2018/02/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 路地裏」にジードさんが現れました。
ジード > 「やあや、お兄さん折角遊びに行くならこれなんてどうだい?」

路地裏と一口に言っても幾つもの種類がある。
ひっそりとした完全に人気のつかない場所や自然と人の通りのある抜け道、
あるいは繁華街の裏側でセールストークが響き渡る。
それぞれに売りたい物の異なった店が並ぶのがこの街だ。
繁華街の中でもこの時間帯に一際繁盛する娼館の立ち並ぶ通りの裏手にある
この店で取り扱っているのは女性へのプレゼントに最適なものか、
あるいは女性に使うのに最適な物ばかり。
当然声の主である店主が声をかけたのもそういった場所へ向かう一人の男性だ。
いくばくかの会話の後に、すげなく袖にされてしまえば去っていく男性。
それを見送り店主は軽く肩を落としていた。

「今一つ景気が良くないねえ。
 全く、もっと景気よく金を落してくれればいい物を」

売れ行きは悪くない様子だが売れるのは謹製の薬に大半が偏っている。
そうなると当然、その手の道具を嫌う人間にはあまり相手にはされないものだ。
かといってほかに扱っている宝飾品類はなおのこと相手にされていない無常である。
曰く、男にそんなものを売りつけても善し悪しが分からないのだ軽れないのは当然――と昔客の一人に言われたのを思い出す。

ジード > 「今日はハズレだな。やれやれ、もうちょっと人通りのいい場所を探そうか」

娼館街の喧騒とは裏腹に静かな路地の様子に苦笑いが浮かぶ。
これはどうにもならぬと思ったか立ち上がると手早く荷物を片づけ、
路地の向こう、繁華街へと消えていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2 路地裏」からジードさんが去りました。