2017/05/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にカルニーツォさんが現れました。
カルニーツォ > 「まぁまぁ、そう興奮なさらないで...」

大勢で賑わう安酒場の片隅。あちこちで歌声やら怒声やら嬌声やらが聞こえてくる騒々しさの中、ランプの影に隠れて、姿も見えにくいテーブルに男が二人向き合って、コソコソと小声で話をしている。

一人は痩せた黒ずくめの男。もう一方はよく見ればそれなりに上質な服を着た中年の恰幅の良い男。恰幅の良い男が気色ばんだ様子で、身を乗り出して何かをまくし立てるが、相手の男はそれを意に介した様子もなく、チビチビとジョッキを傾ける。

「以前もお話ししたとおり、私の仕事は完全成功報酬制です。別にあなたに損はさせていないでしょう?それに期限まではたっぷりと時間はありますよ?万が一失敗したとしても、迷惑はかかっていないはずですよ?」

顔を真っ赤にした恰幅の良い男がジョッキを思い切りテーブルにたたきつける。その拍子にテーブルの上に並んだ空ジョッキやら食器が床に落ちる。近くにいた客が、その音に一瞬振り返るが、またすぐに仲間内同士で大声で話し始める。

「え?依頼を取り消す?まぁ、それでも結構ですよ?少なくとも私に依頼したのがあなただとはバレていないはずですし...」

痩せた男が返事を言い終えるまもなく、恰幅の良い男は勢いよく立ち上がると、大股でそのまま店を出て行った。

「っと、お勘定...ハァ、仕方ないですね。ここの代金くらいは違約金代わりに支払いますか...」

小さく溜息をつき、肩をすくませると、またチビチビとジョッキを傾けはじめる

カルニーツォ > 「さて、しばらく暇になってしまいましたねぇ...お金の方も少々頼りなくなりましたが...」

言葉の割りに慌てた様子もなく、ニコニコと笑みを浮かべ、ジョッキを傾けながら店内を見回す。めぼしい女を見つけてはジロジロと眺め、頭の中で点数をつける。

『6点...いや、5点かな?』

頬杖をつき、つまみを口の中に放り込んでは、ジョッキを傾ける。時折通りかかる店員にコインを弾き飛ばして、追加の注文を取る。それでも暇を持て余しているのか、誰憚ることなく、大口を開けて欠伸をしては、店内を見回しては女を採点し続ける。

カルニーツォ > 「おや、もう空ですか...」

手にしたジョッキを振り、中を覗き込む。そして小さく溜息をついて、財布を覗き、さらに溜息を一つ。

そのままゆっくりと立ち上がると店の外へと足を向けた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からカルニーツォさんが去りました。