2016/11/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にノアさんが現れました。
ノア > カタカタと.. 唯一割れていない窓が、夜風を受け不愉快な音を立てる。残りの窓はあちこち割れたり欠けたりしていて、当然其所からは容赦なく冷気が吹き込み。

そんなボロ空き家、家具も何もない部屋の隅で膝を抱えていた。フードを深く被り、ローブに全身をすっぽり隠し、少しでもこの寒さを凌ごうと小さくなって..

「 .....ったく、もう.. こんなのやだっ。」

街では未だ衛兵達が、逃した女盗賊の捜索を続けていた。幸いにも顔は見られていないものの昨日の今日で宿屋に泊まる訳にもいかず、かと言って何処へ行っても衛兵だらけ.. 仕方なくこうして空き家に潜んでいるが、そろそろ寒さの限界。漏らした不満も震え声、歯と歯がかちかちと小さく鳴った。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にマノとロノさんが現れました。
マノとロノ > みしり。
女盗賊の背後で、廃屋の朽ちた床板が小さく鳴る。

「…………!!」

どこか割れた窓か壁からでも入ってきたのか、そこには2つの小さな人影が立ち尽くしていた。
同じ背丈、同じ髪型の子供が2人。1枚のクロークに2つの身体を包み、その裾から伸びる脚は細い。
女盗賊を見つめる瞳は、2つは赤、2つは青。貧民街の頼りない灯りを受けて、その瞳は不自然に輝いている。まるで猫の瞳のように。

「………先客、いた。どうしよう……」

赤い瞳の少年の唇がかすかに蠢き、性徴に乏しい声を紡ぐ。その廃屋にいる者たちにのみ、かろうじて聞こえる声量。
去ろうか、去るまいか。子供はしばし、寒さに震える人影を呆然と見下ろしている。