2017/08/15 のログ
プラセル > ああ言う手合いに話は通じないのだ、と言う事は嫌と言う程理解している。
こんな時間に、こう言う界隈を、明らかに買った物を抱えていたとしても、『ソレ』と一目で分かる物が無ければ良くない方向へと事が転がっていく等、多々ある。
そろり、と樽の影から顔を覗かせて周囲を見渡し。

「……、いなさそう、…?」

道を塞ぐ様、佇んでいた姿も消えている。
小さく吐息を逃がしてはゆっくりと立ち上がり、裾についた砂埃を払って。

プラセル > 予期せぬ寄り道になってしまった。
陰鬱な気持ちになりながらも帰路を急ぎ――。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からプラセルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にジードさんが現れました。
ジード > 貧民地区の中でも一際人気のない地域。一般に特に他の地区の人間の近寄らない場所にその露店は開かれていた。
貧民地区からは程近く迷い込んでくる人間も少なからずいるが尋常じゃない気配に大半の人間が回れ右をする。
ダーティな気配に満ち満ちた場所であり、当然店主の商う様な薬の需要もある場所なのだが――

「店を開ける場所を間違えた気もする」

先程から客になる様な人通りが全くない有様だった。
だからと言って今更出店場所を変える訳にもいかないと気を取り直して客を待つように視線を路地に向ける。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にフランさんが現れました。
フラン > 貧民地区でも特に深部と言っていい場所への片道護衛という不思議な仕事を終えての帰り道。
まだよく判らない場所だけに手書きの地図を頼りに平民地区へ戻ろうと路地を歩く。
歩きながらに地図を確認しては道を選んではいるが似たような光景が多いだけにその道があっているかも判らないままに。

「ったく、受ける仕事間違えたよな。こんな場所って聞いてりゃ受けなかったのによ」

今更な後悔を愚痴として口にして兎に角戻るために路地を歩き、
いくつかの角を地図通りに歩いたはずが人気が逆に無くなる始末。

このままではまずいか…と考えだした頃に視線の先に露店を見つけ。
これ幸いと地図の道とは外れるがその露店に向けて足を進める。

ジード > 「――おや。お嬢さん、何かお困りごとかい?」

手持無沙汰に荷物の整理を済ませ、やはり意味の特にない棚の再陳列を終わらせる。
全くに合わないも脳外とも取れる嘆息を漏らした所で見えた人影に向き直り、近寄る少女に笑顔で声をかけた。
あまりこの当たりで見ない顔ではあるのだがだからこそある意味売り込めるだろうという下心が無いでもない。

「とはいっても売れる物はあまり今の所多くないけどね」

そう言いながら自分の棚に目を向ければ大半が媚薬やら麻薬の類。
普段はアクセサリーや香辛料も扱っているのだがこの当たりでは買ってくれる人間がいないので量は控えめだ。

フラン > 露店に近づいていけばどう声をかけるかとふと考え。
場所が場所だけに物取りと間違われてはたまらず、
しかも武装をしているだけに態度次第ではそうみられても仕方ないだけに。
しかしその心配も相手の方から話しかけられて解決し。

「困りごとって言えば困ってんだよ。いわゆる迷子って奴だ」

笑顔で声をかけてくる相手を見れば少し自分よりも年上に見える男性。
一応の警戒は持ったままに確かに困ってると僅かに目を泳がせて頬を掻き。

「私の困ってるのはさて置いてだ…。どんなもん扱ってんだ?」

商人相手にただ聞くのは悪いと考え、何か買ったうえで道を聞こうと考える。
どういった商品があるのかと問いながらも男性の視線を追う様に棚に目を向けて。
そこに並ぶ薬品の類と…あまり多くないアクセサリーや香辛料と眺めていき。
どういうのがお勧めなのかとも聞いてみる。

ジード > 「迷子とはそれはまた――ああ。
 なるほど、奥の方からやってきたクチ?確かに迷うよね。
 平民地区の方から入ってきたなら抜ける道はすぐわかるんだけど」

自分も最初はそうであったとほんの数十年前の事を思い返す。
人間のスパンで言えば長い期間も男にしてみると少し前程度の認識。
迷子と白状しながらもまずは商売の内容を聞いてくる相手に少し感心しながらも荷物に視線を向ける。

「そうだねえ。この辺で取り扱ってる者といえば夜のお供に使うのにいい薬とか、
 使うと気持ちよくなる薬とか?使うあてがあるなら安くしておくよ」

笑いながら薬瓶の一つを持ち上げて相手の目の前に差し出して見せながら言い放つ。
一種のセクハラであるのは認識してはいるがお構いなしだ。

フラン > 「そうなんだよな…奥から戻る最中ってやつだよ。
地図は貰ったんだが道が合ってるか判んなくなってな、
そん時に運よくここを見つけたって訳だよ」

この街に着てまだ日が浅いだけに平民地区こそ覚えたした、
しかし富裕地区や貧民地区など先ず立ち入る必要がない場所に関しては判らないに近い。
本当は迷子という事は隠すべきだが隠し事をしても直ぐに顔に出る、
それに嘘をついても商人相手ならばすぐに見抜かれると考えての判断で。

「夜のお供に気持ちよくなる……?そ、それってアレだよな…?
ね、ねえよ!使う当てなんて私にはねえからな!」

自分で問いかけたことの答えを笑いながら、一つが目の前に差し出されて教えられ。
場所からすれば当たり前なのだが、そっち方面は全く免疫がなく、
顔を赤く染めて大慌てでないと声を荒げてしまう。

ジード > 「それは慣れた方がいいね。色々歩き回らなきゃこのあたりは解らないと思うし」

 それはそうだろうとさも当然と言わんばかりの様子で頷いた。
 自分自身実感として慣れるのにどれだけの時間を費やしたのかあまり思い出したくはない。

「おやおや。それは勿体ない、折角の美人なのに。
 なら――そうだねえ。平民地区まで案内するのはいいけど、
 その代りに一晩相手をしてもらうというのはどうだろう?」

声を荒げて否定する様子ににんまり笑いながらセクハラ同然の提案。
反応を楽しんでいることを隠しもせずに相手を見据える。

フラン > 「やっぱそうだよな。これから仕事してくなら慣れるしかねえか…」

男性のいう事が正論過ぎてぐうの音も出ずにそれしかないかと肩を落とし。
そう言うからには男性は今の自分の用に迷い、そして歩きなれたのだろうと。

「私の事をそんなに言う同業者はいねえって、そういうお世辞は慣れてねえんだよ。
案内してくれんのか?そりゃ助か……ふぇぇ!?
一晩って…アレだよな…?
案内なしで私が戻れるって選択は……もしかしてねえのか?」

男性の言葉にお世辞だろうと気を持ちなおそうとして笑い飛ばし。
案内の代償に告げられた内容に再び慌ててしまい。
もしやこの辺りは案内なしでは戻れないほど入り組んでいるのかと慌て、
もしそうならば提案を飲むしかないと狼狽えてしまう。

ジード > 「今度は平民地区の方から入っていくのをおススメするけどね。
 あんまり奥の方まで行ったならここに来るよりも繁華街の方に要った方がいい。
 地図はあまりこの地区では役に立たないからね」

勝手な増改築なんていうのはよくあることなのだ。
少女の言葉にゆっくりと首を横に振って否定はしておくのだけど。

「別にそこまでじゃないよ。
 頑張って歩けばそのうちどこかには出るだろう。
 それまでの間にここに住んでる薬中どもに襲われたり、
 迷いに迷って一晩過ごす事になっても責任は持てないけど」

どちらも少なからずの確率であり得る事である。
それを踏まえた上で決めろと目くばせ。

フラン > 「好きで奥から来たんじゃねえって、行きは護衛の仕事だったんだよ。
そんで帰りはこれって地図貰ったんだよな。
地図が役に立たねえって……あの依頼人め…」

知ってて渡したなと、半ば騙されたことにようやく気が付き吐き捨て。
男性が問いに首を横に振ることに安堵はするが……。

「歩いてればいつかは辿り着くなら逆もあるって事だろ?
ゴロツキ程度に負けるほど柔じゃねえよ、けどな……」

大勢で来られたり迷いつかれた所に来られては確実に切り抜けられるとも言い切れない。
もしこんな場所で襲われてしまえば助けは絶望的…。
リスクと提案を天秤にかけて選んだのは。

「わ、わかったよ、あんたの提案に乗る、
そ、そん変わりなんだ……優しくしろよな?」

ジード > 「それは半分くらいからかわれたんじゃないかなあ。
 災難だったね。初々しい子をからかいたがるヤツは多いから」

この街の住民は得てして意地が悪い。
悪趣味さの程度と悪辣さの程度は数あるのだけど。

「そこは荒事をやってる人間の腕の見せ所って所じゃないかな。
 方向感覚を養って脱出する算段をつけてみればいいと思うよ?
 ――はい、承りました。それじゃあ行こうか」

楽しそうに微笑んで立ち上がり何処からかステッキを取り出せばそれを露店の入り口に突き立てる。
そうした直後、露店は人間の持てるサイズの旅行鞄へと姿を変えてそれを手に取る。

「では行こうかお嬢さん。自分はジード、名前を先に聞いてもいいかい?」

フラン > 「護衛に雇って揶揄うなんてろくでもねえって。
確かにこの街は詳しくはねえけど初々しいって程新人でもないぞ」

まさか短期間の収入の良さに魅かれたなどとは言えず。
これからは受ける依頼は目先ではなくよく吟味しないと今回みたいになると

「荒事は得意だけどな、殺すわけにはいかねえしな。
方向感覚はいい方なんだぞ。少なくとも野外で迷ったことはないんだぜ?
私の初めてをくれてやるんだ。きっちり案内頼むな」

楽しそうにする男性とは逆に顔を赤いままに目を合わせれず。
行こうというが店はどうするのかと思ったが、
魔法なのか一瞬で旅行鞄にしてしまう様子には驚くしかなく。

「お嬢さんじゃねえよ。私はフランだ、ったく…案内とそのだ…一晩頼むな、ジード」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からジードさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からフランさんが去りました。