれないことは無いと思ってるかのようである。

「んー?そりゃあ違うんじゃないか?お尋ね者だから、
 ならず者の傭兵を雇うもんだろう。
 ほら、そこらの穴倉にいる強盗なんか見てみろよ。
 どこから連れて来たのかよく解らんヤツ雇ってるのがゴロゴロいるぜ」

男の実体験なのだろう、しみじみと語りながらああいうのはどこから見つけてくるのか。
その一端を何となく身をもって知った気がする。

「ふうん?――そうだな、ニアを抱けるってんなら喜んで何でもするさ。
 それで、何が欲しいんだ」

帰って来た返答にスゥっと目を細めながら問いかける。
今までの色の消えた視線はまるで見透かすかのように相手をじっと見据え。

「おお、そりゃああいい案だ!それじゃこの出会いに、乾杯だな。
 何、酒ってのは一人より誰かと話しながら飲んだ方が美味いもんさ。
 そしたら酔いも早く回る、酔っぱらった時位は『らしく』なくったって誰も気にせんよ」

しかしそれも相手の提案を聞けば鳴りを潜め、
笑って応じながら酒をもう一杯煽り。

ニア > 「それは面白い…
でも、そんなことしても意味はないわ。
母が帰ってくることはなし、私が独りぼっちなことにも変わりはない」

冷静に淡々と、でも少し寂しそうに
この国の人間に復讐したところで何かが変わるわけではない。
ただ彼女は、自分の心にぽっかり空いた穴を埋めたいだけだった。

しかしまあ、彼の冗談にも取れる発言には驚きを隠せない。
嘘を言っているようには一切見えないからだ。

「ああでもしなきゃ、自分を守れない。
そんな風になるなら、いっそ人間に捕らえらえ、殺された方がマシ」

誰かに護ってもらうなんて、今まで考えたこともなかった。
今でこそ、以前のような力を発揮することはできないが、
これでも龍の娘。
魔法だって体術だって負けたことはほとんどない。
それでも、どこか彼の言葉に惹かれるものは確かにあった。

「へぇ…物好きね。
私は、両親の形見を探してるの。
噂によれば王族の5人兄弟がそれぞれ一つずつ持ってるって言われてる。
5大属性`火``水``風``光``闇`、それぞれ一つずつ、その属性の魔力が封じ込められている星屑の水晶。
私が王都に一人で乗り込んだ時捕らえられ、その水晶を全て奪われてしまったの。
あれは…私の大事な宝物なんだ」

例えこの身と引き換えにしても、絶対に取り返したい大切なもの。
彼女にとってそれほど大事なものだった。

「そうやって私を酔い潰すのが目的だったりするのかしら…?」

冗談を含ませた問いかけを彼に送り、こちらも釣られて酒を嗜んでいく。

カイン > 「気分は晴れるんじゃないか?そしたら笑える元気くらいは沸いてくるだろ。
 人間前向きでいれば大体なんとかなる、ってな。俺は人間じゃないが」

ロクでもない冗句交じりにあまり笑えない事を宣いながらも、
少女の様子を見て少しだけ肩を竦める。そういう問題ではなさそうだとなと無しに察し。

「そりゃまた大げさなこって。まあ、あそこまで堕ちるってのは願い下げなのは解るが。
 …もうちょい何とかすればいいだろになあ。何ともならないんだから追剥なんてやってんだが」

世の中ままならないものだと軽くぼやく。別に山賊盗賊の類に同情するわけではないが、
その手合いの仕事が無くならないのは面倒は面倒である。

「ま、何か探し物の護衛とかなら俺にも務まるからその時は声でもかけてくれ。
 …んー?そいつは聞いたことがないな。王族っても色々いるしな、
 兄弟って話なら心当たりはないじゃないが。
 だが、気を付けておこう。何か解ったらお前さんに教えるよ。
 カチコミかけるってんなら力を貸すのも吝かじゃないしな」

そんな持ち物の話は聞いたことがないと記憶をたどって返し得ながらも、
真剣な様子でゆっくりと頷いて見せる。

「それもいいな?折角だし一晩付き合ってもらうのも悪くない。
 どうかなお嬢さん」

相手の発言を聞けば軽く噴き出しながらも、ニヤリと楽しげに笑って誘いをかけてのけた。
助兵衛であること自体は別段隠す気もないようだ。

ニア > 「そうかも、ね。
でも、いいの。
もう痛いのも辛いのも、私は味わいたくないから」

王族や貴族、はたまた裕福な者達から金品を盗み
嘆くその者たちを見だけで十分、気分は晴れる。
でも、どこまで行っても寂しさだけは埋まらない。
金じゃ買えないものがあるのは確かで、それがニアの一番望むものなのだろう。

「…雇い主、雇われ主なんて関係は御免よ。
これでも私は王都で名を馳せる盗賊。
カイン、貴方との関係を名乗るのなら、そうね…
互いに秘密を共有した相棒か、はたまたただの呑み仲間か、
ねぇ、貴方はどっちがいい?」

物凄く真剣な表情でカインを見つめ、問う。
特に大きなことをやろうとしているわけじゃない。
ただ、これからも生きていく、生きていたいと思う何かが欲しかったのだ。
そんな何かをくれると、彼女は目の前の男に期待を抱いた。

「そう。なら、私も情報を集める。
だから、協力して。
そしたらいくらでも、こんな身体…抱かせてあげる」

彼の前向きな返答に、彼女は似つかわしくない笑みを浮かべた。
それは、人間には決して見せることのない表情だろう。

「ふっ…わたしもどうかしてるわね。
いいわ、貴方に免じて今日は酒に呑まれてあげる。
その代り、ちゃんとエスコートしてよね」

彼の下心丸出しの表情に飽きれながら首を振り、グラスの中身を一気に飲み干した。

カイン > 「なるほど、それなら仕方がないな。わざわざ好き好んでやることでもない」

存外、直接的な理由で断る相手の様子にゆっくりと頷いて見せる。
実に納得のいく答えであった。であるならば深追いする気も全くない。
存外に相手の様子が達観しきれてない様子に、ゆっくりと目が細真理。

「なるほど?確かにそれなら相棒の方が面白そうだ。
 なんせこう見えても俺は悪党の類でな、そういう話には目がないのさ」

真正面から相手を見返して頷いて見せる表情は真剣な物ながら、
返す言葉は存外にろくでもないものだ。
にんまりと口の端を持ち上げて笑いながら頷き返し。

「ならば、交渉成立だな。よろしく頼むぜニア?」

そう、返答と共にそっと右手を差し出し握手を求めようとしたと思えば、
相手の言葉に応じるように手がさらにするりと伸びて相手の肩に回る。
そのままグラスを飲み干した様子を見ながら抱き寄せて男から見れば小さな体を腕の中へと抱え込んでしまおうとする。

「秘密を共有する相棒で、お互い人肌恋しい時に肌を重ねる関係なんてのも悪くなさそうだと思うんだがどうだい?」

首尾よく抱え込んでしまえたならば、顔を覗き込んで、逃げられても笑顔でさらりと言い放つのだった。

ニア > 「ええ…
私は何も考えずに生きていたいだけだから…」

気を遣ってくれたのか、深追いしない彼に対し微笑みを見せ
相手に聞こえるか聞こえないかくらいの声で「ありがとう」と囁く。

「なら、私達は同類ね。
富裕地区でふんぞり返る貴族や王族どもをぎゃふんと言わせてやりましょう?
そしていつか、私達の故郷にしろでも建てましょうか」

不敵な笑みを浮かべ、最後の方は冗談めかしく告げる。
今ここに、彼女にとって初めての仲間と言える存在が現れたのだ。
互いが互いを利用し、欲望のままに成立した不純な関係ではあるが、
それでもニアにはとても嬉しいことだった。

「ええ、
よろしく、カイン」

彼の意志に応え、手を握り返す。
そして引かれるがままに彼の腕の中へと身を委ねた。
あれから男性に触られる事はなかったが、どうやらおよそ人間ではない彼には身体が拒絶することはないらしく、なんだか安心感さえ覚える。

「どうだいって…
さっきも言ったでしょ。
私は、貴方が協力してくれるならいくらでもこの身を捧げる。
欲しければいくらでも求めればいい…
それが、私達の関係でしょ?」

体制が体制なだけに、多少の恥ずかしさを覚え、
彼女の頬は赤らんでいた。
酒に酔った勢いとはいえ、彼女には抵抗する意思など一切なかった。

カイン > 「そういう割には随分と難儀な職業やってんな。
 ま、本当にニアが何も考えなくてもよくなるようには頑張るか」

クックと喉を鳴らすまま言い放って見せれば、
手の内にある相手の頭をポンポンと軽く撫でるように叩いて見せ。

「そうさなあ…いや、俺の故郷の場合はちょっと問題があるが。
 魔族連中が俺が戻ると喧しいな」

基本的に故郷である魔族側の国との関係は断絶して久しい。
考えてみればろくでもない事だなと思いいたって微妙な表情になりながらも、
相手の提案には善処すると笑って答えて見せる。
この関係を何といえばいいのか言葉を探してみて、思いつかずにすぐに断念し。

「どうせなら人肌恋しい時にはニアの方から求めてくれるくらいの役得が欲しいね。
 ま、それくらいに打ち解けられるかどうかは俺次第だろうが」

いけしゃあしゃあと言い放って見せながら、あまりに歪な関係だと改めて思う。
しかし男の側にそれを拒否する理由も特になく、少女の体を抱え上げ。

「それじゃあ行こうかねお嬢さん。…暴れんなよ?」

ハッハッハと声を上げて笑い飛ばしながら、宿の二階へと消えていくことになるだろう。

ニア > 「生きてくためには仕方なかったから。
盗んで売って食べて、また盗んで…
この国に来てからそれしかできなかったのよ」

自分にとっては大した仕事じゃない。
誰かに依頼されたわけでもなく、自分のために行ってきたことだ。
時には命の危機に晒されることもあったが…
それでも、こうして生きているのだから、この仕事は天職なのかもしれない。

「なら、私の故郷に来ればいい。
あそこは魔族や魔獣なんてものはいないし、私の同族も皆死んじゃったから…
あそこならだれにも邪魔されずに暮らせる。
まあ、少し考えといてよ」

無理強いはしなかった。
別に独りでも構わなかった。
ただ、やはり彼女はカインという男に期待を抱いていた。

「そうね…善処するわ。
でも、私のこんなお粗末な身体を見たら、貴方の方から逃げ出すかもね」

人一倍気にしている胸の大きさ
服の上からじゃあまりわからない小さな膨らみに目線を合わせ、溜息を吐く。
こんな貧相な身体を見せるのは少々恥ずかしいが、こうなったらこのまま酔いに身を任せることとしよう。

「あわわっ…ちょ、ちょっと!お、落とさないでよ!?落としたら貴方の顔面に噛みつくからね!」

当初のクールなニアは何処やら。
どうやら今夜は、彼女にとって忘れられない夜になりそうだ────

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/酒場」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/酒場」からニアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にネコさんが現れました。
ネコ > 「……」

貧民地区のとある路地で、一人のメイドが退屈そうに空を見上げていた。
その理由は簡単。最近仕事の実入りが悪いからだ。
このメイド少女は冒険者ではあるが、実力はまだまだ駆け出し。

「……やんなるね~」

国に現れた謎の存在。そいつら相手に勝てる実力が無い以上、仕事には制限がかかる。
いつもなら引き受けられる仕事も、危険度が増しており。
少女には引き受けられないレベルになっているのだ。

「……どうするっかにゃぁ」

このままでは小遣いがなくなってしまうぞ、と。
少女は、金儲けについて思考をめぐらせる。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にマリアージュさんが現れました。
マリアージュ >  
なんか、見覚えがありますお尻尾を追いかけまして。
少し間をあけまして、てけてけ、後を追うのです。
路地に入った姿を、道の角から、こっそりと銀の髪をきらめかせまして。
お目めをぱちぱち。

「にゃんこちゃんですわ・・・」

何をしてますのかしら、と。
騎士の巡回(の気分)で、体半分も角から出ています。

ネコ > 「……ん?」

ぼ~、っと空を見ていれば、なにやら視線を感じる少女。
アサシン適性もある少女にとっては、視線やら追跡の気配を察知するのは得意技で。
ちら、と後ろを振り向けば。

「……げっ」

おもわず声が出てしまう少女。
曲がり角から身を乗り出しているのは、いつぞや陵辱した相手。
少女としては、今となっては罪悪感だってあるし。
なにより、相手の言動や性格が苦手でもあった。
だが、このまま貧民地区で着いてこられても、周りの大人の餌食になるのではないか、と思い。
少女は相手に向かって向き直り声を張る。

「そこで何してんのさ、方向オンチ。
 用があるならこっち来なよ」

どうせだからこないでくれ、面倒だ。そう思いつつも。
一応、声をかけてみた感じである。

マリアージュ >  
澄んだ菫色の瞳を瞬かせまして。
首を少し傾げさせている姿。
目が合いますと、目をぱちぱち。
ちょっと考えるために空を見ましてから。

さっと(でも、のんびり、銀の髪がふわりと揺れまして)
角に隠れましてしゃがみます。
頭の上に両手で、ぎゅっと目を瞑りまして。
声を掛けられても、

「わ、わたくし、おりませんの!」

と、はっきりと言いましてから。
ふと考えましてから、また角から顔を出します。
柔らかそうなほっぺをぷくーっとさせまして。

「わたくし、歌は上手だと思いますわっ!」

ぷんぷんっ、と。
音痴じゃないと主張するのです。

ネコ > 目の前で相手が身を隠すのだが、それだってバレバレなわけだし。
というか、アサシン相手に気配遮断もできないのでは、どう隠れても意味は無いのだが。
おまけに、声まで出してればもう世話は無いという所。

「いるじゃねぇか」

思わずつっこんでしまったが、相手が顔を出し、不機嫌そうに頬を膨らませ。
更に何とも素っ頓狂なことを言い出せば。

「そういう意味じゃねぇっつー。
 方向オンチってのは、道に迷いやすいやつのことを揶揄する言葉だってのよ。
 ……んで? 何の用? もしかして、また犯してほしいの?」

このままじゃ埒が明かない、とばかりに。
少女は相手に向かって歩きながらそう語りかける。
こうやって少し脅かせば、相手もいなくなるかもしれない、なんて考えるのだが。
はてさて実際のところどうだろうか?

マリアージュ >  
上手に後ろを隠れてましたのに。
ネコ様、実はちょっとだけ勘がいいのかしら?
そんなことを考えてしまうのですけど。

「おりませんのー!。
 ・・・わたくし、道に迷ったことなんてありませんわっ」

両手を胸元でぶんぶん振って主張するのですけれれど。
言われた言葉に、目を輝かせます。
そして無邪気に両手を広げて差し出しまして。

「お菓子ならいただきますの!」

甘いの大好き食いしん坊。
期待しまして、目尻をちょっと桜色にして笑顔になりま。

ネコ > もしかして、あの隠れ方でハイドしたつもりか? などと。
相手の能天気っぷり、間抜けっぷりにあきれる少女であったが。

「いるじゃねぇかっての。
 はぁ? この間めちゃくちゃ迷ってたろうが。
 ったく。本当にガキだな……」

実際のところ、少女とてそこまで大人なわけでもない。
だが、少女はスラム出身で、壮絶な人生を送ってきている分、多少世間というものを知っている。
とはいえ、まだまだ学ぶことは多いのだが。

「そのお菓子じゃねぇ。
 この間みたいに、マンコにディルド突っ込まれて。
 アンタのその華奢な体をズコバコしてやろうか、って話だ」

犯し。おかし。お菓子。どんな脳内変換しやがったのか、と。
あきれながらに再度説明しつつ、しかして。メイド服のポケットに雇用主からもらったお菓子があったので、相手の両手の上にぽふ、と置く。
それは、包み紙にくるまれた、きれいな飴細工であった。

マリアージュ >  
「わたくし、今、こっそりとしてますのっ!
 それに、迷子になんてなったことありませんわっ!」

唇を尖らせて声高々に隠れていると主張するのです。
わたくし、もうオトナですものっ!
と、立派なオトナであるつもりなのです。

「また・・・ネコちゃん、お病気ですの・・・。
 あっ!
両手の上に渡されたお菓子。
首を少し傾げさせていましたが。
飴細工を頂きますと、ありがとうございますの、と。
ほんわかと笑顔を浮かべるのです。

ネコ > 「こっそりとできてねぇっつー……。
 だーかーら! 目的地にたどり着けなかったら迷子だろうが!」

どうにも、この相手とはリズムというか。そういうものが違いすぎる、と。
少女はそう考えつつ叫んでしまっている。
おそらく、迷子ということに関してはこの相手は絶対認める気はないのだろうな、という直感があった。

「あ゛ん? そりゃあどういう意味だコラ。
 ……ったく。あのなぁ。ここは貧民地区で。
 アンタみたいなのがいると男どもの餌食になんだぞ」

わかったらとっとと帰れ帰れ、などと相手を追い払うようなしぐさをするのだが。
飴をもらってうれしそうにする相手の様子には毒気を抜かれる。
周囲を見れば、おそらく自分とこの相手をまとめて犯そうとでも考えているのか。
数人の男たちが、徐々に近づいてきているのがわかった。
少女はそれを見て、舌打ちをする。

マリアージュ >  
首を傾げさせまして、きょとんと。

「わたくし、たどり着けなかったことありませんわ?
 騎士様や兵士さんが手を繋いで案内してくださったり、
 お店の方がきちんと送ってくださいましたもの!」

えっへん、と自慢げなのです。

「そうですの・・・?」

とお菓子を頂いてしまいましたら、そのお菓子を胸元に。
えへへっ、と嬉しそうな笑顔。

「お菓子、ありがとうございますわ」

と、きちんとお礼を言いまして。
てけてけとお菓子を食べるために、吸われるところを探すのでした。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からマリアージュさんが去りました。
ネコ > 「……それを、たどりつけなかったと言うんだけどな」

相手の言葉にあきれる少女だったが。
これ以上言っても仕方が無いか、と。
そうして、相手がお菓子をしまえば。

「……はいよ」

そのうれしそうな様子に、少女もまた少しだけ微笑み。
相手が立ち去った後、近づいてきた男たちを軽く痛い目見せて、逃走したのだとか。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からネコさんが去りました。