2017/06/11 のログ
■カイン > 心底から困った様子でぼやきながらも周囲を注意深く確認すれば遠巻きに伺う何かの気配や、
それこそ昼間とは形を変えた夜ならではの貧民街の気配も感じられるのだが、
猥雑な気配を察した所で現在位置を知るには何の役にも立ちはしない。
と、そんなことを考えていた所で足元を小突かれて首が傾いた。
「…ン?何だお前さんは。お前さんも迷子か?」
そのまま視線を下に向けると一匹の黒猫がうろちょろしているのが見えた。
脚を解いて猫に干し肉を吊り下げる。それに飛びついてくる猫を見ながら肩を揺らし。
「お前にいても道なんか判らんよなあ。猫に聞いて道が判るなら楽なもんだが」
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/空き地」にオルセィユさんが現れました。
■オルセィユ > 「迷い人。道行く先を諦めるか―――ん?」
小さいエッセイのような本を読みながら箒を片手に。どこかで見たらしき人の顔を脳裏で整理して迷い当てる。
「コンバンハ。名無しの人。」
箒を建物の後ろへ隠してから、男が座る木箱の場所までずんずんと進み出て。後ろから手で目の部分を隠して目覆いをしてしまおうかと悪戯を試みるは成功するか?
掌は温めたつもりはないがヒンヤリと冷えた夜に体温があり。
■カイン > 「そうそうくれてやる気はないぞ、っと…お?」
素直に反応を見せ野生のまま干し肉に飛びついてくる猫の様子を楽しげに眺め、
ブラブラと目の前で肉を揺らすという鬼のような所業を楽しんで居た所で、
人の接近に気がつくのが遅れてしまう。ふっと視界が陰った直後、動きを止めたのを見逃さず肉をかっさらう猫。
得意げな猫の様子を見ることも叶わずに、後ろから聞こえた何処かで聞いたことのあるような声にはてと首をひねり。
「こんばんは、と朗らかに挨拶を交わすには随分な所業だと思うが――さて、いつぞすれ違ったなお嬢さん?」
軽い調子で声を返しながら、己の目を塞ぐ相手腕に軽く触れるように指を這わせ。
■オルセィユ > 「おやおや。良くおわかりで。いつぞやのですよ?」
勿体振った調子で声を出して、しかし小さくクスクスと笑う音が一緒に漏れて。駆け去る猫がいたことまでは計算していなかった己の不手際にいったん溜め息をついて見送って。
ちょっとだけ触れてくる指はこそばゆい程だったが何故かドキドキと心の臓をいわせてしまう、その所業が小憎らしいが何も言わずにおいて。
腕を伸ばしたからいいが、木箱が大きくて少し前へつんのめる形。早速掌を外して姿勢を楽にしてしまおう。
「こんばんは?どう予想した顔つきの人だった?」
■カイン > 「一度聞いた声はそれなりに覚えている方ではある。
ま、仕事柄というやつだが恨まれることが多いんでね」
おどけて言い返して見せながらも、己の目の拘束を解かれれば軽く振り返って相手の顔を改めて確認する。
いつぞ、貧民街で見た顔であるのは間違いない。はてと顎に手を当て。
「凡そは?それで、一体こんな所でお前さん何してるんだい。
何をしてるのかという事で言えば俺も人のことは言えんがね」
前にあったのもそういえばこの区画だった気がする、と思い返しながら首をひねる。
とは言え自分自身は迷子のみの上ではあるのだが。
■オルセィユ > 男が振り向くまではニコニコとほほ笑みを浮かべていよう。そこからキョトンとしたように目を瞬いて。
「仕事柄ね―――。私は、掃除をしていたよ。どこの?少し遠い場所の、それから、こっちへやって来た。」
会って間もない人を相手によもや墓掃除とは言わずに。箒は手元に今はないものの、前髪にちょっとついたクモの巣の端っこがまるでついさっきの事実のように物語っていて。
まさかここで目の前の人物が迷い人となっているとはつゆ知らず。ぐるっと木箱の周囲を回って、男の隣の場所へ行こうと。
「猫のことはゴメン。あなたこそいったい何を。」
■カイン > 「ほう、そりゃまた仕事熱心なことだ。良いことでもあるけど」
それに関しては違いないと言わんばかりに頷いて見せながらも、顎に手を当てる。
が、すぐに言われた言葉に思わず喉を鳴らして笑ってしまい。
「別に謝られるようなことではないさ、それにおかげでとりあえず目処は立ちそうだ。
何せ俺は迷子なものでね、場所がわかる人間が来てくれればあいつは用済みってわけだ」
言いながら視線を向けるのは広場の隅で肉を食べている猫だ。
取られるとでも思ったのかちらりとこちらを一瞥した挙句に威嚇してくる様子に肩を竦めた。
■オルセィユ > 「嬉しいね。まさか褒められるなんて思わなかったよ。」
仕事の事で褒めちぎられたみたいに、満面に笑みを浮かべてみせ。前髪にくっついたクモの巣に自分で気がついてシマッタと言って両手をぱたぱた翳し取り払ってしまおう。
迷子とか聞くといったんどう出るか迷ってしまい、言葉を曇らせかけて。
「―――…あ。迷子?楽しい御身分であらせられるね。わかる道なら私が案内するよ、全く知らない道ではない。」
食事中の猫が可愛らしくてふ、と一つ笑い声をこぼして。腕を伸ばして男の手を取り、成功したら胸の前、両手で握りしめてしまおう。
■カイン > 「あんまり褒められなれてないと見えるね、その様子だと」
半ば以上社交辞令の言葉にここまで喜ばれてはそれはそれで面映い。
曖昧な表情で女性の様子を眺めながら頬杖を改めて付けば、
随分と埃っぽい場所を掃除していたらしいと当たりをつけて首をひねり。
「それは助かる。正直、期待してた。最悪猫に頼ることも考えたからな」
適当に放り出せば人のいる場所には向かうかもしれないという、
実にアバウトな方法でではあるが。と言い合う間に手を取られた様子に、
不思議そうな表情を浮かべて相手の腕を指でなぞり。
「こりゃまた積極的だな、何だい。俺の腕がそんなに珍しいかい?」
笑いながら問いかけて目を細める。
■オルセィユ > 「お名前を伺ってもよろしくて?私はオルセィユ。」
ひとまず自分の名前を名乗っておこう。実際にしていたのは埃っぽい場所の掃除だが、今日は枯れ葉は付着していないと思われ。
「わからない道がある時は一緒に来たらいいよ。でも、うん。く………擽ったいったらあ…!」
なぞってくる指の動作がどうしてか物凄く擽られる感じがして思わず声を上げたが、自然と上擦ったものと変わり焦りが生じて目を泳がせかけて。正直なところ腕だけでなくて不思議と下半身の擽ったさをも覚える動作であった。
「あなたの仕事は、擽り屋さんなの?マッサージ店でも探しているかしら。」
■カイン > 「俺はカイン、しがない傭兵だ。よろしくするかどうかはさておき、覚えておいてくれよ」
相手の名前を聞いてから己の名前を返せば喉を鳴らして、
くすぐったいというあいての抗議も柳に風と聞き流しながら指と指を絡めて見せる。
「それじゃ遠慮なく頼らせてもらおうか。人の手を勝手に取ろうとするよりはマシじゃないかと思うけどな?
体をなぞられるのはあんまりお好みじゃないかね」
そのまま顔を覗き込めば、悪戯めいた表情でにんまりと笑いかけ。
■オルセィユ > 「名前教えてくれてありがとうカインさん。」
擽られるような感覚が絡む動作に変わると、こちらからもしっかりと指を組み合わせてギュッと握り返答で足りない部分を補おうとして。
背中を叩いて立ち上がりを促そうとしたが、ちょうど両手塞がりで身を捩るしかなかった。さっきの名残で背中と肩が細かに振動しているが小さく笑っているかのようでもあり気にかける程ではなく。
「なんて言うか。今日は興奮しやすくなっていて。」
覗き込んでくる顔を見据える瞳が夜のさなかできらきらとして。言い訳めいた文句を乗せる唇が心なしかわずかに乗った唾液で光っていよう。
■カイン > 「こちらこそ、オルセィユ。……うん?」
戯れるように名前を言い返し、握り返してくる指の力にゆるく笑う。
立ち上がることを促す動きに自分も立ち上がろうと思えば、興奮しやすいという言葉に思わず吹き出してしまい。
「ハッハッハ、そりゃまた随分大変そうだ――大変そうだとは思うが、
男にそういうことを言うもんじゃないぞ?襲われてしまっても大変だからな」
上機嫌にそんなことを言い放てば絡めた指に力を込めて、
唇と唇を重ねてしまおうとそっと頭を落とす。
そのまま肩を抱いて己の方へと引っ張り込んで膝の上に載せてしまおうと手を回し。
■オルセィユ > 「あ。それは………大丈夫、ッうん」
吹き出す男の動作が面白くて少しの間目で追っており、人の動きを観察する動作を。こそばゆい手がしっかりと握り込んできた。
そんな事を考えている間に、上げた頭上で交わされる唇が、最初こそ柔らかいと思って油断をして。指の先がピクッとしなり、呼吸の合間に吐息が小さく漏れて。
下半身が熱さを持ってきた。濡れているのはすでに唇だけでないかもしれない。引かれる体に任せて、そうすると木箱の上に乗った男の膝上に腰が来るのか。うまく乗れはせずに片方の膝を立ててつんのめる体勢となり。
「………狡い。」
小さな言葉が一つ漏れた。
■カイン > 「さて、何が大丈夫だと言うのかぜひ説明してもらいたいもんだけどね」
引っ張り込んだ結果己の手の内に収まってしまった相手の体を見ながら意地悪く問いかけながら、
顔だけでなく体全体が己の近くによってきた華奢なそれを抱え込みながら臀部をゆっくりと撫でまわし。
「男ってのはズルいもんだ、知らなかったかい?
――それともベッドの上で可愛がられたりするのがお好みかな」
意地の悪い問いかけをからかうように告げながら、
啄むように唇を重ねるだけのキスを数度繰り返し。
■オルセィユ > 耳の奥で鼓動が鳴いて騒がしい。
「あ…。え、えと………。」
啄む唇が、話すチャンスを与えてくれているというのに頭はなかなか上手には回ってくれなくて。尻を撫でる手に逆らいはしなかったが。
重なる唇をそっと舐めて味を見ながら、頭を少し乗り出して男の唇を甘噛みしてみたい。口付けに対する興味のほうが、危機感より勝った結果。
ベッドと告げられた言葉がなぜか涙を誘いかけるが、自由になったほうの手を出して相手の膝を撫で上げて。こちらも一応は負けず嫌いな性分のつもり。
「知らないなんて、ことはないよ。たぶん、きっとそうだよ」
■カイン > 甘噛を受け入れて、弾力のあるお尻を柔らかく虐め続ければ、
相手の舌の動きにこちらの舌でも応じて軽く触れ合わせる。
膝を撫でる手にむず痒そうに体を軽く揺らしながらも、
そんなことはないと告げる相手に応じるように強めにお尻を鷲掴みにし。
「そうかい、そうかい。それはよかった――じゃあこのまま何処かに俺がオルセィユを連れ込んで虐めたって問題ないよな?」
意地悪な言葉を繰り返しながら、項を軽くはむ。
相手の手が太ももを貼って上に行けば、硬い物が既にいきり立っているのが判るはず。
■オルセィユ > 難しいことを考え始めると頭が痛くなってくる、これは考えるなというサインかとも受け取れ。
お尻が強い刺激を受けるとぴくと背がのけぞって一つ大きく声が出て。
「―――ふ。ううんっ…!…ア。」
返事がなかなか上手いこと思いつかないものだと、頭をひねるよりも言葉を先にと思うがなかなか先に進めず。項に落ちた唇の柔らかさでまた一つ声が漏れて、痒がるような所作で首を動かし。瞳にかかる熱で濡れた輝きは乾きはじめており。
這う掌が辿り着いた先で、硬く石とは違うものが確認できたなら指先をそれへ這わせて先端を摘まんでみよう。
「問題、大ありなんですけど。こんなの、…どうしたらいいか。」
こんなの、と男自身を撫でながらちょっと文句を言ってみたい。
■カイン > 「俺の側は感嘆だ、オルセィユの事を抱きたい、ってな。
お前さんが弄ってる所がそうなってる理由なんて一つしかないだろ?
欲望を満たしたい、女を孕ませたい、ってそう言ってんだ」
何不思議なことを言ってるのかとキョトンとした表情で言い返しつつ、
布をたくし上げて秘所の入り口へと指を這わせればその中へとゆっくりと指を押し込み、様子を確かめてゆく。
文句とともに弄ばれた一物はそれだけで喜ぶように大きく震え。
「オルセィユがどうしたいか、それを口に出せばいいだけだろう?」
耳元で毒のようにそっと囁きかける。その間にも濡れた秘所をゆっくりとほぐすよう、
指が押し込まれて豆を親指で弾き。
■オルセィユ > 「ん、…っ簡単だね。」
単純な言葉に直してくれたのが有り難い。男のものが震えたのをぎゅっと握り締めて。
ワンピースが簡単に捲れる構造なのが憎らしい。耳だけといわず鼓動を打つ下半身の、濡れたあそこは指一つ分を難なく受け止めて、しかし熱を持つ場所は内圧ばかりで柔らかさはあるものの男を受け入れるまではなかった。腰が震えて、頭の回転が悪くわけがわからない言葉を発しているやもしれないがそれは知らない。
「う、く…なんて言うのかって、あなたはズルい人だね。…ああ。もう、ここで。」
耳にかかる息が擽ったいがそれどころではない。半ば自棄のように言ってしまい、上半身を乗り出してズボンの上から男を咥えようと唇を差し出して。
■カイン > 「男と女の情事なんてのは基本的に感嘆なもんだ。余計なことを考えないほうが、楽しいしな。
さっきも男はずるい生き物だと言っただろう?」
上機嫌にとり用によっては中々にひどい言葉を臆面もなく言い放ちながら、
相手の様子をしっかりと確かめ続ければ続いて聞こえた言葉はどことなくやけっぱちのような言葉。
ずるいと再び言われた言葉に思わず声を上げて笑いながら、
相手の求めに応じるように前を開ければちょうど顔の前にそそり立つ剛直が解放される。
独特の雄の匂いを撒き散らしながらに、相手の頭を軽く撫でた。それこそスキにしろと言わんばかりだ。
■オルセィユ > 「………ぅン。」
ここで男自身が曝け出されると嬉しげに、喉がころりと鳴って。そういう己を恥じはしなかった。
頭を撫でられるとさっきの猫を可愛がる様が思い出されて重ね合わせようとしてしまう、なかなか面白くありふふっと息を漏らして笑ってしまい、そうやって吐き出された息が男のそれへかかるだろう。
「…あ、……んっン」
これで求めに応じられなかったら一大事である。早速口の中に男を仕舞い込んで、正確には先端から数センチ飲み込んだだけだが、大きく匂いが強いそれに咳き込みつつ舌を這わし。
ズボンの布を握り締めてから、気が付いて男自身に添わせる方向へ。
■カイン > 「
■カイン > いい子だ。…案外反応が素直だな?」
吐息にくすぐったげに身を捩らせながらも、相手の動きを見下ろせば喉が鳴る。
むせる様子を見せる相手に無理をすることはないと告げながらも、優しく頭をなで合わせたまま、
手が伸びる様子を見ればそっと頭から頬へ指を流し、相手の手を捕まえる。そのまま軽く揺らして見せながら、
愛撫を受け入れれば相手の口内で暴れる一物。好き勝手に跳ね回り。
■オルセィユ > 「ええ、と………。っうん」
捩った体が可愛らしく思えてきて、お礼にもう一節分だけ深く男を口に飲み込んでやり。
男が捕まえた手が、所在を失ってひらひら揺れて物悲しささえ漂わしているようだ。悪戯をけしかけようとしたでもないだけに、無念さがあり眉毛を下げて。
と、手を取られると支えを一つ失ったことに気がついて。深く咥えたことは後悔するが今更かと、這わせ難くなった舌をあまり動かさずに小さく震わせて愛撫を加えよう。
■カイン > 「……ン、そろそろいくぞ」
相手の愛撫を受け入れていけば、刺激そのものはそう強くはないとは言えそう遠くなく限界がやってくる。
相手の指に己の指を絡めて、軽く握ったあとで揺らしがてら言葉の通り、口内へと精を解き放った。
大量に精を流し込みがてら、と息を吐いて気遣うよう相手を見やり。
「…ン、大丈夫化か?」
■オルセィユ > 「………っう。」
絡む指。さっきの仕返しみたいに指先で掌をこそばゆく撫でて。
男性の匂いが濃厚に口の中へと入ってきて思わず眉を顰めて、それでもできるだけ零さないよう気をつけながら迸りを飲み込んで。
それでもこぼれ落ちた精が口を伝って外へと出る、顎を性から外してそれらを夢中で追い掛けて、舌を這わせるが追いつかないものもあり。
「ありがとう。いいよ。」
気を使ってくれている男の顔を見上げ、絡んだ手を外して下衣を直してやり。自分のワンピースの裾を立ち上がることで直すと頬にキスをして、もう一度ありがとうと言ってから、互いの別れを告げるとどこか名残惜しい動作でゆっくりと立ち去って。
■カイン > 「――はっ、ン…そうだな、また――あ」
余韻に息を吐きだして、戯れるような会話と動きの後に身支度を整えて立ち上がる。
そうしてお互いにまたと言い合ってあるき始めた後、ふと気がつくのは自分の身の上である。
結局道を教えてもらいそこねたことに気がついて、大きめの息を吐きながらさまよい歩くことを選択するのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/空き地」からオルセィユさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/空き地」からカインさんが去りました。
ご案内:「裏路地」にウィルバーさんが現れました。
■ウィルバー > 終課の鐘が鳴り、人々が家路に着くころ。
僕も仕事を終え、本来ならまっすぐ家に帰る予定だったのだが今日は思うところがあり、昔使っていた店に寄り道した。
昼間から酔っ払いが転がっている路地の更に奥にその店はあった。
久方ぶりに見る店は多少経年を感じさせるが面影はそのままで、店にいる店員は少し歳を取っていた。
僕の方が以前のままの顔なので少し驚かれたが、昔を懐かしみつついつも買っていた商品を買う。
手短に要件を済ませた僕は、店を出た所で今買ったばかりのソレをパイプに詰、火を付ける。
「はぁ~~~。」
早速、高揚感が昇ってくる。
初めて使った時は意味もなく大笑いしていたものだが、今では流石にそれはない。
ただ、やはり気分は良い。
■ウィルバー > パイプのリップに口を付け、煙を吐き出す。
草特有の臭いが周囲に広まっていくが、この路地ではそれが当たり前だ。
僕の前にここに来た人も同じことをしたのだろう。
この通りは絶えず草の臭いがしている。
感覚が研ぎ澄まされるので、初心者が魔術の感覚を高めたりするのにもよく使われている。
尤も、うちの生徒には使うなとは言ってあるが。
彼ら彼女らは将来もあるし、心配する親も居たりする。
僕みたいなの同じ道を歩ませるわけには行かない。
■ウィルバー > 草の作用と、急速に力を取り込んだ影響もあってか。
僕のテンションは異常に高くなっていた。
表には出さない様に抑えてこそあるが、所謂、体を動かして仕方がない状態である。
普通の人はこういう時は運動でもして発散させるらしいが、僕の場合それでは収まらない。
後ろ暗い感情が僕の中で蠢いているのを感じる。
今ならちょっとした弾みで平気でなんでもやってしまいそうな、そういう精神状態。
「…へへへ。」
本来は警戒すべき状態であるが、今の僕はそれすらも楽しく思えていた。
前言撤回。
やはり、草の影響は今でも起きるようだ。
■ウィルバー > 何かやらかしたい所であるが、こんな所で弱い物虐めをしても面白くない。 なので、場所を変えることにした。
ご案内:「裏路地」からウィルバーさんが去りました。