2017/11/03 のログ
■チェシャ=ベルベット > どうせすぐこちらのからかいに憤って、去っていくに違いない。
内心そんな風に少女を侮っていた。だが。
予想に反して少女はチェシャへと近づいてくる、生真面目にも誠意を証明しようとして。
「……ちょ、ちょっと待った。ストップ!」
近づかれると相手の前に手を出して遮る。
自分が言いだしたことなのにまさか実行に移されるとは思わず、たじろいだのはチェシャの方だった。
「冗談だよ、冗談! 礼なんかいらないって、たいしたことしてないし」
やや頬を染め目線を少女からずらしてぶつぶつと文句を垂れるように言う。
出会ったばかりだと言うのに、この少女本当に頭が固いしクソ真面目だし苦手だ。
やだ、照れてんの?チェシャ、と成り行きを見守っていた娼婦の一人がからかって口を出す。
そんなんじゃない!とそれに勢い込んで返答した。実際照れているというより困っている。
と、地面に落ちていた少女のベレー帽に気がつくとそれを手に取り、ホコリを払ってから彼女の頭に再び被せてやった。
「とにかく、お礼とかいいから。もう面倒に巻き込まないで。それじゃ」
数歩後じさりして、少女に念押しするように言い含めると逃げ出すようにその場を駆け去って離れていく。
なかなか可愛い顔をした相手だったが、あんな冗談も通じない相手なんか願い下げだと頭のなかで考えながら
何故か胸にチクチクとした痛みと動悸を抱えて首をひねった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 娼館通り」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
■レナーテ > 普段なら怒るようなことだが、全く関係のなかった彼がしてくれたことは、彼女の思うところの善行だ。
自分を試す理由もわからないが、それが望みなら、自ら口にしたお礼の代価に従えるなら従うほかない。
覚悟を決めながら近づくと、何故か彼のほうが慌てる様子にキョトンとした様子で小首をかしげた。
「ぇ……そう、でしたか…ごめんなさい、タイミングとして…冗談と思えなかったもので」
恥じらいの色合いに、しどろもどろに言葉を紡ぐと胸の奥がじくりと痛む。
からかいの言葉と応酬に、しゅんと俯きうなだれた。
お礼どころか、彼に恥をかかせてしまったことに、小さな罪悪感すら覚えるほど…融通の聞かない真面目さが仇になる。
ベレー帽が彼の手で被せられると、僅かに細い猫毛がゆれ、染み込ませたシトラス系の香りが広がっていく。
「……わかりました。チェシャさん、本当にありがとうございました」
もう一度お礼と共に頭を下げると、駆け去っていく彼の後ろ姿を見送る。
時折自分でも感じる固さがここまで空回りしたのは久しく、彼の姿が見えなくなると小さく溜息を零した。
もう少し、柔軟に人と接していけるようにならないと……そう考えていれば、自分の名を呼ぶ声が響く。
どうやら、宿で休んでいた同僚をこっちへ差し向けてくれたらしい。
似たような格好をした少女が3人ほどやってくれば、苦笑いを浮かべながらそちらへ向かい、事の経緯を話しつつ宿へ戻っていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 娼館通り」からレナーテさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にシャルティアさんが現れました。
■シャルティア > 貧民地区の夜市
屋台の並ぶそこを、とたたっと小さな影が走る
ちっちゃい翼を持った幼い天使である
屋台を見て、屋台のおじさんに手を振って、焼いた燻製肉を買う
そしてそれを齧りながらまた、夜市を見て回ってる
特に目的のない、ただの見物である
■シャルティア > 燻製肉を齧りながら、路地裏の方へ
疲れたのでちょっと休憩、と木箱にちょこんと座る
肉を齧りつつ、道行く人を眺めながら、どうしようかな
と、不とこをの革袋を見る。お小遣いはいっぱいあるがお腹は空いてない
お祭りなら別だが、夜市では、面白いものもあまりない
むぅ、とちょっと考える