2017/12/29 のログ
ブレイド > 「ふぅっ…やっぱこのへんは…」

人がおらず風の通りがいいせいか、やや寒い。
フードを目深にかぶったまま、路地裏を歩く少年は、依頼における今日のノルマを達成し家路についている最中だった。
少女の姿が目についたのはその最中。
何か慌ててるようだが…?

「おい」

声をかけてみることにした。

サナ > 路地裏の崩れかけた木塀の前で
ぽつりと佇む姿。
後ろ手に手をやったまま固まっていたのが、もう一度びくっとした。

「……にゃー」

現実逃避か、何か。反射的につい猫の鳴き真似をしてしまったが、立ち去られると困る。
何秒かの沈黙の後。ごく小さく

「お願いたすけて。」

ブレイド > 「……お、おう…どうした?なんかあったのか?」

にゃーときこえて、少し間があったが、何やら助けがほしいらしい。
少し戸惑いつつも、人影に歩み寄ってみる。
小さな影だったし、声色からしても明らかに少女だろう。
まったく、こんな時間…

「何があったか知らねーが夜にこんなとこで…あぶねーぞ?
で、助けてってのは何だよ」

やや呆れ気味に声をかけつつ、少女が何を助けてほしいのか聞いてみることにする。

サナ > 「実はさっきにゃーとしか返事できなくなるのろいをかけられてしまい…」


ものすごく適当な事を云い繕いながらも、若干視線が逸れる辺に常識とか失い切ってはいなかった模様。

夜に溶け込むようだった姿も近づけば幾らか明瞭に。
疲れて来た片腕だけ下ろして

「来てくれたのが貴方だったから、大丈夫な気がする。

……………釘にフードを引っ掛けたから、なるべく無事に……そおおっと布を外して欲しい……。私一人でもナイフで裂けば良いんだけれど、出来れば…!」

ここ、と示すように、折り曲げた肘を上下
指先の方と主張混ぜつつ。

ブレイド > 「そーかよ…難儀っつーか、呪いかけたやつも大概暇だなっつーか…」

呆れた視線を送りながらも、これだけ近づけば少女の姿もはっきり見えてくる。
少し色素薄目の…こぼれた銀色の髪と碧眼が、この寒さの中に似合っていそうな少女。

「どういう理屈だよ…まぁ、いいけどよ。初対面だよな?」

少女の言葉に首を傾げつつも、その頼みに頷く。

「あー……何やってんだか。ちょっとまってろ…えーと、器用な方じゃねぇからダメだったら許せよ?」

困っている様子なので助けたいところだが…
少女の示す箇所。フードに手を伸ばす。よくよく見れば、たしかにはでにやらかしてる。

サナ > 「言い訳してる時点でにゃーって既に言ってないことへのツッコミは…!?」

呆れながらも疑いの色が見えない様子に思わず白状してしまう。
ゆる、と頭を傾けて、目線の高さが近い少年を見上げる。

「うん、顔も名前も知らない。……でも、律儀な感じが、とてもする。
あぶねーぞ、って言ったり、困ってる内容を聞いてくれたりしているもの。

逆に私が危ない人と言う可能性だってなくはないと思う」

差し出すように項を折り、抑えていた手指を布地から離す。
大きく引き裂かれてはいないものの、錆びた釘の丸みの所で布が幾重かに噛まれており、

「ありがとう。……失敗はダメ。」

ぶんぶんと、頭振って我儘を。
伸ばされ傍にあった掌を。髪がぺしぺしとはたくような、絡むようなで、細かに伝い落ち

ブレイド > 「いや、その時点でツッコむ必要もねーだろ
困ってんならもっと必死になれ、必死に」

結構余裕ありそうだな…と思いつつ
少女の評を聞けば、すこし気恥ずかしく感じる。

「てか、あんたみてーなのが、こんなところにいりゃあぶねーとも思うだろ
この街の人間はどうか知らねーけど…。
あんたは…気が抜ける声してたし、むしろ、あれで演技なら騙されても仕方ねぇっつーか」

こちらはこちらでわりとひどいこと言ってる気はするが。
まぁ、そう思ってしまったのだから仕方ない。

「失敗して欲しくねーならあばれんなって…
まぁ、フード仲間のよしみだ。ってか…ふつーに難しいな…」

幾重にも絡んでいて解くのは難しそう。
髪が釘に絡まないように払い除けつつ、慎重に作業。

サナ > 「受け流してたんだった…!………ねえ、それなら、必死にお願いしてみて。お手本を見たい」


余裕、はあるのかもしれない。
薄暗い路地裏に一人、直ぐに逃げずに服の裂け具合を優先させてた程には。


「……みてーなの、て。……私が餌で、実はこわもてのムキムキの職業筋肉みたいな人がわらわら出てきて財布とか色んなものを奪おうとするとか……… 無いけれど、」

気の抜けた声、で猫を連想すれば否の言いようも無く視線だけがふらりと揺れた。

「無防備にしている人の脇って、魅力的だよね。擽りたくなるよね。
フード仲間……… 防寒なの。何か、隠すの」

俯きながら遊ぶように言うも、足先と地面が見えるばかり。
気が付いたように両手を項の上辺へ回し、髪を左右に分けて肩から流す。
ぱらりと釘から布がひと巻き解け落ちる。根っこを咬んでるきつい処があり、それさえ解ければするりと布が抜けていけそうな所

ブレイド > 「なんでだよ。まぁ、そりゃお前あれだ。
声色の問題っつーか…こう…「た、助けてくれぇ!!」みたいな……」

作業しつつも、わりと雑に手本を見せてみる。
やった後に少し恥ずかしくなった。人気のない路地裏で何やってんだか。

「…あー…そういうのもあんだな。
まぁ、気配には…それなりに敏いとはおもうし…、次からてめーの声が聞こえてきたら、警戒することにするぜ」

少女の言葉に、そういうものもあるのかと感心しつつも
軽口を返す。後もう少しで外せそう…か?

「やめろ、てめーのフードの命がねーぞ。
まぁ、どっちなのかは秘密にしとくが…よっ、と」

ここキツイな…ええい、ままよ!
ぷち。

サナ > 「…色っぽくない。もう一回、色っぽい必死で」

とてもとても不満そうだった。
路地裏でも、ここが明るい食堂だったとしても調子が変わりそうにない。

「……次から、て、今日からじゃないの。」

うん、と小さく頷く。
自ら画策することはないとしても


「フードの命は大事だね!?

秘密主義いくない。………――――――」


沈黙
硝子玉に映したような双眸が少年を無言で見つめ


「……縫って―」

ねだりながらも少し頭が下がる。
眠気が思考を曇らせて、幾らか言葉が鈍くなる。

ブレイド > 「色っぽいってなんだよ。
男だから無理だ、無理。むしろ、色っぽいの手本を見せろって言うぞ」

少女の言葉に、ジト目で見つめながら答える。
そこを不満そうにされても困る。
裏声とかはさすがに出さないぞという意思を感じる視線。

「まぁ、助けを求められるなんて、そんなにあることじゃねぇだろ。
それに、もう夜だ。明日からで十分じゃね?」

などといいつつも、フードの外傷をチェック…
あぁ、結構やってしまった

「隠してるんだとしたら、どっちにしても秘密になるだろうが
ってか、そんな目で見んじゃねぇよ!
縫う…縫う…?
えーっと……オレのやるから我慢しろ…ってことじゃだめか?」

サナ > 「手本……」

視線を返しながら眠気混じりの声で暫く考える。
するり、と。少年の首筋に唇を寄せる。銀糸の髪が少年の背へ、肩へ。繊細に流れ落ちる。仄かな熱と共に。彼の背に手指が触れる。

「……助けて。―――お願い。」

目を閉じる。先刻と台詞自体は一緒。告げる場所が違うだけ。


―――ずしんと額の重みが相手に掛かる。うとうとしていそうな気配。

「……とか……。」

葛藤するよう眉根を寄せて、起きたくないとばかり渋々双眸を開ける。開き切れていない半目


「ここだけの話…って話し始めたりするかもしれないじゃない。
……だって、わたしのフード。…………貴方が、寒くなってしまう。
…大丈夫。取ってくれたから、これくらいで済むんだろうし、…ありがとう」

声が間延びして、やはり眠気を振り払い切れずに。
のろと頭を起こして、もう一度頭を下げる。
フード頂戴、とばかり。――穴はどれくらいになったのか。

ブレイド > 「……っ!?ちけぇよ!」

固まってしまった。
ちょっとドキッとしたとか、悔しくて言えない。
思わぬ近距離での囁きと熱に、思わず赤面してしまう。
頭を預けられる重さも含めて。

「よくわかったけどよ、それをオレがやっても意味ねーだろ。つか、ねみーのか?ここで寝るなよ?」

せめて帰って眠らなければ、冗談じゃなく危ない。
支えながら困惑。

「まー、いきなり話すことでもねーだろ。
オレのは替えがあるから気にすんな。最近厚手のやつ買ったしよ」

少女にフードを手渡せば、穴は小さいが目立たないとはいえない大きさ。

サナ > 「……ほら、出来た。だから出来るよ。何時か色仕掛けしたくなるときがくるかもしれないじゃない…」

咽喉を震わせて笑う。全然反応がなくてもかなしいから、やっぱり彼の反応が楽しくて。

「…うん、すごく眠い。とても眠い……。
いつか話せたら話すかもしれない、という、話なのね。

ううん、助けて貰ったのに……。それなら、今度温かい飲み物でも奢ってくれたらよろこぶ。……眠ってしまわない内に、行くね。

…首の裏の所すーすーするような…」


フード兼ワンピースの為着替えは無く
ただ、首裏の穴があいてる辺りに風が入って来る。身体を起こして、一歩二歩と歩いてから。ちょいちょいと手招き。途中まで一緒に行こう、と。

ブレイド > 「いや、だからそもそもオレは男だっての…
男の色仕掛けってなんだよ」

カシカシと頭を掻いて照れ隠し。
もちろんフードの上からだが。

「ま、そうだな。初対面だってのに、いきなり重い話しされてもあんたが困るだろ?
つか、助けようとして失敗したからってのもあるけどな…まぁ、それでいいなら今度おごらせてもらうぜ?
…首の裏…首の裏なぁ…んー、まぁ古いやつでいいなら帰り着くまで使っとけ」

少女に荷物袋から取り出したフード付きマントを渡す。
手招きされるに合わせ、手渡すことになるだろうか。

「あっと、そうだ。オレはブレイド。あんたは?」

サナ > 「男の色っぽいのも恰好良いと思う。見たい。

うん、かもしれない。……結果失敗しても、助けて貰ったんだから、お礼をした方が良いのは私だと思うよ。……良いの、」

素直に受け取ると、手元と少年の顔を交互に見比べ、
ありがとう、と足してフードに袖を通す。
フードの上に更にフード。あたたかくて唇を綻ばせ

「…ブレイド。サナ、だよ、―――」

ぽつりぽつりと言葉を交わしながら歩きはじめる。
ひとの行きかう通りまで、穏やかな時間が続く

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からサナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」に白雪さんが現れました。
白雪 > ――拙いわ。いよいよ認めざるを得ないわね。…そうよ、認めたくはないわ認めたくはないわよ、当たり前でしょ!?なんで私が、この誇り高き神獣族たる私が!!……でも認めなければどうにもならない時も訪れるの。(…夜の貧民地区。似たような粗末な建物と細い路地が複雑に伸びているこの場所は、土地勘のある者には最高の隠れ家であるが一来訪者たる己には最悪な場所だった。この区域の向こう側には目的地である同郷人の住居があって、彼ら彼女らとの夕飯に間に合うべく抜け道にしてやろうと何気なしに思ったのが運の尽きか。…路地の突き当りに背を向け、ひとり空を仰いだ。折り重なるように建てられている建物と建物の合間から、長細い夜空が見えた。)――そうよ、迷子になっちゃったわよ、こんちくしょう!ここ何処!?どこなのよッ!!
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にロビーさんが現れました。
ロビー > 住人ですら油断をすれば何が起きるか判らない貧民地区の路地を縫うように歩く。
早めに終えたい仕事が長引き報酬を受け取りギルドを後にして。
あと何か所かの角を曲がればねぐらにたどり着けると早足に歩く途中に聞こえる声。
帰路とは逸れる訳だがよくこんな場所で声を出せるという興味から声の方角へと歩みを変え。
少し歩けば確かこの先は道がなかったはずと思い覗き込み、小柄でこの辺りで見ない服装の人影が目につき。

「こんなところでなにやってんだ?」

もしかして襲われたいのかと思いつつも声をかけてみる。

白雪 > (…恐らく「彼」に気が付いたのは眼で認めるより耳で聞きつけた方が先だろう。靴音だったか衣擦れだったかは知らないが、徐々にこちらへ近づいてくる「彼」に警戒心たっぷりの睨みを用意する時間はあったのだ。…今は夜で、己は女で、しかもここはどん詰まりだ。喩え己が帝国の人間ならずとも、警戒しない理由が見当たらなかった。)……ハイキングでもしているように見えるのかしら?分かるでしょ、――迷ってんのよ。(まるで闇から溶けだしたような暗い色の服と外套。当たり前のように名前を知らない男を睨みつけながら、場違いな迷子がふんぞり返って鼻を鳴らした。)
ロビー > 足音でも聞こえたのか覗けばこちらを睨みつけている女性、しかも警戒をしている様子。
どう見ても治安がいいとは言えない場所でしかも行き止まり、これで警戒をしないのならばとっくに誰かの餌食だろうと。

「どっちかといえば襲われ待ちか?
こういっちゃ悪いけど迷子でそんな声出してりゃ襲ってくれって言ってるようなもんだぞ?」

睨みふんぞり返る姿にこの辺りの危険さを知らないかどうにか出来る自信があるのか。
どちらかは判らないが少なくとも今は危害を加えるつもりはなく、何も持っていないと見せるように両手をあげて近づくように足を進める。

白雪 > はぁ!?私が「襲われ待ち」ですって?この私が?誇り高いこの私が!?お前、ふざけるのもいい加減になさい!

(冷静になればどちらの言い分が正しいかなどすぐに判別できるはずだ。無論、こんな場所で大声を出すなど危険極まりない行為である。悪漢暴漢の類に自分の場所を知らせている様なものだし、汚れひとつない白い服も彼らにはまた別の色に映るだろう。…要するに金ヅル、色ヅルだ。それを考えられない程馬鹿であるつもりも世間知らずであるつもりも無いのだが、どうにも、癪に触ってしまう。「道に迷った」なんていう弱みを見せてしまったような気がして、音量を下げられないままでいた。)

だってこんなに入り組んだ道だとは思わなかったんだもの!あっち側へ簡単に抜けられるって思ったのに……、どういうことなの詐欺よ、詐欺!
……で?ここは何処なのよ。向こう側へはどうやったら抜けられるの?お前は何者?

(一頻り喚いて漸く落ち着いたのか。ややあって溜息を吐き出した女は、波打つ髪を耳に引っ掛けながら近づいてくる男へ再び視線を投げかけた。その両手が空であることを確認したためか、先ほどまでの興奮状態より幾らか静まっているように見える。)

ロビー > 「誇りはどうでもいいんだけどさ。ここが何処か判ってない口か?」

最初に見たときに回れ右をしていたならばいざ知らず、声をかけてしまった以上ここに残していくのも罪悪感が多少はあり。
見た目もよく着ている服も上質に見え、ここの住人には非常に魅力的な獲物に映るだろうと。
放って帰ればよくて身ぐるみを剥がれ隈なく使われ捨てられ、悪いければそのまま売り払われるだろうと思えば溜息が出る。

「とりあえず静かにしろって。変なのが来るぞ…。
ここは入り組んだ迷路みたいな場所だよ。向こうに行きたいならぐるっと遠回りしかないって。
俺……?俺は冒険者だよ」

元気な奴だなと呆れた視線を向けて近づいていき。
少なくとも自分が近くに居れば先に捕まえたのがいると声に引かれた者が来ないだろうという考えで。
近づきながら見ていれば最初よりは落ち着いている様子にもう一度息を吐いて。

白雪 > 勿論分かってるわよ。所謂貧民地区ってヤツでしょう?帝国にだってこういう場所はあったけど、王国(この国)の方が酷いみたい。
確かに商売も転がっているけど、それにしたって空気が淀んで嫌な場所ね。

(相変わらず偉そうにふんぞり返ったまま言葉を返す。「故郷」に居た時の己は裕福な家庭に産まれこういう場所とはあまり縁が無かったけれど、薬種問屋として商売を始めたころから何時しか出入りするようになっていた。全うな傷薬にしろ娼婦が使うような避妊薬にしろ、人々が欲望をむき出しにするこういう場所こそ求める客が多いのだ。)

分かってる、わーかってるわよ、だから命令しないで頂戴。
…何よ、私の貴重な時間は全くの無駄骨だってと云うわけ?腹立たしいにも程があるわ。
ふーん、お前冒険者………ねぇ、良く効く傷薬があるのだけれど、興味は無い?

(呆れた視線には少しも興味を惹かれないらしい。ただ完全に落ち着いた様子で距離を詰めた男を見上げる。)

ロビー > 「解ってるなら大声は出すなよな。帝国のはどうなのか知らないけどさ。
こっちだとあんたみたいな上玉は先ず無事に出れないって」

帝国と聞けば異国人なのかと納得をして、王国の人間なら貧民地区で目立つようなことはしない筈だと。
商売と聞けば何かの仕事で足を踏み入れて迷子になったのかと取り、
空気が澱むと言われてもさほど気に留めずに。

「別に命令をしてるつもりはないけどな。
真っすぐ行けば抜けれると思ったんだろ?そう言うのに限って迷子になるんだよな。
そこそこの腕前の冒険者だよ。傷薬?興味はなくはないけど効くのか、本当に?」

完全に落ち着いた様子に数歩手前で脚を止めて。
見上げられるのを見下ろし、こんな状態でも商売っ気を見せる姿に関心して。

白雪 > ………………煩いわね。

(全く以て図星ど真ん中である。身にも心にも思い当たる節しかなく、流石に気まずいのか呻くような声を出すだけだ。苦々し気に顰められた双眸が一度男から離れ、すぐに戻る。離れる前は拗ねたような色をしていた視線は、今は自信と喜色に溢れていた。)

効くのかですって?当然よ!何たって薬草の質が違うもの、勿論種類だってね!
九頭竜山脈のとある崖っぷちにね、良く効く薬草が生えてるの。採掘が難しいのだけれど、私に掛かれば朝飯前だわ!

(国が違えば薬の材料が違うのは当たり前、さらに言えば製薬技術は国力にも比例する。…で、あるから。当然効く物を作っているのだと、国と己の誇りに掛けて喧伝したいのだろう。携帯している大鞄をそそくさと開き、掌にすっぽり収まる大きさの平たく丸い陶器の入れ物を手に載せる。)

これは切り傷によく効くの。冒険者にはうってつけでしょう?
今ならタダでお渡ししても良いのよ、―――お前がこの迷路の出口を案内してくれるならね!

ロビー > 気まずそうな言葉に自覚があったのかと見ればそれ以上は言わず。
一度視線がそれ戻ればそこに写る色は拗ねたようではなく自信と喜色に変わっている。
それを見ると切替が早いものだと関心をして。

「そう言われても俺は採取の仕事は受ける事はあっても効果や効くかとかはさっぱりだしな。
あぁ、あの山脈のそんな所に薬草があるのか」

その言葉に薬の効果と作れる腕の自信を見て取れ、これほどまで威張れるのなら効くのだろうと。
大鞄から取り出された平たく丸い珍しいと陶器性の入れ物を珍し気に見て。

「切り傷に効くのなら確かに助かる。
それでいくらに……タダで……?
あぁ、そう言う事か。別に構わないぞ」

仕事柄に切り傷などはよくあるだけに効くのならありがたく。
タダという言葉に一瞬怪しげに見るが理由を聞けば納得して。