2017/09/10 のログ
ジュリエット > 「取り敢えず、布団集めろ。ベッドは駄目だ。壊れたら危ねぇだろ。」

跳ねてもスプリングが軋むだけの上等なベッドは此の界隈には存在しない。
或る程度の高さから或る程度の重量の成人男が降って来れば、当然壊れる。
布団と、後はあれば飼葉か、と。
高級娼館には貴族が御忍びでやって来たりもするから、置いているだろうか。
取り敢えず取りに行ってくれと、近くに居たはしこそうなストリートキッズに小遣いを渡した。

「其れから、着ねぇドレスも持って来い。…五月蝿ぇな、新しいの位、贔屓の旦那に作って貰えよ。」

渋る娼婦の中で一番歳若い者に走らせれば、己はさてどうした物かと。
本来であれば己が行きたい所だが、屋根を伝って隠密行動をするにも上背が邪魔だし、
野次馬から消えれば此の明るい髪の色はどうしたって目に付く。
思案がてら火を点けた煙草――…其れを一本灰にする頃に、
男の掴んでいたバルコニーの桟がもう無理だと役目を終える。
飼葉と、平たい布団と、極彩色のドレスの中で男を抱き止める事になるとは、今は未だ、知らずに。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からジュリエットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にジードさんが現れました。
ジード > 貧民地区の中でも一層治安の悪い路地裏の片隅。
ちょうど平民地区と貧民地区とを繋ぐ裏道に当たる路地に怪しげな露天が構えられていた。
とはいっても場所が悪いのか訪れる人影もほとんどなく店の様相は閑古鳥。
繁盛していないのは一目瞭然。

「さて。真昼間からこんな怪しげな場所を通りがかる人間も早々いないかなあ」

はて、と声を上げながら騒々しい繁華街のある方角に目を向ける。
かといってそれほど騒々しいのが好きではない身の上にとってライバルの
多いその手の場所に店を出すのはあまり好ましいとも思えなかった。

ジード > 「こりゃ本格的に店を出した場所が悪い気がするね。
 仕方がない、今日は一旦引き上げるかな」

家々の合間からも漏れ見える空の青さと人の通らなさを交互に見てため息が漏れた。
商品に自信があっても客がいなくてはお話にならない。
現状維持をする気にもあまりならず荷物を片づけると、繁華街とは反対の方へと消えていった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からジードさんが去りました。