2018/06/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/路地裏」にジードさんが現れました。
ジード > 貧民地区の中でも一層治安の悪い路地裏の片隅。
ちょうど平民地区と貧民地区とを繋ぐ裏道に当たる路地に怪しげな露天が構えられていた。
とはいっても場所が悪いのか訪れる人影もほとんどなく店の様相は閑古鳥。
繁盛していないのは一目瞭然。

「さて。普段なら訳アリが結構通りかかるんだがなあ。こっそり娼館に出かける連中、とか」

はて、と声を上げながら騒々しい繁華街のある方角に目を向ける。
そういった手合いを当て込んでの商売場所であるが本日は当てが外れたらしい。

ジード > 「休日だからと言って当て込むにしてもちと急ぎすぎたかね。
 通るにしてももうちょっと後の時間かもしれない」

見上げてみれば建物の陰から見える日の高さは凡そ天頂に届こうかという所。
お忍びで繁華街に遊びに行くには少々早い時間帯だろう。
貧民地区の人間にとっては時間などどの時間でも、
稼ぎのターゲットが変わる程度の違いしかないので忘れかけることもあるが、
平民地区や富裕地区は時間で人の流れが違うという当たり前の事を思い返しがてら、
手元の瓶の封を切って一口飲む。口いっぱいに広がる強い甘味に思わず吹き出しかけるのを堪えてむせ込み。

「――甘くするのに砂糖ぶちこめばいいってもんじゃないんだな、うん」

凝縮した砂糖そのものの味に飲めたものじゃないと小さくぼやく。

ジード > 「今日はハズレだな。やれやれ、別の通りのいい場所を探そうか」

表側の喧騒とは裏腹に静かな路地の様子に苦笑いが浮かぶ。
これはどうにもならぬと思ったか立ち上がると手早く荷物を片づけ、
路地の向こう、繁華街へと消えていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/路地裏」からジードさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にフローリアさんが現れました。
フローリア > 王都であっても――否、王都であるからこそ、貧民地区というものは存在するのだろう。
今にも崩れそうなあばら家が立ち並ぶ一角に、それよりは遥かに立派な、
けれども富裕地区のものに比べれば倉庫にしか見えない教会があった。

普段は信者など立ち寄りもしない廃墟も同然のその場所は、けれど今日だけは人でごった返している。
それもそのはず、教会本部の司祭自らがやってきて炊き出しを行うというのだから。

「―――順番に並んでください! ひとり1杯でお願いしますっ!」

喧騒の中、幼さの残る少女の声が通る。
それが件の司祭だと、ここの住民は気づくこともないのだろうけれど。
黒衣に身を包んだ少女は、シチューを配るテントの近くで人一倍動き回っていた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にマルティナさんが現れました。
マルティナ > 寂れた教会。
普段は人もよりつかず辛うじて存続しているという風情のそこは、今日はいつになく賑わっていた。

「なるほど、炊き出しですか……。
うーん、どうしましょうか」

つぶやきながら遠巻きに様子を伺うマルティナ。
一応物陰に隠れているが、完全に隠蔽している訳ではないのでその姿に気づく者もいる。
そして大抵は、何とか秘部が隠れただけという半裸の姿を見て我が目を疑ったり絶句するという反応を返しているのであった。
だがまあ、マルティナにはそれも不本意ながら慣れた反応である。
気にしないようにしながら様子を伺っていると、どうも人一倍せわしなく働く少女が場を仕切っているようであった。
群衆を回り込んでテントに近づいていくマルティナ。
姿を隠している訳ではないので今度は殆どの者に見られているだろう。
そんな中、臆さずその少女に話しかける。

「すみません、ここの責任者の方はどちらでしょう?
寄付金を届けに来たのですけれど……」

忙しそうにしている最中に申し訳ないとも思うのだが、すぐに済む用事だ。
寄付金はこの少女に預けてしまっても良いし、担当者がいるなら教えてもらえばそれで良い。
いつ人が捌けるかも分からないので、確実に手早く用事を済ませる選択をしたのであった。