2016/12/15 のログ
ソル・グラディウス > 「何を謝る必要がある。シンシアだって嫌々抱かれた訳じゃないんだろ?
 だったら俺がいう事はねぇよ。」

寂しそうな瞳でグラスを鳴らす彼へそう告げる。
ほんのりと赤みがかった表情を向ければ、いつもと変わらない表情を向ける。
彼女の選択なら、と自己完結したがやはり気分は落ち込む。

「アイツは優しいな。どっちも好きで、どっちも傷つけたくないから、悩んで悩んで…
 それに見かねて引き下がったお前も優しい。いい男だな。」

彼女の事のついて小さく呟けば、引き下がった彼の事について話す。
愛する女性をこれ以上悩ませたくないという気持ちにより引き下がった彼。
その行動を聞けば否が応にもいい男と判断するしかない。

(…優しくないのは、俺だけか)

内心でそう呟けば、下を俯く。
自分だけ、自分だけが引き下がらない、悩まない。何もしない。
その現状に自己嫌悪が込み上げてきて、ただ落ち込む。

ノーガルト > 「いや、そっちじゃないぞ…?…俺の所為で、あいつを苦しめてしまったからだ。」

(いやいや抱かれていたならば、さすがにこの男に殴られていたかもしれない。
そもそも、そんな強姦めいたことをするならば娼婦館にでもいって、それなりのプレイをする。
この男はそういう男だ、女に対しては別段興味を持たない。勿論男にもだが。)

「優しいというか、放っておけなかったんでな…。最初にあったのも、こんな月夜だった。」

(思えば、あのころから惚れていたのかもしれない。所謂一目惚れと言うヤツだ。
悩ませたくなかったし、これ以上あいつの辛い顔など見たくもなかった。
だから、彼女に選択させようとしたけど、その所為で余計に悩んでしまった。
だったら、2つのうちの選択肢のうち、一つを消し去るほかなかっただろう。)

「…そして、ソル……。お前にも、一ついいたいことがある。」

(その視線は、少しだけ鋭いものに変わった。
どこか、それは彼に問いただしているかのような顔。
酒を注ぎ足し、口につけてから――尋ねる。)

「お前は……シンシアとネネ、どっちが本命なんだ…?」

ソル・グラディウス > 「あぁ、そっちか…いや、すまない」

帽子を深々と被り、彼に対して謝罪する。
自分の事を言ってたような気がしたが彼女の事だったようで
勘違いしたことが恥ずかしいと共に安心した風に息を吐く。

「月夜ね…」

暖簾を少し退けて、月を見上げる。
満月の月明りが貧民地区を照らす夜。確か、自分と彼女が最初に出会った夜もこんな日だったような…
月というのは恋を成就させる魔法でもあるのだろうか。
そんな下らないことを考えつつも、カウンターへと身体を戻す。

戻った時に彼が鋭い視線でこちらを見ている。
問いだたしているような彼の表情と発言に此方も目を細めながら返答する。

「両方だ」

彼の言葉に迷わず、即答する。
今にでも指摘されて批判されるかもしれない。
しかし、自分の中にはこの答えしか存在せず、こう答えるしかなったのだ。

ノーガルト > (月は、時折人の心を素直にするという。
もしかしたら、久しぶりにノーガルトの心も、素直になったのかもしれない。
話し相手はいつもダインだけ、人とかかわることはほとんどなく。
だけど、シンシアと言う女にあって、少しだけ心を開いたのかもしれない。
恋は気の迷い、とよく言うが…こういう気の迷いなら、悪くはない。)

「…………はぁ、だろうな。」

(軽いため息をつき、頭を抱えた。
これだからシンシアも悩んだのかもしれないが…話しぶり、口ぶりからして。
そのことはまあ、疑いようもなかった。)

「…じゃあ、お前はどっちかしか助けられない状態だったら…どうするんだ?」

(少しだけ、意地悪な質問をぶつけた。
どちらかしか助けられず、天秤のようにゆれている中…どっちを選ぶのか、と。)

「俺の…最も敬愛する人の言葉に、人は生まれながらにして誰かを愛することが出来る。しかし、その対照は複数にはならない。こういう言葉がある。」

ソル・グラディウス > 「…知っているさ。この答えが歪んだものだっていうのは」

彼のため息、頭を抱える様子を見れば、そう呟く。
自覚はしている。愛する女性に二番目が存在してはいけないことぐらい。
しかし、自分は本心から二人を愛している。その事を偽るようなことはしたくはなかった。

「何とも意地悪な質問を…それじゃあ、どっちかを助けるなんて答えた時点で俺の言葉が嘘になってしまうだろ。」

彼の言葉に眉間の皺を寄せながらそう返す。
酒を一口飲んで、息を吐きながら飛んでくる彼の発言に目を細める。

「…だから、何か?愛する者は二人以上は作るな。ただ一つに執着しろってか?
 ……お前の敬愛する人の言葉だか何だか知らないが、俺はその言葉には従えねぇな」
 

ノーガルト > 「………。」

(シンシアの言葉が、どうしても引っかかっていた。
自分は、二番目だからと言う言葉。それでいたほうがいい、と言う言葉。
だからこそ、ノーガルトも本気でシンシアを自分のものにしようとした。
二番目で、苦悩するのが目に見えていたから。)

「…既にお前が、ネネという存在を従えた時点で、シンシアがショックを受けていた…。その事実を知っても、なおそんなことをいえるのか?」

(其処だけが、どうしても気に入らなかった。
一つに執着するべきかどうか、そのことはノーガルトにも決めかねるし、選ばれなかったものはどうしても傷つく。
彼女は、それを恐れて悩み、そして苦しんでいた。)

「…シンシアも、お前のように思えればよかったんだがな…。」

(くす、とノーガルトは笑った。
右手を軽く上げ、「意地悪な質問をしてすまなかった」と、軽く詫びておこう)

「なあ…ソル。一つだけ答えてくれ……。お前が、もしシンシアが、俺とお前…両方を選んだら、受け入れられるか?」

ソル・グラディウス > 「そう…だったのか…」

彼女の苦悩。
自分が彼女とは別の女性を愛することにより与えてしまった悩みを聞き、小さくそう呟く。
彼女の苦しみを彼の口から聞けば、自己嫌悪が加速していく。

「……あぁ、受け入れるつもりだ。………だが、不満が無いと言えば嘘になるかもしれん」

彼の言葉を聞けば、間をおいてそう答える。
彼女の望みとあらば、自分が二番目になってもいいと思ってた。
しかしながら、いざ生活が開始して、不満が起きないと言い切れずにいた。

「全く、さっきの優しいなんて言葉は撤回する。とんでもない男だなお前。
 この意地の悪い魔剣使いが」

帽子を深々と被れば、横目で彼を見てため息交じりにそう告げる。
意地悪な質問をして悪かったと謝罪した後の質問に不満げにそう発言した。

ノーガルト > 「そうか………。」

(吹っ切れたように、ノーガルトは笑った。
ぐっと、酒を一気にあおり、喉を鳴らせるように笑う。)

「魔剣使いというのは、誰だって底意地は悪いもんだぞ、二股男。…後、」

(ノーガルトは、2人分の代金をテーブルに置いていた。
ゆっくりと立ち上がり、マスターに地層になったと礼を言う。)

「俺のことは、ノル…そう呼んでくれ。」

(笑いながら、そして吹っ切れたように笑いながら。
ノーガルトはソルの肩を、ぽんと一度叩いた。)

「シンシアに会ったら…こう伝えてくれ。必ずまた、飯を食いに行くと。」

(身を引いた…けれど、ソルと話。そして、己の気持ちを酒で整理して。
そして、もう一度彼女に会おうと、そう想い…宿へと戻っていった。)

ソル・グラディウス > 「そうかって、お前なぁ…」

自分の発言にどうも言わずにしている彼に顔を向ける。
そして笑い出した彼に体をビクッと反応させる。
酒を一気に飲む様子を見れば、酔わないかと少し不安になり頭を抱える。

「はは、そう言われれば、確かにそうだな。…俺もお前も同じだ。…ん?」

彼の言葉を聞けば、乾いた笑い声を出してそう告げる。
立ち上がる彼を見上げながら、こちらはまだ酒を飲む。

「…あぁ、気が向いたらな」

笑いながらも肩を叩く彼へ小さく答えながらも少し不審げに感じる。
笑い過ぎだ。何故先ほどまでの会話からこうも笑顔になれる。
その正体を解明できぬまま、彼が宿へと戻っていく。

「……わかった。伝えておく。……全く、どっちかを選ぶなんてそもそもが間違えてるだろーが」

ため息交じりにそう答えれば、酒を一気に飲み干して金をその場において立ち上がる。
暖簾をくぐって外へ出れば、満月を見上げる。
こんな良い夜なのに、自分の心は全くもって澄んでいない。

嫌な感じだ。
そう考えつつも、息を吐けば自分の住んでいる宿へ向かっていく―――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からノーガルトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からソル・グラディウスさんが去りました。