2017/06/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2/空き地」にカインさんが現れました。
■カイン > 夜半と呼べる頃合いになれば、普段は忙しない貧民街も静けさを保ち始める。
そんな中、路地と路地の間に取り残されたように存在する空き地に一人の男が居座っていた。
打ち捨てられた木箱の上に座り込み、足を組みながら頬杖を付く様は場所が違えばどこかの悪漢のよう。
元々悪い人相とあいまって、人攫いかなにかのような気配を発していた。だが、しかし――
「いかんな、完全に迷った」
その口からついて出た言葉はどこまでも解りやすい弱音だった。
格好はそのままにがっくりと肩を落とし、空き地の周辺を見回してみるが目印になるものは何もない。
元々数時間前にあったバラックが少し目を離したスキに消えて失せる事など日常茶飯事の場所である、
地理に疎いよそ者が気儘に歩き回ればそうなるのは当然の事といえば当然の事である。
「ガイドでも雇ったほうが良かったかね、参った」