2017/08/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にイグナスさんが現れました。
■イグナス > 貧民地区のそのまた奥、普通の人なら近づかない路地裏が、今晩に限ってやかましかった。
がや、ざわ、ざわ。灯りと足音、喧噪、怒号。
貧民地区に潜んでいると噂の賞金首の、大捕物だ。
お祭り好きの集まるバカ騒ぎと言い換えてもいい。
尤も――
「えぇ、い。くそう、暑い――…ぃっ。」
見当違いの方向に追いかけて、捕物レースから脱落したこの男にとっては、遠い場所での騒ぎだが。
さっきまで全力疾走していたものだから汗だくで、まだまだ夏も終わり切らないから、ひどく暑い。
滝のように流れる汗と乱れる呼吸に思わず、どかり。路地裏の口に座り込んだ。
そのままばさーと脱ぎ去る上半身。夜風は気持ちいいが、熱を取り去るにはまだ時間がかかりそう。
「ちぇ。…なんだ、くそう、こっちだと思ったンだけどなァ。」
今更めいた悔しさにぼそりと呻く。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にユミエリアさんが現れました。
■ユミエリア > 「あーれぇ、こっちは違ったッスかねぇ……」
こちらはこちらで脱落した者であった。
賞金首を捕らえに来た訳でもなく、ただバカ騒ぎがあったから引き寄せられてきただけなのではあるが。
慣れない地区ではしゃいでいる内に道を外れ、路地裏に迷い込んでしまったのだった。
「んー……うわっ!?」
何を騒いでいたのかを知ることが出来ず、がっかりした足取りで歩いていた所に巨大ないかつい何かに出くわしてしまい悲鳴をあげる。
相当驚いている様子。夜の暗さもあり、思わず尻餅をついてしまっても仕方の無い事であろう。
■イグナス > 「…あン?」
いきなりの驚いた声に眉を顰める。
すぐ近くでした声に何事かと視線をそちらに向ければ――、尻持ちをついた、まだ少女といえる年の女の子だ。
ぱちくりと瞬き、ひとつ。
「何してんだお前。ンなとこですっころんで。」
己に驚いてこけたとは思わずに、かくんと首を傾げてそちらを向いた。
のしり、と落ちる影。夜闇も合わさって、なんともいえぬ威圧感が周囲にまき散らされる。
獲物を取って食う前の獣みたいだ。
■ユミエリア > 「そ、そりゃあびっくりもするッスよぉ!こんな所で!しかも裸で!」
プレッシャーを振り撒きながら近付いてきた大男から若干逃げるように、尻餅をついたまま後ずさる。
「そっちこそ何スか!ウ、ウチはお金とか持ってないッスからね!あとあんまりおいしくないと思うッス!」
言葉が通じる相手なのは分かったので、取り合えず思っていることを言ってみた。
相手を指差したまま腕をぶんぶん振る様子は強気な様でいて、もう一押ししたら泣くんじゃないかと言うくらいには十分に怯えている事を物語っている。
巨人が獲物を食おうとする獣であれば、少女は健気にも威嚇する小動物といった風情である。
■イグナス > ずりずり後ずさる少女の様子と言葉に、ああ、と ようやくそこで納得した様子。
クク、と面白いものを揶揄するみたいに喉を鳴らして笑い
「勝手にビビりすぎな、――裸なンは、まあ、暑かったからなあ。」
今はだいぶマシになったけれど、ぱたぱたと己を扇いでしょうがないとアピール。
どんな理由があろうとも、強靭な肉体の男が目の前にいれば、びびってしまうだろうが。
「…はあ?お前みたいなちんちくりんを食べても美味くは――…。」
そこで言葉が止まる。じっと少女の姿を見れば、その年若さとか色気のない服装でわかりにくいけど、なかなかにおいしそう。
んん、とうなったのち。にまりと笑う。凶暴に尖った犬歯を覗かせて。
「案外うまそうな?」
意地悪く一言。
■ユミエリア > 「だって暗かったし……暑いからってどこでも脱がれると困るッス、どこの蛮族かと思っちゃうッスよ!」
案外優しげな物言いに落ち着いたらしく、悲鳴のような声は徐々に普通のトーンに。
ゴツくてデカいからといって乱暴者とも限らないし。
などと一安心したのもつかの間、またもその言葉と牙を剥く様な笑顔に怯えてしまった。
「ちんちくりんじゃ……い、いや、ちんちくりんでいいッス!なのでおいしくはないッス!」
両手を挙げてホールドアップしつつ男の言葉に答えるのであった。
少女の体格は普通よりも小さく、大男からすればただの子供に過ぎないレベルであろう。
それでも手を挙げた勢いでたぷんと揺れるくらいの胸はある。
当人としては別段部分的な発育のよさをアピールしたつもりではないのだが。
■イグナス > 「蛮族だあ?失礼な奴め、涼んで脱ぐくらいあろうがー。」
半眼向けつつも、相手が徐々に落ち着いてくるならばこちらも最初の威圧感を抑え気味に。
なにせまともに話もできないんじゃあ、困るし。
――といって少し、虐めてもみるんだが。予想通り、あるいは予想以上の反応に、くっくと楽しげに笑った。
「冗談だじょーだん。美味そうなのはそうだけど、いきなりとってくいやしねエよ、……たぶん。」
小柄で発育の良い身体は、いかにも美味しそうだ。
冗談と笑いつつも、やっぱりじっと見てれば食欲――もとい性欲を掠めても来る。
最後の”たぶん”は自分でもやや自信なさそうな、実に無責任な言い方で。