2016/11/03 のログ
エミリー > 「綺麗だと思うよ~?」

自分の目にはそう映っている
お互い見つめ合って確認しているのを眺めながらふと思いつく
鏡を見た事がないのかな?と

「私のは~普通かなぁ?
うん、危ない人には近づかないよ~。もしそんな人が来たらゴーちゃんがズバ~ってするしね~」

一言も離さず車椅子の取っ手を握り不動のままの黒甲冑
見掛け倒しと手を出すには異様過ぎる見た目のおかげで黒甲冑の活躍は未だ無い
暖かい子供の頭に触れる冷たい手
じんわりと温かさが手に移り心地いい、彼は確実に人間だろう

「そっかぁ寂しいかぁ…でも2人だから平気なの?」

2人一緒に居るから平気とは言うけれどどうやって彼らは生活しているのか?
お父さんがいた、居るではなくいたと言ったのだから今は本当に2人きり
そもそも…

「何で2人は無事なの?」

自分から見れば2人は可愛らしい顔立ちをしている
その上2人とも栄養が十分とは言えないが足りていないようにも見えない
奴隷狩りにあわず尚且つ最低限は食事もしている筈
只の子供2人でそんな事をやり遂げるのはここでは無理だった筈なのに

「秘密があるなら~気になる?」

首を傾げ赤い眼の少年を見る
ロノと呼ばれた少年は何だか話が通じるか不安なので

マノとロノ > 「うん、寂しくても、痛くても、僕はロノがいれば平気。
 ロノも、マノがいれば平気って思ってる。……あ、マノってのは僕のことで、ロノはこっち」

今更ながらの自己紹介。この期に及んでもまだ、青眼のロノは一切口を開いていないが。

「無事……ああ、さっき僕が言った、連れ去られてどうこうって意味の無事?
 ……どうだったっけ、ロノ。僕たちって……無事だった?」

妙な質問を、隣の少年に(相も変わらずそちらを向かないまま)問いかける赤眼のマノ。
やはりロノは口を開かず、ぼーっと目を八分開きにしたまま女性を眺めている。
しかしマノはそれで何かを得心したかのように、口を開く。

「……うん。何度か、さっきおねえさんに言ったみたいに、大人のひとに無理やり連れられていったことはあるよ。
 いきなり殴られたこともあるし、知らないとこに閉じ込められたこともあったね。
 そのときはやっぱり怖かったよ。でも、僕たちはすぐ逃げられるから大丈夫だし、大丈夫だった」

そして、ふと口をつぐみ、ふたつの赤眼で女性を見据えたまま、しばし押し黙る。何かを脳内で整理しているように。
10秒も待たずにまた口を開く。

「これからもまたひどい目に遭うかどうかはわからないけれど。
 でも、僕たちは……少なくとも王都では、この辺しか過ごす場所はないから、ここにいる。
 ……おねえさんが聞きたい『ひみつ』、このくらいでいい?」

字面では怖いことを思い出して語っているように見えるものの、マノの口調は明確な停止点以外は比較的滑らかで、どこか明るさも含んでいるように聞こえるかもしれない。

エミリー > 「ロノ君とマノ君かぁ…短くていい名前だね~」

短くてとても覚えやすい
赤眼のマノと青眼のロノ、簡単に覚えられた

「すぐ逃げられるんだ…凄いね~
ロノ君とマノ君は繋がってるのかな?」

言葉を離さずにマノの質問に答えたであろうロノ
方法としてはすぐに浮かぶのは魔法と予想できる
それとマノは何かを記憶することをロノに任せている?という事も

「うん、たくさん教えてくれたから満足~
2人とも頭が良くて良い子だね~」

こちらの意図を酌んで質問させてくれた2人の頭を撫でみる
こういう時の感謝にはお金が良いらしいが…ローブの中を探ってみれば数ゴルド
これではパンも買えやしない

「ん~お礼がしたいけどお金がないの…
お金以外で欲しいものなんて有るかなぁ?」

首を傾げ尋ねる
お金じゃないなら要らないと言われたらまぁ仕方ないと椅子にもたれなおしながら

マノとロノ > 女性の発した、『繋がってるのかな』という言葉。
それを聞くと、マノは……いや、ロノも。2人して目をまんまるに見開き、驚いたような表情を浮かべる。
そのまましばし互いに見つめ合ったのち、また向き直って。

「おねえさん、わかるんだ。うん、僕とロノは繋がってる。
 ロノが覚えて、僕が考える。だから、2人でいれば大丈夫。
 他の人は、繋がってないらしいね。ひとりで覚えることも考えることもやるのって、大変じゃないかな」

いままで、近親者以外の他者から指摘されたことのない事実。2人の間では当たり前となっていた、精神的な連係。
それを耳にすることで久しぶりに言語化され、マノは思わず、そう問いかけた。

「……でも、僕とおねえさんは繋がってないけれど、お話は楽しい。
 久しぶりにこんなに喋ったような気がする……どうだったかな、ロノ」

マノは顎の疲れを主張するかのように、歯をカチカチと鳴らした。その歯は作り物のように白い。
そして、またロノからの返答を脳内で受け取ったマノは、目を細めて笑みのようなものを作り、

「……あはは。54日ぶりだって。そのあいだずっと、僕はロノとしか話してなかったんだって。
 口と喉が疲れちゃったけど、なんか気持ちのいい疲れだと感じてる。
 ……お礼だなんて、僕たちはただお話していただけだよ。へんな人」

お礼とやらを差し出そうと衣服の中を探る様子に、マノとロノは再び互いを見つめ合い、不思議そうに首をかしげた。

「うーん、じゃあ、おねえさんの名前を教えて。あと、後ろの鎧の人の名前も。
 ロノ、いろいろ覚えると楽しいから」

エミリー > 「分かるよ~何となく。
ロノ君喋らないのにマノ君はちゃんと分かってるみたいだし?」

固定観念が薄いおかげか見たままの事実を受け入れられる
そんな自分からすれば彼等はどう見ても繋がっている
有り得ないと思わない柔軟な発想のなせる技

「楽しいなら良かった~
疲れちゃったなら無理はしちゃだめだね~」

54日ぶりに話したら…自分には耐えられないほど疲れただろう
頑張ったね~と褒めつつお礼に名前を教えてと言われればすぐに応え

「私はエミリーだよ~
あと、ゴーちゃんの名前はゴーだよ~」

あだ名ではなく名前がゴー
由来はゴーレムから来ているが今となっては遠過ぎて思い出せない思い出
あまり長い名前だと呼びにくいし覚えられないのでこれくらいが丁度いい

マノとロノ > 「うん。僕が……ロノが喋ると、マノが喋るよりもちょっとだけ疲れるから」

唐突に、青眼のロノの方が口を開いて言葉を発した。やや掠れているのは久々に声帯を使ったせいか。
しかしそれを抜きにすれば声色はマノのそれと全く変わらず、口元を観察していなければ区別はつかないほど。

「それに、2人で喋るとややこしいって……ええと、父さん?に言われたから。
 ロノをずっと黙らせておくと、それはそれで怒り出す人もたまにいたけど……まぁ気にしてない」

再び声の発生源はマノに戻る。ロノは音もなく左手を背にやり、背後に隠していた小さな水袋から水を口に含んだ。
……よく見ると、クロークの覆いの下で、マノとロノはぐっと固く手を握り合っている。

「エミリーに、ゴー……ね。覚えておくよ。ロノがね。
 ロノ、しっかり覚えておいてね。また出会った時にちゃんと思い出せるように……」

水で喉を潤し終えたロノにマノがそう指示すると、ロノは青い瞳をまっすぐ2人に向け直し、今度はそのシルエットを舐めるように上下にゆっくり往復させ始める。
しっかりと意識的に脳に焼き付けようとしているかのようだ……が。
ふとした瞬間に、マノとロノの白い顔が同時にぽっと朱色に染まり、同時に目を伏せてしまった。

「……ごめん。女の人のこと、しっかり、長い時間見るの久々だったから。
 えっと……なんか変な気分になっちゃった。気にしないで」

今まで十分に己等のことを客観視していたような口調だったマノも、今度ばかりは消え入りそうなつぶやき声になってしまう。

「でも、エミリーとゴーのことはもう覚えたから、大丈夫。エミリーも僕とロノのことを覚えていてね」

エミリー > 「ロノ君想いだね、マノ君は~」

ロノを気遣って自分が話しているらしいマノ
優しい子なんだなとぼんやり考えて褒める
貧民地区に居ていい子に育つなんてかなり珍しい

「そうなんだ~短気な人も多いんだねぇ」

気持ちは分からないでもない
きっとこの2人は声もほどんど同じだろう
眼の色以外何も違わない2人に同時に話しかけられたら混乱してしまう
簡単に想像できるのになんで怒る人が居るのか、これが分からない

「ん~しっかり覚えてね~ロノ君」

こちらをじっと見つめるロノ
しっかり脳裏に焼き付けているのかと思えば2人の顔が同時に赤くなり下を向いた
何だか面白い反応をするなぁ、と特に気にはしないが

「うん、エッチなマノ君とロノ君だね~♪」

ムッツリスケベ、と小さく笑う
初めて見た人間らしい反応がこれなら2人はきちんと男の子だ

マノとロノ > ロノは青い瞳を一瞬伏せはしたものの、すぐにまたエミリーさん達の方へ視線を戻し、細部まで観察を続けている。
しっかり覚えてね~、と本人に督促されたので躍起になっているのかもしれない。

他方でマノの方はどんどん顔が赤くなっていき、呼吸も荒くなっていく。
ぎゅ、と空いた右手で背中にかけたクロークを引っ張り、所在なさげに握りしめながら、昂る感情を押し殺そうとしているようだ。

「えっ……エッチなの、僕たち……?
 そ、その、女の人をじっくり見ると、こんな気分になるのって、普通なことだと……うう……。
 でも、なんだかその……あまり、こうなってる僕たちを、見てほしくないっていうか……」

マノの声は今にも泣きそうに震えて聞こえるが、反して言葉自体はスラスラと紡がれる。

「僕とロノが交互とか同時に喋るとややこしかったりうるさかったりするらしいけど……。
 でもロノが黙ってると失礼だって怒る人がいて……とくに位の高そうな人とか。
 だからあまりこっちから話しかけることはなくて……。
 ……ロノ、もう覚えたでしょ……もう見なくていいよぉ……」

ロノの記憶した事柄がマノに流れ込み、マノの側で感情として処理しきれていないのだ。
マノがいくら目を伏せようとも、エミリーの見た目の情報はロノが見て記憶に変えているのだから、ロノが見るのをやめない限りマノの赤面は止まらないだろう。
……あるいは、ロノはわざとそうやって彼女を眺め続け、マノをからかっているのかもしれない。

そして、2人の当惑を如実に表すように、地べたに座り込むマノとロノの丈の短い貫頭衣の裾が、軽くテント状に持ち上がっているのが見て取れるだろう。
薄汚れた下着に覆われているので中身は見えないが。
マノはその無様な生理反応を脚をもじもじさせながら隠そうとするが、うまくいかない。ロノに至っては立たせっぱなしである。

「ほらぁ……ジロジロ見るのは失礼だからぁ……」

マノ単体でもかろうじて保持している一般常識を引っ張り出し、制しようとする。

エミリー > ロノは回復が早くまたこちらを見ている
熱心に覚えてくれているのだろうが…どうにもマノの様子がおかしい
顔なんてもうかなり赤くなってしまっている

「ん~よく分かんな~い♪
でも、顔の赤いマノ君も可愛いよ?」

声は震えても言葉は詰まらないマノ
けれどその顔はもう真っ赤で…うん、可愛い
位の高い人……あぁ貴族かも?貧民地区に偶に居る貴族
怒る位ならここに来なければいいのに

「ロノ君は素直だね~
でも見てるだけでそんなになっちゃうの?」

テント上に張った貫頭衣
その意味は分かるがローブの上から見ただけで反応するのは純粋に凄いと思う
そんな中でも我関せずなロノと羞恥に悶えるマノ
2人とも反応が真逆なので見ていて面白い

「子供が我慢ばっかりしちゃ身体に悪いよ~
2人とも男の子だもんねぇ、仕方ないよ~♪」

よしよしと頭を撫でてから2人の固くなった所を軽くさする
我慢は体に毒、できうる限りしない方が良いに決まってる

「2人とも可愛いし、私で良いなら~相手するよ?」

小さく微笑み首を傾げた

マノとロノ > 「かわいい……? 僕がかわいい……?」

エミリーさんの発した甘言を、反芻するように口ずさむマノ。
出会い頭の「瞳がキレイ」しかり、あまり聞き慣れない言葉で、どう受け取って良いのか戸惑っているのだ。
何度かぶつぶつと「かわいい」という言葉をつぶやいた後、潤んだ瞳でマノはエミリーさんを見つめ返し、

「……その。ロノも、かわいいって言ってほしいって思ってる。
 よくわかんないけれど、良い言葉だから。
 でも、エミリーがどうしてそんなに僕たちに……ええと、いい言葉をどんどん掛けてくるのか、僕たちにはわからない…」

もうロノの悪ふざけ?を制するのは諦め、マノは思ったことを素直に口にすることにした。

「それに、うん……女の人を見るだけでこんな風に変な気持ちになるのも、なんでかは分からない。
 ……ああ、ロノは覚えてる。前にもこういうことは何度もあったって。でも理由はやっぱりわからない。
 エミリーが知っているのなら教えてほし………っあ!!」

最後の嬌声は、2人同時である。まるで初な女の子めいた甲高い鳴き声がステレオで貧民街の通りに響いた。
そしてすぐさま、マノは右手で、ロノは左手で、股間に触れてくる女性の手を制するように握り返した。その力は弱い。

「……エミリーが、その、『相手』してくれるなら、嬉しい。ロノも嬉しがってる。
 でも、ここだと他の人も見てるから、僕、ちょっとはずかしい……エミリーは恥ずかしくないの?」

マノはそう哀願するように声を発し、そして2人は同時にちらりと背後に目配せする。すぐ傍に、闇に包まれた路地裏が伸びている。
赤と青の瞳は羞恥に潤み震えているが、どちらもエミリーさんを真っ直ぐに見つめている。
提示してきた『お相手』というものの正体をある程度は知っていて、また期待しているようだ。
信頼・信用なるものが全くまかり通らないのが常識である貧民街において、あまりにも純粋にすぎる反応であろう。
エミリーさんが二人をどこかに連れて行こうとするなら、ホイホイとついていきそうだ。

エミリー > 「そだよ~…あ、ロノ君も可愛いからね~♪」

可愛いを何度も連呼している
カッコイイと言われなかったのがお気に召さなかったのかと
思ったがどうやら逆だったらしい

「2人とも可愛いよ~
可愛いは褒め言葉だから~喜んで良いんだよ~」

なぜ良い言葉を掛けてくるのか
…可愛いものを可愛いと言っているだけなので細かな答えが出ない
ただそう思ったからとだけ答えて

「それは多分興奮、かな~?
ん、ロノ君は結構慣れてる感じかな?」

前に何度もあったのなら慣れたものかと思ったが2人ともとても可愛らしい声で鳴いた
貧民地区の男達には刺激が強いのかこちらを見る視線が一気に増えた気がする

「ここだとやだよ~
だからちょっと場所を移して~お楽しみ~♪」

王都の外れの廃墟
元は貴族の別荘が~とかだったらしいが今となっては自分の寝床
あそこなら丁度いいと2人の手を握り

「じゃぁ行こうか~ちょっと遠いけど歩いてね~♪」

そのまま車椅子が動き出す
ゴロゴロとのんびり2人の手を握りながら笑顔を浮かべて愛する寝床へ
黒甲冑の薄気味悪さに誰も着いて来られないまま4人はそのまま夜の闇に溶けていった

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 街路」からエミリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 街路」からマノとロノさんが去りました。