2017/11/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > 貧民地区、とある裏路地。
今日も誰かの叫び声と、逃げるように駆ける足音。
路地を抜け、逃げ去って行く誰かが居る。
逃げ去って来た路地を遠目に眺めれば、白い何かがゆらりゆらりと揺れているのが見えるかもしれない。
それが、すぅっと上空へと浮いてゆき…屋根の上に消えていった。
さて、その屋根の上には人影が一つある訳で。
白い何かがその人影に回収された。
…まぁ、前回使っていた人型にくり抜いた白い布だ。
今日も今日とて、その悪戯道具を使って路地を通る誰かを驚かし楽しんでいた。
「ふむ、なかなかに良い驚きっぷりじゃったな。
良い調子じゃ、もう何人か驚かせてから有意義な昼食と洒落込むとするかのぅ」
そう呟けば、もそもそと、再び人型の布を準備し始めた。
■タマモ > 人型の布を広げ、その頭と方の部分に結んだ細い糸…己の髪を繋ぎ合せたものを張り、それを棒の先に結ぶ。
その棒の反対を持ち、人型の布を垂らし、後は糸の伸縮を操作して路地へと下げる。
後は、やってきた誰かの頭の上から落とすだけだ。
布を被るような形になり、何事かと布を剥ぎ取るだろう。
そのタイミングで糸を引けば、まるでその剥ぎ取った布が生き物のように浮いているように見える…と思う。
まぁ、実際にその程度の事で何度も成功しているのだ、案外ちょろい。
「さぁ…次は…次はまだか…!?」
路地を歩く者に見えない高さで布を止め、次なる犠牲者を待つ姿勢。
…次の相手が屋根伝いに来たら?その時はその時だ。
■タマモ > さて、この後に姿を現わす者がいるのだろうか?
居たとして、どんな結果でなるのか。
それは、その時のお楽しみである。
求める次なる犠牲者を待ち、少女は静かに待ち続けていた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にカインさんが現れました。
■カイン > 「……さて、どうしたものかね」
夜も更け、人の気配がすっかりと消え失せた貧民地区。
その中でも一際人気のないぽっかりと空いた空き地の只中。
誰かが放置していったらしい木箱の上に座り込みながら、小さくぼやく男の姿があった。
何やら男に向かって手を振り遠ざかる人影に男も手を振って返しつつも表情は億劫さを隠しきれてない。
用心棒の仕事で貧民地区中を一回りした後、最後の場所として依頼人に連れてこられたのがここだった。
そこで落ち合った人間と共に依頼主が立った今去っていった訳だが、取り残された側はどうにも手持無沙汰。
色町なり繁華街なりには少し遠く、平民地区に戻るにもそれなりに遠い。どこに行くにも交通の便が悪い場所だった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にオルセィユさんが現れました。
■カイン > 「せめてもう少し繁華街に近い場所だったら良いんだがね。
色々と困ったもんだ、なんせここに居るのはネコかネズミ位のものってのじゃな」
何やら珍しい物とでも思われているのか寄ってくる小動物達を軽くあしらいつつ、
頬杖を付いて路地に視線を向けるとこういう場所にありがちな追いはぎ狙いの人気すら感じない。
本気でだれの気配もないと言った様子にお手上げとばかりに肩を竦め、
猫の頭を軽く撫でる。ニャアと無駄に軽快ななき声が響き渡った。
■オルセィユ > 貧民地区に住む友人にお金を貸してきた帰り道を歩いて。寂しくなった懐に金銭は入っていない。このあいだのアルバイト代の何割かを貸してきた。
唐突に道に見覚えがなくなり、迷ったことに気がついて、戻る道を探していると猫の鳴き声が大きかったのでそちらを見て。
近くに座っている男に見覚えがあり、これも何かの縁だろうかとほてほて歩いて空き地に寄っていき。
「こんばんは。カインと言ったかしら。暗いところね。何を?」
胸を張って腰の後ろで素手の両手を組み足を伸ばして、猫と男の姿を交互に見て質問を。微笑みを浮かべて。
■カイン > 「あん?何だ、珍しい所で会うものだな。久しぶりだ」
猫の相手をして時間を過ごす間に近寄ってくる人影に気が付くと視線を向けると、
幾度か顔を合わせた相手の姿が見て取れた。物珍しげに眺めての問いかけに、
肩を竦めながら喉を鳴らし。
「何と言われれば暇つぶしだな、仕事の終着点がここなんだがそのまま帰るのも気乗りしないんで、
こうやって猫相手に休憩をしてるというわけだ。そっちこそどうしたんだ?」
■オルセィユ > 「珍しいね。大きい人が猫と遊んでいる光景も珍しいよ。」
ガラッと変わる男の態度は、猫と一緒の時と比べて少々荒い印象を受けて。目を丸めて首を傾げ、腰の後ろで組んだ指を見えない所だったが頻りに動かして。
親しみからくるものだろうか?まだ観察しないとそれはわからないが、大きく一歩、足を踏み出してそれへ片足を揃え。こちらも口を開いて。
「人とお金の貸し借りをしてきたところだよ。猫が好きなんだね、いい事だよ。私の頭は撫でては貰えないのかしら?」
こう言って頭頂を、腰を屈めて前に突き出す動作をしてコロコロ笑い。
■カイン > 「そうか?動物なんてそれこそ老弱男女関係ないと思うがなあ。
好きな奴は好きだし嫌いな奴は嫌いだろう」
そんなものではないのかと不思議そうな表情を浮かべて顎に手を当てる。
しかし直後に出てきた相手の言葉に思わず胡乱と言っていい視線を向け。
「何というか貸す側なら色々と気を付けた方がいいんじゃないかとは言っておく。
…何だ、撫でてほしいとはまた珍しい頼みをされたな?そりゃ構わないが」
喉を鳴らし笑いながら手を伸ばせば女の頭を少し乱暴にわしわしと引っ掻き回し。
■オルセィユ > 「猫が飼い主以外に大人しく構われるのも、珍しいんじゃないかな。」
何も握っていない掌を不意な動作で差し出すと猫が男の手の後ろへ逃げてしまい。眉を下げて口を尖らせて残念そうな顔つき。
「お金を貸すのも友達だからだよ。天下のまわりものだからね。
やったあ。一個貰ったよ。」
胡乱げな眼差しにも動じずに、口の端を上げて笑い。
頭を一回撫でて貰って、嬉しそうにそう言って破顔して。両手を小さく耳の横に上げて髪がくしゃくしゃになりながらバンザイを。